お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's   作:Y.Sman

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途中まで書いていたのが完成しました。
今度こそ本当に打ち止めで更新が遅くなります。

前回はたくさんの感想ありがとうございました。
まさか総集編なのに6通も感想が来るなんて驚きです。
もうこれからは毎回総集編でもいいよねw
駄目ですか、そうですか・・・(´・ω・`)
兎にも角にもいよいよ本編突入!機人長女リリカルハルナ、始まります。
(以下op)


本編突入編
第13話「お姉ちゃん参上!三人目の魔法少女なの」


漆黒の闇の中を一隻の船が航行している。

L級巡航艦、8番艦『アースラ』・・・時空管理局次元航行部隊に所属する巡航艦の一隻だ。

その艦橋に一人の若い女性士官が入ってきた。

「皆どう?今回の旅は順調?」

「やっぱり向こうに着いたら最初に行くのは『と●のあな』かな?」

見た目の年齢は恐らく20代前半、それに比して階級は身に纏っている制服からかなり高い。恐らく佐官以上だろう。

「はい、先に観測された小規模次元震もあれから確認されていません」

「ふむ、●ロンブックスも捨てがたいが・・・しかしハルナ、君の年齢じゃあ買い物リストの半分も購入できないんじゃないかな?」

計器を操作していたブリッジクルーが振り返り応える。

「事件の中心にいると思われる二組の魔道師達も今は活動を休止しているようです」

「ムムム・・・じゃあ私がソフ●ップでゲームとDVD買ってくるからそっちは父さんがお願い」

艦橋の隅に設えた給湯スペースで10代半ばの少女がお茶を入れる。

「小規模の物とはいえ次元震の発生を見過ごすことは出来ません」

「心得たよ。集合場所は指定しておいたメイド喫茶だから間違えないように・・・」

キャプテンシートに腰掛け、差し出されたティーカップを受け取る女性士官。やはり彼女がこの艦の艦長なのだろう。

「はい、早急に解決します」

「りょ~かい。あと途中でボーク●でねん●ろいども観たいから・・・」

キャプテンシートから一段下に位置するオペレータ席、その前に立つ少年が待機状態のデバイスを手に立っていた。

「・・・って、そこ!さっきから何を話してるんだ!?」

 

機人長女リリカルハルナ

第13話「お姉ちゃん参上!三人目の魔法少女なの」

 

クロノの声に私と父さんは作戦会議を中断する。

重要な会議なのになんで邪魔するかなぁ・・・。

「いったいドコが重要な会議だ!?遊ぶ計画立ててるようにしか見えないじゃないか!」

まったく、本当にクロノは失礼な奴だなぁ・・・。

「同感だよ、立ててるようにじゃなくて実際に計画を立ててるに決まってるじゃないか」

「「ねーw」」

絶妙なタイミングでシンクロする私と父さん。

うん、やっぱり親子の絆はすばらしい。

現在私と父さんはアースラに乗っています。

数日前私が所属する機動2課にロストロギアの案件が回ってきました。

何でもスクライア一族が発掘したロストロギアが本局に輸送する途中事故で流失してしまったらしいです。

さらに輸送に立ち会っていたユーノ・スクライアさん(9歳)が責任を感じて単身捜索に出て、それきり連絡が取れないという報告も受けています。

そのためあの近辺をパトロールする予定だったアースラに便乗、現地まで送ってもらうことになりました。

しかも、目的地は第97管理外世界『地球』・・・そう、地球なんです!

前回の一件以来忙しくて鉄道の無い時代の馬車馬の如く働いているせいで全く行けなかった地球です!

そこに経費で行く機会が訪れるなんて!これはもう秋葉原が私を呼んでいるに違いありません!

