お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's   作:Y.Sman

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途中まで書いていた分が完成したので投稿します。
長いので二つに分割しました、続きは明日投稿します。


第11話「事件解決と思いきやもう一波乱とか勘弁してほしい、てか私の休暇を返せ!」

「・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・」

気まずい沈黙。

何ですか?

私?私が原因ですか?

「えーと、やり直していい?」

 

機人長女リリカルハルナ

第11話「事件解決と思いきやもう一波乱とか勘弁してほしい、てか私の休暇を返せ!」

 

「ん、ゴホン・・・っ。変だなぁ、僕は高町恭也がくると思っていたのに」

あ、こいつさっきのやり取りをなかったことにしやがりました。

まぁ、私としてもさっきのアレは永遠に封印しておきたい黒歴史の一つにノミネートしたのでありがたいのですが。

なわけで私もこの流れに乗ってさっきのアレは無かった事にしましょう。

「高町恭也が誰かは知らないけど、その二人は返してもらうよ」

私がそういうと目の前の子供はスンゲーむかつく笑みを浮かべます。

「彼女達のために態々危険を犯したのかい?」

「友達が攫われたんだ。助けに来たっておかしくは無いでしょ」

「理解できないね、それだけの価値が彼女達にあると?」

と人を小バカにしたような口調で聞いてくるガキンチョ。絶対友達にしたくないタイプです。

「価値観の相違ってやつだね、自分の物差しだけで世間を見ない方がいいよ?」

私がそういうと今度は不機嫌そうに顔を歪ませます。

「不愉快だな・・・ただの人間がこの僕に、氷村優太に意見するだなんて」

・・・うわ、なにこいつ?

沸点低いうえに何か拗らせてますよ。

こういう手合いは何を言っても聞かないし完全論破しようものなら逆ギレして暴れかねません。

せいぜい適当にあしらいながらタイミングを見て二人ととんずらしましょう、それから先はおまわりさんの仕事です。

・・・って、よく考えたら私がおまわりさんじゃん。

そういうことなら仕方ありません、少々面倒ですが力づくでふんじばって然る所に突き出しましょう。

と言うわけで一応最終確認です。

「まぁ、その辺の事はどうでも良いんで一つ質問。あなたが下に居た連中のクライアントってコトでいいのかな?」

私が質問すると氷村容疑者は鼻で笑いやがりました。

「あぁ、あの役立たずどもか。高い金を払ったのにほんっと使えない連中だよね、これだから人間はダメなんだよ・・・」

はい有罪(ギルティ)!

こうして私の中で容疑者から被告に変わった氷村優太(住所不定、職業不詳)にイェーガーの銃口を向けます。

「そう、それじゃあ一応警告しておくね、未成年者略取の現行犯だから黙秘権も弁護士を呼ぶ権利も無いけどカツ丼を注文する権利くらいは残ってるから無駄な抵抗はやめて大人しくしなさい」

そう勧告すると氷村被告は壊れたように笑い始めました。

「クックック・・・アッハハハハハハハハハハっ!」

うん、ちょっと・・・いや、かなりヤバイ感じです。

一頻り笑ってから氷村被告は首をガクッとシャフ度に傾けつつ目だけがぎょろりと私を睨みつける。なんかキモイです。

「ココまで僕を侮辱したのは君が初めてだよっ、どうやってここまで来たのか興味があったけれどもうどうでもいい。僕と言う偉大な存在に楯突いた事を後悔させながらコロシテヤル」

うん、こういうときはこのセリフです。

訳が分らないよ。

今のセリフの何処に侮辱するような単語や文章が存在したのか全く分りません。

何?コイツの中では他の人間は自分に対して平伏するのが当たり前なことなの?

どんだけ自尊心がでかいのさ?アンドリュー・フォーク准将もビックリなレベルだよ。

躁状態とかいうレベルじゃなくて最早重度の精神疾患レベルじゃね?

黄色い救急車を通り越して高い塀に囲まれた病院が来いって叫びたい。

どうするのコレ?こう言うのは父さん達の領分で私は門外漢なんだよ。

「・・・あー、裁判の前に精神鑑定が先だねこりゃ」

とりあえずアリサたちの安全を優先すべく目の前の痛い子を拘束することにしましょう。

 

Side氷村優太

不愉快、あぁ不愉快だ!

