グルグル伝説 ブラッククローバー   作:ラルク・シェル

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見ろ、これが勇者の証拠

箒の飛行の他に魔力レベルや魔力操作や魔法創造と進んで行ったが、アスタとククリは全然ダメな様子。それでも試験は次に入った。

 

「では次は、実戦形式でやってもらう」

「2人1組になってそれぞれ魔法で戦え!我々は戦闘が仕事。お前達の力を存分に示せ!」

「どちらかが降参するか、戦闘不能になったら終了。当然、回復魔法が使える魔導士がいるから心配いらない」

 

ウィリアムとフエゴレスの説明が終わると、受験者達はさっそく相手選びをした。

 

「どうしよう…俺達あまりいい結果になってないぞ!」

「うん、とりあえずこの試験だけでもなんとかしないと!」

 

2人は慌て相手選びをし始めると、なぜかアスタはセッケの相手をすることになった。それから初めの試合はアスタとセッケ。

 

「じゃあ、悪いけど俺の引き立て役になってよね」

「え?引き立ててって…俺が」

「ああ、俺はこの先魔法騎士として適当でがんばるつもりだからな!」

 

笑いながらも魔導書を開いて魔法を発動し始める。

 

「青銅創成魔法。青銅の防護魔砲球」

 

セッケはさっそく魔法で自分の周りに筒の付いた青銅の球体を展開。これで防御と攻撃が一体になっている。

 

「さぁ、君はどうするつもっ…」

 

しかしアスタは魔導書から大剣を出して球体を叩斬る。

 

[あの剣は…]

[アイツ…]

 

ウィリアムとヤミはアスタの魔導書と剣に興味を持ちながらも、さっきの一撃で気絶したセッケや周りに向けて言う。

 

「言っとくが、俺は引き立て役でもないし適当でがんばるつもりもない。俺は死に物狂いで魔法騎士団に入って魔法帝になるんだ!」

 

大きく宣言しながらこの場から離れた。

 

「やった!勇者様の勝ち!」

「サンキュー、でも、次はククリだぞ」

「あっ、そうだった!」

 

アスタの言う通り次はククリの番で、対戦相手はこちらも徹底的な嫌味が漂る貴族の男。

 

「やれやれ、俺の相手は魔導書すら持っていない女か…おまけにダサいしな」

 

相手はすぐにククリの姿や今までの試験の様子で見下し始める。

 

「うう…どうしよう。こんなに人に見られるなんて……」

 

今まで森の中でオババと暮らしていたので、こんなにたくさんの人間に見られるのは慣れていなかった。

 

「来ないのなら、こっちから行くぞ!」

「え?ひゃっ!」

 

すぐに魔法を発動して氷の槍を放った。ククリはなんとか避けたりする。

 

「危なかった…よーーし、だったら私も!」

 

ククリはさっそく杖で地面に魔法陣を描いてグルグルを発動。そして魔法陣から出たのは大きく空を漂うクラゲのモンスター。

 

「なに!」

「モンスターだ…」

「魔法陣からモンスターを!?」

 

他の受験者は驚いて団長達も。

 

「なんだ、あの娘の魔法は!?」

「たしか…魔導書を持っていなかったらしいが」

「魔法陣だけで魔法使うなんてスゴーイ!」

 

かなりククリの魔法に喰いついてきた。しかしこの2人は別な意味で驚いている。

 

「あれって…」

「間違いない」

 

アスタとユノはククリの発動させた魔法にあることを気づいた。

 

[緊張して…失敗しちゃった]

 

やっぱりこれは確実に失敗したグルグルだった。

 

「くっ、なんだか分からんが…わっ!」

 

対戦相手は戸惑いながらも魔導書を開こうとしたが、クラゲモンスターの触手に縛られて一緒に宙を浮かぶ。

 

「ちょ、ちょっと!助けてぇぇぇぇぇ!」

 

