お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's   作:Y.Sman

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書き溜めていた分は今回で最後になるのでこれからは更新が遅くなりますがごご了承ください。
今回、とらハの設定を持ってきましたが作者はやったことが無いにわかなので大分設定が穴だらけですが温い目で見てやってください。

あとよそ様の作品のネタを勝手に出しちゃいましたが拙いようでしたら言ってください、即刻修正します。


第10話「徹夜組と転売ヤーとダミーサークルと誘拐犯に血の粛清を!あ、でも対応はあくまでソフトにね♪」

待ちに待った刻(とき)がきたのだ。

多くの英霊が無駄死にでなかったことの証のために・・・!

「そう、有明よ!私は帰って来たぁ!!」

「いや、ハルナ・・・初参加だからね・・・?」

いいんです!多分前世で来た気がするから!

 

機人長女リリカルハルナ

第10話「徹夜組と転売ヤーとダミーサークルと誘拐犯に血の粛清を!あ、でも対応はあくまでソフトにね♪」

 

父さんと無事に再会してからまたもや時間が流れて早数年・・・。

本当にいろんなことがありました。

妹たちの親権を巡って父さん&お爺ちゃんズに加えてクイントさんまで参加した第47回親権争奪戦が開催されたり。

激闘の果てに私とウーノからクアットロまでの妹がそのまま父さんの娘に、チンクから下の妹達(セッテはトーレにくっ付いてスカ家残留)はクイントさんに引き取られる事になり、ナカジマ家の隣に我等スカ家が引っ越して毎日がドッタンバッタン大騒ぎになったり。

「陸ばっかりズルイ!うちにも美少女を!」という海側の血涙交じりの嘆願を受けたお爺ちゃんズに言われて本局の遺失物管理部機動2課に異動になりそこの第2特別捜査隊に所属する個性豊かな仲間達と難事件、怪事件を力任せに解決したり・・・。

指名手配中の次元犯罪者集団が内戦中の管理外世界に傭兵名乗って梃入れしてることが分かりISAF(国際治安支援部隊)として現地に派遣、何やら某空戦ゲーに出てくるような場所で『円卓の鬼神』なんて呼ばれてるクール系美幼女エースと共同戦線張ったりと・・・。

とにかくいろんなことがありました。

え?色々端折り過ぎだ?美幼女の件を詳しく?

しゃらっぷ!いい加減本編突入しないと読者さん達も飽きてきちゃうでしょうが!

今回の話が終わったらいよいよアニメ一期に突入するって作者も言ってるんですから!

「おーいハルナ?流石にそれはメタすぎないかい?」

「いいの、今回は半分くらいギャグ回だから」

「あ、そう・・・」

いや、しっかしやっぱり夏コミは凄い人ですね。

ここはやっぱりあのセリフを・・・・。

「ハッハッハ、見ろ!人がゴミのようだ!」

「なっ!?」

突然父さんが私が言おうとしたセリフを、某アニメの名台詞を叫びます。

私が驚愕しているのを見た父さんはあろう事がドヤ顔で私のことを見てるじゃないですか!

「ぐぬぬぬ・・・」

何たる暴虐!父の悪辣なる行いに平坦な胸の美少女ハルナは怒りに顔を歪ませた。

って、だれだ今私の胸が平坦とかいった奴!後で体育館裏に来なさい。

とにかく、人のセリフを勝手に取る父さんには厳しい制裁を与えなければ!

そして私は未だドヤ顔を続ける父さんに一言、その呪文を唱えた。

「バルス!」

すると父さんは両手で顔を覆いながら悶え始めました。

「目がぁ!目があぁぁっ!!」

「フッ、悪は去った・・・」

そんなスカ家のいつもの光景を周りの参加者さん達は奇異な目で見ています。

「・・・・・」(チラッ)

「・・・・・・」(チラッ)

うん、違いますね。みんな私の事見ています。

いや、分かってますよ。私が外見年齢10歳前後な事ぐらい。

でも奇異以上の目で見られることはないみたいです。

「何なんだあの子・・・?」

「ちっちゃいのに纏う空気がプロのそれだぞ・・・!?」

そう、完全武装のうえ戦場(いくさば)に立つ覚悟でココに来ているためか、「戦場に子供が来るんじゃない」的な目で見られることはないんですよ。

まぁ、私なんかよりもずっと格上の人が隣にいるから其れに気圧されてるてのもあるのでしょうが・・・。

「・・・・・・」

そう、私達の隣に座るアルプスに住んでそうな感じの口の周りに立派なお髭を蓄えた、しかし体格はかなりガッチリしたおじいさん。

かなりお年を召しているようですがその雰囲気は古強者とか伝説の老兵とか言われそうなほど老いを感じさせない力強さを感じます。

「おい、見ろ。翁だ」

「それって、第一回から全てのコミケに参加したという伝説の!?」

・・・第一回のコミケって確か70年代でしたよね?

てことは少なく見積もってもコミケ暦30年!?

古強者とか言うレベルじゃないですよ、賢者ですよ!大賢者!!

私なんかとは年季が違いすぎます!

