グルグル伝説 ブラッククローバー   作:ラルク・シェル

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受けろ、魔法騎士団の入団試験

ここはクローバー王国の王都。

 

「ここが、王都か」

「そうだな」

「大きいね♪」

 

この度、アスタとユノとククリは魔法騎士団の入団試験を受けに来た。教会のシスターリリーからオババに見送られながらも、3人はハージ村を旅立って今日到着。

すぐに3人は入団試験のある会場に向かい受付をした。

 

「ハージ村のユノ。これが魔導書」

「これは、四つ葉ですか!」

 

受付係の人はユノの魔導書が四つ葉だと知って驚きながらも番号を貰って通してくれた。

 

「俺もハージ村のアスタだ!はい、魔導書!」

「ん?なんかボロいな…それに五つ葉なんて?」

 

アスタの魔導書が普通のとは違うので、偽物かと疑ったりするけどなんとか番号を貰えた。

 

「私もハージ村から来ました。ククリです」

「そうか。じゃあ、魔導書を」

「ありません…」

「えっ!?」

 

これには受付係は別な意味で驚く。四つ葉や五つ葉だけならまだしも、肝心の魔導書を持っていないのに入団試験に受けに来たから。

 

「あのねぇ…魔導書かないなんて…」

「でも!私ちゃんと魔法使えるし、魔導書が必要ないとおばあちゃんに言われてるの!だからお願い!」

「ちょっ、ちょっと!」

 

必死でお願いするククリに受付係はとても困ってしまい。

 

「しょうがない。特別だよ」

「ありがとう」

 

仕方なく番号をあげると、ククリは受付係にお礼を言ってアスタ達の後を追った。

会場にはクローバー王国から集まった入団希望者がたくさんいる。

 

「へへへ、なんだかたくさんいるみたいだけど…俺、絶対に受かってやるさ!」

 

やる気満々のアスタだけど、低い魔力に反応するアンチ鳥に集られていた。ちなみにユノは全然寄ってきていない。

 

「ところで、ククリは?」

「ククリ?あれ、本当だ!」

 

するとユノはククリの姿がいない事に気づいて、アスタは辺りを見回しながら探す。だが、

 

「勇者様、ユノくん!ここ空いてるよ!」

「「げっ!!」」

 

そのククリはいつのまにかレジャーシートを広げて大きく手を振りながらアスタとユノを呼んだ。

 

「勇者って、あのチビの事か?」

「まさか?あんだけアンチ鳥が集まっているのに?」

「なんかユノって、呼んでるみたいだけど?」

「もしかしてあの四つ葉に選ばれた?」

「「ああ…」」

 

当然、周りに見られて2人は恥ずかしくて石になった。

 

「もぅ、何やっているのよ!勇者様にユノくん!!」

 

周りに見られていることに気づかずに、もっと大きな声で2人を呼び続ける。

 

「おい、なにやってんだよ?」

 

そこに大柄で無精ひげでタバコをふかした男がククリの前に立つ。

 

「ぎょわぁぁぁぁぁ!ゴッツイ人が来ちゃった!?」

 

当然、大声で驚くと慌ててアスタは走って来た。

 

「すみません!彼女、ちょっと世間知らずなので!!」

「なんだ、保護者か?」

「はい、一おっ!」

 

いきなり男に頭を掴まれて持ち上げられるアスタ。

 

「だったら、少しはマナーが必要だと教えるようにしろよな?」

「あが…はい…はい……」

 

怖い顔で注意されるが、アスタが死にそうになっていた。そこにチャラそうな青年と顔にメイクをした不気味な男がやって来る。

 

「団長、なにやってんスか!早くいかないと、また怒られるっスよ!?」

「うるせーーーお前だってナンパしてるから同罪だろ?」

「たしかにそうだけど…あはははは」

 

なんとこの男は団長らしくアスタを放すとそのまま去っていった。

 

「あの人、団長だったのか?」

「そうだよ。ならず者が多い問題集団と呼ばれた黒の暴牛、その団長のヤミ・スケヒロ」

 

そこになにか変にカッコつける青年が現れて説明した。

 

「アンタは?」

「俺はセッケ・ブロンザッザ。おっと、そろそろ各騎士団の団長が来たぜ」

 

セッケ・ブロンザッザの言う通りに、審査員席にさっきのヤミも含んだ9人の団長がやって来た。どれもこれもスゴイ気迫が漂っているのが分かる。

 

「せっかくだから教えてやるよ。まずは、銀翼の大鷲団長で王族出身者のノゼル・シルヴァ」

 

最初にやって来たのは少し特徴的な前髪をして、プライドの高そうな男。ノゼル・シルヴァを説明。

 

「あれは紅蓮の獅子王団長で、炎創造魔法の使い手のフエゴレオン・ヴァーミリオン」

 

次になんとも厳しそうな雰囲気が漂うフエゴレオン・ヴァーミオン。

 

「ありゃ団員の殆どが女の子の碧の野薔薇の団長、シャーロット・ローズレイだ!」

「うわぁ、綺麗な人」

「でも…俺はシスターが一番だと思うな?」

 

甲冑を着込んだ美女のシャーロット・ローズレイに見惚れながら説明。これにはアスタとククリの感想が分かれた。

 

