歳不相応に豊満な乳房に、生々しい触手が伝った。
まるで鰻の様に、ボディースーツの中で蠢き回る。
薄暗い部屋の中で、百合は弄ばれていた。
その形の良い尻を撫でる様に異物がのたうてば、彼女は顔を真っ赤にして震える。
怒りと、それ以上の羞恥心を以て、百合は呟いた。
「クッ……殺せっ」
その台詞を「甘美なり」と静聴する妖剣士が一名。
全身から触手を生やした異形の男は、その奇顔を悦で歪ませた。
「好い、その反応が拙僧を昂らせる。もっと怒れ、恥じろ」
「ッッ」
百合は唇を噛みしめる。
そして舌に歯をかけた。
自害しようとしたのだ。
しかし妖剣士がソレを許さない。
口に触手をねじ込み、舌をねぶる。
「……ッ、~~ッッ!!」
深く口付けを交わされている様であり、百合は耐え難い悪寒を覚えた。
触手の先端から、粘りのある液が溢れ出る。
百合はソレを直に飲まされた。
暴れるも、何十何百から成る触手の檻に体を拘束されている。
恥辱と嫌悪で涙目になる百合の横顔を、妖剣士は本当に嬉しそうに眺めていた。
彼は言う。
「拙僧の粘液は特別性でな、生存本能を直接刺激し、性欲を著しく高める。身体の感度も上がっている筈だ」
妖剣士の眼前で、トロンと瞳を潤ませている百合がいた。
しかし、その気概は未だ崩れていない。
異常をきたした自身の肉体を必死に制御しようとしていた。
「無駄だ……ほぅれ」
妖剣士の触手がボディースーツの中でのたうち回る。
敏感になった乳房の先端を擦られ、百合は堪えきれず喘いだ。
「ひッ! あぅゥっ♪」
百合は、驚愕で目を見開いた。
今の声が自分の声だと到底信じられなかったのだ。
妖剣士は涎を滴らせる。
「好い、好いぞ……その反応、余程自尊心が高いと見えた。じっくりねぶってやる」
「やめ、ろぉ!! んっ、あぁッ! アッ♪ やァァァァァ!!!」
ボディースーツの中で触手が一斉に蠢く。
百合は抗いきれず、総身を震わせて果ててしまった。
◆◆
百合の痴態を存分に堪能した妖剣士は、月光が眩い屋上へとやって来た。
背中に帯びた薙刀の如き太刀を右手に持つと、その場で深く一礼する。
彼の目前には、それはそれは美しい人間が居た。
ダブルスーツの上から純白のロングコートを羽織った絶世の美男。
新雪の如き肌は触れれば崩れそうで、温和さを醸す糸目がその美貌を更に際立たせている。
女にも見える絶世の美男は、月光を背に妖剣士に微笑んでみせた。
「愉しんでいる様で何より」
「ハッ」
妖剣士は頭を下げ続ける。
人外の剣客集団「
彼に対し、妖剣士は心より忠誠を誓っていた。
吹雪は微笑む。
「愛する──拙者達が成せるのはそれのみ。故に命を懸けて愉しむのだ。所詮、何時か果てる身……なれば、各々の方法で愛を紡ぐべき。──拙者は、貴殿の全てを許そう」
「勿体なきお言葉……ッ」
吹雪款月──世界最強の剣士達『天下五剣』の一角を担う剣客である。
彼が大和と対峙するような事があれば──互いに世界最強同士の戦いになる。
しかし偶然が必然か──二人が合間見える時は刻一刻と近付いていた。
◆◆
牡丹は淫らな舞を踊っていた。
窓の外から流れてくる喧騒を、その可憐な喘ぎ声で打ち消す。
薄暗い部屋の中で汗を弾かせ、男の上に跨っていた。
最奥を貫かれると喘ぎ声が掠れる。
熱で柔らかくなった肢体は、男の硬い筋肉によく馴染んだ。
時に組み敷かれ、時に後ろから突かれ──
濃密なキスを何度も交わられ、その顔は蕩けきっていた。
彼女は女の悦びを刻み込まれてしまった。
もう、この男無しでは生きていけない身体にされてしまった。
日が上がり、また落ち──
デスシティの喧騒が蘇った頃、牡丹は陶酔しきった表情で男の腕に抱きついていた。
部屋に満ちる、汗と愛液の混じり合った淫靡な香り。
それを男──大和が煙草の紫煙で塗り替える。
布団で眠っている二人。
牡丹は程よい大きさの胸を大和の腕に寄せ付け、囁いた。
「凄かったです……あんなの、初めて……っ」
「表世界じゃあ、あんなの味わえねぇだろう」
「はい……もう、貴方じゃなきゃ満足できない……っ♪」
牡丹は甘い溜息を吐くと、大和に言う。
「ねぇ、大和様……一つ、お願いしてもいいですか?」
「何だ」
「……私の友人も、この都市に来ているんです。その子を是非、助けていただきたいんです」
「面倒くせぇな」
「顔も身体も優秀ですよ? それに……私とはまた違った性格の子です」
「……」
大和は牡丹に三白眼を向ける。
「友達を売るのか?」
「人聞きが悪いですよぅ。命を助けて貰うのですから、身体で支払うのは当然です……百合ちゃんも、きっと満足してくれます。勿論、大和様も♪」
「……写真、あるか?」
「コレです」
牡丹は準備していたのか、素早く写真を取り出す。
大和は肩を竦めながら写真を見た。
気の強そうな横顔。端正な顔立ちに歳不相応な肢体。
大和はニタリと嗤った。
「……中々イイ女じゃねぇか」
「でしょう?」
「いいぜ。……でも、もう一度お前の身体を味わってからな」
「あっ♪ 大和様、駄目ですよぅ……百合ちゃんが、アぁんッ♡」
大和は牡丹の首筋を甘噛みする。
そうして彼女を味わい尽くした後、もう一人の魔忍──百合を捜しに行った。