と、そこで件の翁が何やらポケットに手をいれます。

取り出したのは一枚のカード。

何かと思い見てみるとちょっと前に流行ったアニメのヒロインでした。

って・・・!?

「・・・・・・・・・・」

泣いてますよ、この人。

そらもうダバダバと目じりから止め処なく涙がながれてますよ。

「有明か・・・何もかも、みな懐かしい・・・」

「っ!!」

私の、否、私達の心は雷に打たれたような衝撃を受けました。

同時に理解したのです、この人は文字通り最後の命を燃やしてここに来たのだと。

たとえこの有明が自分の死に場所になっても構わない、そんな覚悟で・・・。

暫くカードを見ていた翁でしたがやがて満足してカードをポケットに戻そうと・・・。

・・・ハラリ。

「なっ・・・!?」

翁の手が力なく垂れ下がり、手に持っていたカードがゆっくりと地面に落下します。

「・・・・・・・・・!!」

私は翁に無言で敬礼します。

「・・・・・・!」

それにつられるかのように父さんや周りの人たちも瞳を閉じた翁に敬礼します。

そう、今一人の戦士が眠りについたのです。

あ、ちなみに翁はスタッフの人が列整理を開始したらちゃんと起きました。

私の感動を返せ。

 

「いやー大漁だねぇ・・・」

珍しくホッコリした表情で父さんが言います。

それに対して私の心は非常にダウナーです。

テンションが完全にきゅーそくせんこー状態です、圧壊深度まで一直線です。

「まぁ、仕方ないじゃないか。中身があれでも流石にその外見の子にR-18の本は売ってはくれないよ」

そう、私が行っても18禁の薄い本を売ってくれないんですよ!

サークル参加者さん達のモラルが高い事を喜ぶべきか目的の品が買えなかったことを嘆くべきか複雑な心境です。

「さて、私はこのまま宿に戻るがハルナはどうするんだい?」

買った戦利品は現地で宅配業者にお願いして泊まってるホテルまで送ってもらいました。

なので私達は完全にフリーです。

「んー、ちょっと行ってみたい所があるからそっちに行くよ」

「分った。遅くならないうちに帰ってくるんだよ?」

「はーい」

そこで私と父さんは解散し、父さんは宿泊先のホテルへ、私はバス停からバスに飛び乗りました。

それからバスに揺られて約2~30分程で下りる予定のバス停に近づいてきました。

『次は海鳴大学病院前~、外科、内科、小児科、整形外科・・・」

流れてきたアナウンスを聞いて私は近くの降りるボタンを押します。

バスが泊まってから席を立ち、料金を払ってから目的の地に下り立ちました。

「ここが、海鳴市・・・」

ようやくたどり着く事が出来ました。

そう、ここに、ここにあの・・・。

「あの伝説のパティシエ、高町桃香さんがやってるケーキ屋さんがあるんだ・・・!」

そう、この間関東地方の穴場スイーツ店特集っていう記事を読んでいるときにみつけたお店がこの町にあるんです!

え?違う?そうじゃない?

何やら読者さん達が突っ込んできますがとにかく今はケーキです!

 

と、言いたいところですが・・・。

「・・・うん、迷った」

迷子になっちゃいましたw

いや、マジどーしよ・・・。

「・・・でね、・・・がさ」

「もう、・・・は・・・ちゃんが・・・」

おや?

何やら話し声が聞こえるのでそちらを見ると二人の女の子がこちらに歩いてきます。

片方は金髪碧眼の気の強そうな子。

その相方は紫がかった黒髪の子、こちらは逆に気弱そうな子です。

まだ遠いので何を話しているのかは分りませんが片方の子が外国人ッぽいので日本語ではないでしょう。

と言うわけでそれっぽい外国語で話しかけてみる事にしましょう。

え?話せるのかって?

チッチッチ・・・、戦闘機人の脳みそを舐めてもらっては困ります。

記憶力はバッチリです。

それに執務官という仕事柄いろんな世界に行くので言語の習得は必須スキルですから。

では早速・・・。

『グーテンターク、フロイライン。失礼ですが道を教えてもらえませんか?(ドイツ語です)』

よし、発音もイントネーションもバッチリ。これなら通じるはずです。

「・・・え?」

うん、どうやらドイツ語じゃ駄目みたいです、それなら別の国の言葉で・・・。

『ハラショー、失礼した同志美幼女。これなら通じるだろうか?(ロシア語です)』

「え?ええっ?」

むぅ、ロシア語も駄目ですか。

『ならフランス語ならどうかなマドモアゼル?』

「な、なな・・・?」

駄目か。

『イタリア語は分るかなセニョリータ?』

「ちょっ・・・!?」

これも駄目。

その後もオランダ語、スペイン語、ポーランド語、フィンランド語、広東語、北京語、スワヒリ語、インドのヒンディー語、中東で使われているパシュトー語やダリー語も試して見ましたが全部駄目でした。

「ムキーっ!」

「ア、アリサちゃん、落ち着いて・・・」

なんか向こうも言葉が通じなくて怒ってるみたいだし。

「ああもう、じゃあ何処の言葉なら通じるのさ?」

「ちょおっとまてい!」

私が日本語でぼやくと金髪の女の子が叫びながら強烈なチョップをくらわせました。

 