目の前にいる人間、銀髪の小娘は事もあろうに夜の一族、その至宝である僕に命令してきた。

しかも「抵抗するな」?「おとなしくしろ」?それは勝者が敗者に行う者だ、間違っても絶対者たる僕が言われるべき言葉ではない。

これほど僕に屈辱を与えた人間が今までいただろうか?

うん、殺そう。

取るに足らない人間とは言えそれなりに腕の立つ連中を雇ったつもりだ。

それをどうやって退けここまで来たのか気にはなるが関係ない。

殺して死骸を解剖すればある程度は分るだろう。

いや、いい事を思いついた。

殺さず心だけを破壊してやろう。

そしてただの人形になったあいつを月村すずかにプレゼントしてやるんだ。

彼女もきっと喜んでくれるに違いない。

そうと決まれば早速始めよう。

殺さずに精神だけを破壊するのは面倒だが今回は許してやろう。

何も知らずに身構えている女を見る。

その綺麗な顔が苦痛に歪む様が見れないのが残念だよ。

そう思いながら奴と目をあわせた。

さぁ、僕に逆らった罪、その身をもって償うがいいっ!

Side out

 

「ん?」

微弱な不可視光線を感知?

照射源は・・・目の前のガキンチョのようです。

何コイツ、目からビームでも出せんの?

放射線とかは検知されませんでしたが念のためにバリアジャケットに光学防御と放射線防御を付加、それから網膜にも光学フィルターをかけておきましょう。

「ハルナちゃんっ!逃げてっ!!」

すずかが慌てた顔で叫びます。

その直『クワッ』っと目を見開く氷村被告。

「ハルナちゃんっ!!」

先程の光線が先程より強い出力で照射されたようですが目に見え無いのでただ睨み付けられただけにしか感じられません。

しかも強いと言ってもレーザー安全基準で言うところのクラス1からクラス1Mに変わった位で大した脅威にはならないでしょう。

「クッ、クフフフフ・・・」

なのに何で目の前のちみっこは勝ち誇った笑みを浮かべているのでしょうか?

「はははははははっ!バカめっ、僕にたてつくからそうなるんだ!見ろ、この無様な姿を!下等な人間の分際で身の程をわきまえないから・・・!」

うん、うるさい。と言うかウザイ。

C級作品に出てくる安っぽいラスボスみたいな事を騒いでいる氷村くん。

てか自分に酔ってるのか私がすぐそこまで来ていることに全く気づいていません。

さて、どうしてやろうか・・・。

パンチ?ありきたりだし何より警官が被疑者を殴打したとか後々面倒な騒ぎになるから却下です、蹴りも同様の理由で不可とします。

まぁ、見た目ガキンチョですしデコピンくらいで許してあげましょう。

え?すずか達を誘拐した奴に優しすぎないかって?

大丈夫ダイジョーブ、私のデコピンは車のフロント叩き割れるから。

「てい」

肩を叩いて顔がこっちに向いたところでデコピン(ジュール換算124.8J)を額に喰らい盛大にもんどりうつチビッ子。

「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!?」

そのチビな体の何処から出るのか不思議に思えるほどでかい叫び声を上げる氷村くん。

額を押さえながら足をバタバタさせている内にアリサとすずかの拘束を解きます。

「二人とも大丈夫?エロいことされてない?」

「されて無いわよっ!って、あれ?声が出る?」

何やら変な事を言うアリサ、先程まで一言も発しなかったから変だとは思ってましたが声が出なかったからだとは・・・。

「多分ハルナちゃんのデコピンを受けたことで彼の支配が解けたんだと思う・・・」

「支配?」

今度はすずかが意味深な事を言い出します。

「そうよ!ハルナもアイツの目を見たんでしょ!何で平気なの!?」

目?確かに変な視線と言うか赤外線っぽいものは観測しましたけど・・・。

「あのね、あの人の目を見た人は体を支配されちゃうの」

何それ!?ギ○ス?ギア○ですか!?

確かにあのアニメは中二臭バリバリの作品でしたもんね。

ちなみに私が好きなキャラはオレンジさんです。

はいそこ、ファザコン言わない、別に中の人がおんなじだからじゃ無いです。無いったら無いんです!

