お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナ   作:Y.Sman
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今回はなかなか筆が進まず少々間が開いてしまいました。



第18話「魔法少女の正体はバレてなんぼなの」

「外出許可?」

「はい、ダメですか?」

それは父さんからのドクターストップが解除されていなかった時の事。

私的にはお腹の傷は完治したんですが父さんは大事を取って未だ現場復帰はできていません。

まぁ、マリィと喧嘩したときの一件もありますから今回は素直に従っていますがもうやることが無くて仕方ありません。

摸擬戦はリハビリの名目で許されているので溜まったフラストレーションをクロノにぶつけてはいるのですがそれでもまだ足りません。

いい加減外の空気が吸いたいのでリンディさんに地球に降りる許可を貰いに艦長室にやってきました。

「私は構わないのだけれど、ドクターは何て言ってるの?」

私に関しては保護者兼主治医の父さんが全権を握っています、艦長としては現在進行形でクールに錯乱している父さんには正直言って近づきたくないようです。

「戦闘しないなら外に出てもいいって言ってました。襲撃の可能性が捨てきれないから護衛は付けるように言ってましたが・・・」

さすがに護衛は過保護が過ぎるのではと思いましたが実際一度死にかけたわけですから反論できません。

「ん~、そうなると誰を付ければいいかしら・・・」

ただでさえローテーションが組めない上に護衛に武装隊の人員を引き抜くとなると厳しいのか、リンディさんはこめかみを抑えながら唸ります。

「あ、それなら適任な人材がいますよ」

ですがそこは解決出来ます、我に秘策アリです。

 

機人長女リリカルハルナ

第18話「魔法少女の正体はバレてなんぼなの」

 

「と言う事で、やってきました海鳴市!」

リンディさんからもお許しを得た私は護衛を伴って転送ポートから海鳴臨海公園に降り立ちました。

それにしても海鳴かぁ、何もかも、皆懐かしい・・・。

一応この間まで市内をウロウロしてましたがお休みできたのはこないだの夏以来です。

「あの、ハルナちゃん?私達も一緒に来てよかったのかな?」

その声に振り向けば私の護衛役のなのはが心配そうな顔をしています。

その方にはフェレット形態のユーノが乗り、これまた不安げな顔をしています。

「大丈夫だよ、二人は私の護衛役ってことになってるから」

私が撃たれて以来、なのははユーノとクロノと三人でほとんど休みなしにジュエルシードの捜索を続けています。

これまでの捜索で私たちが合計で9つ、フェイトさん達が6つ回収しており、残りのジュエルシードは六つまで絞られました。

本人等は大丈夫と言っていますがいい加減ガス抜きしないと身体が持たないとリンディさんも考えていたのか、私の意図を見抜いてあっさりと提案は受理、なのはとユーノにもお休みを言い渡しました。

それにしてもこの年でワーカーホリックとは、将来がとても心配です。

働き過ぎで大怪我しなければいいんですがね・・・。

「でも私だとハルナちゃんの事守れないんじゃ・・・」

そんなことを言うなのはですがその辺はちゃんと考えてあります。

「大丈夫だよ。多分だけどアイツ、なのはには攻撃できないから」

「ふぇ?」

「どういう事?」

あの謎の魔導師Aは私と同じ転生者の可能性が濃厚です。

実際私を助けにやってきたなのはには攻撃することなくすごすごと退散して行きました。

なのでなのはが一緒にいれば襲撃される危険性はグンと低下します。

仮に襲ってきてもその時は私が相手をすればいいだけです。

父さんは認めていませんがもう完治していますからね私の体。

襲撃も未然に防げてなのはもお休み出来る・・・まさに一石二鳥と言うやつです。

「よぉしっ!そんなわけで出発!」

「お、おー。ってどこに行くの?」

尋ねてくるなのはに私はニヤリと笑みを浮かべます。

「ふっふっふ・・・実はもう行く当てはあるのだよ」

 

