お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's 作:Y.Sman
何がやばいかって13話を投稿してからの閲覧数がやばいです。
わずか数日で一気に2万UA突破してしまいました。
評価もすげー付けられてます。
皆さんありがとうございます、心からお礼申し上げます。
嬉しいですけど正直何か怖いですw運気使い果たして今月中に事故死しそうw
そんな作者の不安を孕みつつ14話、始まります。
今回の話の内容から「アンチ・ヘイトは念のため」タグを追加しました。
Sideなのは
突然現れた女の子、ハルナちゃんに連れられて私たちは時空管理局と言う所の船の中にやってきました。
「は~・・・」
ユーノ君と同じ魔法の世界から来た船らしいですが、その船内はどこからどう見てもSF映画に出てくる宇宙船のようです。
「お疲れさん、彼女達が例の参考人だな」
「そだよ、艦長は自室?」
「ああ、君たちを待ってるよ」
海鳴から転送ポートと呼ばれる機械で船の中にワープしてきた私たちを出迎えたのは同じくらいの年齢の男の子でした。
「さて、初めましてだな。僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。艦長がお待ちだ、着いてきてくれ」
そう言ってクロノ君は先頭に立って歩き出したところで一度こちらに振り向きます。
「ああ、そうだ。艦内は安全だからバリアジャケットは解除して大丈夫だよ。君も元の姿になってくれ」
クロノ君の言ったことがいまいちわかりません。
バリアジャケットは理解できたのですが元の姿?
「あ、はい。わかりました」
対してユーノ君は言葉の意味が分かったのか私の肩から下りると急に光りだし・・・。
「え?ふぇっ?」
どんどんユーノ君の身体が大きくなって・・・。
「ふぅ、なのはにこの姿を見せるのは久しぶりだねって、あれ?」
見た事の無い男の子になってしまいました。
SideOut
機人長女リリカルハルナ
第14話「お姉ちゃんとしては海軍の意見に反対である!なの」
「はわ、はわわ・・・」
超びっくらこいた顔で固まった白い女の子、そう言えばまだ名前を聞いていませんでしたね。
彼女の手はユーノ・スクライアさんを指さした状態で震えています。
「ど、どうしたのなのは?」
「・・・ユーノ君って、ユーノ君って普通の男の子だったのっ!?」
なのはと呼ばれた女の子がスクライアさんに大声で問う。
ん?なのは?どこかで聞いたような・・・昔読んだマンガかな?
「ええっ!?でも、最初にあった時は・・・」
「ううんっ、最初からフェレットだったよっ!」
二人の会話から察するにどうやらスクライアさん、最初にあった時は怪我をして消耗した魔力と体力を温存するために小動物に変身していたようで、それをそこのなのはさんに保護されたのでしょう。
しかしスクライアさんの方は怪我のせいか記憶が混濁していたようで小動物になったのはなのはさんに会ってからだと勘違いしていたようです。
いやはや、何ともまぁ魔法少女ものにありそうな微笑ましいハプニングです。
「じゃ、じゃあ温泉とかで普通に僕を連れて入っていたのってもしかして・・・」
そう、この言葉さえ聞かなければ・・・。
クロノとアイコンタクトするとすぐさま彼もうなずくとさっそく行動を開始。
まず、クロノが二人の間に割って入ります。
「えっ?」
「ふぇ?」
直後に私がなのはさんをスクライアさんから引き離す。
「え?なに?」
それを確認したクロノがスクライアさんの前に立ち言い放しました。
「ユーノ・スクライア、小動物等に変身して女性の着替えや入浴を覗くことは明確な犯罪だ。管理外世界であってもそれは変わらない」
「えっ?ちょっ!?」
クロノ・ハラオウン執務官から罪状を説明されうろたえるユーノ・スクライア容疑者(9歳)
「大丈夫?辛いと思うけれど事件があった時の状況、話してもらえないかな?あなたが望むなら被害届を出せるし裁判も起こせる。もしそうなったら弁護士も紹介するから」
「え?あの・・・」
二人から少し離れたところで私は被害に遭ったなのはさんから事件当時の状況を聞きます。
可愛らしい小動物に扮していたいけな幼女の入浴シーンを覗くだなんて太いヤロウです。
もし覗かれたのは私の可愛い妹達だったならその場でブチ殺してましたよ。
もしかしたら他にも余罪があるかもしれません、これからスクライア容疑者は取調室にお招きして私が直々にかつ丼でおもてなししてあげましょう。
さてさて・・・KGB式とシュタージ式、どちらでいきましょうか?ふっふっふ・・・。