「とにかくさっさとココから逃げよう、外に犯人達の車があるからそれで先ずはここから離れよう、それから警察にでも・・・」

「まてっ!」

警察にでも逃げ込もうといいかけたところで後ろから静止の声がかかります。

振り向くとデコピンに悶絶していた氷村君が復活していました。。

「ハァ、ハァ・・・よくも、よくもボクをコケにしてくれたな・・・!」

何かすごい形相でこちらを睨んでくる氷村くん。

「もういい、お前ら全員ここで殺してやる!月村すずかもだ!ボクのものにならないならもう生きる価値もない!」

私の後ろですずかが身をこわばらせるのが分りました。

同時に沸々と怒りが私の胸の奥底からこみ上げて来るのも感じます。

その人の価値は本人が決めるものです、他人がどうこう言う資格なんて、ましてやそいつの価値観で勝手に殺すなんて言語道断です。

とは言えどうしたものか・・・。

コイツのギアス(仮)が私に効かないのはさっきの戦闘で実証済みです。

問題は私の後ろにいるアリサとすずかです。

私と違ってギアス(仮)で体の制御を奪われていたらしいので恐らく今度も防ぐ事は出来ないでしょう。

マルチタスクで対策を考えていると氷村の目に変化が起こります。

微小ですが角膜が振動しています。

普通の人では気づかない変化ですが戦闘機人である私の目は見逃しません。

もしかして・・・。

仮説ですがああやって角膜を震わせて不可視光線を照射、それを見た相手の脳に直接命令を叩きつけているのでしょう。

こいつ、実は人間じゃなくて光線級BATEなんじゃね?いつの間に地球は地球外起源主の侵略を受けていたのでしょうか・・・?

冗談はさておき確証はありませんが他の仮説を考えている時間はありません。

その仮説に賭けてみましょう!

「死ねぇぇぇっ!!!」

そう言って『クワッ』と目を見開く氷村。

「ええい、ままよっ!」

私はそう言って考え付いた対抗手段を実行に映します。

すると・・・。

「ぐぁっ!?」

氷村君が目を抑えます。

しかしそれも数秒、すぐさま立ち直り再度こちらを睨みつけます。

「お前・・・!何をしたか知らないが無駄な足掻きだっ!」

再度こちらに対し目を見開きます。

「っ!」

私の後ろで身構える二人。

「・・・あれ?」

しかし何も起こりません。

「バカなっ!?フンっ!」

驚きながらもう一度こちらを睨む氷村。

やはり何も起こらず氷村は困惑します。

「おまえ・・・何を、ボクに何をした!?」

私に詰問する氷村くん。

その声色には困惑と怯えが感じられます。

ふむ、これはこれは・・・。

思わずニヤリと笑みが浮かんでしまいました。

「ふ~ん、教えてほしいの?」

そう言って私は氷村くんの方に一歩一歩、踏みしめるように歩いていきます。

「う、あぁ・・・やめろ、くるな・・・」

先程までの余裕は何処へやら、すげービビリまくってる氷村君は私が一歩進むごとに後退し、やがて部屋の隅に追い詰められます。

「何を怯えてるのかな、ひ~む~ら~くぅ~ん?君は選ばれた存在なんじゃなかったっけ?いや、新世界の神だったかな?」

まだ何もしていないのに涙と鼻水でグシャグシャになった氷村君の頭に私は手を伸ばし。

「人間舐めんな糞ガキ・・・っ!」

過去最大威力のデコピンをお見舞いしてやりました。

 

「全く、氷室だか志村だか知らないけれどな、私は『ゆうた』が大っ嫌いなんだ!ハチミツねだるな!勝手に3乙すんな!尻尾位自分で切れ!この腐れふんたーが!」

「いや、なんでモンハン?てかハルナ・・・アンタアイツに何したの?」

二人が縛られていたロープで気絶した氷村君を簀巻きにしながら愚痴る私にアリサが突っ込みと共に聞いてきます。

そうですよね、何も知らない人たちが見たらただ睨み合っていただけにしか見えませんもんね。

「フフン、知りたい?」

「知りたいからさっさと教えなさいよ。後ドヤ顔やめい」

むぅ、そこは「か、勘違いしないでよねっ!べ、別に教えて欲しい訳じゃないんだから・・・っ!」って言って欲しかったのですが。

「何かバカな事考えてたでしょ?」

「エッ?ソンナコトアリマセンヨー」

「何で半角カタカナなのよ!」

「あ、アリサちゃん落ち着いて・・・」

もはや様式美となったやり取りをしていた所で外から『ズドン』という大きな音が聞こえてきます。

「何?!」

「外から?」

轟音と共におなかに響く衝撃にうろたえる二人。

近くにあった窓から階下を見てみると犯人たちの黒いハイエースが濛々と黒煙を上げて燃えています。

敵の新手でしょうか?