Side アリサ

「で、紹介したい友達がいるって言うから来てみたら・・・まさかなのはだったなんて」

「うん、すごいビックリだよ」

そんな訳でやって来ました月村邸。

こっちに着いた次の日にすずかに時間が空いたら遊びに行くとメールを入れておいたのでアポは直ぐに取れました。

ついでにこっちで新しく友達ができたので紹介すると出発前に連絡しておきました。

到着してなのはを見てビックリというサプライズを期待していたのですが思ったよりもリアクションが薄いです。

「えっとね、ここ最近なのはちゃんの様子がおかしかったから、最近は家の事情で学校にも来てなかったし・・・」

「ここ最近不思議な事件が立て続けに起きてるし、そこに来てハルナが仕事で地球に来てるって連絡が来たんだもの。もしかしたら魔法絡みの事件に巻き込まれたのかもって思うでしょ?」

なるほど・・・そう言えばなのはは私たちがくる以前からユーノとジュエルシードを捜索してましたもんね。

そのせいで最近付き合いが悪いことを二人は不思議に想っていたと。

で、当のなのはと言えば・・・。

「はわ、はわわ・・・」

目を点にして硬直しています。

「どうしたのさなのは?鳩が30ミリガトリング砲の機銃掃射を浴びた様な顔をして?」

「ハルナ、そんなもん浴びたら鳩死ぬわよ」

「むしろバラバラになっちゃうよ・・・」

的確なツッコミを入れる二人。

でも実際にそんなもの浴びたらもっとヤバイです。

人間だって食らったらご遺体が残らないレベルの威力ですから・・・。

「な、何で!?何で二人ともハルナちゃんと仲よさそうなの!?もしかして、魔法の事も・・・?」

「勿論知ってるわよ」

「ちょっと前にハルナちゃんに助けてもらったことがあってね、それから友達になったの」

簡単な事のあらましをなのはに説明する二人。

「ふぇぇ・・・」

自分が留守にしている間に私が海鳴に来ていたことに言葉がでないなのは。

二人を驚かす筈が逆になのはに対してのサプライズになってしまいました。

「てか、あたしはなのはが魔法少女になってたのは驚きなんだけれど・・・」

「にゃ、にゃはは・・・」

言い返せず笑ってごまかすなのは、でもアリサにそれは通じませんでした。

「それで、どんな経緯で魔法使えるようになったのよ?私達に話せなかった厄介ごともそれなんでしょ?」

「ふぇっ?そ、それは・・・」

話していい物か否か、なのはが助けを求めるようにチラチラとこっちを見てきます。

「あ、いいよいいよ。さっきすずか達も言ったけどもう魔法の事も次元世界の事も知ってるから」

「う、うん。じゃあ・・・」

そうしてポツリポツリとなのはは語り始めます。

平凡な小学3年生だったはずの、私、高町なのはに訪れた突然の事態。

渡されたのは、赤い宝石。手にしたのは魔法の力。

新たな出会いとすれ違う二つの心。

話したいことがある、伝えたいことがある。

その為に戦わなければいけないなら、私はもう迷わない。

「魔法少女リリカルなのは、始まります・・・」

「ハルナ?何ブツブツ言ってるの?」

なのはが二人にこれまでの経緯を話している横で私はそれをOP前のアレ風なナレーションに変換してお送りしました。

「にしても・・・ユーノが本当は人間の男の子だったなんて・・・」

「うっ、ごめんなさい・・・」

ユーノのくだりを説明するにあたりいつもの様にフェレットモードだったユーノは変身を解いて真の姿をアリサとすずかにお披露目することになりました。

当然温泉で裸を見られたことに気づいた二人にユーノは地球に来てから何度目かのDO☆GE☆ZAを行う事に。

いつの間にか参加していた忍さんは笑って許してくれて、二人からも何とかお許しを貰いようやく肩の荷が下りたユーノは深いため息をつきます。

「それでなのはちゃんはハルナちゃんと一緒にジュエルシードっていう宝石を集めてるんだよね?そのフェイトちゃんっていう子とお話しするために・・・」