「なるほど、それでユーノさんはそちらのなのはさんに協力を依頼したのね?」
場所は変わりアースラ艦長室。
結局なのはさんが被害届を取り下げた為、スクライア容疑者は厳重注意で終わりました。
そのあと私とクロノは二人を連れてアースラ艦長、リンディ・ハラオウン提督の私室にやってきました。
前から思ってたんですけどこの間違った日本文化全開の部屋はいつ来ても慣れません。
室内に盆栽が飾ってあるし同じく室内なのに鹿威しが「カコン」って鳴ってるし・・・。
最近ではこの前の旅行(10話~11話参照)で私が買ってきたお土産の木彫り熊も飾ってあり一層カオス度に磨きがかかっています。
そんな日本文化を勘違いした外国人感丸出しな部屋でスクライア容疑者、もといスクライアさんからこれまで起った事の詳細を聞きました。
事故で流出したロストロギア、ジュエルシードを追って地球に着た直後、ジュエルシードの暴走体の襲撃を受け負傷したこと。
傷が治るまで魔力を温存すべく小動物モードになったところでそちらの少女、なのはさんに保護されたこと。
再び暴走体に襲われやむなく巻き込まれたなのはさんにインテリジェントデバイス、レイジング・ハートを託しこれを封印してもらったこと。
以後、なのはさんに協力してもらいジュエルシードをいくつか封印、回収したこと。
流出したジュエルシードは全部で21個あり、ユーノさん達が6個回収したこと。
途中からさっき逃走した黒衣の魔導師、フェイトと呼ばれた少女が乱入してきたこと。
何度か戦ったがいずれも勝利できず、あまつさえ持っていたジュエルシードも一つ持っていかれ現在確保しているのが5個である事。
「んで、さっきの戦闘で私が確保したのが1つ、これも併せて無事確保できているジュエルシードは6つと・・・」
「はい、あのフェイトって子が僕たちの前で回収したのが4つですから残っているのは多くて11個です」
そう言うスクライアさんの顔色は優れません。
そのフェイトさんが彼ら二人の知らないところでジュエルシードを回収している可能性もあるのでそれを心配しているのでしょう。
「それにしても、ジュエルシードを発掘したのはあなただったのね」
そう、なんとジュエルシードを発見、発掘したのは目の前にいるスクライアさんだったのです。
で、事故とは言えなのはさん達の世界にジュエルシードをばらまいてしまったことに責任を感じて単身捜索にでたと・・・。
「責任感が強いのね、とても立派だと思うわ」
「だが、無謀だ。君に何かあればそれこそ取り返しがつかなくなる」
リンディさんが褒める横でクロノが無謀だと指摘します。
これは全面的にクロノに賛成ですね。
ジュエルシードの件で責任を感じているならなおの事私たちの到着を待ってほしかったです。
もし発掘者であるスクライアさんに何かあればジュエルシードに関する情報・・・その特性や対処法などが得られなくなってしまっていたところです。
なのはさんについても同様です。
いくら素質と強力な魔力を持っていると言ってもまだ9歳の女の子。
私みたいに特殊な生まれでもないのに専門の教育や訓練なしに無双できると思っているならそれはK●EIゲームのやり過ぎです、てかいくら呂布や張遼が強くてもあそこまで「山田ぁ!」とかできません。
「あの~、その「ろすとろぎあ」っていったい何ですか?」
話の腰を折るのが気まずいのか、なのはさんがおずおずと手を上げて質問します。
そう言えばこの子は混じりっけ無しの地球人、次元世界の事なんて分からないのが当たり前です。
「えっと、旧世界の遺産・・・って言って分かるかしら?」
リンディさんの説明を要約するとこんな感じです。
次元空間には地球の他にも様々な世界があってその中にはワープ進化的に超スピードで技術や文明が発達した世界がある。
その中には作った人たちすら制御できなくなりその世界を滅ぼすような物もあり、そんな滅んだ世界の跡地に残ったヤベー兵器や技術の遺産をまとめてロストロギアと呼ばれている。
「要するにイ●オンみたいなもんだよ」
「ふぇ?イデ●ン?」
さすがに平成生まれの魔法少女に富●監督が手掛けた伝説のジム神様は分からないみたいです。
最近じゃスパ●ボにも出てきませんからね・・・。
「あなた達が探しているジュエルシードもその一つ、先日起った次元振もジュエルシードが原因なの」
そう言われてなのはさんとスクライアさんは「あっ」と声を上げます。
数日前も今回の様になのはさんの例のフェイトさんはジュエルシードを巡り戦っていたのですがその過程でジュエルシードが暴走、小規模ながら次元振が発生し、最終的に何とかフェイトさんが怪我を負いながらも暴走を鎮めたそうです。
・・・あれ?