情けなく助けを求めるけど、そのまま対戦相手はクラゲモンスターと一緒に空に飛んで行った。それでも結果的にククリは勝利。ちなみに彼は3日後、森の1番大きな木の枝に引っかかっていたらしい。

そして次はユノだが、なんなく勝って試合が進んで行き全てが終わった。

 

「ここからは最後にして、今年から始まったテストをして貰う。魔王は勇者の存在を恐れている…だから、君達の勇者適正を図る」

 

受験者達の前に1つの箱が置かれた。

 

「これはランヤランカの箱という勇者を調べる箱。手を入れた者に合わせて、中の具象気体が形を変える。もし勇者なら剣を取り出せる筈だ」

「では、勇者に自信がある者は箱に手を入れて剣を出して見ろ!」

 

さっきと同じようにウィリアムとフエゴレスが仕切って最後の試験が開始された。

 

「じゃあ、俺が最初に」

 

するとさっきアスタに敗北したけど、見事に回復したセッケが最初に箱の前に来る。

 

[さっきは酷い目にあったが、ここで勇者の称号を貰えれば色々と万々歳。アイツに本当の各の違いを見せてやる]

 

かなりアスタに根を持ちながらも精神を集中して箱に手を入れる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

そして勢いよくセッケが取り出したのは、剣は剣でもじゃんけんのカード。

 

「君は勇者じゃないようだね。ぷふふふふふふふ」

「ううう…てか、なんでダジャレなんだよ…」

 

ウィリアムと他の団長は勿論、周りの受験者達からクスクスと笑われてセッケは恥ずかしくて涙を流す。

それから他の受験者も試してみるが、出てくるのは石鹸や実験道具に食券と保健体育の本と整理券などのくだらないダジャレグッズばっかり。だから、受けた受験者は恥ずかしがる。

 

「他には、いないのか?」

「さぁ、勇気ある者は箱の前に」

 

ノゼルとシャーロットも受験者達に向けて尋ねてみたが、無理だと半分諦めていた。

 

「俺が行く」

 

するとユノが手を上げて箱の前に立つ。

 

「ユノ!?」

「ユノくん、大丈夫なの?」

「分からないが、やってみるさ」

 

2人に心配されながらもさっそく手を箱の中に入れると、精神を集中し始める。

 

「……はっ!」

「おおっ!?」

「これはっ!?」

 

箱から出した途端、会場から驚きの声が鳴り響く。

なぜならユノが出したのは大きく美しい形状の剣で風を纏っていた。まさに勇者が持つにふさわしい剣。

 

「なるほど…四つ葉に魔法の腕にその剣。なかなか興味深いな」

 

剣を箱に戻すと元の場所に戻るユノに興味を持つウィリアム。

 

「さて、他に自信がある者は?」

「俺もやる!!」

 

アスタが負けてられず大声で箱に近づく。

 

「アイツって、さっきの?」

「魔導書から変な剣を出してたらしいけど…」

「あんなのが勇者なはずないよな?」

 

すると周りからバカにするかのような声が聞こえてくる。しかし

 

「勇者様、がんばって!!」

 

ククリが大きな声で応援してきたので、その期待に応じようと思う。

 

「じゃあ、行くぞ!って、うわぁぁぁぁぁ!?」

 

手を入れた途端、突然何かが勢いよく飛び出してアスタは壁に激突する。

 

「勇者様!?」

「アスタ、大丈夫か!?」

「痛たたたたた…これって!?」

 

なんとアスタが出したのは箱から出しきれてないぐらい、長くてとても複雑な形状をした剣。まるでユノが出した剣が玩具に見える程の。

 

「なんだこの剣は…」

「さっきの奴が出した剣とは、まるで違うぞ」

「でも、なんでコイツに!?」

 

これには受験者達は勿論、団長達も目を丸くして驚きながら会場から降りてアスタに近づく。

 

「まさか、こんな剣が?」

「おいおい、どういう事なんだよ?」

 

ヤミはタバコを吸いながらもウィリアムに尋ねる。

 