てなわけで秋葉原・・・もとい、地球に着くまでの間に父さんとアキバ巡りのプランを立てていたのでした。

「以上、回想終わり。どうだ!私がここにいることに何の問題も無いだろう」

「会話の内容が問題なんだ!勤務中だろう!?」

そうは言うけどクロノと違い員数外の人員である私たちは航海中はぶっちゃけ暇なんです。

デバイスのメンテはとっくに終わってるし模擬戦なんてやり飽きました。

次元空間だからインターネットは繋がらないしあとは自室に持ち込んだ箱○でFPSプレイしてるか父さんと駄弁ってるしかすることが無いんです。

ちなみに好きなスタイルは火炎放射機を使ったモヒカンプレイ。ヒャッハァ!汚物は消毒だぁ!ただし即効で芋砂からヘッドショット喰らいます。あべしっ。

「だからってブリッジで雑談する奴がいるか!他のクルーの邪魔になるだろう!」

て言ってますけど皆さん実際のところどうなんですか?

「え?私はにぎやかでいいと思うけどな~」byエイミィ

「私は気になりませんよ?」byランディ

「いつものことじゃないですか、今更なにいってるんです?」byアレックス

ほぅら、問題ありません!(ドヤァ)

「・・・・・・」

ものすっごい嫌そうな顔で睨んでくるクロノ。

全く、何を一体どうしたらクライドさんの遺伝子からこんな石頭が生まれるのでしょうか?

母親似?ありえませんね、だってほら・・・。

「はぁ~美味しいわぁ」

そこでホッコリした顔で緑茶入り砂糖(誤植ではない)を美味しそうに飲んでいる美人さんこそアースラ艦長にしてクロノの母親、リンディ・ハラオウンさんなのですから。

そういえばアリサやすずかにも会いに行きたいですね、あと病院で会ったあの車いすの女の子も元気にしてるでしょうか?時間があったら皆に会いに行きましょう。

 

クロノに完全勝利した2日後、アースラは第97管理外世界近傍に到着、そこで魔道師による戦闘を確認しました。

呼び出された私はブリッジで二人の魔道師が木の怪物相手に共闘しているのをモニター越しに眺めています。

「ハルナ、どう思う?」

隣にいた父さんが問いかけてきます。

「そうだねー、魔法少女もののアニメならやっぱりあっちの白い子が主人公じゃないかな?」

白い服に魔法のステッキ、そしてお供の喋る小動物。

何処から見ても正統派の魔法少女です。

「確かに、そうなると向こうの黒い魔法少女はライバルポジかな?」

父さんの発言に私はもう一人の子、金髪ツインテの魔法少女を見ます。

なるほど、確かにその通りです。

黒い服に裏地赤の黒マントという見るからに悪者っぽい衣装。

おまけに獲物も真っ黒い戦斧、中央にある金色の宝石が目玉っぽくも見えます。

「恐らくそうだろうね、私の見立てでは白い子は魔法の国からやって来た小動物に助けを請われて魔法少女になった普通の女の子で物語が進んでいくとあの黒い子がライバルとして現れるんだよ」

「ああ、最初のうちは黒い少女の方が実力的に圧倒しているが戦いの中でに白い少女が成長して行き、最後は実力が逆転するんだろうね」

さすが父さん、分ってらっしゃる。

「そうそう、そしてぶつかり合ううちに二人の間に友情が芽生えてストーリ終盤かアニメ2期で共闘するんだよ」

「そうなると2期では新たな敵と第三の魔法少女も出てくるだろうね」

父さんと二人で和気藹々と語り合っていると・・・。

「・・・君達二人は一体何を話しているんだ?」

何やらこめかみ抑えながらまたクロ助が水を差してきました。

「え?魔法少女談義だけど・・・?」

見れば分るじゃないですか。コイツは一体何を言ってるんだ?

「今、バカにされた気がしたがそれは置いておこう。そうじゃなくて問題はあっちだろう!」

そう言ってクロノは二人が戦っている木の怪物を指差します。

「あっちって、ジュエルシードの融合体だけど、それがどうかした?」

アレの為に私は此処に来たんですから、知っていて当たり前でしょう。

本当にコイツは何を言ってるんだ?