てことは何?私けが人に銃撃したってことじゃん。うわやべぇ・・・。
「たった一つのジュエルシードであれだけの威力、複数が同時に暴走した場合より強力な次元振・・・いいえ、それ以上の災厄、次元断層が発生してしまうかも・・・」
私が罪悪感から頭を抱えている横でリンディさんの説明は続きます。
黒光りするお高そうな湯呑茶碗に砂糖をドバドバ、ミルクをダバダバと流し込みながら・・・。
ほら、リンディさん。なのはさんが引いてますよ。
「聞いたことがあります、旧暦の時代に発生した次元断層でたくさんの世界が滅んだって・・・」
その話は私も聞いたことがあります。
まだおじいちゃんズが脳みそだけになる前の事で救えなかった命の事を嘆いていました。
あんな悲劇がまた起こらないようにと時空管理局を立ち上げたのだとか・・・。
「そう、人の手に余る力。本来ならばしかるべき場所に厳重に封印しなければならない物・・・」
そう言ってリンディさんは緑茶風味の砂糖を一口飲んでから言いました。
「なので現時刻をもってロストロギア、ジュエルシードの捜索は私達時空管理局が引き継ぎます」
「えっ?」
それを聞いたなのはさんは驚きの声を上げ、スクライアさんはうつむいたまま手をギュッと握ります。
「君たちは今回の事を忘れてこれまでの日常に戻るといい」
「で、でも・・・っ!」
クロノの言葉になのはさんは食い下がります。
まぁ、気持ちは分からなくもありません。
相手が専門家集団とは言え今まで自分たちが頑張っていた所に突然横からしゃしゃり出てきて後は自分たちがやるとか言われても納得できませんよね。
でもこれでいいんです。
なのはさんは未だ小学生、魔法なんてない世界の、平和な日本の女の子・・・。
危険な戦いに飛び込む必要なんて無いんです。
事件現場に必要なのはおまわりさんであって変身ヒーロやプ●キュアに来られても困ります。あ、デカ●ンジャーとか宇●刑事とかジャ●パーソンさんは警察に部類されそうな気がするんでギリギリ可とします。
つまり何が言いたいかと言えばいくら強くても民間人であるなのはさんは危険な場所に入っちゃいけないんです。
「まぁ、直ぐに納得はできないわよね。今日は帰って二人でじっくり話し合うといいでしょう」
だというのに、この人はなんてことを言うのだろうか。
「なっ!?かあさ・・・」
「ダメダメダメダメダメぇ~っ!!」
リンディさんがあまりにすっとこどっこいな発言をするもんだからクロノの発言を遮って思わず叫んでしまいました。
Sideなのは
「ダメダメダメダメダメぇ~っ!!」
突然ハルナちゃんが大きな声を出します。
両手で×を作って背後から『ブブー!』っていう音が流れてきそうな勢いです。
「これ以上危険なことに巻き込むなんてお姉ちゃん許しませんからねっ!」
凄い勢いで宣言するハルナちゃん。
お姉ちゃんって、見たところ私とハルナちゃんってあんまり歳は離れていないと思うんですが・・・。
「ハ、ハルナさん落ち着いて・・・。とにかくあなた達は今日は帰って休んだ方がいいと思うの。クロノ、二人を送ってちょうだい」
まだ反対だと騒ぐハルナちゃんを諫めるリンディさんの指示に私達を出迎えてくれた男の子、クロノ君が頷きます。
「了解しました、それじゃあ行こうか」
「え?あ、でも・・・」
ハルナちゃんを見ると多少落ち着いたようですが未だにリンディさんと言い合いをしています。
「二人の事なら気にしなくて大丈夫だ」
「なのは、とりあえず今日は帰ろう?」
「う、うん」
クロノ君とユーノ君に言われて私も部屋を後にしました。
「すまなかったね。でもハルナも君たちが嫌いで言ったわけじゃないんだ、分かってやってくれ」
そう言って私達に謝りながらハルナちゃんをフォローするクロノ君。
「確か君達と同じくらいの年齢の妹がいた筈だからな、他人事とは思えなかったんだろう」
・・・あれ?