「日本語喋れるなら最初から喋りなさいよ!」

「そうは言うけどそんな見た目じゃ日本語話せるなんて思わないじゃん」

「アンタが言うなアンタが!」

「ふ、二人とも落ち着いて・・・」

金髪の美少女、アリサに盛大につっこまれた後、私達はお互いに自己紹介を交わてから二人の案内で翠屋へ向かいました。

私にチョップをお見舞いした金髪の子の名前はアリサ・バニングス。

大企業バニングスグループの社長令嬢だとか。

しかしこの子の声、どっから聞いても「くぎゅう」です。

今度メロンパンを奢ってあげましょう。

アリサと一緒にいた気弱そうな子は月村すずか。

この辺の名士月村家のお嬢様とのこと。

「で、翠屋に行きたいんだっけ?」

「うん」

「あそこのお菓子は皆美味しいから楽しみにしててね、ハルナちゃん」

ちなみに私も二人に自己紹介しました。

名前は偽名を使わずハルナ・スカリエッティのまま。

医者の父親と一緒に日本に遊びに来た観光客と名乗ってます。

うん、嘘は言ってない。

そんな感じにガールズトークしながら歩いているとお洒落な喫茶店が見えてきました。

「ここが翠屋よ、ちょっとまってて」

そう言ってアリサが店に入っていきます。

「こんにちは、桃子さん」

「あら、いらっしゃいアリサちゃん」

彼女を出迎えたのはすんげー美人のお姉さんでした。

見た感じおっとりしたお姉さんなんですけれども包容力とか凄そうで何処となくクイントさんに通じるものがあります。

「すずかちゃんもいらっしゃい。あら、そっちの子は?」

そこで店のお姉さんが外にいた私とすずかに気づきました。

「さっき知り合ったの。ハルナって言って観光できたんですって」

アリサが紹介するなか私も挨拶します。

「こんにちは、ハルナ・スカリエッティです」

「あらあら、可愛らしいお客さんね。いらっしゃい、当店のパティシエール、高町桃子です」

そう言って女神か聖母も斯くやといった笑顔で応対するお姉さん、この人があの伝説のパティシエ、高町桃子さんだったとは・・・。

「うん、アレですね。天は二物を与えたもうた」

「え?」

「いえ、気にしないでください。独り言です」

そんなやり取りの後、私達は桃子さんにテラス席に案内されます。

「二人ともごめんなさいね、今なのはは出かけているの」

そう言ってアリサたちに謝罪する桃子さん。

なのはと言うのは桃子さんの娘さんでアリサたちの親友とのこと。

何でもお菓子の材料が切れて急遽お使いをお願いしたのだとか。

まさか桃子さんが子持ちだったとは、しかも聞いた話だと一番上の子は大学生とか、まじパネェ。

クイントさんといい、桃子さんといい、この世界のお母さんたち見た目若々しすぎでしょ、アニメかよ!?

しかしなのは・・・ドコかで聞いた名前ですね。

ドコでしょう?昔読んだ漫画かな?

「そうなんですか」

「入れ違いになっちゃったわね」

桃子さんの娘さんに会えなかったのは残念ですがそれは次回着たときのお楽しみと言う事で・・・。

「いまはケーキを堪能します。注文いいですか?」

「はい、どうぞ」

私の質問に桃子さんはすッごくいい笑顔で答えてくれました。

しかし一つ気になることが・・・。

「・・・・・・・・」(チラッ)

カウンターにいる店員さんが私の事えらい見てくるんですよ、しかも殺気増し増しで。

 

Side 恭也

何なんだあの子は・・・!?。

カウンターでレジを打ちながら俺、高町恭也は戦慄していた。

先程店に入ってきた三人の客。

うち二人は自分もよく知っている人物だ。

妹の親友のアリサちゃんと同じく妹の親友にして俺の恋人である月村忍の妹にあたるすずかちゃん。

問題は三人目の少女だった。

ハルナ・スカリエッティ。

年齢は背格好からして二人と同じくらい、癖毛なのか外に跳ねた銀髪を肩のあたりで切りそろえた外国人の少女。

観光で海鳴を訪れ、先程アリサちゃんたちと意気投合したらしい。

それだけならば俺も気にはしなかった。

まず身のこなしからして素人ではない。

体の重心が全くブレる事が無い。

更にリラックスしているようで常に周囲に気を配っている。

席に案内され椅子に座る際も深く腰掛けず、何かあればすぐに立ち上がれる姿勢だ。

まぁ、それだけならば何かしら武道を修めた少女と言う事で無理やり納得もできる。

問題は彼女の匂いだ。

シャンプーの香りに混じってうっすらと感じる『硝煙』の匂いと『血』の匂い。

そんな物騒な匂いを纏った明らかに訓練を受けた少女。

年齢からして軍人や警官と言うことはありえない。

だとすれば殺し屋の類か!?