「恐らく、彼には魔法とは別の特別な力…というよりは才能が隠されている」

「特別な才能?」

「そうかもしれないな…この箱は、魔力は勿論のこと。才能や素質でも勇者を見極めるという」

「つまり、この少年はさっきの彼よりも勇者としての才能を持っているという事か」

 

ノゼルとフエゴレスは少しだが、アスタには魔力とは別に未知の才能と素質が備わっていると感じる。

 

「んで、どうすんだ?」

「どうもこうもない」

 

そしてウィリアムはアスタに近づき。

 

「今日からこの165番のアスタを…一応勇者、つまりとりあえず勇者と認める!」

 

大声でアスタを勇者にするとウィリアムが宣言。周りが呆然としながらも、一応決められたので拍手する。

 

「やったね勇者様!ピースよ!」

「お前…俺よりスゴイ剣を出すなんて…負けたよ」

 

ククリはアスタに抱き着いて周りにピースして、ユノも少し笑いながら負けを認める。

 

「俺が勇者…本当に…勇者かぁぁぁぁぁぁ!」

 

当然、自分自身も驚きのあまり興奮しておかしな動きをしてしまう。これには周りは少しドン引きする。

 

[なんだか…不安になるな……]

 

本当にこんな奴を勇者にしていいのか少し後悔するウィリアム。ちなみにこれが後に、《剣がビヨ~~~ン事件》と呼ばれるようになる。

とりあえず、簡単な勇者の授与式が始まった。

 

「では、アスタに勇者の称号を与えよう」

 

ウィリアムはアスタにバッジと書類を渡した。

 

「このバッジと書類が、一応勇者の証になっているのだから無くさないように」

「はい!絶対になくしません!」

「よろしい。では、全ての試験を終了とする」

 

こうして全ての試験が終了し、ついに誰がどこの騎士団に入るかが決まる。

次々と受験者達が団長からの挙手を受けたり受けられなかったり。しかしユノは全騎士団長からの挙手となった。

 

「じゃあ、金色の夜明けでお願いします」

 

少しでも魔法帝の近道になれるかもと思い金色の夜明けに入った。そして次はアスタの番。

 

「じゃあ、行ってくるよ」

「うん、勇者様なら絶対になれるよ」

 

さっそく前に出た途端。

 

「おい、ちょっと良いか?」

「え?」

 

ヤミが尋ねると同時に降りてきてアスタの前に来る。

 

「お前、勇者の称号を貰ったから入ると思ったら大間違いだ」

「間……違い?」

「勇者はあくまでも名称に近いもの。俺達が必要なのは魔力だけだ。分かってるな?」

 

全身から魔力と殺気を放ちながら言い続けるヤミに、アスタは勿論。ククリもユノも他の受験者達も冷や汗をかく。

 

「…分かってるよ」

「ん?」

「だけど、ここに落ちてもなんど転げても…俺は勇者の名に恥じないように、魔法帝を目指します!」

 

諦めない心を持ち続けるアスタは、信念を曲げない真っ直ぐな目で大きく宣言。するとヤミは大きく大笑いした。

 

「あははははは!お前面白いな!」

「え?」

「良し、うちの団に来い。拒否権はないというか、拒否したら殺すけど良いか?」

「えっと…はいっ!ありがとうございます!」

 

問題騎士団と呼ばれながらも、まさか黒の暴牛に入れたので大きく返事を返した。するとククリが走って来てアスタに抱き着く。

 

「やったね。勇者様!」

「ああ、まさか本当に入れるなんてな!」

「ん?ところでお前はたしか?」

 

ヤミはさっきの魔法陣でモンスターを出したククリに尋ねる。

 

「はい、私はククリです。えっと…」

「ふ~~~~ん、そんじゃあお前も黒の暴牛に来い。当然、拒否権はないからな」

「私も、勇者様と同じ所に…ありがとうございます!」

 

こうしてククリも黒の暴牛に入ることになって大きく感謝した。

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