オラリオに暴獣が来るのは間違っているだろうか   作:チミチャンガ

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どうも、ブレソルで新一護を出して新年早々うかれています

長い間投稿できなかった理由としては単純にネタが思い付かないというものです。私自身あまり文章力がないためなんやかんやで放置してましたが、とりあえず一話だけ投稿してみました
これで皆さんの感想やら評価やらで今後のやる気度合いが変わります(読者への丸投げ


美の女神の思惑

「ふぅ....」

 

もう辺りもすっかり真っ暗になり、街灯でようやく道が分かるというくらいの時間帯、次郎は一人で歩きながらため息を洩らす。

 

 

あの勝負の後ベルと次郎はロキファミリアと宴会での夜を過ごした。

ベートが喧嘩を吹っ掛けた事などに対する謝罪も込めてフィンたちが誘ったのだ。ちなみにベートはベルの横を通りすぎる直前に小さな声で「悪かったな」と呟きロキに断りをいれホームに戻っていった。

ロキたちは、ベートが本当にすまなかったと次郎に深く頭を下げたが当の本人は別段気にしてはいなかった。

 

席についてすぐ、アイズが「私も闘いたい」と次郎に詰め寄ったのだが次郎は頭を撫でながら「また今度な」と笑いながら断った。

アイズは少しむくれたが、元々自分達が迷惑をかけたこともあってか渋々引き下がっていった。

 

宴会中、フィンがその異常な強さはどんな環境にいたら身に付いたのかアイズには聞こえないよう聞いてみたが次郎は笑みを浮かべながら

 

「なに ちょいと気温の上下が激しかったり特殊なモンスターが多い場所でな。まあ慣れればそこまでキツくはないぞ?」

 

そう答えた。ロキたちは次郎の強さを考えればそんなレベルではないと思ったが、無理矢理聞き出すのも躊躇われるため止めておいた。

(同時にこれほどの強さを得ている次郎を絶対に、敵には回さないようにと幹部三人と主神は心に決めた)

 

その後、ロキやガレスと飲み比べをしたり酔ったティオナがアイズ同様「闘おー!」と次郎に抱きついたりなどロキファミリアの面々とは楽しく過ごしていた。

出会った当初は、規格外な次郎を警戒していた幹部の面々も宴会を共にして優しく危険な人物ではないと判断したのかすっかり仲良さげである。

 

そしてだいぶ時間が過ぎた頃、「そろそろおいとましようかのう」と次郎が言いティオナに絡まれていたベルもそれに続くように立ち上がり会計を済ませようとしたが、ロキから今夜の迷惑料も兼ねてここは奢らせてほしいと言ったためお言葉に甘えることにした。

ベルはロキファミリアに代金を支払わせるなどできないと断ったのだが、フィンにどうしてもと言われ了承することにした。

ロキファミリア団長がここまで言っているのに断っては逆に失礼に当たると思ったからだ。

 

「それでは失礼します!」とベルはフィンに頭を下げ、次郎も軽く手を振って豊穣の女主人をあとにした。

直前、次郎が宴会中アイズと話しながらも時々難しい顔をしていたレフィーヤの耳元で何かを囁き、驚いた表情で顔を上げたレフィーヤに笑みを向け店を出た。

 

 

そして今、次郎は夜道を歩いている。ベルには少し酔いを冷ましてから帰ると伝え先に帰らせた。

歩きながら次郎は今日出会ったロキファミリアのことを思い出していた。

 

(良い子達じゃったのう...みんな互いを思いあっとる。まるでかつてのワシらのようじゃ、なぁ?イチちゃん)

 

今は亡き長男のことを思い浮かべながら次郎は夜空を見上げる。

 

(ベート君といい、アイズ君といい強くなりたい子ばっかなんかのう冒険者っちゅうのは。ま、ベート君はもう満足しただろうが問題はアイズ君だな)

 

今日は遠慮したがどこかで彼女の抱えている不満、それを発散させなきゃいけないと思っている次郎はいずれ彼女とも闘ってあげようかなと思っている。

 

(....ワシも少しトレーニングでもしとこうかね)

 

ダンジョンで出会ったモンスターや第一級冒険者であるベートの動きを見て解ったが、この世界の生物の戦闘力はグルメ界や人間界と比べても恐らく低い。故に今のままでもあまり問題はないと思うが念には念をだ。

ダンジョンは下層に行けば行くほどモンスターも強くなる、フィンによればまだロキファミリアでも到達してない未知の階層やモンスターもいるという。下手をすれば八王とまではいかなくとも四獣レベルのモンスターが現れないとも限らない。

いざという時のためにも今一度、自分の力を鍛えることにした

 

(にしてもあの緑髪のお嬢ちゃん、名前知らんけど随分とワシのこと警戒した目で見てたな....なんかしたっけ?)