アリサちゃんは世界を股にかける実業家の娘、すずかちゃんも名家の娘だ。

いや、すずかちゃんにはもう一つ隠された秘密がある。

それが目的で二人に接近したという事か・・・

俺は注意深く少女を観察する。

その姿は友達と談笑する普通の女の子にしか見えない。

いや、まて・・・。

この子、俺の視線に気づいている!?

先程から何度かこちらをチラチラと見ている。

もしかしたら自分の素性も知っているかもしれない。

いや、早計か?勘が鋭いだけかもしれない。

そう思い試しに視線に殺気を乗せてみる。

普通に生活している一般人なら気づかないだろう。

しかし・・・。

ピクッ。

彼女は反応した。

再びこちらに視線を向ける。

その動作は自然な感じで何もおかしいことは無い。

だが俺には分った、彼女が自分を警戒している事が。

少女が椅子から軽く腰を浮かせる。

何か有ればすぐさまこちらに飛びかかれるように。

・・・来るのか?

カウンターの裏に隠してあった小太刀に手を伸ばす。

食事時を過ぎ客の数が少ないとは言え、一般人がいる中で襲撃するとは思いたくない。

少女が動く。

こちらに背を向けているためよく分からないが懐に手を入れたようだ。

まるで隠し持っていた武器を取り出すように・・・。

「・・・・・・っ!」

来る、そう思い彼女を拘束すべく飛び掛ろうと脚に力を入れたその時・・・。

「お待たせしましたー。チーズケーキにモンブラン、ミルクレープでーす」

母桃子の登場に張り詰めていた空気は霧散する。

「おお・・・これが、これが桃子さんが作ったケーキ・・・」

向こうも争う気が失せたのか、こちらへの警戒を止めて母さんが運んできたケーキに目を輝かせている。

店内で争う気は無い、そういうことだろう。

とりあえず今はまだ大丈夫か・・・。

店を出た後の二人が心配なので忍に連絡を入れておこう。

そう思い俺は接客を再開した。

勿論警戒は怠らないで・・・。

Side out

 

「あぁ・・・いと、しあわせなり・・・」

ケーキを食べた感想はもうこの一言に限りますね。

「ハルナ、顔がトロけてるわよ・・・」

「クスっ、ここのケーキおいしいもんね」

呆れ顔のアリサと何故か子供を見るお母さんのような視線を向けるすずか。

仕方ないじゃないですか、このケーキが美味し過ぎるんですから。

しつこくない程度の、でもしっかりと甘さを主張するクリーム。

それを挟みながら何層も重なったしっとりとした食感のクレープ生地。

それを食べた途端私の口の中が幸せに包まれました。

しかし・・・あの店員さんは何なんでしょうね?

先程カウンターでレジ打ちしているお兄さんが殺気をガンガン飛ばしてくるので思わず首から提げたイェーガーを握り締めてしまいました。

あわや店内で戦闘かと言う空気でしたが桃子さんの登場と同時に殺気は霧散したの感じました。

恐らく堅気の人は巻き込みたくないのでしょう。

もしかしたらアリサかすずかの身を守る執事かボディガードなのかもしれません。

お嬢様の前に突然現れた素性不明の美少女、警戒する材料としては十分です。

なのでこちらも警戒心を解き敵意がない事を示すと彼も引き下がったようです。

これで安心と一口目のケーキを口に運んだのですが・・・。

何ですかこれは!?

こんなのケーキじゃない!

人を幸福にするためのロストロギアに違いありません!

ミルクレープを食べた直後私は叫ばずにはいられませんでした。

「うーまーいーぞー!」

今の私なら口からアルカンシェルが発射できそうです。

「このケーキを作ったのはだれだ!追加注文をお願いします!」

今度は若干引いてるアリサたちを尻目に私は桃子さんにガトーショコラと特性シュークリームを注文します。

「ハーイ、承りましたー」

これまたそれだけで世界を平和に出来そうな笑顔で桃子さんが厨房へ入っていきます。

これは久しぶりに燃えてきました。

今日は全部のケーキをコンプリートするまで帰りません!

なんともいえない顔をする友達二人を他所に私は決意を新たにするのでした。

 

(Side恭也)

本当に彼女は何者なんだ?

ケーキを食べ始めてから彼女、ハルナ・スカリエッティに対する謎は増すばかりだった。

先程のさっきのやり取りからは本物の戦闘者としての風格を感じた。

恐らく彼女は人を、それもかなりの数の命を奪っている。

だというのにケーキを前にした途端その雰囲気はアリサちゃんたちと同じただの少女のそれに変わってしまった。

一体どっちが本物の彼女なのか?

未熟な自分では彼女の本性を見破る事が出来ない。

クソッ、父さんがいてくれれば・・・。

残念ながら父、高町士郎はテロ組織『龍』の残党の存在が発覚し香港へ飛んでいる。

もしかしたら父さんの留守を狙って?だとしたら香港で見つかった龍の残党は囮か?

彼女も龍の構成員なのだろうか?

結局結論がでないまま彼女は店のケーキ全種類を完食し、会計を済ませていた。

彼女とすずかちゃん達の会話を聞く限り、宿泊しているホテルに帰るのでここで分かれるらしい。

どうするか・・・。

このまま彼女を尾行し正体を確かめるのか?

