お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's   作:Y.Sman

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名作の条件、エンディングで走る、家族がしっかり描写されている、作画が維持されている・・・他にはどんなのがありますかね?


第15話「大人がしっかりしているアニメは名作なの」

はい、現場のハルナ・スカリエッティです。

現地は大変重苦しい雰囲気に包まれています。

戦線正面からすさまじいメンチビームの猛射を受けており防衛線は崩壊寸前です。

言い出しっぺの私ですが今すぐかえって布団の中に引きこもりたい。

可及的速やかな後退を進言します。

え?駄目?戦って死ね?

ちくしょう、いいでしょう死んでやりますとも!そうすりゃヴァルハラでは私の方が先達だ!向こうで会ったらあごで使ってやるから覚悟しとけ!

すみません、通信状態とか私の精神状態とかが混乱していますね、つまり今何が起こっているのかと言うと・・・。

なのはさんのご家族の殺気交じりの視線を受けて今にも首が落ちそうです、物理的に。

 

機人長女リリカルハルナ

第15話「大人がしっかりしているアニメは名作なの」

 

なのはさんの家の呼び鈴を押したら以前お世話になった桃子さんが出てきたことも驚きですが、なのはさんが桃子さんの娘さんだったと聞いた時はもっと驚きました。

そう言えば以前話していた娘さんの名前が「なのは」だったような・・・。

あの後すずか達が攫われたり、私が救出したりなし崩し的に恭也さんと遭遇戦に発展したり色々あってすずかやアリサと親友になったりとイベントが目白押し過ぎて忘れてました。

さて、現実逃避はこれくらいにして現在の状況をお話ししましょう。

あの後桃子さんの許しを得て、高町家にお邪魔した私とリンディさんは茶の間に通された後、ご家族全員に集まってもらいました。

なのはさんと桃子さん、数か月ぶりの再会になる恭也さんと初対面になる家長の士郎さんに長女の美由希さん。

彼らに対して改めて自己紹介を行った後、なのはさんと私たちのこれまでの経緯をお話ししました。

「・・・偶になのはが家から抜け出していたのは知っていたが、まさか魔法絡みだったとはな・・・」

既に私経由で魔法の存在を知っていた恭也さんは多少驚きはしましたが納得はしてくれました。

他の皆さんも驚きはしたものの疑っている様子はありません、もしかしたら恭也さんから何か聞いているのかもしれません。

「ええっ!?お兄ちゃん魔法の事知ってたの!?」

逆に一番驚いているのはなのはさんでした。

今まで内緒で家を抜け出していたことも魔法の事も全部バレてないと思っていたのに全部知られていたらそりゃ驚きますよね。

「抜け出していたことは最初から気づいていたぞ。魔法は以前ハルナちゃんと出会った時に知る機会があったんだ。お前が魔法使いになってたことには驚いたがな・・・」

「私はユーノ君が普通の男の子だったことの方が驚きだよ」

「うぅ、すみませんでした・・・」

一応魔法の存在を証明することも兼ねてスクライアさんに変身魔法を解いてもらったんですが確かにこっちのほうに驚かれました。

同時にスクライアさんがフェレットに化けて女湯に入っていたことも露見し、女性陣は赤面して、男性陣は殺気立った面持ちでスクライアさんに視線を向けますが、日本の生んだ最上級の謝罪法、『DOGEZA』を行い全身全霊をもって謝罪の意を示しましたのが効いたのか、それとも高町家の皆さんの心が広いのか、きつく注意すると許してくれました。

それでも男性陣はなのはさんの近くに男子が存在するのが許せないようです。

分かります、分かりますとも。

私だって可愛い妹たちにどこの馬の骨とも分からない奴が近づこうものなら馬刺しにして食ってやるところです、ちなみにスーパーに売ってるニューコーンミート、表記見たんですけどアレ牛100%じゃなくて牛肉と馬肉の合挽らしいです、だから普通のコンビーフよりも安いんですね、美味しいからいいけど。

とりあえずスクライアさんは許されたのはよかったんですが私ら的にはここからが本番なんですよね・・・。

「それで先ほどお話ししたように現在海鳴市にはジュエルシードと言う危険なエネルギー結晶が飛散してしまったんです。我々時空管理局も全力で回収を行いますが早期解決のためになのはさんのお力をお借りしたいんです」

そう言ってリンディさんと一緒に頭を下げますが高町家の方々は渋い顔のままです。

ジュエルシードがどれくらい危険なものなのかは話しましたし別の捜索者・・・フェイトさん達の存在も説明したのでなおさらでしょう。

大切な娘をそんな危険な事に付き合わせたくない、親として、兄姉として当然の反応です。

私達はそんな危険な所に娘さんをよこせと言ってるんですから嫌な顔をされるのも当然です。

で、冒頭部分に至るわけです。

高町家の皆様・・・特に恭也さんと美由希さんの殺気混じりの怒気が私の胃にダイレクトアタックをかましてくれるんですよ。

隣を見ればリンディさんも顔に脂汗を浮かべています。

なのはさんを見れば何かを言おうとしてはご家族の放つ怒りのオーラに中てられて引っ込んでいます。

大方「お願いだから私を行かせてほしい」とか言おうとしてるんでしょう。

「こちらでも比較的安全な作業を選定して危険がある場合は即座に退避させるつもりです」

一応私も安全には配慮すると約束しますがこれでダメならそれまでです。

てか私的にはそうなってほしいです、ご家族がダメと言ってくれればなのはさんも危険な現場に首を突っ込んだりはしないでしょうから。

「・・・なのははどうしたいんだい?」

これまで腕を組んで話を聞いていた士郎さんがおもむろになのはさんに問います。

「ふぇ?えっと・・・わたしね、どうしても会わなきゃいけない子がいるの」

「・・・さっき話に出てきたフェイトって子?」

美由希さんの質問になのはさんは頷きます。

「あの子、とっても寂しそうな眼をしてた・・・どうしてそんな目をしてるのか知りたい。もっとフェイトちゃんとお話ししたい!だから・・・っ!」

・・・うん、なのはさんマジぐう聖。

それだけの為に自分から危険に飛び込もうとしてるなんて超ド級・・・否超ヤ級のお人よしです。

知らない人への豆知識ですが超ド級の「ド」は当時最強だったイギリスの戦艦ドレッドノートから取ったものでドレッドノート以前に造られた古い戦艦が「前ド級」、ドレッドノートと同レベルの戦艦が「ド級」、ドレッドノートを超える超スゲー戦艦が超ドレッドノート級・・・「超ド級」になります。とーりーびーあー。