私達の逃走手段を潰しにかかるとは中々手馴れています。

「二人はココにいて、ちょっと様子を見てくる」

恐らく相手はそこで絶賛気絶中の中二病患者直属の腕利きです、さっきまで相手にしていたエロ犯罪者集団とはレベルが違います。

さすがに二人を護りながらそんな連中を相手にするのは骨が折れます。

なので一人で新手を倒してから二人を連れて逃げる事にしましょう。

階段を下りて下の階に着きますがだれも居ません。

去勢してやった悪党どもはどこかのダンボール工作員の如くロッカーに「しまっちゃうおじさんの刑」に処したので居ません。

「もう一つ下の階かな?」

そう言って私が一歩前に踏み出した瞬間、濃密な殺気が頭上から降ってきました。

「っっ!!?」

慌てて前方に跳ぶとさっきまで私が居たところに一人の男が落下してきました。

手には小さめの刀、恐らく小太刀が握られています。

「今のをかわすか。翠屋にきたときから只者では無いと思っていたが・・・」

そう言って立ち上がり顔を上げる襲撃者。

それは翠屋のカウンターにいた店員さんでした。

 

(Side恭也)

町中の防犯カメラをハッキングして犯人たちの車を見つけだしたと忍から連絡を受けた俺は装備を整えると急ぎアリサちゃんとすずかちゃんの救出に向かった。

郊外の廃ビルの前に停めてあった車は間違いなく二人を攫った連中のものだ。

二人を助け出してもコイツで追跡されたら面倒だ。

そう思った俺は持ってきていた忍謹製の爆弾を車に仕掛ける。

威力はたいした事はないが燃料タンクに仕掛ければ引火して盛大に爆発してくれるはずだ。

そうすれば騒ぎを聞きつけて近隣の警察が駆けつけてくれるだろう。

そして彼らが駆けつける前に俺は二人を救出、同時に「夜の一族」に関係する証拠を処分して脱出する。

しかし爆弾を仕掛けビルに侵入したものの驚くほどに拍子抜けだった。

出入り口に見張りはおらず、二階に上がっても鼠一匹いない。

さらに上の階で守りを固めていると厄介だ。

そう思った俺は車に仕掛けた爆弾の起爆ボタンを押した。

轟音と共に腹に響く振動。

恐らく爆発に気づいて何人かは様子を見に降りてくるはず、そいつらをしとめて敵戦力の漸減を図る。

案の定階段を駆け下りてくる足音を耳にし、俺は天井に張り付き敵を待ち構える。

そして昇降口から人影が現れた瞬間、俺は落下しながら手にした小太刀を敵に振り下ろした。

しかし・・・。

(かわされたっ!?)

相手は驚くべき直感と瞬発力で前方に跳躍し俺の一撃を回避する。

そして相手の正体を知った俺は再度驚愕した。

「今のをかわすか。翠屋にきたときから只者では無いと思っていたが・・・」

そう、現れたのは二人と一緒に翠屋にやってきた少女、ハルナ・スカリエッティだった。

(Side out)

 