いや、それより二人の安全を確保するのが先決か・・・。

そうして思案している俺だったが一つ、重大な事を見落としていた。

敵が単独犯とは限らないと言う事を・・・。

(Side out)

 

「はぁ~満足満足」

もうおなかの中は幸せで一杯ですよ。

「まさか本当に全ケーキをコンプリートするとは思ってなかったわ・・・」

「あはは・・・ハルナちゃんって凄いんだね・・・」

何故か二人が呆れ顔ですが気にしない事にしましょう。

「ご馳走様でした。おいくらですか?」

「はい、ケーキ21個で12600円(税込)になりまーす」

いやはやこれだけ美味しいケーキが一個税込600円とか・・・。

新手の振り込めない詐欺ですか?

財布から福沢先生と他数名を取り出し桃子さんに払っていると再度アリサが呆れた様子で話しかけてきます。

「しかし、観光とは言え凄い金額じゃない。襲われないようにきをつけなさいよ?」

そう、私のお財布には未だ諭吉さんが10人くらい滞在しております。

こういうとき執務官ってお得ですよね。

長期任務手当てに危険手当、私の年齢だと年少期特別手当なんかも付くのでクイントさん家の子になる前もお金に困った事はありませんでした。

「大丈夫、私こう見えて強いから」

心配してくれるアリサに私は力こぶを作って見せながら答えます。

実際何かあっても戦闘機人のパワーで何とかできます。

最悪の場合は魔法も使いますが・・・。

「アリサたちこそ気をつけなよ?いい所のお嬢様なんだから、その内誘拐されちゃうかも知れないよ?」

私が手をワキワキさせながら茶化すと、二人は笑い出した。

「大丈夫よ!それに何かあっても私達には強い味方がいるんだから。ね、すずか?」

「クスっ。うん、攫われてもきっと助けてくれる人がいるから大丈夫だよ」

なんか二人とも偉い自信ですね。

やっぱりさっきから私を見ているカウンターの店員さんでしょうか?

そう思いながら桃子さんからおつりを受け取り二人に分かれを告げようとしていると車のエンジン音が聞こえてきました。

だんだん近づいてくる車の音に始めはアリサたちを迎えに来た車かと思いましたがすぐに違う事に気づきました。

なぜならその車は黒塗りのリムジンならぬ黒塗りの『ハイエース』だったからです。

道の角から姿を現したハイエースは速度を落とす事無くこちらに突っ込んできます。

「っ!あぶないっ!!」

このままでは轢かれると思った私はアリサたちを突き飛ばすとすぐさま反対側に跳躍します。

幸い私もアリサたちも轢かれることは無かったのですが新たな問題が発生します。

急停止したハイエースのスライドドアが開き数人の男達が出てきます。

全員バラクラバ帽で顔を隠し、手には拳銃・・・拳銃!?

「ちょっ!?」

銃口がこっちを向いてるじゃないですか!

慌てて横に跳ぶと銃声からコンマ数秒後に私がいた空間を弾丸が通過します。

弾が命中した壁に弾痕が穿たれた事から玩具じゃないのは確かです。

「なにすんのよ!?はなしなさい!むぐっ!?」

叫び声が聴こえて振り向けば男達に捕まったアリサとすずかが車に放り込まれているじゃありませんか!

「アリサ!すずか!?」

二人の名前を呼んだ途端、帰って来たのは誘拐犯の放つ銃弾でした。

「うわっ!?」

慌てて回避する私。

銃弾は背後にあったガードレールに当り火花を散らします。

ボディーガードのお兄さんは何をやってるんだと思いそちらを見ると誘拐犯たちの銃撃で身動きが出来なくなっていました。

お兄さん単独ならば問題は無かったのでしょうがそっちには桃子さんをはじめ一般人が何人かいます。

彼ら彼女らを護りながら二人を救出するのは無理のようです。

そうして私達が手を出せないでいるとハイエースが急発進し、逃走を開始します。

「ちっくしょう、逃がすか!」

私は指鉄砲を作りサーチャー付きの誘導弾を精製するとハイエース目がけて発射します。

見事後部バンパーに誘導弾が命中したハイエースはそれに気づく事無く通りの角を曲がり姿を消しました。

翠屋の方は勿論大騒ぎです。

急に車が進入してきたかと思えば乗っていた連中が銃撃してきた挙句アリサたちを攫って逃走したんですから。

でも何でしょうね?

皆さん思ったほど慌ててないんですよ。

桃子さんはすぐさま警察に電話をしてますし店のお客さん達は協力し合って銃撃で荒らされたテラス席を片付けています。

何と言いますか襲撃され慣れてますよねこれ?

もしかしてアリサたちが攫われるのって日常茶飯事なんですか?

何それ怖い・・・。海鳴って実はグンマーなみの人外魔境だったりするのでしょうか?

