新しい任務として恵外界にあるキタの町にやって来たが、そこはダンジョンがあるノコギリ山に住み着いたモンスターによって呪われていた。
いざ行こうとしたが、色々あってアスタはククリによって気絶してしまう。そんな時、アスタのライバル兼幼馴染のユノが現れた。
「おおっ、まさかあの金色の夜明けも来てくれるなんて!」
「金色の夜明け…魔法騎士団でも最強の団だ!」
町長はユノ達金色の夜明けが来たことに大喜びして、同時にザザも興奮した。
「ククリ…元気だったか?」
「うん!ユノくんも元気そうでよかった」
「ああ、まぁな…」
ククリの天真爛漫な笑顔を見てつい照れてしまうユノ。
「ユノ…なに、問題集団の黒の暴牛と仲良くしているんだ?」
「えっと…ユノくん、この人達は?」
「彼は先輩のクラフス・リュネットと、俺と同期のミモザ・ヴァーミオン」
ここでメガネをかけた少し神経質そうな青年のクラフス・リュネットが、ユノに注意し始めるけどククリに尋ねられたので紹介した。
「おひさしぶりですね。ノエルさん」
「う…そうね、ミモザ」
するとのんびりとお淑やかな印象をした少女のミモザ・ヴァーミオンがにこやかにノエルに挨拶をした。ノエルは少しぎこちないけども挨拶を返す。
「ノエルちゃん、知り合いなの?」
「ええ、従姉妹で同じ王族のミモザよ」
「よろしくお願いしますね」
ミモザが手を伸ばしてきたのでククリはそのまま握手をする。
「全く、ミモザまで…」
ユノに続いてミモザものん気に挨拶したりとクラフスは呆れてしまう。けれども、ラックの顔を見た途端にギョッとする。
「彼はたしか、狂喜と呼ばれたラック?」
「僕に何か?」
「いや、別に何も…」
あまり拘わらないようにするクラフス。
「ククリが元気で良かったが、それで…一体何が?」
ユノは気絶しているアスタと未だにハンマーを持っているククリの姿に少し戸惑っている。
だが、その時。
「ん?何あの鳥?」
ラックは空から大きな鳥みたいなのが近づいてくるのに気づく。
「鳥ではない、あれは…」
飛んできたのは鳥のモンスター、人獣ライライだった。ライライが着地した瞬間に、ユノとクラフスとラックは戦闘態勢を取り、ククリとノエルとミモザはザザ達を守るようにする。
「俺はノコギリ山から来たライライ。勇者はどこだ!」
「勇者?!」
「そうだ!昨日、タテジワネズミを倒した野郎だ!」
ライライは勇者を要求していたが、肝心のアスタは未だに意識がない。
「パパ!」
「うむ、勇者様は気絶している。教えては」
「俺、山に行くのは止めようと思うんだ」
「その話は後だ…」
カッコよく怖くて行きたくないと宣言するザザに町長は軽く後だと言う。
「待てぇぇぇぇい!」
突然、小屋からスモークと一緒に声が響いて
「わしが勇者じゃ!わしを連れて行けぇぇぇぇ!」
キタキタおやじが現れて勇者宣言。
「あっ!キタキタおやじ!?」
「おやじ、あの格好でまだ踊ってたのか!?」
「てか、いつの間にスモークを…」
まさかおやじが昨日から踊りの練習していたことに驚いたり呆れたりする。
「あれは…」
「変態…ですね」
「完全な変態だな…」
おやじを始めて見たユノとミモザとクラフスから出た言葉がそれだったが、ライライはいきなり現れたおやじを睨む。しかしおやじはそのままキタキタ踊りを始める。
「皆さん!モンスターが私の踊りに見惚れている内に早く逃げるのですぞ!」
「誰がそんなもん見惚れるか!」
いくらモンスターのライライも、半裸に腰蓑だけなおやじの不気味で変な踊りを見てくれるはずはない。
「止めて!私、それ嫌い!」
「ガーン!!」
挙句にククリから思いっきり嫌いと言われておやじは泣きながらこの場から離れる。
「えーーーい、予定変更だ!」
少し混乱したライライはククリとミグの頭を掴んだ。
「「きゃっ!?」」
「ミグ!」
「ククリ!」
「貴様、何の真似だ!」
クラフスは2人を人質にしたライライに向けて言った。
「モンスターとして、この2人を連れて行く。返してほしければ勇者を山に連れて来い!」
