オラリオに暴獣が来るのは間違っているだろうか   作:チミチャンガ

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酒豪、異世界に立つ

「ま...地球のノッキング...楽勝じゃろ、のう鉄平」

 

裏チャンネルで自身の孫である鉄平に、次郎は鼻をほじりながら呑気にそう呟いた。

 

「今後マスターの名は...お前が引き継げい」

 

そして同時に、立派な再生屋として成長した愛する孫に伝説の異名を託した瞬間でもあった......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.........そしてトリコ達が地球を救い小松が経営するホテルで宴をしている頃、あの世で次郎も酒を嗜んでいたのだが...。

 

 

 

「んん? なんじゃいこりゃあ」

 

突然次郎の体が光だし段々と意識が遠のいていく。

 

 

 

そもそもここはあの世なので意識が遠のくというのも可笑しな話なのだが。

 

 

「よく分からんが何だかええ気分じゃし、このまま寝るとするかのう....」

 

しかし当の本人はそんな非常識な状況で何ともマイペースである。

 

「zzz......」

 

 

 

そして一瞬、次郎の体が閃光を放ったかとおもうと........その場から消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お? どこかのう此処は」

 

 

目覚めた次郎が最初に眼にした光景は沢山の木々で囲まれた森であった...。

 

 

「あの世じゃなさそうじゃな.......」

 

 

突然の異常事態にさしもの次郎も少しばかり困惑するがそれも当然である。あの世にいたはずの自分がいきなりこんな森に投げ出されたのだから。

 

 

「う~ん、イチちゃんや三虎の気配もないし本当にワシ一人だけみたいだのう..........しかしこれはどういうことじゃ?」

 

 

そう言って次郎は己の体を見た、そしてそこにあったのは若返った自分の肉体であった。

髪色も黒髪に戻っておりかつてフローゼやアカシアそして一龍や三虎、自身の愛するコンビである節乃と過ごしていた頃の生き生きとした状態に戻っていたのである。

 

 

「ふむ...アカシア様が施したノッキングはちゃんとあるしワシ自身が使うのにも問題はない。 寧ろ若返っとるから好調じゃな」

 

 

そう。今の次郎は全盛期の力を完全に取り戻しており、自身にかけていたダメージノッキングも全てリセットされたまさに強すぎニューゲームである。

 

 

「まあ、ずっと一人で考え事してるのは性に合わんし取り敢えずは歩いてみるとするかのぅ。もしかしたら人里に出てここが何処か聞けるかもしれんし」

 

 

次郎は考え事を一旦止め、森の中を歩くことにしたのだが............。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ~デッカイのう、トリコくんの所にいたバトルウルフくらいあるんじゃないか?」

 

 

次郎の前に現れたのはとてつもなく巨大な虎であった。

 

よほど腹を空かせているのか、出会ったとたんにその虎は次郎を喰おうとした。

 

 

それもそのはず。肉食の獣の目の前を何の装備もしてない只の人間が無防備な状態でボーッと歩いてたら餌と思うのは当然であるし、それを喰おうとするのも当然の行いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ?」

 

 

 

 

 

 

 

ゾワッッッッッッッ!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

....カタカタカタ

 

 

虎は捕食を止めた.........いや、止めざるをえなかった。

 

餌としか見てなかったこの人間が、自分に喰われるだけの存在としか認識してなかったこの人間に虎はこれまでにないくらい恐怖していた.....。

 

 

「おーい、どうした、足でも吊ったんか?」

 

 

 

次郎が発したのはたった一言、それには別に"怒り"も"殺意"も含まれてはいない。

 

何気なしに呟いたごく普通の言葉に過ぎない。

 

 

 

だが、この虎はたったそれだけの言葉で理解してしまったのだ....自分が喰らおうとしたこの人間が自分より圧倒的な捕食者であるということを.....。

 

そして見てしまったのだ、目の前の人間の背後に一瞬だけ見えた山のように巨大な狼の幻がこちらを喰らおうとしてる光景を....。

 

 

 

「用が無いならそこ退いてくれんか、食いもせんのに止めることはしたくないんでの」

 

 

 

そう言った次郎の言葉を理解したのかどうかは不明だが虎は踵を変えて、全速力で逃げていった。

 

 

 

「何だったのかのう? まあえぇ先を進むとするか」

 

 

然程気にした様子もない次郎はそのまま進むことに決めた。

 

.....そして暫く歩くうち道通りの広い場所に出た次郎は、遠い先に見える大きな街を発見した。

 

 

「ほー、中々の都会っぷりだのう  あそこなら色々と情報も集まりそうじゃし酒も沢山おいてありそうじゃ」

 

 

此処が何処なのか、世界のどの辺りなのか、そして旨い酒は有るのかどうかを確かめるべく街に向かうことに決めた次郎はそこを目指して再び歩き始めたのだが、そこで目にしたのは...........

 

 

 

 

 

 

「や、やめてください! これは死んだおじいちゃんが残してくれた大切なお金なんです!絶対に渡せません!」

 

「うるせぇ クソガキ!痛い目見たくなきゃさっさと渡しやがれ!!」

 

 

 

 

次郎のいた世界でいうチンピラが、白髪の髪色をした少女のような青年にカツアゲをしている現場だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはグルメ界と呼ばれる地で八王と呼ばれる獣の一角、狼王ギネスに育てられ、後にノッキングマスターとうたわれた伝説の男がオラリオでハチャメチャするであろう物語........。

 

 

 

 

 

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