「うん・・・」

すずかに質問されたなのはが力なく頷く。

最近はフェイトさんも私達管理局を警戒して隠密行動に徹しているせいでお話しどころか遭遇することすらありませんからもどかしいんでしょうね。

「ハルナちゃん、撃たれたって言ってたけど本当に大丈夫なの?」

「大丈夫ダイジョーブ。ほら、この通り痕も残ってないから」

そう言って服をめくってお腹を見せます。

お腹には縫合の痕すら残っていません、執刀した父さんに感謝です。

「でもハルナちゃんが大けがしたときすごく心配したんだよ?」

「うっ、その件に関してはご心配おかけしました・・・」

父さんやリンディさんから聞いた話だとあの直後は関係者一同大騒ぎだったそうです。

まずナカジマ家、第一報が届いた直後クイントさんがショックで倒れたらしく、それを知ったゲンヤさんが仕事ほっぽり出して病院に駆け込んだらしいです。

ショックを与えないように下の妹達には情報は伏せてあるらしいですがクイントさんの件や以降の夫婦と年長組の慌ただしい様子から何かあったのではと勘づいてはいる様子です。

おじいちゃんズに至っては艦隊司令部すっ飛ばしてリンディさんに直接『下手人を即刻処刑しろ!』と叫んだと聞きました。

何とか田中さんと管理局に就職したドゥーエに抑えられ、命令は取り消されたらしいですが未だ怒りは収まっていないと聞いています。

心配してくれているのは嬉しいですがもう少し落ち着いてほしいです。

艦内も殺気立っており、管制官たちはローテーション無視で少年Aの捜索を行い、武装隊に至っては非殺傷設定を解除した状態で出撃待機していたとか・・・。

私の目が覚めてからは幾分か落ち着いたようですが、未だ艦内の雰囲気はピリピリしたままです。

これも外出した理由の一つ、さすがにあの殺伐とした空間に長時間なのはを居させるのは拙いと思ったんです。

「とか言って、あんたが外に出たかっただけじゃないの?」

「否定はしない!」

「しないんかいっ!?」

キレのあるツッコミを入れるアリサ、それでこそ私のライバルだ!

「あんたのライバルになった覚えは無いわよ!」

「そ、そんな・・・」

私は打ちひしがれ床に膝を屈します。

信じていたのに、アリサとなら切磋琢磨出来ると信じていたのに・・・。

「切磋琢磨って、何をよ?」

「漫才」

「しないわよっ!」

私がそう言うと脳天にチョップと叩き込むアリサ。

やっぱり彼女はツッコミ役に向いていると思います。

「ゼェ、ゼェ・・・このすっとこどっこい振り・・・本当に元気になったようね」

「そうだね、よかった・・・」

肩で息をしながら心底疲れた表情で言うアリサと、心から嬉しそうに同意するすずか。

でも・・・すずかさん?何で顔を赤らめてるんですか?

目もなんかアブナイ感じ・・・忍さんがエロビーム照射してる時みたいに色っぽいし・・・まさかまた貞操の危機っ!?

アリサ!は何かニヤニヤしながらコッチ眺めてるし、ユーノ!は逆にこっちに背を向けて私たちを見ないようにしてるし・・・ダメだこいつらアテにならねぇ!

「あの~、どうやって三人が仲良しさんになったのか教えてほしいんだけど・・・」

そんな窮地に救いの手が!

サンキュなのは!まさに君は光の天使だよ!

心の内で悪魔とか魔王とかいう呼び方がよぎったことに関しては訂正させて。

あなたみたいな優しい子がが悪魔なわけないもんね!

「ま、さっきのお仕置きはこれくらいにしてあげようかしら」

そんなことを宣うアリサ。

畜生、やっぱりさっきのお返しかよ。

でもやられっぱなしのハルナちゃんではありません。

どっかの映画でCIAの偉い人が言っていた・・・『ペロリストにはペロで立ち向かう!』と、私もそれに倣う事にしましょう。

手始めにまずは後であげようと思っていたメロンパン、あれの周りのカリカリ部分を取ったやつを差し上げよう。

ふっふっふ・・・パサパサモフモフな触感を楽しむがいい!

