林中の中での二ヶ月間   作:夜仙

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すいません。一気にここまで飛んでしまって。これは作者の力不足です、はい。


三十二日目

 あれから早くも一ヶ月、黒死館に住むことに小栗はもう慣れ、場所も大体何処にどの部屋があるかも分かるようになった。そして、本棚にたくさんあった錬金術の本もすでに半分は読み終わっている。

 

 そんな彼は今日も読書をしている。かなり集中して読んでいるのか二時間はあのままでいる。

ふいに彼は本を閉じ、窓から外を見て、ぽつりと

 

「吹雪か……どうりで寒いわけだ」

 

と呟いた。

 

 彼の言う通り、この館の外は如月(二月)の吹雪で辺りが真っ白になっており、その風景は神秘的だとも、嫌な天気だとも言える。

 

「こんな時は家でじっとしているのが一番だな」

 

 そう言って彼は部屋を出て、台所へと向かった。

 

 

 黒死館の台所(と言うより厨房)は電気をつけなければとても暗い。晴天だったらまだいいほうだが、今日みたいな天気が悪い日だと真っ暗で何も見えない。

 

 小栗はとりあえず電気のスイッチを探した。ただ、やはり真っ暗なせいで何も見えず分からずで、手を焼いていた。そんな中彼は懸命にスイッチを探しているとき、足の小指に鈍器でやられた痛みが生じた。

 

「痛ッ!」

 

 思わずそう言い、自分の小指に手を触れる。まだ痛みが残っており、ギンギンと鳴り止まない。思わず顔に苦痛の色を浮かべているのが鏡がなくても分かる。

 

 その時だった。小栗はちらと上を見ると、かすかに電気のスイッチが暗闇の中で白くぼやけて見える。

 

 小栗は痛みに堪えながら、直立し電気のスイッチに手をかける。

 

 次の瞬間、部屋の上で静かに眠っていた電灯が起きて、光を辺りにまき散らした。

 

 白くて、清潔とも思える台所があらわになる。長い間、主人が居なかった台所がどうしてこんなに綺麗かはひとまず置いておくとして、台所で小栗は目的物を見つけた。彼は自然と目を細めた。

 

 

 

 

 吹雪の林中でたった一つポツンと建っている黒死館の中で小栗は一人読書にあけくれていた。書架の上には彼が読んでいる本と、湯気を出しているホットココアがあった。

 

 そう。小栗が台所へと行った理由はこれだ。彼は寒い日にはコーヒーやココアを飲んでいた。そして、或る人物と談義していた。その癖からか小栗はさっきココアを飲みたくなり、台所へ行き、冷蔵庫の角に小指をぶつけて痛がりながらも、食器棚の中にあったココアの元(恐らく奴が用意した)を見つけて、作って今に至る。

 

 小栗はまたちらと窓の外を見た。相変わらず、外は如月(二月)の吹雪で辺りは真っ白だった。彼はココアを一口飲むと

 

「やはり寒い日にココアは合うな」

 

と言って、微笑を浮かべて外を見た。  

 

 

 

 




こんな小栗もありだと思っています。
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