グルグル伝説 ブラッククローバー   作:ラルク・シェル

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恐怖、キタキタ踊りの秘密

ボスのカセギゴールドを倒してダンジョンを攻略した。

 

「ふ~~~終わったな。ユノ」

「そうだな」

「さぁ、町に戻ろう」

 

全てが終わったので町の帰還気分なアスタとククリとユノ。

 

「3人共、ちょっと待ってください!!」

「「「え?」」」

 

だが、そこにトマが帰ろうとする3人にストップをかけた。

 

「どうしたんだ!?」

「おやじの足を見てください!」

「え…おやじの足?」

 

3人は恐る恐るおやじの足を見た。

なんとおやじの右ふくらはぎに【封印が解かれた】の文字が刻まれた痣。

 

「うげ…気持ち悪い」

 

しかし文字よりもふくらはぎから浮き出たことに気持ち悪がるククリで、アスタ達は少しおやじから離れた。

 

「なんだその痣は?」

「どっちかというとミミズバレじゃあ?」

「いえ、あの…さっき出てきたもので」

 

また1つ嫌われる要素が増えた。

 

「しかし封印は解かれたというのは、魔法陣の事か?」

「でも…一体…」

「誰がそんな事を言ったんです!!」

 

クラウスが顔色を暗くしながらも文字の意味が魔法陣だと気付き始めるが、それよりもザザが叫んだ瞬間。

 

「「「ぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」」」

「おやじ怖い!あたし、もう帰るぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

そのままついにククリとミグだけでなく、ノエルもミモザも恐怖で大泣き。

とにかく一転して、周りはおやじが怪奇な姿の化け物に見えた。

 

「みんな、とりあえず落ち着いて!」

「それでおやじ、キタキタ踊りは結局なんなんだ?」

「はい、分かりました。教えましょう」

 

すぐにユノがおやじにキタキタ踊りについて尋ねたので、全員に話し始めた。

 

「キタキタ踊りは神を祀り町に福を呼ぶ神聖なものでしてな…代々若い女性が踊ってきました」

「ちょっと待った!?」

 

するとアスタはストップをかけておやじに問いかけた。

 

「今、若い女性って聞こえたけど…」

「はい、元々キタキタ踊りは女性用。つまり、女の子の踊りなのです」

「「「「「「えぇぇぇえええええぇぇぇぇぇえええええぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇ!!!?」」」」」」

 

衝撃の事実に周りは驚くが、おやじは話を続ける。

キタの町はキタキタ踊りを大切にしながらも、星屑で武器と魔導具を作ってきたが、肝心の星屑が取れなくなって町の経済は破綻しかけた。そこで当時の町長だったおやじが劇場を建てて、キタキタ踊りを一般公開した結果。平界や王貴界から、踊り目的に見物人が来て星屑製品以上に活気にあふれて裕福になる。

しかし幸せは長続きせずに、突然バッタリと町では女の子が生まれなくなり。当然、踊り子の数が減ってしまった。

 

「祟りじゃ…神聖なキタキタ踊りを見世物にしたから!」

 

まさかこんな事態が起きておやじは後悔した。

このままだとキタキタ踊りの文化が滅ぶと感じたおやじは、地位も何もかも捨てて踊り子になった。しかしその結果、町は今まで以上に寂れてしまう。

 

「これで良かったのです!私が生きている間に、キタキタ踊りはなくならないのです!!」

 

涙を流しながらも大きく決意するおやじに周りは少し引く。

 

「なるほど…おやじが浮いていたのはその訳だったか…つまり本当に踊り子が女の子だったら」

 

アスタが言いながら想像し始めた。たとえば、歓迎会の時におやじじゃなくて女の子だったら、4人は見ていたし。さらにライライの来襲にも、女の子なら踊りに見惚れて時間稼ぎをしてくれたかもしれない。

 

「たしかにしっくりくるな…」

「うん、おやじだから変な感じだったんだね」

「ところで、なんで魔法陣がキタキタ踊りに?」

「さぁ、300年前からのものですから」

 

結局のところ、ただの苦労話に終わった。とにかくボスの部屋を出たアスタ達はグリエルが監禁している部屋に入った。

 

「ここに妖精がいるのか?」

「可愛かったの?」

「まぁな。とりあえずボスは倒したと言っておこう」

 

しかし部屋に入ってみると、グリエルの姿はいなかった。

 

「あれ?グリエルは…」

「あっ…代わりにこれが」

 

トマが見つけたのは、【銘菓・妖精メモリ~せんべい。キャベツ味】と書かれた菓子の箱。

 

「あの恩知らず…菓子だけ置いて帰ったのか…」

「せっかくだから、食べようよ♪」

 

仕方なくアスタ達はせっかくなのでせんべいを食べることにした。

一方その頃。

 

「ねぇねぇ、ノコギリ山のモンスターが消えたよ」

「うん、グレエルがさっき言ってたから本当だよね♪」

 

ここはクローバー王国の国境から少し出た妖精の国で、妖精達がノコギリ山の事で噂が広まっていた。

 

「今度、ノコギリ山でピクニックに行こうよ!」

「星屑拾いもしてね♪」

「ところで、グリエル。その男の子にお礼した」

 

妖精の1人がサクランボを食べているグリエルにユノの事を聞いてみる。

 

「したよ。でも、その内ここに来るから」

「ばーーーか。人間が妖精の国に来れる訳ないでしょ?」

「来るよ。だって普通じゃないからね」

 

などと近い内にユノが妖精の国に来ると感じるグリエル。

それからキタの町は、モンスターが倒されたから呪いが解けて霧が晴れて蔦が消えた。

 