「んで、私らが仲良くなったきっかけだっけ?」

「うん」

とまぁアリサへの報復はさておき目下の問題はなのはへの返答です。

私達の馴れ初めを離すとなると必然的にすずかの秘密も話すことになってしまいます。

話していいかとすずかに視線を向けると、彼女は一瞬不安そうな顔をしましたが、直ぐに毅然とした表情で私に頷きます。

どうやら了承は得られたようです。

「それじゃ話すね。最初に言っておくけれど、聞いたらすんごい驚くと思うから」

「う、うん・・・」

私の言葉になのはは緊張した面持ちで頷きます。

そして私の語りが始まります。

ここからはダイジェストでお楽しみください。

『パンパカパーン!』

軽快なラッパの音と主にサーチライトで照らされる2●thF●Xの文字

休暇を取った時空管理局の執務官ハルナ・スカリエッティ。

都会の喧騒から離れ海鳴という街にやってきた彼女はそこですずかとアリサという少女と出会う。

彼女達に案内されて町一番の喫茶店『翠屋』で友好を深めていると突然襲い掛かる謎の襲撃者!

「いやっ!離してっ!」

攫われるすずか達。

「ダチの命が惜しければ俺たちに協力しろ。OK」

「OK!(ズドン!)」

脅迫してくる誘拐犯の一人を射殺した私はそいつが巨大軍事企業サイバーダイン社の私兵であることを突き止め本社ビルへ忍び込む。

「ペパロニのピッツァだ。激ウマだぜぇ!」

ピザ屋の店員に扮して社内に忍び込んだ私は会社のコンピューターをハッキング。

連中が開発中の軍事AI『スカイネット』をテロ組織、深紅のジハードに密輸しようとしていることを知る。

深紅のジハードは香港マフィア『龍』とつながりがあり『龍』と対立し多大な損害を与えていた月村家に恨みを持っており、すずかは彼らに対する手土産にされたのだ!

「カルロなら逮捕されたよ。警察署長の娘とヤっちまってなw」

直ちに取引の場として指定されていた南米の独裁国家バルベルデへ単身飛んだ私は現地の人間に接触し情報を集める。

「お前は最後に殺すと約束したな?」

「そ、そうだ大佐!た、たすけ・・・」

「あれは嘘だ」

「アーッ!!」

離せ離せと煩い輩の足を離してやったり・・・。

「いたぞぉっ!いたぞおぉぉっ!!怖いかクソッタレ!?元グリーンベレーの俺に勝てるもんかっ!」

「試してみるか?私だって元ナンバーズ(現スカ家長女)だ」

こんなひでぇジャングルは初めてだとかぼやいてた敵の幹部に見つかってガチンコしたりしながら私はすずか達の足取りを追い、ようやく深紅のジハードのアジトを突き止める。

そこは完全武装の兵士たちが守る正に難攻不落の要塞、とてもじゃないけれど丸腰では向かえません。

なので・・・。

「買い物だ」

装備を整えることにします。

一番近場にあったアラモ銃器店にブルドーザーで乗り付けた私はさっそく装備を調達にかかります。

「ソ連製マーヴⅥ」

「かき氷を作るのに最適だよ」

「サイレス社製EM-1レールガン」

「いい銃だろ?間抜けを打ち抜くならこいつが一番だ」

「レイジングハートCVK-792搭載型」

「ここにある物にしてくれ」

「・・・ダイソンサイクロンV10」

「こいつの吸引力は最強だ、決して変わることは無い。で?どれにするんで?」

「・・・全部だ」

10万ドルPONと出すとおまけで安物のナイフもつけてくれました。

そこから先は急展開です。

波止場で奪った羽の付いたカヌーで敵アジトに接近。

浜辺で一人ノルマンディ上陸作戦を慣行、デェェェェェェン!のBGMをバックに完全武装で立ち上がるとアジトに殴り込みます。

飛び交う怒号と銃声、迸る筋肉、爆発爆発、さらに爆発。

ちなみにこの時点ですずかの居場所はまだわかってはいません。

並みいる深紅のジハードとサイバーダイン社のカカシ共を蹴散らしアジトの奥へ奥へと進む。

「来いよU田、銃なんて捨ててかかってこい」

「野郎OFクラッシャーっ!!」

「 (`0言0´*)<ヴェアアアアアアアア」

なんかボスっぽいのがわけわからない事叫びながらかかってきますがしめやかにガス抜きし、横やり入れてきたなんか醜い顔の宇宙人もついでにやっつけて終了。

こうしてすずかを救い出した私ですがそこに予想外の敵が現れる!