じゃあ超ヤ級ってなんだよって?戦艦大和から取って超ヤ級です、今考えました。

私がそんなことを考えて(現実逃避)いると士郎さんは「そうか・・・」と呟き、桃子さんとアイコンタクトをしてから私達に顔を向けます。

「なのは本人がこう言ってる以上、私達はそれを尊重したいと思います」

「ふぇっ?」

「なっ!?」

「お父さん!?」

それを聞いてなのはさん、恭也さん、美由希さんが驚愕する。

恐らくみんな反対されるものだと思っていたのでしょう。

「父さん、どうして・・・!?」

「なのはの意志は固そうだからな、反対したらそれこそまた内緒で飛び出しかねない」

「うっ・・・」

士郎さんも私と同じ考えだったようです。

そしてなのはさんは苦い顔をします、本気で家を抜け出す気でいたのか・・・。

「ただし・・・」

そう言って一度区切ると、士郎さんは鋭いまなざしで私たちを見つめます。

「なのはを預ける以上安全には十分配慮してもらいます」

まるで刃の様に鋭くなった士郎さんの目はこう言っていました。

「なのはに何かあったらただじゃ置かない」と・・・。

その身が放つ風格と実戦経験者だからこそ気づくことが出来たわずかな血の匂いから、士郎さんが生粋の戦士であることは理解していました。

そんな人が発する混じりっけ無しの殺気はまるで質量をもって私たちの首を落とさんばかりの物でした。

とは言え少し前まで本物の鉄火場で命のやり取りをしていた身です。

リンディさんだって最前線からは退きましたが以前は数多くの事件を解決してきた優秀な魔導士です。

驚きこそすれ怯むことはありません。

「っ・・・ええ、もちろんです」

「死力を尽くしてお守りします」

何より命を懸けてなのはさん達を護ると心に決めてここに来たんです、そんなこと言われるまでもありません。

自分の言葉を全力で受け止めたのが分かったのか、士郎さんは殺気を解いて微笑んできます。

「ええ、あなた達を信じましょう。なのはの事、宜しくお願いします」

それからは美由紀さんがなのはさんに魔法少女に変身してとせがんだりリンディさんと桃子さんが井戸端会議をしたりと先ほどの重苦しい空気が嘘だったかのように朗らかでした。

私?恭也さんと妹がいかに可愛いかを語り合ってましたよ。非常に有意義な時間でした。

その日はそのまま解散となり、なのはさんは明日からアースラに泊まり込むことになりました。

「それでは失礼します」

私とリンディさんは玄関で高町家の皆さんにお辞儀します。

「こちらこそ。改めて、なのはをよろしくお願いします」

そう言って礼を返す士郎さん達。

宜しくお願いするのはこちらなのにこれです、もう高町家の皆さんには足を向けて眠れませんね。

「あの、ハルナ・・・さん?」

なのはさんがえらく他人行儀に呼んできます。

昨日クロノから私の歳を聞いたらしいですがなんだかむず痒いです。

「そんな他人行儀じゃなくていいよ。これから一緒に頑張る仲間なんだし」

私がそう言うとなのはさんは「パァ」っと顔をほころばせます。

「うんっ!じゃあ私もなのはって呼んでっ」

「いいよ、よろしくなの・・・」

そこまで行ったところでふと私は考えました。

すずかとアリサの時は普通に名前で呼び合うようになりましたがせっかくだから今回はあだ名で呼ぼうと。

「・・・『なのっち』『なのすけ』『なのなの』『なのはさん』『魔王様』どのあだ名がいいと思う?」

「にゃっ!?最後の何で魔王!?」

いや、なんとなくこのあだ名が思いついたんですよ、まるで天の啓示のごとく降ってきたんです。

その後、あーでもないこーでもないとすったもんだした挙句、結局本人の強い要望によりふつうになのはと呼ぶことになりました。

あ、同様にスクライアさんも名前で呼ぶようになったんですがその瞬間何故か『淫獣』と言う単語が頭をよぎったんですよ。

温泉覗いたからかな?

そのことをクロノに話したら後日そのネタでユーノを弄っているのを見かけました。

全く、いい歳こいて年下の子をいぢめるとは、大人げない限りです。

え?何だよクロ助?

「お前も以前僕の事を変態扱いしてたろ」って?

あれは事実でしょう、以前の任務で現地士官のM少佐の事覗いてしかも泣かせたって現地軍のお偉いさんからクレームが届いたんですから。

あれは誤解?僕は無実だ?犯人はいつもそう言うんですよ。冤罪だっていうなら物的証拠を持って来なさい。

何はともあれ明日からなのはさん改めなのはも本格的に作戦参加、彼女を五体満足心身健康な状態で高町家に戻すためにも最善を尽くしましょう。私の首(物理)を守る為にも。

ミッドで待ってる皆、待っててね。お姉ちゃん必ず生きて帰るから・・・!




そろそろ戦闘シーンを書かねば(使命感)

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