「あの、私くらいの妹って・・・ハルナちゃんって今・・・」
私の言葉でクロノ君は気づいたのか「ああ」と言って補足してくれます。
「あの外見じゃわかりづらいけれど彼女は今年で15だ。あれで僕の一つ上とはな、もっとしっかりしてほしいものだよ・・・」
「・・・え?えぇっ!?じゃあクロノ君って14歳!?」
私が驚くとクロノ君はムスっと不機嫌そうな顔になります。
「僕が14だと問題でもあるのか?そりゃ確かに身長は少々低いがまだ十分伸びしろが・・・」
何やら地雷を踏んだみたいです。
暗いオーラを放ちながらブツブツと呟くクロノ君に私もユーノ君も後ずさります。
いや、もしかして向こうの世界ではクロノ君やハルナちゃんくらいの年齢でこの身長なのが普通なのかもしれません。
と言う事はもしかしてユーノ君も・・・。
「あの、ユーノ君って・・・」
「へ?あぁっ!僕は違うよ!今年で9歳だからっ」
それを聞いて安心しました。
「そっか、私と同い年何だね。よかった」
「う、うん・・・そうだね、よかった・・・」
「ちっともよくない!とにかくこの話は終わりだ、行くぞ!」
結局怒ったクロノ君に連れられて私たちはアースラを降り、そのまま家に帰りました。
Side Out
「んで?どうしてあんな事言ったんですか?納得のいく説明を要求します」
クロノがなのはさん達を送り終わって帰って来てから、私とクロノはリンディさんを問い詰めました。
「えっと、あんな事って?」
「あの二人に一度帰ってよく考えろと言ったことです。二人の性格を考えれば一層決意が固くなるのは目に見えてるじゃありませんか!」
「そ、それは・・・」
ジト目で見つめる私とクロノ、気まずそうに眼をそらすリンディさん、でもやっぱり答えてくれません。
「私たちの事がそんなに頼りないですか?」
埒が明かないのでこじ開けましょう。
私がそう言うとリンディさんは慌てた様子で異を唱えます。
「ち、違うわ!あなたもクロノもこの船に無ければならない存在よ!」
「じゃあ何でなのはさんを引き入れようとするんですか?確かにあの子の才能は凄いですけれど管理外世界の、それもただの民間人ですよ?」
無意識のうちに私の語気は強くなっていました。
いつの間にか私達だけでなくブリッジクルーの全員が見つめていることに気づき一層縮こまるリンディさん。
四方八方からの視線の集中砲火に耐えきれず、ついにカクンと俯くと白状しました。
「ごめんなさい。あの子の才能があまりに凄かったからつい・・・」
その自白に私もクロノも深いため息をつきます。
「はぁ、またですか艦長」
「いい加減その病気は直した方がいいって前も言ったじゃありませんか」
リンディさんの持つ病気・・・『将来有望そうな若者がいたらとりあえずスカウトしたくなる病』がまた発症したようです。
症状はその名の通り、リンディさんは魔力資質やレアスキルなど、才能のある若い子を見つけたらとにかくスカウトしたくてたまらなくなっちゃうんです。
10話と総集編で話した管理外世界の戦争への介入の際にも出会った現地の若手士官の「M少佐」と「A中尉」を引き抜こうとしていましたし・・・。
スカウトやヘッドハンティング自体は文句を言いませんがリンディさんの場合場所とか相手の年齢とかにもっと配慮してほしいです。
今回だってそうです、確かになのはさんは魔力量がAAAという破格の魔導師ですよ。
でもしつこく言いますが彼女は管理外世界の、それも9歳の小学生です。
管理外世界の人が管理局の魔導士になるという事はそれまでの生活を捨てて異世界で暮らすという事です。
成人しているならまだしも小さな子どものなのはさんにそれを強要しようもんならわたし本気で怒りますよ?
あなただって昨今の局員の低年齢化に頭を悩ませていたでしょうに、当の本人が平均年齢引き下げてどうするんですか?