「ドーモ、スズカ=サン。俺の名はターミネーターTKMT-001KYOYA・・・月村すずか、お前を抹殺するために未来から来たサイボーグニンジャだ」

デデンデンデデン!数十年後に起るスカイネットの反乱・・・それに立ち向かい、コンピューターを破壊した英雄の母親であるすずかを幼いうちに殺すために未来から差し向けられた死角・・・ターミネーターが襲い掛かってきたのです!

既にこれまでの戦いでほとんどの武器を使い果たした私は武器屋のおじさんからもらった安物のナイフで立ち向かいます。

しかしこのターミネーター、全身が流体金属でできており切っても斬っても再生します。

何故か近くにあった液体窒素のタンクまで誘導し、中身を浴びせて凍らせますがここは南米バルベルデ、すぐさま熱で溶けてしまいます。

それでも時間が稼げた私たちはサイバーダイン社の兵器工場に逃げ込みますがそこで恐ろしい真実を知ります。

なんとあのターミネーターTKMT001は未来ですずかを守り命を落とした私の技術を元に製造されたのです!

すずかを守るための力がすずかに向けられたと知った私は怒り、復活したターミネーターの胸にに安物のナイフを突き立てます。

ターミネーターは涼しい顔でナイフを取り込みますがそれこそ私が待っていた瞬間、最後に残ったグレネードランチャーを奴に向け。

「あすたらびすたべいべー」

引き金を引きました。

本来なら流体金属の身体を通り抜けるグレネードは内部に取り込んだ安物のナイフに直撃し大爆発を起こします。

吹き飛びながらも再生を開始するターミネーター、しかし彼が落ちたのは溶鉱炉の中でした。

打撃や斬撃に対しては無敵の再生能力を持っていても1500℃を超える溶けた鉄の中にダイブしたらひとたまりもありません。

見る見るうちに溶けてなくなりました。

こうしてすずかを狙う敵はすべていなくなった。

でもまだ戦いは終わっていない、まだやるべきことがある。

「ハルナちゃん、まさか・・・っ!」

「・・・うん」

ターミネータKYOYAは私を元に造られている。

このままいけば間違いなく未来で私を元にしたターミネータが製造されてしまう。

「それを阻止するためには今この時代で私を破壊しなければいけない」

「ダメッ、そんなのダメだよ!」

泣きながら縋りつくすずか。

「・・・人間がなぜ泣くのか、ようやく分かった。その人が大切だからだ」

そう言って私はすずかの涙をぬぐう。

「お願いだよすずか。私に大切な人を守らせて・・・」

「・・・ハルナちゃん」

私はすずかをギュッと抱きしめた後、彼女から離れ、クレーンにしがみ付く。

ゆっくりと降下を始めるクレーン、私のカラダは少しずつ溶鉱炉に沈んでいく。

目から涙を流しながら見つめるすずかに向かって私は親指をグッと立てる。

頭も沈み、そしてついにその手も灼熱の中に没した。

「こうして戦いは終わった、残念ながらスカイネットは歴史の通りに起動し人類に牙をむく。誰もが絶望したとき救世主が立ち上がった。父親譲りの銀髪をなびかせた彼女の名は月村、あだっ・・・!?」

「もぅ!ハルナちゃんっ!おふざけは禁止っ!」

握りこぶしで説明する私の後頭部をすずかに叩かれます。

「いたた・・・ゴメンゴメン。でもすずか、ミッド土産の練習用ストレージデバイス(魔力で強度アップ状態)で叩くのは勘弁して。危うくすずかを逮捕することになるかと思ったよ」