「・・・ハルナ、いい加減君とは決着をつけなきゃいけない気がしてきたんだが?」

「何言ってるの仕事中だよ?目の前の事態に集中しなさい!」

「・・・(ビキビキ)」

全く、普段口うるさいくせに重要な局面で集中力を欠くなんて、まだまだオコチャマなんだから・・・。

状況からしてあの木の怪物がジュエルシード融合体なのは間違いありません。

んでそれと戦っているのが最初のほうで言ってた二組に分かれたジュエルシードの捜索者。

この魔道師たちはお互いに敵対しているようですが現在は共通の敵に対して共闘しているようです。

恐らくどちらかに捜索要請のあったユーノ・スクライアさん(9歳)がいると思われます。

あ、融合体がやられました。

しかし、あの魔法少女達・・・無茶苦茶強いです。

あの歳でAAAランクくらいの魔力持ってますよ。将来が楽しみなような怖いような・・・。

まあ将来の事はおいといて、私は今目の前の事案に対処しましょう。

「艦長、あの二人がガチンコ勝負を始める前に現場を押さえる必要がありそうなんでちょっと行って来ます」

私の発案にリンディ艦長はニッコリ笑顔で許可をくれました。

「ええ、よろしくね。ハルナさん」

「アイアイマム!」

ビシッと敬礼してから転送ポートの上に立つ私。

魔力光が溢れ転送座標が固定されます。

「ハルナ、いっきまーす!!」

カタパルトが無い事を残念に思いながら現場に飛びました。

 

Sideなのは

木に取り付いたジュエルシードの怪物を倒してから私はフェイトちゃんと対峙していました。

ついさっきまでは一緒に戦っていた仲ですが今この瞬間私達はジュエルシードを巡って戦う敵同士に戻ってしまいました。

「私が勝ったらお話、聞いてもらうんだから・・・!」

「負けないよ、勝つのは私だから・・・っ!」

張り詰めた空気の中、私とフェイトちゃんは同時に駆け出しました。

「てええぇぇぇぇぇい!!」

「はあぁぁぁぁぁぁっ!!」

互いのデバイスが激突する瞬間、目の前が光りにつつまれ・・・!

突如現れた女の子に私達のデバイスは受け止められていました。

マシンガンみたいなデバイスを持った灰色のバリアジャケットの女の子。

ツンツンはねた銀髪と気の強そうな金色の瞳がとても印象的な子でした。

その女の子は私達のデバイスを止めた直後大声で叫びました。

「双方そこまでっ!!」

SideOut

 

転送されたのは激突寸前の魔法少女達の間・・・間!?

「って!?」

急いで白い魔法少女のステッキをキャッチ!同時に黒い魔法少女の戦斧をイェーガーでガード!

ふぅ、ヘルメットが無かったら即死だった。

池田秀一さんの声でそう心の中で呟きながら私は大声で二人に告げました。

「双方そこまでっ!!」

「っ!!」

「!?」

うん、二人とも驚いてます。

表情からして突然現れたとに半分、あんた誰?って思いが半分といったところでしょうか。

お二人がどういう間柄なのかとかなんでジュエルシードを集めているのかとか聞きたいことは色々ありますがそれは後で教えてもらいます、取調室で・・・。

なので先ずはちゃっちゃとお仕事を片付けてしまいましょう。

「お取り込み中のところ大変失礼ですがこの中にユーノ・スクライアさんはいらっしゃいますでしょうか?」

名前からして男の子のはずですが目の前にいる二人は魔法少女。

まさか男の娘とかいうオチはありませんよね?

「えっ?スクライアはボクですけれど、あなたはいったい・・・?」

意外!それは小動物!!

なんと返事をしたのは白い魔法少女と一緒にいたフェレットみたいなお供の小動物だったのです!

