ハイスクールD×D~永劫破壊を身体に宿す者~ 作:てーとくん
とある廃屋の中には一人の少年が佇んでいた。そしてその目の前には異形とも呼べる化物がいた。上半身は人間の女性の身体だが下半身はまるでクモのような身体で八本足がついており、その足にはそれぞれ人間なんぞ簡単に殺せるような鋭いツメがある。
「キキキキキキキ!!!!! 小僧、何のようだ?」
その化物から発せられた声はおおよそ人が発せられるような声ではないぐらい高かった。本来であればこんな化物と出会ってしまった時点で常人は気絶するか叫び声をあげるだろう。が、彼はこんな化物とは何度も何度も顔を会わせてきた。故にこんなことはすでに彼の日常の一部と化している。
「えー、匿名希望の依頼主さんからこの土地に自分の主を殺した『はぐれ悪魔』が潜伏しているので見つけ次第早急に対処されたしっていう依頼がきたんだけど、おたくはぐれ悪魔のガリアさんで?」
はぐれ悪魔。それは自分の主を裏切ったか殺して主なしとなった悪魔の成れの果て。こうなってしまった以上害がでる前に早急にその悪魔を殺すという手段しかない。
「キキキキキキキ!!! まさか貴様のような小僧がこの私を殺しに来たとでもいうのか!?」
「まぁ、そうなるね」
「笑わせるなよ、下等種族が!!」
そのはぐれ悪魔ガリアは少年に向かって糸を吐いた。普通の人間であればその糸に絡まり、身動きがとれずにエサとしてお持ち帰りされてしまうだろう。しかし
ズガン、ズガァン!!
「が、あ……?」
「んじゃあその下等種族に殺されるお前は一体何なんだよ」
少年は『普通』ではなかった
いつの間にかはぐれ悪魔の後ろに移動していた少年は持っていた狼のルーンが刻印されている二丁の拳銃ではぐれ悪魔の胸に二つの穴をあけていた。
ズガン、ズガン、ズガン、ズガン、ズガン、ズガン、ズガン、ズガン、ズガン
胸に穴を開けて反撃が来る前にすぐに少年は九発の銃弾ではぐれ悪魔の足と糸を出した腹を撃ち抜いた。これでもうこのはぐれ悪魔は攻撃することはおろか逃げることさえもできなくなってしまった。足に力を入れることができないので立つことができずクモの下半身はそれ以降動かなくなり、今は上半身の人間の部分だけ動いている。そんな人間の頭の部分に二丁の拳銃のうちの一つを添える。
「た、たのむ!! 見逃してくれ!!」
少年はその命乞いを聞いて口を三日月のように歪ませた。
「泣き叫べ劣等。今夜ここに神もいなければ魔王もいない」
そう言い放ち彼は拳銃の引き金を引いた。
少年は元の世界で死にこの世界へ転生という形で現れた。
普通の人間としてではなく聖遺物を扱える『魔人』として。