「・・・罪状は?逮捕されるようなことしてないもん」

私の言葉にすずかはプクーっと頬を膨らませながら聞いてきます。

こんなの見せられたら答えは一つしか無いじゃないですか。

「・・・かわいすぎること?」

「ぴゃっ・・・!?」

爆発したみたいに一瞬で顔が真っ赤になるすずか。

やっぱり逮捕したほうがいいかもしれません、この可愛さは大量破壊兵器レベルです。

「おーい二人ともー?いちゃつくのもいいけどなのはがフリーズしてるわよ?」

空気を読まず・・・いや、逆になのはの為に空気を読んだのか?とにかくアリサに水を差される形ですずか弄りはお開きとなりました。

見て見ると確かに・・・処理能力の限界を超えたのか、なのはが頭から煙を吹き出しながら沈黙していました。

「あ、ホントだ。おーいなのはー、今の冗談だからもどっておいでー」

「にゃっ?ふぇ?え?冗談・・・?」

私の呼びかけで再起動したなのは、今のが作り話だと知るとすずかと同じように頬を膨らませます。

「もぅ、ひどいよハルナちゃん!せっかく頑張って聞いてたのに!」

「いやいや、恭也さんがターミネーターになってる辺りで気づきなさいよ。第一何でシュワルツェネッガー作品のパクリなのよ?」

失礼な、パクリじゃなくてリスペクトです!シュワちゃんの映画に敬意を表しての行いです!

「てか、途中からアタシ影も形もなかったんだけど?!」

そう言われてようやく作中でアリサを助けていないことに気づきました。

「・・・あ、ゴメン。完全に忘れてた♪」

「フンッ!」

「ごどらたんっ!」

振り下ろされるアリサのゲンコツに私は名状しがたき悲鳴を上げました。

「んじゃ改めて説明を再開するよ」

「う、うん・・・」

未だ引っ込む様子の無いタンコブが気になるのかチラチラと視線をそちらに向けながらなのはが頷きます。

「うん、すずかは吸血鬼です!」

嘘偽り誇張なくなのはに真実を告げます。

「ハルナ、ぶっちゃけ過ぎ・・・」

「もうちょっと順を追って説明しようよ・・・」

速攻ですずか達からダメ出しが入りました、解せぬ・・・。

「きゅ、吸血鬼・・・?」

「うん、正確には吸血鬼じゃなくて『夜の一族』って言ってそれっぽい力を使える人間。それでその力を悪い人たちに狙われてね・・・」

アリサにソファまで押しやられ、代わりに立ち上がったすずかがなのはに説明を始めます。

夜の一族の事、その力を悪用しようとする者の存在、自分が狙われアリサもそれに巻き込まれたこと、それを私が助けた直後救出に来た恭也さんと激突したこと等々・・・。

なのはも相当驚いていましたが、自分も魔法の事を黙っていたのでおあいこ言う事になりました。

「なのはちゃん、私・・・普通じゃないけど、吸血鬼じゃないけれど・・・これからも友達でいてくださいっ」

一族の掟等も説明したうえで、すずかは掟を抜きになのはと友達でいたいと、以前私が彼女に言ったようになのはに思いを伝えます。

「うんっ、もちろん。すずかちゃんは私の友達だよ。これまでも、そしてこれからも・・・」

そう言って微笑むなのは、しかし・・・。

「・・・誰?」

ホント誰これ?めっちゃイケメンなんですけど・・・!?