ヤバイです・・・。

何がヤバイかって言うとマジで色々ヤバイです。

第一に今の現状。

もし私が突破されたら襲撃者の障害となるのは階段一つと扉一枚のみ、そんなものではアリサとすずかは護れない。

逃走用の足を奪われた以上子供の足ではすぐに追いつかれてしまうでしょう。

よってここで襲撃者は完全に叩いておかなければいけません。

第二に相手が悪いです。

件の襲撃者、よりにもよって翠屋のカウンターにいた若い店員さんじゃないですか。

物腰といい雰囲気といい、明らかにその道のプロっぽかったのでてっきりアリアかすずかの執事ないし護衛だと思っていましたが・・・まさか犯人側の人間だったとは。

二人の発言からこの人が護衛の人間なのは確かです。

金で買収されたのか、それとも最初ら犯人達の仲間でそれを隠して二人に近づいたのか・・・。

どちらにしても最低のヤロウです、警察に突き出す前に泣いてやめてくださいって言うまで教育上不適切なオシオキをしてやりたいくらいですが・・・。

さて、実はヤバイ状況と言うのはもう一つありまして・・・。

この人、めっちゃ強いです。

「フッ!疾っ・・・!」

肉体を強化された戦闘機人のハルナちゃんを持ってしても防戦一方に追い込まれる程度には強いです。

中でも別格なのはスピード。

壁や天井すら足場にしてスピードに乗った必殺の一撃を繰り出してきます。

その速度、もしかしたらライドインパルス状態のトーレに匹敵するかもしれません。

魔法の露見を恐れてシールドや大出力魔法は控えているのを抜きにしてもこんなに不利になるとは思っても見ませんでした。

ほら、今も彼の一撃が・・・って!?

「ぐふぉっ!?」

ヤバイ、お腹にモロに喰らっちゃいました。

てかバリアジャケット越しにこの威力ってマジありえないんですけど・・・。

痛覚を遮断、脳内麻薬を大量分泌して苦痛を和らげていると謎の店員さんが私の前までやってきます。

「安心しろ、命までは取らない。君には後で聞きたい事が山ほどある、だが・・・」

そう言って私の背後の階段に視線を向ける店員。

私の横を通り抜けた時、彼は最後にこう言いました。

「先ずは上の二人が先決だ」

彼がそういった直後全身の血が凍りついたような錯覚を覚えました。

二人?

二人って言うのはアリサとすずかの事ですか?

彼女達をどうするつもりか?

そんなの振りまく殺気からして決まっています。

殺される?

アリサとすずかが殺される?

この世界に来て最初の、生まれ変わってからマリー以来初めて出来た友達が殺されるっ?

そう思った瞬間胸の奥からマグマのように熱い感情が膨れ上がってきました。

そう、これは怒り。

久しぶりにプッツンしちゃいました。

頭の片隅に追いやられた理性が止めろ落ち着けと騒いでいますが完全に無視です。

魔法の露見も管理局員としての規範とかも一切合財知ったこっちゃありません。

アリサとすずかを守る、そのために目の前にいるスカした感じのアサシンをぶちのめしてやります!

リンカーコア、オーバーブースト。レリックジェネレータ出力最大。

ISほか全兵装使用自由。

異変に気づいた店員が振り向きましたがもう遅いです。

今私の持てる全てをもって、目の前のあん畜生をぶっ飛ばしてやります!

 

(Side恭也)

空気が変わった。

突然の変化に俺は階段にかけようとしていた足を止めた。

同時に体中の汗腺が刺激され汗がにじみ出てくる。

(何だ、一体・・・!?)

今感じている感覚に俺は覚えがあった。

恐怖、それは間違いなく恐怖だ。

だが・・・。

(何なんだ!この凄まじい力はっ!?)

圧倒的、ただただ圧倒的なまでの濃密な圧力。

目の前に腹を空かせたライオンが居たってココまで恐怖を感じる事は無いだろう。

まるで戦車、いや軍艦が搭載されたあらゆる兵器を自分ひとりに向けているかのような純粋で暴力的なまでの力の奔流。

それを感じるのは背後、文字通り恐る恐る後ろを振り返るとそこには一人の少女が立っていた。

「・・・・・・」

ハルナ・スカリエッティ。

アリサちゃんとすずかちゃんに近づいた謎の少女、そしてつい先程俺が倒したはずの敵だ。

それがまるで痛み等感じていないかのような涼しい顔で仁王立ちしている。

そう、俺が恐怖を感じた見えない力は間違いなくこの子から発せられている。

(バカな・・・!この力、人間が出せるレベルを超えているぞ!)

