オラリオに暴獣が来るのは間違っているだろうか   作:チミチャンガ

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しばらく休むとか言っといて1日程度で再開するわたし


あれから色々と考えましたが、所詮は自由がモットーの二次小説なので、自分のやりたいようにやることにしました(キングオブポジティブ)





そもそも、わたしごときの作品を楽しみにしてくれてる人がいるということがビックリ(自虐)





次郎とアイズ

「誰じゃ、お主?」

 

 

次郎は自分をじっと見つめる少女を不思議に思ったが、ひとまず何者か聞くことにした。

 

 

「アイズ....アイズ・ヴァレンシュタイン」

 

 

アイズと名乗ったその少女は、変わらず次郎を真剣な目で見つめ口を開いた。

 

 

「今、どうやったの?」

 

「どうやったとは?」

 

「ミノタウロスの体が吹き飛んだ」

 

「..あぁ、見てたのかい」

 

「...ごめんなさい、覗くつもりはなかった」

 

 

アイズは、覗き見したことを次郎が怒ってると思ったのかシュンと表情を落として謝る。

 

 

「怒ってりゃせんよ、しかしまた何でそんなとこにいたんじゃ?」

 

 

次郎は別に怒ってないとアイズに伝えるが、それと同時に彼女があそこにいた理由を聞いてみる。

 

 

「ファミリア全員でダンジョン遠征に行ってた....その帰りの途中にミノタウロスの大群と出くわして大方は倒したんだけど、そのうちの一匹が上層に上がっていっちゃって...」

 

「なるほど、だからミノタウロスがあんなとこにいたと」

 

 

次郎は上層にも関わらずミノタウロスがいた理由をアイズから聞き、納得する。

 

 

「私達が取り逃がしたせいで危険な目にあわせてしまった、本当にごめんなさい」

 

「いやいや、幸い誰も死人は出てないし何が起きるか分からないのがダンジョンじゃからな.....それに、こういうスリルも冒険者には必要なことじゃ」

 

 

アイズは改めて次郎に謝罪するが、当の本人は気にした様子もなく優しい口調でアイズに言った。

 

 

「..ありがとう」

 

 

アイズは僅かに微笑み次郎に礼を言う。

 

 

「ほっほ、気にせんでええよ......さて、そういえば聞きたいことがあったんだっけか?」

 

「うん、どうやってミノタウロスを倒したのか知りたい」

 

「どうやってと言われてものう......こーやって」

 

 

どう説明したらいいか分からない次郎は、取り敢えずミノタウロスを倒したときのように、空中を指で弾いて見せた。

 

それを見たアイズは。

 

 

「......もしよければだけど、あなたのレベルを教えてほしい」

 

「1じゃが?」

 

「...それ本当?」

 

「こんなことで嘘をつく理由がないからな」

 

 

次郎からレベルを教えてもらったアイズは驚愕する。

 

その反応は当然である....本来ミノタウロスはレベル1では勝てない相手。 ましてやデコピンで消し飛ばすなど例え自分や他の仲間でもできはしないだろう。

 

故にアイズは、自身より格上の敵であるミノタウロスをいとも簡単に倒した次郎の強さに興味を持つ。

 

 

「どうしてそんなに強いの?」

 

「なんじゃ、お主強くなりたいんか?」

 

「うん、どうしたらそんなに強くなれるのか知りたい」

 

「......なぜお主はそこまで強さを求めるんじゃ?」

 

 

強さの理由を聞かれた次郎は、逆になぜ強くなりたいのかを聞いてみる。

 

 

「...私には、果たさなければいけない目的がある...」

 

「........」

 

「そのためには今よりも力がいる、だからあなたの強さの秘密が知りたい」

 

(...この子の目は本気じゃ、しかし強くなるためなら自分がどうなっても構わないという危うさもある.....まるでフローゼ様が亡くなった後のあやつのようじゃのう....) 

 

 

次郎はひたすらに強さを求めるアイズが、かつて家族として共に過ごし、自らの目的のため食欲の奴隷のようになってしまった一番下の弟の姿に重なって見えた。

 

これから先、未来ある少女に自らや大切なものを犠牲にして強くなり間違った道を歩んでほしくない.....そう思った次郎は彼女に語りかけた。

 

 

「....のう、アイズ君や」

 

「...どうしたの?」

 

 

自分を見る男の表情が哀しげに変わったことから、アイズは首を傾げながら聞き返す。

 

 

「お主が何のために強くなりたいのかを根掘り葉掘り聞く気はない......じゃが、一つ答えてくれ.....お主には大切にしている仲間がおるか?」

 

「..うん、私のファミリアにいるよ でもなんでそんなこと聞くの?」

 

「そうか、おるか.....ならワシの強さの理由を聞いてもアイズ君のためにはならんのう」

 

「...どうして?」

 

 

アイズは納得がいかないのか、少しムッとしながら次郎に問う。

 

 

「ワシが強くなったのは、強くならざるをえなかったからじゃ」

 

「....強くならざるをえない?」

 

「そう、強くならなければ生きていけぬようなとこでワシは育てられた....それに秘密と言ってもワシがしたことは親がよく狩りで捕まえてきてくれた"トカゲ"を食べたり適度な睡眠をとっていただけじゃよ」

 

「...それだけであんなに強く」

 

 

アイズは、次郎が思ったより普通の生活で強くなった事実を聞き驚く。

 

しかし、すぐに次郎は。

 

 

「じゃが、お主は違うじゃろう?」

 

「え?」

 

「ワシのように過酷な環境で育ったというわけでもない、何より大切な仲間がいるならその人達と一緒にお互いを支えあって徐々に強くなっていけばええんじゃ」

 

「...あなたには、仲間がいなかったの?」

 

「おったよ...じゃがそんなものができたのは強くなった後じゃからのう...ワシに必要だったのは強さではなく弱さを分かち合える存在だったのかもしれん」

 

 

次郎はかつての世界で出会った生涯のコンビの存在や家族である兄弟、美食屋である父や母であった料理人、そしてその人達と出会うまで自分を育ててくれた狼王のことを思い出していた。

 

 

「........」

 

 

アイズは次郎の言葉を聞き、しばらく考え込んでいたが顔をあげると次郎に言った。

 

 

「...わかった...もう少しファミリアの皆を頼ってみる」

 

「うんうん、それがええよ 背中を預けられる仲間がいるということは素晴らしいことじゃ、そんでお主はお主なりの強さを見つければいい」

 

「うん...色々教えてくれてありがとう.........そういえば名前を聞いてなかった」

 

 

アイズは自身の強さについて語ってくれた男の名前を、いまだに聞いてなかったことを思い出す。

 

 

「ワシは次郎という、さてそろそろ帰らんと連れも心配しとるじゃろう、ワシはそろそろ帰るとするかのう またなアイズ君」

 

 

次郎は自分の安否を案じているであろうベルのところに戻ってやらねばと、アイズに別れを告げる。

 

 

「うん、またねジロウ」

 

 

アイズも軽く手を上げ、次郎を見送った。

 

 

「......また会えたら今度は闘ってくれるかな?」

 

 

そして実際どれほどの強さなのか知りたいアイズは、密かに次郎と闘いたいという願望を呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次郎が去ってから数分後....。

 

 

「おい! アイズ、ミノタウロスはどうした?」

 

「あ、ベートさん」

 

「見当たらねえが..倒したのか?」

 

「ううん、レベル1の人がデコピンで倒した」

 

「はあ!? なんだそりゃ?」

 

 




次回タイトル

「ベルのスキル」
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