あまりに普段のなのはとのギャップが激しくて思わず口にしてしまいました。

「知らないわよ。この子たまにカッコイイのよね。普段アレな分余計に・・・」

あぁ、確かに。

いつも私や父さんのおふざけにはわはわしてるなのはとは全く別人のように凛々しいです。

これが主人公力なのでしょうか・・・。

「でもハルナちゃんとお兄ちゃんが戦ってたなんてビックリだよ」

「まーね、その時恭也さんと知り合って魔法が高町家にバレたんだ」

「まったく、あれには驚かされたよ・・・」

ふと、後ろから声がしたのに振り向くと恭也さんと忍さんがちょうど部屋に入ってきたところでした。

「お兄ちゃんっ!?」

「あ、お姉ちゃん。聞いてたの?」

「残念ながら私は恭也ほど耳がよくないから、すずかとハルナちゃんの馴れ初めの話は聞きそびれたわ」

忍さんにからかわれ顔を真っ赤にするすずか。

「も、もうっ!」

「それにしてもさっきの話はどうかと思うぞ。何をどうしたら俺がターミネーターになるんだ?しかも二作目で出てきた流体金属の奴・・・」

だって私がシュワちゃん枠ですから、必然的に出てくるターミネーターはT800以降にするしかなかったんですよ。

「・・・待って。恭也、今なんて言ったの?」

突然忍さんが真面目な声で恭也さんに尋ねます。

「え?俺がターミネーターに・・・」

「その後!」

忍さんの並みならぬ剣幕にたじろぐ恭也さん。

「に、二作目にでた流体金属の・・・」

「それよ!」

ビシッ!っと人差し指と恭也さんに向けながら忍さんは叫びます。

そうよ、「流体金属を使う手があったじゃない。あれなら電気を流せば自由に形状を変えられるし密度を上げれば強度だって・・・こうしちゃいられないわ、まずは電磁波の波長の解析から・・・」

すっごくスッキリした顔で何やらブツブツと呟きながら出ていく忍さん。

・・・うん、嫌な予感しかしない。

「何だったの?」

「多分私の腕のバリエーション絡みだと思う」

今度はいったいどんなビックリドッキリメカを寄越されるのやら・・・。

「って・・・すずか?なんか顔赤いけど大丈夫?」

「えっ?本当?緊張したからかな・・・」

すずかの顔がほんのり赤くなっていることに気づいた私が聞くとつられてアリサもそれを確認します。

「ホントだ、血飲んだ方がいいのかな?」

夜の一族は定期的に血を摂取する必要があり、アリサも何度かすずかに血を分けてあげたらしいです。

すずかがアリサの首にカプリと・・・うん、エロいですね。

「ハルナ?アンタ今すっごくいかがわしい想像したでしょ?」

「うん、した」

「否定しなさいよっ!?」

案の定突っ込んでくるアリサ、ますます芸人でないことが悔やまれます。

「まぁ、それは後でとっちめるとして。ねぇすずか?せっかくだからハルナから血を貰ったら?」

「ふぇ?」

「ええぇっ!?」

アリサの提案にすずかはものごっつ驚いた顔で声を上げます。

「ほら、なのははいつでも貰えるけれどハルナはこの事件が終わったらまたミッドチルダに戻っちゃうんだから、今のうちに貰って置いたら?」

すずかを唆すアリサ。

浮かべた笑みも相まってその姿は人を惑わす小悪魔のごとしです。

「えっと、その、でも・・・うぅ~」

悩み、悶え、葛藤するすずか。

欲望と理性が彼女の中で壮絶な激闘を繰り広げ・・・。

「・・・ハルナちゃん、その・・・いい?」

どうやら勝利したのは欲望の方でした。

「う、うん・・・」

上気した顔で上目遣いに聞いてくるすずかを私は拒絶できず、了承してしまいました。

ムリだよこんなん!断れるわけないじゃん!

おいアリサ!後で覚えてろよっ!?

なのはもなに恭也さんを部屋から追い出そうとしてるのさ!?

「お兄ちゃん早く出てって!覗いちゃダメなの!」

「ちょっ、分かったから押すなって・・・!」

なのはにグイグイと押されて恭也さんが部屋から出ると、アリサも「それじゃあごゆっくり~」と笑顔で退出する。

畜生!ほんとに覚えてろよ~!!