仮に本人が承諾しても他の人、彼女のご家族やご友人から見たら人さらい以外の何物でもありません。
てか局員になるという事は事件や災害と言った危険地帯に飛び込むことになります。
万が一なのはさんに何かあった時、誰がご家族に責任を取るんですか?
リンディさんを正座させてそんな感じの事を小一時間ほど言って聞かせるとさすがに彼女も反省したのかシュンと項垂れてしまいました。
「うぅ、本当にごめんなさい・・・」
「まったく、明日なのはさんが協力を申し出てきても許可以上の事は許しません。勧誘は絶対禁止!ご家族への説明責任もちゃんと果たしてください。あと彼女の現場での活動に関しては私とクロノが全権を持ちます。少しでも危険があれば速攻で後方に下がらせますからね!」
「・・・あれ?許可しちゃうの?」
そう言って顔を上げたリンディさんは半分泣きそうでな顔でした。
「こちらが断ったら独断で行動しそうですからね。なら僕たちでしっかり監督したほうが安全だ」
どうやらクロノも私と同意見だったらしく腕を組んだまま苦々しく説明します。
「とにかく、なのはさんが協力するのは半ば確定ですからリンディさんはちゃんとご家族に包み隠さず説明してください。私もついていきますから」
「はい、クスン・・・」
こうしてリンディさんへのお説教がお開きになったところでそれまで様子を見ていた管制官兼クロノの補佐を務めるエイミィ・ミリエッタが話を切り替えてくれました。
「それにしてもなのはちゃんの魔力値は凄いよね~、さっき計測してみたんだけど平均魔力値は127万、例のフェイトちゃんも143万で二人とも最大発揮すればその三倍は叩き出せるよっ」
・・・え?何その魔力お化け。
私どころかクイントさんやゼスト隊長すら上回るとか、どんだけですか?
「魔力が高くてもそれを使いこなせなければ戦力足りえないよ」
エイミィの説明にクロノがベテランの風格を纏いながら答えます。
「そ、そうだよ!機体の性能が戦力の決定的差ではないという事を教えてやろうじゃないか!」
「何を言ってるんだハルナ?」
「あれ?クロノ君知らない?なのはちゃんの故郷で有名なロボットアニメのセリフだよ」
クロノとエイミィがガ●ダム談義を始めた横でふと私は気づいてしまいました。
「あのなのはさんとフェイトって子・・・カラーリングがガンダムだ!」
なのはさんは初代から続く正統派な白赤青のトリコロール、フェイトさんは黒に死神っぽいビジュアルからデスサイズですね。
「ハルナ、しょうも無いことを言ってないでなのはが参加する場合の戦術を話し合うぞ」
おぅ、いかんいかん・・・確かに今は勤務中。
それに明日からなのはさんも参加するでしょう。
年長者として彼女を無事お家に返すためにも万全を期さねばなりません、あの子も私たち大人が守るべき存在なのですから。
決意を新たに私はクロノとシミュレータルームに向かいました。
その翌日・・・と思いきやその日の夜。
当初の予想通り、なのはさんとスクライアさんは事件への協力を申し出てきました。
で・・・。
「ねぇ、ハルナさん。やっぱり・・・」
「駄目です。もうここまで来たんですから、覚悟を決めてください」
「・・・はい」
連絡があった翌日、私は海鳴市の住宅街をなのはさんのご自宅に向かって歩いてます。
・・・リンディさんを引っ張りながら。
さすがにこういう説明は初めてなのか未だになのはさんのお家に行くのに抵抗があるリンディさんをここまで連れて来るのに苦労しました。
とは言え危険なことをさせるんです、ちゃんとした説明と保護者の許可を頂くのがしっかりした大人として当然の仕事です。
なのはさんから教えてもらった住所を地図で参照しながら歩くこと数分、武家屋敷風の立派なお家につきました。
「さて、行きますよリンディ提督」
「・・・ええ、行きましょうか」
さすがに覚悟を決めたのか、さっきまでの泣きべそモードからシャキッとしたお仕事モードに切り替わるリンディさん。
呼び鈴を鳴らして数秒、扉が開き出てきたのは・・・。
「はいはーい、どちら様で・・・あら、ハルナちゃん?」
「桃子さんっ!?」
出てきたのはなんと以前お世話になった喫茶翠屋のパティシエール、高町桃子さんでした。
「・・・ハッ!今回出番なし!?」
ん?アースラの医務室の方から父さんの声がしたような・・・幻聴かな?