まあ魔法少女の相方ですからね、喋れたとしても問題ありません。

噂に聞いた話だとスクライアの一族は遺跡の探索で狭いところにも入っていくそうですからその為に小動物に変身できるのかもしれません。

「あ、こりゃ失礼。私は時空管理局の遺失物管理部機動2課のハルナ・スカリエッティ執務官です」

IDを提示しながら自己紹介します。

「ご家族から捜索願いが出ていたので探しに来ました。いや~ご無事で何よりです」

背後で黒い魔法少女が「管理局!?」とか驚いてますが何ででしょう?何か悪さでもしたんでしょうか?

たとえば学校のガラスを全部割ったり盗んだバイクで走り出したり・・・。

とか考えながらスクライアさんと話していたら死角から魔力の反応が・・・!!

「・・・っ!?危ないっ!!」

慌てて直撃コースにいたスクライアさんと白い魔法少女をシールドで護ります。

シールドに衝撃が走り辺りが土煙で見えなくなります。

何これ!?誘導弾!?どこから?

不覚です、二人と一匹に気を取られていて気づきませんでした。

「フェイト!離脱するよ!!」

声のしたほうを赤外線センサーで見てみると成人女性と思しきシルエットが確認できます。

同時に黒い魔法少女が逃走を図ります。彼女の仲間でしょうか?

とにかくコイツは明確な公務執行妨害、逃走させるわけには行きません。

「逃がすかー!!」

黒い魔法少女に照準を合わせてトリガーを引きます。

銃口から飛び出たフォトンバレットは狙い違わず黒い子に命中。

非殺傷だから死ぬ事はありませんが逃走や抵抗をさせないよう死ぬほど痛いつくりになってます、しばらくは痛みで動けないでしょう。

え?リングバレット?とっさの事だったんで忘れてました、私もまだ未熟ということでしょうか・・・。

「フェイトっ!!」

砂埃が晴れてきたちょうどその時、先程誘導弾を撃ったであろうオレンジっぽい茶髪のお姉さんがフェイト言うらしい黒い子に駆け寄ります。

うん、でかい。何がとは言いませんが。

フェイトを抱き抱えるお姉さんとそれに銃口を向ける私・・・。

何かこの光景だけを見ると私が悪者っぽいですね。

とは言えこれもお仕事、いっぱいいる妹達を養う為にも情けはかけられません。

と言う事で心を鬼にしてお姉さんめがけてリングバレットを撃とうとしていると・・・。

「ダメェッ!!」

なんと白い子が私と二人の間に割って入ってきます。

「撃っちゃダメッ!!」

「えっ、ちょっ!?」

突然射線に割り込んできたので慌ててイェーガーを除けます。てか危ないでしょう!

そんなこんなやってるうちに茶髪のお姉さんは仮称フェイトさんを抱きかかえると跳躍、あっという間に私の射程外に逃げてしまいました。

「あーもう!被疑者が逃走、至急捜査線を敷いて!!」

エイミィに二人の追跡を頼みますが向こうもバカではありません。恐らく途中で巻かれるでしょう。

「はぁ~・・・すみません艦長。二人ほど逃がしました」

音声通信で艦長のリンディさんに謝ると向こうから映像つきで返事が来ました。

「仕方ないわハルナさん、気を落とさないで」

そう言っているリンディさんの声色は優しく、少なくとも怒っていないことは確かです。

どうやら始末書は書かなくて済みそうです、よかったよかった。

「それよりも二人をアースラまでお連れして、いくつか聞きたいことがあります」

早速事情聴取を行うようですね。

「了解です、参考人二名に対し任意同行を行います」

通信を切った私は困惑している一人と一匹に対し笑顔で事情を説明します。

「と、言うわけでお二人を母艦までお連れします」

ニッコリと笑いながらもどこからか逃げんなよゴルァ的なオーラが出ていたのか少女と小動物はたじろぎます。

これが私と彼女、アニメ本編の主人公である高町なのはとのファーストコンタクトとなりました。

・・・あれ?何か第一印象酷くない?


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