「翠緑の蟷螂団長、ジャック・ザ・リッパー。中の下でカマキリはダサいけど」

 

つり上がった目で舌を出して、人を殺しそうな風貌なジャック・ザ・リッパー

 

「なんかヤバい噂が絶えない紫苑の鯱団長のゲイドル・ポイゾット」

 

それはヤミ以上に大柄で顔にメイクをした胡散臭い男のゲイドル・ポイゾット

 

「珊瑚の孔雀の団長で、いつも眠っている謎の存在ドロシー・アンズワーズ」

 

魔女のとんがり帽子をかぶったドロシー・アンズワーズは、セッケの言う通り寝ながら歩いてきた。

 

「水色の幻鹿団長で、19歳の史上最年少のリル・ボワモルティエ」

「19歳!?」

「若くても団長になれるの!?」

「要するに、実力が高いって事だな」

 

そのリル・ボワモルティエは笑顔で受験者達に手を振りながらやって来た。すると次来た団長に受験者達は目の色を変える。

 

「そしてあれが魔法騎士最強の金色の夜明け団長、ウィリアム・ヴァンジャンス」

 

金色の夜明け団長のウィリアム・ヴァンジャンスは仮面を着けて現れる。それからヤミも席に座った。

 

「受験生の諸君。試験の前に話を聞いてくれ」

 

ウィリアムは受験者全員に話をする。

 

「今、ギリと呼ばれる魔王が復活しようとしている。そのギリは邪悪な魔法でモンスターを操り世界征服に乗り出した。しかし我がクローバー王国が誇る魔法騎士団は、そんなギリに立ち向かわなければならない。故に、君達はこの先モンスターと戦う運命を受ける事を心に刻んでくれ」

 

説明を聞いて受験者達の周りはとても重い空気になって来た。仮に合格して魔法騎士団には入れても、モンスターと戦うという修羅場に行くのだから無理はない。こんな重い雰囲気に包まれてしまうが

 

「はーーーい!」

「ん?」

「もちろん、がんばります!私と勇者様とユノくんは絶対に受かりまーーーす!」

「いいっ!」

「は~~~」

 

ククリが大きく手をあげてウィリアムに向けて叫ぶので、アスタは声を上げてユノは呆れてため息を吐いたりする。その為、一気に試験会場の空気が抜けてたり、受験者達は3人を睨んだりした。

 

「アイツ…面白いな」

 

ヤミはそんなククリの無邪気な心と性格に少し気に入った。だけど、すぐに試験が開始され、初めにウィリアムが世界樹魔法の魔樹降臨で受験者全員に箒を渡す。その箒で飛んで、魔力コントロールを見せる試験。さっそく試験者たちは箒に跨って飛ぼうとしたけど、大抵は少し浮かんだりするのが精一杯。しかしユノは箒を完璧に乗りこなし、自由に空を飛んでいた。これにはほかの受験者達は大きく驚く。

 

「ぬうらぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」

「えいっ!えいっ!それっ!それっ!」

 

しかし気合い満タンの必死な顔になりながらもアスタは全然浮かばず、ククリも何度かジャンプしても浮かぶ気配がない。その為、他の受験者達からクスクスと笑われる。

 

「上手くいかないな…ん?」

 

するとククリは柱の後ろに隠れている人影を見つける。

 

「…良し」

「あの」

「きゃあ!」

 

それは銀髪のツインテールの少し気が強そうな少女で、いきなりククリが近くに来たので驚く。

 

「なによアンタ!驚いたじゃない!」

「ゴメンなさい。私はククリ、アナタの名前は?」

「……ノエル・シルヴァ。王族よ!」

 

少女はノエル・シルヴァと名乗った。

 

「王族って…なに?」

「…簡単に言えば、王様の親戚よ」

「じゃあ、お姫様!?」

 

少し目の色を輝かせてはしゃいだりするククリに少しノエルは困った表情になる

 

「そんなんじゃないわよ!でも…ちょっと似てるかも」

「でも、スゴイよ!だってこの試験に受けるんだからね!」

「当然よ。王族たるもの、これくらいの試験なんて」

「ノエルちゃん、一緒にがんばろう♪」

「え?そうね…ククリさん」

 

ククリとノエルが握手しようとした時

 

「なにやっている?」

 

そこにノゼルが現れた。

 

「あっ!?」

「アナタは……変な前髪の団長さん!」

 

指を刺したククリの発言にノエルとノゼルはロケットのように発射した。

 

「ちょっと!私の兄様になんて言い方を!」

「え?お兄さんなの?」

「んん…なんとも失礼極まりない入団希望者だな…」

 

さっきもそうだったが、改めてククリの性格と言動と行動に戸惑って頭を抱えてしまうノゼル。しかしすぐに切り替えた。

 

「悪いが、少し離れてくれないか?妹と話があるから」

「え?うん……」

 

仕方なく少しこの場から離れたククリ。そして2人が何かしらの会話をしてると、ノエルが試験会場から去ってしまう。

 

「あの…ノエルちゃんは?」

「これは、私達家族の問題だからこれ以上拘わらないように。それに貴様もまだ試験が残っているだろう」

「う…うん……分かりました」

 

納得ならないままククリは再び試験に戻った。




今更ですが、フエゴレオン・ヴァーミリオンの声はキタキタおやじと同じ声です。
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