全員にそう要求するとライライはククリとミグを抱きかかえたまま空に飛び始めた。
「待て!」
「お兄ちゃん!」
ミグは走って追いかけるザザに腕を伸ばして、無我夢中で何かを掴んだ。
「おわっ!?」
だが、それはキタキタおやじの脚だった。
「あっ!キタキタおやじまで!」
「まぁ、良いか…コイツも人質にするからな!」
おやじもさかさまの宙吊りのままノコギリ山に向かって飛んでいく。
「ミグーーー!」
「ククリーーー!」
「わしのことは心配するな!心配しなくていいぞ!」
2人の名前を叫ぶザザとユノで、おやじは全員に心配無用と言う。
「てか、早くククリを助けに行かないと!」
「全くその通りだ。我ら金色の夜明けがいながらも、クローバー王国の民を連れ去られるとは」
しかし全員がククリとミグを中心に心配するので、誰もおやじの心配はしなかった。すると気絶していたアスタが目を覚ます。
「う~~~あれ、ユノ!お前、なんでここに」
「そんな事よりもアスタ!ククリがモンスターに!」
「僕の妹のミグも一緒にさらわれました!」
「ええっ!?」
誰もおやじの話題は出てこなかった。
「そんな!ククリが…」
悔しそうにククリを思うアスタだが、頭に浮かんできたのはククリのお尻。
「お尻?!」
「えっ!」
「おし…り?」
アスタが最後に見たのはククリのお尻だった。
「うう…オババから預かった。大事にな仲間なのに…」
しかしアスタの頭に浮かぶのはククリのお尻だけ。
「とにかく助けに!」
「勇者様、行く前にこれを!」
「え?」
いつのまにかトマの祖父が強そうな剣を持ってきた。
「これは家宝の星屑の剣。手にした者の魔力を纏って攻撃力を上げる事が出来ます」
「そっか…じゃあ、ユノが持った方が良いな」
「なに?」
アスタは星屑の剣をユノに渡す。
「俺には、既に剣があるからな」
「…分かった」
ユノは星屑の剣を手にして装備する。すると町長が涙を流しながら走って来た。
「勇者様!絶対にミグを助けてください!ついさっき、我が家に伝わるアイテムを持ってきましたから」
「はぁ…アイテムって?」
「スモークシールド。身を護るお香です!」
泣きながらもスモークシールドというアイテムの入った袋を手渡した。それから町長はザザに目を向けると
「ザザ、お前も勇者さ、いや…魔法騎士団のみなさんと一緒にミグを助けに行くんだ」
「トマも行くがよい!」
「「うんっ!!」」
2人も大きく返事をする。
それからノエルはククリが連れ去られた時に落とした杖を拾い上げて
「はい、ククリの杖」
「ノエル……」
「私達のやるべき事は1つだけよ」
ノエルもククリを助けたい気持ちでいっぱいだと分かり杖を受け取る。
「待ってろククリ、絶対に俺が助け出してやるからな!」
アスタは大きな声でククリのお尻を想像しながら助け出すと宣言。そのままユノ達と一緒にノコギリ山のダンジョンに向かった。
その頃、クローバー王国の王宮では、魔法帝のユリウスが歩いていると後ろからマッシュルームカットの男がやって来た。
「ユリウス様!ユリウス様!」
「なんだい?マルクス」
彼は魔法帝側近のマルクス・フランソワ。いつも自由奔放なユリウスに手を焼いている。
「本当に大丈夫なのですか?いくら金色の夜明けでも新人をノコギリ山のダンジョンに向かわせて。しかも、あの黒の暴牛からも新人を!」
どうやらアスタやユノ達をノコギリ山の任務に行かせのは心配らしい。
「大丈夫さ。ウィリアムとヤミが認めた新人だよ…きっと上手くこなすと思うからさ」
「なに悠長な…最近じゃあ、ダイヤ王国からの部隊が攻めてくると情報があるのに。あの奈落のロータスがいる情報も」
「そうか、ロータスか…煙魔法を使う彼。また会えるといいな」
「もぅ、アンタは!」
のん気に笑うユリウスにマルクスは怒ってしまう。だが、彼らの様子をこっそりと見ている者が1人。
[ふふふふふ、ユリウス。のん気にしているのも今の内だ]
不気味に笑いながらもこの場から離れていった。