とにかく今は二人の安全が最優先です。

本来時空管理局の執務官である私が管理外世界の事件に首を突っ込むのはご法度なんですがやっぱり二人を放っとけません。

知り合ってほとんど時間は経ってませんがそれでも彼女達は私の友達なんです。

サーチャーは無事誘拐犯の車に撃ち込まれました。

後はこれを追っていくだけ。

「待ってて、二人とも・・・!」

イェーガーを手に私は走り出しました。

 

「うまく行ったな、リーダー」

「ああ、御神流だかなんだか知らんが大した事なかったな・・・」

海鳴郊外の廃ビル、その中にアリサたちを攫った誘拐犯はいた。

既に顔を隠す必要はないと判断したのか皆覆面を取り下卑た顔で笑っている。

彼らはある人物から月村すずかを誘拐するよう依頼されたチンピラたちだった。

依頼主は多額の前金を彼らに払い、すずかの顔写真だけでなく彼女の友好関係や逃走用の車両、更には何処から調達したのか拳銃まで提供してくれた。

大金と拳銃を手に入れ気を大きくした悪党達は調子に乗りすずかの友人、アリサにも目をつけた。

実業家の娘である彼女も序に誘拐し、月村家共々身代金をせしめようと考えたのだ。

勝手な行動を依頼主から咎められると思ったが、かの人物も営利誘拐に偽装できるとしてそれを許した。

クライアントの許可を得た彼らは早速計画を実行に移す。

すずかを遠くから観察し、アリサと一緒にいるときを見計らい誘拐する。

途中見知らぬ少女と喫茶翠屋に入ったときは作戦を続行するか非常に悩んだ。

すずかの姉、月村忍の恋人の高町恭也は御神流と言う古流剣術の後継者で父士郎は香港マフィア『龍』とやりあった事のある凄腕のボディガードだという。

しかし情報では高町士郎は『龍』の残党と決着をつけるべく今は香港だ。

このような千載一遇の機会はまたとないだろう。

そう判断した彼らは覚悟を決め行動を開始。

かくして誘拐は成功した。

唯一の懸念だった高町恭也は一般人への流れ弾を気にしてうかつに動けず、結果としてアリサとすずかは攫われてしまった。

「それで、お嬢様たちは何処に行ったんだ?」

「クライアントの所だ。何でも話があるんだと」

談笑しながら男達は手を動かす。

彼らの手にはカメラを初めとした撮影機材が握られていた。

これから身代金の要求の為の映像を撮影するつもりらしい。

「しっかしどっちも中々の美少女だったよな?撮影終わったらちょっと愉しんでもいいよな?」

男の一人が暗い笑みを浮かべて言う。

「マジか?お前札付きの変態だなぁ。でも確かに上玉だ、身代金を受け取ったらどっかの変態に高値で売るのも悪くねえ」

「だろ?だからその前にちょっと位いいだろ?」

「仕方ねえな。だが売りもんなんだ。あんまり傷をつけるなよ」

救いようのない人間の屑達。

「やれやれ、何処にでも悪い奴はいるもんだなぁ・・・」

「っ!!?」

そんな彼らに死神の鎌が静かに、そして容赦なく振り下ろされた。

 

(Sideすずか)

薄暗い部屋の中、私とアリサちゃんは縛られた状態で座らせられています。

「気分はいかがかな?まぁ、良くはないか・・・」

私達の前に立つのは一人の少年。

年齢は私達より少し上でしょうか。

「ああ、自己紹介がまだだったね。僕の名前は氷村優太、君の遠い親戚だよ」

顔立ちは整っていて美少年と言っていいでしょう。

ニコニコと笑みを浮かべてはいますが何より印象的なのが彼の目です。

まるでこの世の汚い物を凝縮したような濁った瞳・・・。

人間はこれほどまでにおぞましい笑顔が出来るのかと驚いています。

いや、違う。

恐らく彼は人間ではないのでしょう。

そう、私と同じ・・・。

「その様子だと気づいたようだね月村すずかさん。そう、君のご同類だよ僕は・・・」

ニヤニヤと笑う少年、アレはもはや笑っているというよりも笑っているように顔を歪ませているようにしか見えない。

生理的嫌悪を感る私の心情など考えもせず目の前の少年は醜悪な笑顔で私を舐めるように見つめる。

「クスッ、聞いていたよりも美人だね。ますます君が欲しくなったよ」

その言葉で彼の狙いが私だと理解する。

厳密には私の中に眠る力、私が人とは違う存在だという証・・・。

「さっきから何訳の分らないこと言ってんのよ!?」

そこで我慢の限界に達したのかこれまで黙っていたアリサちゃんが騒ぎ始めた。

「こんなことして許されると思ってるの!?誘拐よ!犯罪よ!!覚悟しなさい!アンタなんか・・・!」

大声で目の前の少年を罵るアリサちゃん。

「・・・チッ、うるさいなぁ」

それを聞いて彼は舌打ちするとアリサちゃんに顔を向け・・・。

「なっ!ダメっ!!」

慌ててやめる様に叫ぶ私でしたが間に合わず、彼はアリサちゃんの目を睨みつけながら一言呟きました。

『黙れ』

「っ!?」

一言、ただ一言小さく呟いただけでアリサちゃんは静かになりました。

「・・・・!ぁ・・・・!?」

必死に声を上げようとするアリサちゃんでしたが身体が言う事を聞かないようで全く声が出せなくなっています。

「これが僕の能力だよ、目を通して相手の肉体に干渉できるんだ。本当なら心臓を止めてあげてもよかったんだけれどそうするとすずかさんがショックで自殺しちゃうかも知れないからね」

