ご注文はゲーマーですか?   作:天翔blue

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オリジナル作ろうとすると原作通りいかず
原作通りいこうとするとオリジナルが作りにくい
って言う難しさがありますよぉ...。

UA500突破してる!やったぜ。


第五話 お姉ちゃんらしさ、お兄ちゃんらしさ

また前話から二日後。

「ん~^...はぁ~...。」

 

深は疲れ切っていた。

自分の荷物と途中で運ばれてきたココアの荷物を

二日で全て二階に運びきり、くたくたになっていた。

 

「今、仕事中ですからね。

寝ないでくださいよ。」

チノに強く言われ、ため息をつく。

 

深の様子に反しココアは

「ありがとうございました!また来てください!」

と元気な様子。

 

「...チノはなにやってんの?」

 

「春休みの宿題です。なかなか終わらなくて。」

 

「いっそのことココアにやってもらいなよ。この前すごい早かったし」

 

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「「うわぁ。結構メニュー覚えないといけない」」

ココアと深は偶然同時に言う。

 

「そうか?私は一目で暗記したぞ?」

 

「すげぇ...。」

深は驚き、驚嘆の声をもらす。

 

「チノは香りでコーヒーの銘柄当てられるぞ。

ただし、砂糖とミルクは必須だ。」

 

「なんか今日一番安心した。」

ココアはそう言うが、深は

 

(なんだこの二人。すげぇな。)

 

とかなり驚いていた。

 

「私も特技あったらなぁ...。」

 

「そんな超人クラスの特技なかなかないぞ?」

半笑いしながら深は突っ込む。

 

「チノちゃんは何やってるの?」

とココアがチノに質問する。

 

「春休みの課題です。空いた時間にコッソリやってます。」

 

ココアがチノの方に寄る。

 

「その答128で、その隣が367だよ。」

 

リゼが少し驚き、試すように問題を出す。

 

「ココア、430円のブレンドコーヒーを29杯頼んだらいくらになる?」

 

テストでよくみるわりと面倒な問題。

430(30-1)で求めるとわりと計算しやすい。

 

「12470円だよ。私にも何か特技あったらなぁ...。」

 

...早い。即答だ。

 

「嘘だろ...。俺ならあと二秒ほしい。」

 

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「びっくりしたわ、あの時。」

 

「確かにびっくりしました。」

二人ともクスッと笑いながら言う。

 

「俺が宿題手伝おうか?

今お客さん来てないし、ポンポン進めちまおうぜ?」

 

「ありがとうございます。まるでお兄ちゃんみたいですね。」

その一言にココアが反応し振り返る。

 

「えー!深君だけずるい!私にもお姉ちゃんって言って!」

ココアがチノにそうねだる。

 

「...ココア、ちょっと来て。いいこと思いついた。」

深はココアを呼ぶ。

 

「ん?何?」

ココアがこっちに来る。

 

「ちょっと耳貸せ。」

深は耳打ちする。

 

「...なるほど!そういうことね!」

ココアは納得してくれたようだ。

 

「何を話したんだ?」

リゼが質問する。

 

「俺、弟がいてね。実は兄貴らしくするのは、

時々でも構わないんだわ。だから重要なのはその時のインパクトだ。」

彼は初めて弟がいることと、兄としての立ち回りの持論を話した。

 

「だから立ち回りを大きく変えてもらおうと思ってさ。

より『姉らしく』クールに、ね。」

深は笑みを浮かべる。

 

(もしかしてこの状況を一番楽しんでるんじゃないのか?)

リゼが思う通り、深はこの状況を楽しんでいた。誰よりも。

 

「さてうまくいくかな?」

深は小さくつぶやいた。

 

結果。『びっくりするほど裏目に出た(まさかの大失敗)

 

「ココア...嘘だろお前...。まさかだよホント。

こけてカップ手放して俺の方に飛んでくるとは思わなかった。」

深はとっさにコーヒーを手でガードしてしまったので、やけどしてしまった。

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

ココアが必死に謝る。

 

なぜこうなったか。実に簡単だ

『いいところ見せようと調子づいてコーヒーをこぼす』

という実におかしなミスによるもの。

 

「俺言ったよね、『チノちゃんのサポートに回って。それでうまくやっていく。』って話だって。」

半ギレである。やけどが痛いのでイライラしている。

 

「どうして『良いところ見せようと無理した』の?

コーヒー三つも運ぼうとして大失敗してるじゃん。」

 

「ごめんなさぁい...。」

ココアがかなり落ち込んでいる。

 

「それ以上責めてやるな。元はお前が提案してやったんだ。」

リゼが止めると同時に

深の提案の末に起こってしまったことだ

とココアをかばう。

 

「まぁ、そうか、そうだよな、少し言い過ぎた。

すまんなココア。」

今度は深が謝る。

 

「うん。ごめんね。」

ココアも深を許しつつ謝る。

 

「それよりこれからどうするんですか?