見たことも無い金色の瞳を爛々と輝かせまるで感情が消えうせたかのような無表情で立つ少女。

彼女を一言で表現できる単語は一つしかないだろう。

殺戮人形。

そう表現するのがもっとも適しているであろう彼女一歩前に進む。

「・・・っ!!?」

ただそれだけ、それだけの動作で俺は威圧され一歩後ろに後ずさる。

そんな俺を彼女は無感情に見つめながら手に持った機関銃の銃口を向ける。

すると銃口に青白い光りが集まっていき・・・。

「・・・行かせない」

彼女がそう言った直後、極光が俺に向かって照射された。

「・・・・・・・・っ!!!!!!」

動物的本能で横に跳び、迫り来る閃光を回避する。

光りが収まり目を開ける。

体を確認し、異常がない事を確認すると次に俺は先程閃光が通り過ぎた階段を見つめ。

「なっ・・・!!?」

絶句した。

俺が見たのは空だった・・・。

階段でも壁でもなく空。

先程の極光は俺がいた空間を・・・階段も外壁もぶち抜いてビルに大穴を穿っていったのだ。

そして俺は理解した。

彼女は本気ではなかったのだと。

理由は知らないがこれほどの力を持ちながら彼女はそれを俺に振るっては来なかった。

しかし今は違う。

金色の無感情な瞳が俺を見据えたまま動かない。

間違いない。今の彼女は俺を殺す事に微塵も躊躇いを感じてない。

その瞳にはただただ強い決意が感じられた。

(こうなったら、俺も最早手加減は出来ない・・・!)

手を抜いたら殺られるのは必至。

俺が生き残るには殺す気で彼女に挑まなくてはならないだろう。

覚悟を決めた俺は小刀を構え彼女に向かって疾駆した。

(Side out)

 