恐ろしい事を平然と、笑顔で言ってくる氷村優太。

私には彼がとても恐ろしい怪物に見えました。

「何を怖がっているんだい?君も僕と同類だろう?」

「っ!?」

私の様子に気づいたのか、アリサちゃんがこちらを見ます。

「君は知らないのかい?まぁ、無理もないか。すずかさんだって話したくは無いだろうからね、じゃあせっかくだから僕が教えてあげよう」

「っ!?だ、駄目!」

うろたえる私の姿が面白いのか、氷村優太は顔を愉悦で歪ませながら呟きます。

『お静かに』

その一言で私も声が出なくなってしまいました。

どうやら彼の力は私の肉体にも通用する位強力な様です。

「さて、それじゃあ君に教えてあげよう。すずかさんはね、人間じゃないんだ」

やめて・・・。

「『夜の一族』。分りやすく言うと吸血鬼のようなものでね、思い当たる不意は無いかな?彼女が時折見せる異常な身体能力を」

いわないで・・・。

「分ったかな?彼女は君みたいな人間なんて簡単に殺せる、『化け物』なんだよ」

「やめてえぇぇっ!!」

室内に私の叫び声が響き渡ります。

両手を縛られてなければ耳を塞いで蹲っていた事でしょう。

「何があった!?」

扉が開き銃を持った男の人達が入ってきます。

恐らく私達を攫った誘拐犯たちでしょう。

「何でもないよ、君達は外で待機していればいいんだ」

「しかし・・・」

「聞こえなかったのか?出て行けといったんだ」

私を見ながら何やら言おうとする誘拐犯たちに氷村優太は怒気をはらんだ声で命令しました。

「・・・っ!分ったよ、出て行けばいいんだろ。いくぞ・・・」

「お、おう」

殺気に当てらた誘拐犯たちは怯みながら退室していきました。

「フンっ、低俗な人間風情が・・・それにしても僕の支配から脱する事が出来るとはね・・・ますます君の事が欲しくなったよ」

いやらしい視線を向ける目の前の少年から目を背けると、アリサちゃんと目が合いました。

「あっ・・・」

「・・・・・・」

いまだ喋る事が出来ないアリサちゃん、その目には恐怖や怒りといった負の感情が宿っていました。

それがまるで自分に向けられているように感じた私は俯き目を瞑ります。

辛くて、怖くて、悔しくて・・・。

でも私の力じゃどうしようもできない。

(お願い、誰か助けて・・・っ!!)

そんなふうに祈る事しか出来ない私でしたがそれが通じたのか、下の階が騒がしくなってきました。

『何があった!?下を見てくる、お前はここを頼む』

『分った』

外の見張りも何が起こっているのかわからないみたいです。

「クックック・・・思ったよりも早かったなぁ・・・」

そういってニヤリと笑う氷村優太、なにかとてもいやな予感がします。

「何を、言ってるの?」

「いや、なに・・・あれだけ騒ぎを起こせば君を助けに来るだろうと思ってね。僕の目的は二つ、一つは君の身柄。そしてもう一つは・・・」

・・・っ!!

「まさか・・・!?」

「その通り、高町恭也の抹殺さ」

その発言に私はもとより隣にいるアリサちゃんも目を見開きます。

「彼はこれまでも色々と僕らの邪魔をしてくれたからね、いい加減消えてもらいたかったんだ。彼さえいなければ君のお姉さんもどうとでもできるしね・・・」

「なっ・・・!?」

この人はお姉ちゃんも狙っている!!?

「流石に真正面からやりあったら不利だろうけど、僕の能力なら心臓を止めるのも脳や神経を破壊するのも簡単だからね」

恭也さんの強さは私もよく知っています。

でも恭也さんだって不死身じゃない、万が一と言う事もあります。

『なっ!?貴様は・・・ぐぁっ!!?』

『おい!どうし・・・がはっ!?』

そうこうしているうちに扉の外で誰かのうめき声が聞こえます。

恐らく外にいた見張りのものでしょう。

数秒の静寂。

張り詰めた空気の中、鉄製の丈夫な扉が蹴り破られました。

「・・・・ぁ?!」

「えっ!?」

「・・・君は誰だ?」

それは氷村優太にとっても、そして私達にとっても予想外の人物でした。

(Side out)

 