深さんこれからお仕事出れないんじゃないですか?」

チノがかなり怪訝な顔で言う。

 

「安心してぶっちゃけちょっと痛いだけ。

ただれてはないし、大丈夫。」

深は大丈夫だと親指を立てる。

 

「ココアさん、あまり無理すると

またこうなるかもしれませんので、気をつけてください。」

チノはココアに注意する。

 

「わかった、チノちゃんごめんね。」

ココアはかなり落ち込んでしまっている様子。

 

とりあえずリゼは帰宅し、ココアとチノと深は自分の部屋に戻った。

 

「裏目に出ちゃった...。私お姉ちゃん向いてないのかな...。」

ココアが窓から夜空の星を見上げながらつぶやく。

 

「それは早すぎるんじゃないかの。」

ココアは後ろを振り返る。

 

いつも、チノの頭に乗っているアンゴラ兎のティッピーがいた。

 

「...やっぱり喋ってるよね?」

ココアが少し疑う。

喋っているのは『チノの腹話術』

らしいが真偽は明らかではない。

 

「そんなことはどうでもよい。」

ティッピーが軽くあしらう。

 

「どうでもよくないよね!?」

ココアが突っ込みを入れる

 

「まぁ、話をきかんか。

今日無理して失敗をしてしまったことをあまり気に病むでない。

失敗は誰にだってあるし、それは成長する過程で必ず必要じゃ、

そして直していけばよいのじゃ。」

 

ティッピーがそう励ます・。

 

「...ありがとう。ティッピー。」

ココアがティッピーに近寄り、持ち上げる。

そして笑顔を見せた。

 

「これからも頑張るんじゃぞ。ココア。」

ティッピーの最後のエール。

 

そう言われた後、ティッピーを降ろした。

ティッピーは開いたままになっていたドアから部屋を出た。

 

 

 

「少し痛いな...。はぁ...。」

深も落ち込みながら考えていた。

 

(どうすればうまくいった?どうして予定が狂った?)

 

彼の計画は経験則によるもので確かな自信があった。

それゆえに、失敗してしまったことに悔しさを感じていた。

 

「やっぱり、悩んでおったか、深。」

 

「...!誰!?どこにいる!?」

ベットに座っていた深は辺りを見渡し、

ドアが開いているままになっているのと、眼下にティッピーがいるのを理解した。

 

「ティッピー?どうしてここに?」

 

「そんなことはよくてじゃな。話を聞いてくれんかの?」

ココアと似た状況なので慣れてしまったのか、

サラッと話をそらし、話し始めた。

 

「今回、おぬしの計画がうまくいかなかったのは、

ココアとおぬしの経験の差じゃ。

そもそもココアは末っ子じゃろ?

姉としての立ち回りを知っておらんし

おぬしが話したのは『兄としての経験則』じゃ。」

 

「あ...そうか。そりゃ失敗するわけか。」

 

自分の計画の粗を指摘されすこし落ち込んでしまった。

 

「じゃが、ココアの手助けをしようと計画を練るあたり、

『仲間想い』なんじゃの。が、どうして即興で計画が練れたんじゃ?」

 

今度はティッピーがフォローをいれながら質問する。

 

「昔色々あったの。それだけ。こちらも質問させてくれ。

本当はチノのじいさんなんだろ?」

 

「なんのことじゃろなぁ...?」

 

また話を逸らしティッピーは部屋から出る。

 

「人って、思ったより思い通りにいかないなぁ...。」

深はぼやく、昔のことを思い出しながら。

『もう取り戻せない仲間』のことを、思い出しながら。

 

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その次の日

「ん...ふわぁ...ねみぃ。」

 

ふと時計を見る。

 

「あ、やばい、遅れる。急いで着替えないと。」

 

慌てて着替えリビングへ行く。

 

「今日はおやすみですけど...」

 

チノに言われ思い出す。

 

「そうか、今日は休みか。ココアは?」

 

「そろそろ起きてくるころでは?」

 

「そうか、じゃあちょっとココアの部屋行って昨日のこと謝ってくる。」

そう言ってココアの部屋の前まで行くと

 

「遅れちゃう!」

 

と部屋を飛び出してきたのですれ違う直前にとめる。

 

「今日は休みだ。」

 

「あっ、そうだった!」

ココアも忘れていたようだ。

 

シーンと静かになる。昨日のことで気まずさもある。

 

 

「昨日はごめんな。」「わたしこそごめんね。」

 

偶然、同時に謝った。

少し笑った。ココアも深も。

 

「仲直りの握手でもするか?」

 

「うん!そうしようか!」

 

仲直りの証に右手で握手する。

 

「どうやら、仲直りしたようですね、朝ご飯にしましょう。」

 

後ろから来たチノが言う。

 

「わかった。飯にするか、ココア。」

 

「お姉ちゃん手伝うよ!」

 

ココアはいつも通りに戻ったようだ。

 

三人でリビングに向かい並んで歩いた。

 

 

 

 

 

 




そろそろ、進めないとアニメ二話の話が組み込みにくくなる。
進めなきゃ(使命感)


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