 

ベートとの喧嘩後、店内にて料理を運んだりしながらも此方をチラチラと見ていたエルフの店員。

ベル達ではなく、次郎だけ見てたとなるとファミリアは恐らく関係ないだろう。次郎個人を警戒してるということは自分がなんかやってしまったのかと思うが、初対面である次郎には全く検討もつかない。

 

(またちょくちょくあの店には行くと思うし、そん時に聞いてみるとしようかのう)

 

そう決めた次郎は歩いていた足を止め、ベルと別れた辺りからずっとつけてきている人物に声をかけた。

 

「さて、誰だか知らんがそろそろ出てきてくれんかね?ストーカーされるとこっちも気分悪いんじゃがな」

 

「ふふ....バレちゃってたのね」

 

その言葉と同時、次郎の前に姿を現したのはローブを被った人物。

言動や声色から女性というのは判断できるが、今日あったロキファミリアのメンバーとも違う、かといってオラリオに来てから関わった女性の線も薄いだろう。

全く心当たりがなく、頭にハテナマークを浮かべる次郎に対しその女性は被っていたローブを脱いだ。

 

「......お前さんどっかで会ったことあるっけ?」

 

「いいえ、直接会うのはこれが初めてよ。でも私は貴方のことをずっと視てたわ」

 

その女性を一言で表すなら妖艶。街灯で照らされた美しい髪に見るもの全てを虜にさせるような色気漂う目元、ローブ越しなのでイマイチ分かりにくいがスタイルも中々だろう。純情なベルなら多分堕ちてんなと思いつつ、次郎は女性に質問を投げ掛けた。

 

「ずっと視てたってことはあれか、最近たまに感じる変な視線は君のかい」

 

「あら、いつから気付いてたの?」

 

「オラリオに初めて来た辺りからじゃな。まあベル君は気付いとらなかったようじゃし別段危険もなさそうだからほっといたんだが、まさかこんな綺麗なお嬢ちゃんだとはのう」

 

「ふふふ....私のことをお嬢ちゃんなんて言ったのは貴方が初めてよジロウ。あぁ...ますます欲しくなっちゃうわ」

 

「.....?よくわからんがそろそろ名前だけでも教えてくれんかのう」

 

自分の言動の何が可笑しかったのか、突然顔に手を当て震える女性。そんな行動に疑問を持ちながらも未だ何者なのか判断つかない人物に名前を聞きだす次郎。

それを聞いたローブの女性は表情をもとに戻し、薄く笑みを浮かべながら答えた。

 

「私はフレイヤ、フレイヤファミリアの主神をしているわ。よろしくねジロウ♪」

 

「ほお、神様か。ん?フレイヤファミリア?」

 

目の前の女性がフレイヤという名前とフレイヤファミリアというファミリアの主神。それが分かった次郎は女主人にいたとき、ロキから聞かされた内容を思い出した。

 

「なるほど、君がフレイヤか」

 

「その様子だと私のことは誰かから聞いたようね」

 

「ロキっちゅう仲良くなった酒飲み友達からな。何でもこのオラリオで最強ファミリアの一つみたいじゃないか」

 

「へぇ....ロキから聞いたの。ええ、そう。でも最強とはいってもそれはロキファミリアも同じことよ?うちとロキ。二つのファミリアが現状ではオラリオ最強なんて言われてるわね」

 

「ロキのところがか、そう言われりゃ確かベル君もそんなこと言ってたな」

 

「最も、貴方からすればそんな称号もあまり意味を成さなそうだけど」

 

納得する次郎を見ながらフレイヤは小さな声でそう呟いた。

 

(ジロウの魂....間近で見るとよく解るわ。一見静かで新米冒険者と変わらない、でも全然違う。強大な"何か"をその内に秘めているような....まるで今にも暴れだしそうな獣。あぁ、これを解き放ったら一体彼の魂はどんな輝きと色を放つのかしら)

 

バベルの頂上で見てたときよりもより一層その異様さを出す魂にフレイヤは思う。彼の身体にある内に潜むモノを解けばどうなるのか....想像もできないが故にフレイヤはひたすら興奮した。

フレイヤがそんな風に考えているなか、次郎はこの女性がフレイヤファミリアの主神ということは分かった。では何故、まだまだ零細ファミリアの自分にわざわざ一人で出向いてまで会いにきたのか疑問に思う。

 

「ワシになんか用があってきたんか?というか神って地上じゃ力封じられてんじゃろ? なら護衛くらい付けとかんとこんな夜道に一人は危ないぞ」

 

「心配してくれてありがとう。でも問題ないわ、大抵の男も女も私に触れることはできないの。それに少し離れたとこに優秀な側近を控えさせてあるから」

 

「側近か」

 

そう言いながら次郎はチラっと視線だけをフレイヤの後ろに移した。姿は見えないが建物の陰から漂う気配がそれなのだろう。

 

「えぇ、オッタルっていうの。自慢の子よ、このオラリオでは最強の冒険者と言われているけど....貴方の相手が務まるかしらね」

 

「ふっふっふ、さてのう?オラリオ最強というくらいならもしかしたらワシ負けちゃうかも」

 

「ふふ....解りやすい嘘はよくないわよ?」

 

フレイヤには解る。いやたとえ神でなくとも第一級冒険者なら次郎の規格外さが余程自分に溺れてる愚者でもない限りは理解できるだろう。

 

「.....ねぇジロウ?さっき会いにきた理由を聞いたわよね。それは貴方が欲しいからよ」

 

「んん?」

 

フレイヤの言ってる意味がよくわからない次郎は首をかしげる。そんな次郎にフレイヤは近付く。

 

(ベルも入れば良かったんだけどまあ仕方ないわ。今は先にジロウを手に入れる。悪く思わないでねヘスティア)

 

そんなことを思いながら目の前まで近付いたフレイヤは、次郎の首に手を回し抱き付く。

 

「おい、なんじゃ?」

 

そう言う次郎に構わず最初から"魅了"の力を至近距離でぶつけ、その豊満な胸を押し付けたフレイヤは次郎の眼を見つめ言った。

 

「ジロウ、私のモノになりなさい?」

 

男女構わず本能的に頷いてしまうであろうその魅力的な美貌と言葉を放たれた次郎は

 

 

「なに言ってんだお前?」

 

あっけらかんとした表情でそう返した。

 

 

 




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