誘拐犯のハイエースに打ち込んだサーチャーを追うことおよそ30分。

町の郊外にある廃ビルにたどり着きました。

ビルの前には黒塗りのハイエース、ナンバーも誘拐犯等のものと合致します。

「それじゃ、救出作戦と行きましょうか・・・」

イェーガーを起動、バリアジャケットを展開してビルの中へ。

なるたけ音を立てないように階段を上がっていくと2階フロアに3人の男達がたむろしていました。

覆面は取っていますが服装から誘拐犯たちで間違いありません。

「・・・でも確かに上玉だ、身代金を受け取ったらどっかの変態に高値で売るのも悪くねえ」

「だろ?だからその前にちょっと位いいだろ?」

「仕方ねえな。だが売りもんなんだ。あんまり傷をつけるなよ」

話を聞く限り身代金を渡しても二人を返す気はさらさら無いようです。

あまつさえ変態に売り払う前にエロい事をするとか、陵辱系のエロゲーかと。

流石にこのゲス共は救い様がありません。

「やれやれ、何処にでも悪い奴はいるもんだなぁ・・・」

「っ!!?」

もはや慈悲は愚かハイクを詠む暇すら与えません。

大惨事大戦の開幕です。

この距離では撃つよりも殴った方が早いですね。

そう判断した私は戦闘機人の瞬発力活かして一番近くにいた誘拐犯に肉薄、イェーガの銃床でアソコを思いっきり殴りつけました。

「っ!?!?!?!?」

突如襲った衝撃と後からやって来た激痛で言葉にならない叫びを上げながら誘拐犯が蹲ります。

間髪いれずに次のターゲットに突撃。

イェーガの銃口下に魔力で形成した銃剣を作り出しそのまま突進、勿論狙いは相手の股間です。

「っ・・・ぅああアアあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

自分の大切なところに何が刺さったのか理解した誘拐犯は断末魔も斯くやといった絶叫を上げます。

あ、勿論非殺傷設定ですよ、タマタマは原型留めてます。

ただ衝撃とか魔力の影響とかで生殖能力が残っているかは保障しかねますが・・・。

流石に最後の一人は状況を理解したのか、私に向かって拳銃を向けてきます。

さて、ここで目の前の誘拐犯を盾にしてもいいですが味方ごと打つ可能性も捨て切れません。

管理外世界だという事を抜きにしても死人は避けたいですから。

なので自分で防いじゃいましょう。

案の定仲間が射線上にいるにも関らず誘拐犯は引き金を引きます。

中国製と思しき銀色の安っぽいコピートカレフから放たれた弾丸は狙い違わず私の方に飛んできて展開されたシールドにあっさり弾かれました。

「なっ・・・!?」

現れた魔法陣っぽいものに銃弾が跳ね返されたのを見て驚いたのか誘拐犯は呆然としています。

そんな隙を見逃すハルナちゃんじゃあありません。

「そぉいっ!」

未だアソコを抑えている目の前の誘拐犯から銃剣を抜くと彼を向こうに目がけて放り投げます。

「ぐぇっ・・・!」

人間ミサイルよろしく跳んできた仲間が激突し、潰れたカエルのような声を上げる誘拐犯。

気絶した仲間の下敷きになり何とか脱出しようともがいている誘拐犯の目の前に私は仁王立ちします。

「アリサとすずかはどこ?」

イェーガーの銃口を向けながら私は残った誘拐犯に問い質します。

流石にごっついマシンガンを向けられたからか、誘拐犯は階段の方を指差します。

「う、上の階の一番奥の部屋だっ、そこに雇い主と一緒にいる・・・」

そういわれた直後、上から声が聞こえてきます。

「何があった!?」

どうやら残りの犯人も上の階にいるようです。

「いいだろう、お前は最後に殺すといったな・・・」

「へっ?いや、そんな事一言も・・・」

「アレは、嘘だ」

そういうと私は未だ無事だった誘拐犯の股間をおもいきり蹴飛ばしました。

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」

言葉にならない絶叫を上げる誘拐犯。

流石に可哀想に感じてきたので先ほど去勢した二人共々誘導弾を打ち込んで気絶させました。

それから扉まではほとんど作業ゲー状態です。

階段から下りてきた見張りをやっつけ、扉の前にいた残りの一人も倒して終わりです。

勿論大切なところを撃って轟沈させてます。

いたいけな幼女をかどわかそうとしたんです。

インガオホーと言う奴です。

さて、残りはこの扉の向こうですか・・・。

アリサとすずかが人質に取られていたら厄介です。

速攻で突入して速攻で制圧しましょう。

そう決断した私は思い切り扉をけりつけダイナミック入室を果たします。

そこにいたのは縛られた状態で座らされたアリサとすずか、そして・・・。

「・・・君は誰だ?」

なんかスカした感じのいけ好かないお子様がいました。

さて、何て返してやりましょうか・・・。

「貴様に名乗る名など無い!」かな?

「悪を断つ剣なり!」も捨てがたい。

「地獄からの使者、スパイダーマッ!!」もやってみたいです。

とは言え急いで名乗らないとタイミングを逸してしまいます。

此処は私の特徴を踏まえつつオーソドックスに名乗る事にしましょう。

「見てわかんない?正義の魔法少女だ!」

どうだ、決まったぜ・・・!

「「「・・・・・・えっ?」」」

・・・えっ?




文章に出ていたISAFは国際治安支援部隊 (International Security Assistance Force) という実在するものです。
ちなみに某ゲームのISAFは独立国家連合軍 (Independent States Allied Forces) になります。

あとどうでもいい話ですが「有明か、何もかも・・・」のセリフは作者が某逆三角形の建物を見る度に言ってるセルフです。よろしければ皆さんもどうぞw
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