「これは…まさか、呪いが消えたのか?!」

 

町長は町の衆と一緒に呪いが消えたことに驚くと、さらにアスタ達がザザとトマとミグと一緒に帰って来たことに気づく。すぐに町長は涙を流しながらザザミグに抱き着く。

 

「ザザ、ミグ!」

「パパ!落ち着いて!」

「髭が痛い!」

「トマも無事だったか!」

「おっ、おじいちゃん!」

 

トマの祖父も無事だと安心して抱き着く。

 

「モンスターは倒したから、呪いは解けたんだな」

「本当にありがとうございます。皆の衆!勇者さんと魔法騎士団さん達の為の祝杯会だ!」

 

さっそく町長は町のみんなに祝杯会を開くと宣言したが、アスタ達はとんでもないものを目撃。

それは【魔法騎士団悼慰霊祭~悲しみを超えて~】の横断幕だった。つまり町のみんなは勝手にアスタ達を死んだことにされて、葬儀を行う途中だった。

 

「おい、早くそんなもん片付けろ!」

 

慌てて横断幕を片付けて祝杯会が開始した。

 

「いや~~~我々は心配しながらも無事でいますようにと、祈っていましたよ」

「さっき葬式の準備をしていただろ?」

「あ、それは~~~えっと…」

 

分かりやすく誤魔化す町長にユノがストレートに言う。

 

「まぁ、とりあえずご馳走を堪能してください。音楽もどうですか?」

「音楽?」

「実は私、楽団員でしてね。昨日は久々に練習したんですよ」

[[[[[さっきまで葬式をやりかけた癖に]]]]]

 

などと妙に切り替えが早いと全員は呆れる。

 

「でも音楽は楽しみ♪」

「音楽好きなの?」

「あんまり聴いてないけど、なんとなく覚えている曲があるの。きっと昔に聞いたのかな」

 

少し懐かしそうにするククリで、それから音楽が始まった。ただし、キタキタ踊りの曲でおやじがステージで踊る。

 

「この町って、キタキタ踊り以外ないのかよ…」

 

飯がまずくなった。それから30分近くしてキタキタ踊りは終了。

 

「ククリ…大丈夫か?」

 

心配なのかククリに声をかけてみるアスタだけど、本人は痺れて動けない様子。

 

「それからブロンズ像もあるんですよ。見てください」

「ぶ、ブロンズ像?」

「こちらです!」

 

町長が見せたのはアスタとククリとユノとノエルとラックとミモザとクラウスのブロンズ像だった。ただし像の台には【勇者&魔法騎士様、ここに眠らない】という文字。

 

「これ、俺達が死んだ前提で作ったんだろ!」

 

それもかなり苦しい修正だった。

 

「ちょっと、私達がいない!」

「お前達何言って!」

 

自分達がいないという事で怒り出すミグ達。

 

「でも、みんなもがんばったから入れてあげて」

「う~~~ん、仕方ありませんな。なんとか作り直しましょう」

 

ククリも頼んで見ると大変そうな顔になりながらも説得できた。

 

「それじゃあ、もうお開きにしましょう。はい、解散」

「え!?」

 

祝杯会が終了になったが、おやじは今食べ始めたばっかりだった。

それからアスタ達は宿屋に泊まると、アスタは1人だけ宿魔の剣を手に素振りをする。

 

「それにしても断魔の剣に、宿魔の剣か…」

「勇者様」

「え?」

 

そこには三つ編みを解いたククリが立っていた。

 

「どう?着替えの服が可愛いの♪」

「え?ああ…」

 

そんな無邪気なククリに思わず見惚れるアスタだが、こんな事を尋ねてきた。

 

「でも、あれだよな。髪を解いたらなんか性格が変わるかと思ってたよ。好戦的になったりとか」

「それ…どんな世界観の話?」

 

アスタの変な期待に少し引くククリ。だけど、ここで宿魔の剣ベームベームの事を話した。

 

「じゃあ、ユノ君が持ってた剣から精霊さんが出て…勇者様の手に入れた剣を知っていたみたいなの?」

「そうなんだけど…ちゃんと話してくれなかったんだ。それにしても、ククリのあの魔法は凄いな。モンスターを全滅させたし」

「そうなんだけど、怖くて…いくらモンスターでもたくさん死んじゃった」

 

ククリは少し震えてた。始めはモンスターを倒す為にベームベームを召喚させたが、あまりにやりすぎでストップをかける程に。

 

「新しいグルグルに、メッセージに宿魔の剣か」

 

アスタは星空を見上げてベームベームやメッセージが刻まれた足やおやじに宿魔の剣を、思い浮かべたがとても気味の悪い星空になった。

 

「あの…」

「「うわっ!?」」

 

そこにおやじが出現して驚く2人。

 

「うちの宿はどうでしたか?」

「宿って…もしかして」

「はい、この宿屋は私が経営しているんですよ。町長を辞めて踊り子になっても、収入が少ないですからね。それよりも、ちょっと来てください」

 

宿屋の経営者が自分だと言うと2人を連れてノコギリ山が良く見える場所に行く。そこにはユノとノエル達や町の人達も集まっていた。

 

「みんな。どうしたの?」

「遅いぞ2人共。ほらあれ」

 

ユノが指を刺した先には、ノコギリ山に流れ星の星屑を落ちている光景だった。星屑の光でノコギリ山は色鮮やかに光、とても美しい光景。

 

「山が生き返ったんですよ。十数年ぶりに星屑が取れます」

「綺麗…」

「本当にスゲェな…」

 

これには全員、見惚れていた。ちなみにおやじは星屑に対抗しているが見る訳なかった。




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