そしてまたもやシリアスいれます。
入れなきゃきつい
仕事中、ふとココアが
「そういえば、ラビットハウスのカップって無地だよね。」
と発言したことから始まった。
「シンプル・イズ・ベストです。」
「そう、落ち着きのある無地が一番だ。」
口を揃えてチノと深は無地を推す。
「私は色々な柄があってもいいと思わない?」
とココアの提案に
「そうでしょうか?」
とチノが思ったよりいい反応をしていたので、お店に行きカップを見てみることに。
「かわいいカップだね~!」
「こらこら、あんまりはしゃぐなよ~。」
子供のようにはしゃぐココアをリゼが注意する。
「やっぱリゼさんって姉っぽいですね。」
「そうか?」
「いや、ココアが妹にしか見えないからか?」
「どっちだよ。」
ココアとチノを眺めながら、深とリゼが楽しそうに談笑していると、ゴッと鈍い音がした。
「あ、おいおいおいッ」
目の前でココアが棚にぶつかり
上にあった壺が落ちそうになっていた。
「よっと…っ重い重い」
深がとっさに壺を受け止め、割れるのを阻止することができた。
やっぱりココアは何かと危なっかしい。
一波乱の後、ココアが気に入ったカップを見つけ、手にとろうとしたそのとき、
「「あ」」
時を同じくして同じカップを取ろうとした女の子がいた。
「こんなシチュエーション見たことあります。」
「ああ、よく恋愛に発展するよな。」
「いやこれ完全に恋愛もののテンプレだよ。」
三人ともその二人をみて、恋愛ものの作品のワンシーンを想起した。
「あれ、よく見たらうちの学校の後輩のシャロだ。」
「へぇ~。すごく気品のあるオーラだなぁ...。」
後ろ姿からもその気品の良さがわかる。
深が思わず感嘆の声をもらすと、その女の子『シャロ』がこちらに気づく。
「あれ!?リゼ先輩じゃないですか!?どうしてここに!?」
「?誰ですかリゼさん。知り合いですか?」
関係性ををまだ理解していないチノがリゼに質問する。
「ああ、うちの後輩だ。ココアと深と同い年だな。」
「え?リゼちゃんって年上だったの?」
リゼの答え方から『リゼが年上』だという事実を
ココアは今理解したようだ。
「え?今やっと理解したの?」
「え!?深君は知ってたの!?」
ココアはやっぱりどこか...色々抜けすぎている。
「今日はバイト仲間とカップを買いに来たんだよ。」
「どうだ?シャロは欲しいものはあったか?」
「私は見てるだけで十分なので...。」
「そうなのか...。」
「...あれ?」
「どうした?」
「いや、一人、男の人...。いましたよね?どこに行きました?」
リゼとシャロが会話を交わす中、
深がどこかへ消えたように
いなくなっていることにシャロが気づく。
「あれ...ホントだ。おーい!深~?」
リゼがすこし声を張り深を呼ぶが...
「返事がないな…ちょっと探してくる。」
リゼは深を探すためお店の中をぐるりと一周して探すことにした。
周りを見渡していると、外に深はいた。
「おーい…っていた…外でベンチに座ってる。
一人で何やってるんだ...?」
リゼが店から出て、ベンチに座る深に話しかける。
「どこにいったかと思ったぞ。勝手にどこか行くな。」
とリゼが深を叱るが、深のおかしな点に気づく。
「こいつメモ帳持ったまま寝てるな...何かメモってたのか?
少し気が引けるが...見てみるか...。」
深が左手に持っていたメモ帳を取り、中身を見てみると
「人物相関図や一人一人の性格が書かれてる。人間観察とかが趣味なのか?
...最後のページだけ一文しかないな。」
その最後のページの一文をみたとき、リゼは衝撃のあまり絶句した。
その内容は、あまりにも悲しい、深の選択。
そしてそれが深が苦しみの先に見つけてしまった選択なのだと。
「なんで、そんな生き方で生きようとするんだよ...?」
リゼが深の苦しみを理解してしまった頃。
ココアたちは、シャロとの会話を楽しんでいた。
「え?リゼちゃんが暴漢からシャロちゃんを助けてくれたの!?」
「ええ。とってもかっこよかったわよ。」
「リゼさん、かっこいいです。」
ココアとチノは完全に騙されていた。
実際、シャロは暴漢に襲われたことはない。
本当はうさぎを怖がっていたところで、リゼが兎を追い払っただけなのに。
「そういえば二人はリゼ先輩をどう思う?」
「う~ん...なんて言えばいいんだろう?真面目?」
「頼りになる...のですが...。」
「...どうしたの?さっきからずっと難しそうな顔して...。」
二人ともシャロから出された質問に対し言葉を詰まらせていた。
「ま、まあ。カップでも見ようよ。チノちゃん。」
「そ、そうですね。そうしましょうココアさん。
シャロさん。何かよさそうなカップありますか?」
「え゛!?話そらされた!?」
返答に詰まった二人はカップの話へ無理やり切り返した。
「え、えーと...。この香りがよく広がるのとか、取っ手の触り心地の良いのとか。」
「いえ、あの...うちはコーヒーを主としているので...。」
「あ、ああ、そうなの。じゃあ別のを探しましょうか。」
三人とも同じことを考えていた。
(すごく、気まずいよ...。)
(すごく、気まずいです...。)
(すごく...気まずいわね...。)
シリアス入れないとやっぱ作りにくいなぁ...。
原作ストーリーを基盤にしてつくらないとなかなかきつい。
深のメモの最後のページには「青野 深」
のすべてを総括したような一文として中盤辺りに出したいと思います
三人はこの気まずい雰囲気をどう乗り越えるのか...