目標接近、迎撃準備。

突撃して来た襲撃者を迎え撃つべく身構えると相手は予想外の攻撃を繰り出します。

袖口からワイヤーが放たれイェーガーを持った右腕に撒きつきます。

「!?」

「貰った!」

恐らくこちらの攻撃手段を封じた上で仕掛けるつもりでしょうが私相手にこれは愚策です。

私は戦闘機人のパワーで力任せに右腕を引きます。

「うぉっ!?」

当然ワイヤーで繋がった店員も引っ張られてこちらに跳んできます。

「チッ・・・ならっ!」

しかし彼もただでは転びません。

そのまま私に突っ込んでくるつもりのようです。

「ハァッ!」

振り下ろされる小太刀。

それをシールドで防御、ダメージ無し。

「なにっ!?」

狼狽したところにゼロ距離から左腕のロケットパンチを叩き込む。

「ぐはっ・・・!?」

悲鳴とも嘔吐とも呻きともとれる声と共に件の店員は壁に叩きつけられる。

咳き込みながら何とか立ち上がる彼を尻目に私は大部分がインパクトカノンで抉られ、かろうじで端だけ上り下り可能な状態の階段を背中に立ちはだかる。

「はぁ、はぁ・・・あくまで通す気はないと言うのか・・・」

応える必要はありません、返答はこれで十分。

私はイェーガーを構えると速射モードで発砲。

秒間数十発の魔力弾が襲撃者に殺到します。

「クッ・・・!」

ボロボロの体に鞭打ちながら弾丸の豪雨から逃げる店員。

彼が回避した空間にあった古い机や椅子等が掃射を受けバラバラになった破片が宙を舞う。

店員はまるでニンジャのような機敏な動きでこちらの猛射を交わしながら釘の様な手裏剣を投擲。

慌てず騒がずフィールドで弾き返していると相手は床を蹴って大きく跳躍。

恐らく天井を足場にして上から私に一撃を加えるつもりなのでしょう。

「させない・・・!」

そう呟きながら床に手を当てて・・・。

「FOA、発動・・・!」

跳躍した店員の着地地点から突然コンクリートの針が生えます。

「な・・・っ!!?」

慌てて身をよじって針を交わす店員。

針と言っても太く鋭い、まるで中世の騎士が使うランスのような巨大な針です。

喰らえばひとたまりも無いと悟った彼は身体をひねってなんとか天井からの奇襲をかわします。

しかしそれは同時に貴重な攻撃の機会も失った事を意味しています。

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

「・・・・・・」

肩で息をする彼と無表情の私。

一見私が有利に見えますが実はそんな事も無かったりします。

怒りのあまり後先考えない全力稼動のせいでリンカーコアもレリックもレッドゾーンギリギリです。

アレだけ暴れたんだから警察が駆けつけるだろうと思いましたが未だサイレンが聞こえて来ません。

胸の内でおまわりさんに恨み言を呟きながら現状を把握します。

相手はボロボロ、私もオーバーヒート寸前。

あっちの武器は小太刀一本。

さっきからワイヤーやらクナイやらが飛んでくる以上まだ暗器を隠し持っているのは間違いないでしょう。

私のほうはイェーガーの残弾が2斉射分。

マガジンはあと4つありますがマグチェンジさせてくれる暇はないでしょう。

つまりいい加減勝負を決めないとヤバイって事です。

何か手はないかと相手の様子を窺うと部屋の中央に陣取って全く動きません。

恐らくFOAを警戒しているのでしょう。

下手に動けば壁、床、天井、あらゆる場所が槍衾になって襲ってくるわけですから。

・・・そうだ、FOAで床に大穴空ければいいんだ。

私がいるのは端の階段付近だしさっきやっつけた誘拐犯たちを収納したロッカーも部屋の端・・・。

彼が陣取っている部屋の中央付近を崩してやればそのまま下のフロアまで真っ逆さまです。

上手く着地したとしてココまで登ってくるのよりも私が上の階に登って階段を完全に壊すほうが早いです。

それから二人を担いで飛んで逃げれば追いつかれることもありません。

問題はどうやって彼を束縛するかです。

ISを発動する場合、どうしても足下にテンプレートが浮かびます。

発動がばれる以上相手も阻止しようとするでしょう。

バインドは近づいて設置する必要がありますし、リストバレットは回避される可能性があります。

・・・ちょっと難しいですが遅発式のリストバレットを彼の足下に打ち込んでから改めて中央に誘導するしかありません。

向こうも私が何かを狙っている事に気づいたのか足に力を溜めています。

「・・・」

「・・・・・・」

まるで荒野の決闘のような張り詰めた空気。

来るっ!

そう告げる直感に従い私がイェーガーのトリガーを引こうとした瞬間・・・。

「何よこれ!?階段が壊れてるじゃない!」

「あ、アリサちゃん危ないよ!もっと下がって!」

背後から聞き覚えのある声が聞こえてきます。

会って間もないとは言え大切な友達の声・・・聞き間違えるはずがありません。

振り返るとそこには上の階にいるはずのアリサとすずかがいました。

何でここに!?部屋で待ってるように言ったのに!

同時にこの好機をあの襲撃者が逃すはずがありません。

間違いなくこの隙を突いて飛び掛ってきているだろう襲撃者に視線を戻しながら私は叫びました。

「何やってるの二人とも!危険だから早く部屋に戻って!」「アリサちゃん!すずかちゃん!彼女は危険だ!上に逃げろ!」

・・・・・・あれ?

視線を前方に戻しましたが件の店員は一歩も動いていません。

こちらに攻撃してくる、最悪私を飛び越えて二人を人質にするかもしれないと思っていたのに。

しかも動かないどころか二人に逃げるよう呼びかけています。

まるで彼女達を助けに来たかのように・・・。

「「ん?」」

私と彼、二人同時に首を傾げます。

「・・・あ~今更なんだが一つ聞いていいか?」

「ど、どうぞ・・・」

すっごくバツが悪そうな感じで店員さんが質問してきます。

「君は・・・その、誘拐犯の一員なのか?」

「違います」

速攻で否定します。

あんな下半身テロリスト達と一緒にされるとは不本意ココに極まれりです。

「私からも質問いいですか?」

「あ、ああ」

先程のように、今度は質問する側される側が逆転した状態で同様のやり取りがなされます。

「あなたは、新手の襲撃者だったりします?」

「違う」

速攻で否定されてしまいました。

あんな下種と一緒にするなって顔での即答です。

あー、つまり?

私は当然ながら誘拐犯の仲間じゃないし彼も連中の増援じゃない。

てことは・・・。




ふんたーネタを入れましたが作者はモンハン2までしか知りませんw
あとハルナが恭也さん相手に互角にやり合えたのは所見殺し的な部分があります。
なのでとらハファンの皆様、「恭也はもっと強いだろ」とか怒らず笑って許してください。orz
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