それぞれの部屋の謎を突破した2組。だけど、ラックは1人で先に進んだので慌てて追いかけたアスタとノエルとトマ。
「ラックの奴…俺達を置いて行くなんて」
「全く、協調性が全然ないんだから」
「とにかく進みましょう!」
急いで追いかけ続けた。
だが、そのラックは見事に1人でタテジワネズミを全滅していた。
「まさか…1人で我を倒すとは」
「油断大敵…」
「なに難しい言葉を使っているの?」
ラックは倒れるタテジワネズミが口走っている言葉に軽く言い返したりした。それから1人でゆっくり歩きだすラックだったが、途中でなにかの気配に気づく。
[なんだろう…まるで周りにいるような感じは…まさか他にも]
辺りを少し警戒しながらも歩き続けながら、魔力と空気の流れを読んで敵の位置を特定。
「雷魔法、迅雷の崩玉!」
すぐさま掌から雷の砲丸を発射して、感じていた敵を貫いた。しかしその敵はダメージを受けた気配はなく。さらに敵が放ったガスのようなのがラックに襲い掛かる。
[うっ!息が出来ない…]
このままだと酸欠になると思ったので、ラックは両腕に雷の鎧を纏ってガスを何とか振り払う。
「ラック、見つけたぞ!」
丁度、アスタ達がやって来た。
「あっ、来たんだね?」
「当たり前だろ!同じ黒の暴牛の仲間なんだから」
「それよりも、モンスターはあのネズミだけ?」
ノエルは周りを警戒しながら尋ねた。
「いや、今戦っているところ」
「なに!?」
「しかもアイツ、恐らくかなり強いよ」
ラックが少し緊張の汗をかいて指を刺した先には、体がガス状のモンスターの幻獣スモゴラ。
「あれはガスで出来たモンスターですか?」
「そうみたい。だから、ガスには気を付けないとね」
「上等!ガスだろうが何だろうが、こんな奴を倒してククリを助け出す!」
さっそくアスタは大剣を出してスモゴラに斬りかかった。だが、全身がガスのスモゴラは軽く避けたり、大剣が当たる瞬間に空気分解して避けたりする。
「スモモモモ!」
さらにスモゴラは口から黄色いガスをアスタに向けて吹き付けた。
「うわっ!臭っ!?」
アスタはあまりの激臭に倒れ込んでしまうので、トマはすぐに駆け付けた。
「勇者さん!大丈夫ですか!?」
「うう…臭くて、なんだか目も開けられない…」
「こんな敵…どうするのよ」
すぐにノエルも杖を構えるがスモゴラが今度は青いガスを吐く。
「うっ!今度は一体…」
すると突然、ノエルはその場で膝を着くと体を少し震え出した。
「どうしたの?」
「なんだか…寒くなって来た…」
「え?」
じつはさっきの青いガスは人の体温を急激に冷やす作用がある。なので、それを浴びたノエルは寒くて立てない状態に。
さらに今度はオレンジのガスをラックに吹き付けると、ガスが触れた所が溶けだす。
「本当に厄介だね…」
「どうしましょう?」
まさかの敵にラックは改めて焦ったりトマは慌てだすが、アスタはなんとか立ち上がった。
「クソっ、こんなところでやられてたまるかよ!」
そのまま大剣を持って再びスモゴラに戦いを挑んだ。
一方その頃、ユノ達は少し走りながら進んだ。
「やっぱり、遠回りなだけに先は長いですね」
「だが、その分安全な筈だな?」
「そうですけど…もしかしたらどこかにモンスターがいるかもしれませんしね」
4人は辺りを警戒していると、ミモザは何かの視線を感じると同時にザザの後ろに何かが飛んできた。
「危ない!」
「え?」
すぐさまミモザはザザを庇った。それは矢のような大きいトゲでミモザの肩と腕を、マント越しに突き刺さる。
「ミモザ!?」
「防御魔導具のマントが」
「ミモザさん!僕の為に…」
すぐにユノとクラウスが駆け寄って怪我の具合を見て、そしてザザも自分のせいで傷ついてショックを受ける。そんな時に、今度はユノ達の所に近づく足音が聞こえた。
「クラウスさん、あれ」
現れたのは全身がトゲだらけの、まるでハリネズミかヤマアラシのようなモンスターの幻獣トゲトギグ。
「なるほど、あのトゲを飛ばしたのか?」
「ええ、それも速く」
ミモザは植物回復魔法の夢癒の花籠で自分を包んで傷の回復を始めた。
「ザザはミモザから離れないように」
「はい」
ザザは言われた通りにミモザの隣に隠れた。
「あのモンスター、かなり強いですよ」
「分かってる!だが、倒さないと」
「もちろん、絶対にククリを助ける為にも」
するとユノは魔導書を開くと、そこから大量の風を発生させた。
「ユノ!一体何を!?」
「ここは全力で戦はないと。風創造魔法、疾風の白鷹+風刃の叢雨!」
「創造魔法を2つ同時に、まさかここまでの才能を」
ユノは自分の周りに風の鷹と複数の風の刃を出して、改めてその実力に度キモを抜くクラウス。
さっそく風の刃で攻撃したが、トゲトギグは体を丸めると思いっきりジャンプして避けた。
「なっ!く…」
すぐにもう一度攻撃したが、体を高速で回転する事で風の刃だけでなく風の鷹を消し飛ばした。
「そんなユノさんの魔法を!」
「だったら風魔法、カマイタチの三日月!」
今度は三日月状の斬撃波を放ったが、それも高速回転で打ち消し防いだ。
「また!」
「ならば私も!鋼創造魔法、施貫の激槍!」
今度はクラウスも鋼鉄のランスを出して攻撃した。しかしトゲトギグは楽々ジャンプして避けると、そのまま背中のトゲを2人に目掛けて発射。
「「ぐわっ!!」」
「ギケケケケ♪」
トゲトギグのトゲにユノは右肩をクラフスは左の太ももを突き刺された。そしてトゲトギグは着地すると勝ち誇ったかのように笑い出す。
「素早い動きに加え、背中の鎧や武器にもなるトゲ…厄介だな?」
「倒すには、トゲをなんとかして腹を出しところを狙うしかないですね」
2人は痛みをガマンしながらも突き刺さったトゲを抜き取る。
「だが、あのトゲをどうにか」
「…だったらもう一度、俺にやらせてください」
「ユノ、貴様一体なにを」
「ちょっと、これを試してみますよ」
するとユノは装備した星屑の剣を抜くと魔力を込め始めた。星屑の剣はユノの風属性の魔力を吸収して、刀剣に風の刃が纏って構える。
「……行くぞ!」
そのまま星屑の剣を構えながらトゲトギグに突撃した。