「ハルナちゃん・・・」

「は、はひっ・・・っ!?」

ソファーに並んで座ったすずかに声を舁けられ思わず背筋を伸ばす私。

「ほんとうに、いいの?」

ここまで来ても不安そうに聞いてくるすずか。

親友にこんな顔をさせたとあっては機人長女リリカルハルナの名が廃ります。

何より据え膳食わねばなんとやら・・・女は度胸、当たって砕けて星になった命よジャストフォーエバーです!

「いいよ、来て」

「うん、じゃあ行くよ。ん・・・」

首筋に触れるすずかの唇。

「んん・・・」

くすぐったさを感じた直後、チクリと刺すような痛みが走ります。

「んむ、ちゅる・・・」

犬歯を突き立てられた箇所をすずかの舌が何度も走る。

「んっ、はぁ・・・」

自分でも驚く位艶のある声が零れてきます。

「はぁ・・・ねぇ、ハルナちゃん。さっきのお話し、覚えてる?」

「はぁ、はぁ・・・え?」

朦朧とする意識の中ですずかの声に反応する私。

「お話の最後に出てきた私の子供って、ハルナちゃんとのこどもだよね?ハルナちゃんの世界では、その・・・女の人同士でも赤ちゃん、作れるの・・・?」

「・・・え゛」

朦朧としていた意識が一瞬で晴れました。

「その・・・ハルナちゃんとなら、いいよ?」

うん、ナニがいいのかお姉ちゃん分かりません、てか分かっちゃいけません。

そりゃね、ミッドとかの医療技術・・・てか父さんの力を使えば女の子同士でも赤ちゃん作ることはできますよ?

同性での結構とかも認められてますし、そう言った技術を使った出産もいずれはできるようになると思います。

でもいくら何でも9歳児はまずいでしょう色々と!

私だってすずかの事は好きですけれどそれだって友人としてのLIKEであって恋人としてのLOVEではありません。

これからどうなるのかは分かりませんが少なくとも今はそれで間違いありません。

「ねぇ、すずか・・・」

だから・・・。

「すずかにはまだ早いよ」

逃げることにします。

「・・・やっぱり、私じゃダメ?」

涙目で言うすずか、これは反則ですよ。

「いや、そうじゃないよ。私だってすずかの事は好きだよ?でもね、すずかはまだ9歳でしょ?エッチな話はまだ早すぎます!」

とりあえず未成年な事を指摘します。

「だからすずかがもっと大人になった時に気持ちが変わってなかったら、その時はまた想いを伝えて。ね?」

そこから正論で一気に畳みかけ時間を稼ぎます。

すずかのR指定が解除されるまであと9年・・・それくらいあれば頭も冷えますしすずか位のお嬢様になれば縁談の一つや二つ位はやって来るでしょう。

あわよくばその未来の旦那様と結ばれてくれれば私の貞操も安泰です。

「・・・わかった、私待つよ。大人になってハルナちゃんに思いを打ち明けられるまで、私ずっと待ってるから・・・!」

「・・・アッハイ」

安泰、の筈です。

なんだか執行猶予が付いただけの様な気もしますがとにかく時間は稼げました。

それまでに打開策を練らねば・・・。

「ん?」

今気づいたんですが、アリサたちが出ていった扉、半開きですね。

そしてそのわずかに空いた隙間には・・・。

「はわ、はわわ・・・」

「や、止めようよ。いろいろマズイよ・・・」

「二人とも静かにしなさいよ、見つかったらどうするのよっ」

アリサ、なのは、ユーノの目が室内を伺っていました。

・・・もしかして、見られてた?

私がすずかにチューチューされてエロい声出してた所も、すずかに色っぽい顔で告白された所も、それをかっこよくそれっぽいこと言ってうまく逃げた所も、全部、全部全部全部・・・。

「・・・アハッ」

誰かが笑っています。

「アハッ、アハハハハハッ・・・」

響き渡る壊れた様な笑い声、でもこの声・・・どこかで聞いたことがありますね?

「は、ハルナちゃん・・・?」

おやすずか?どうしたのさそんな怯えた顔して・・・。

「大丈夫だよ、直ぐに終わらせるから・・・」

安心させようと思いそう言った時、さっきの笑い声の正体に気づきました。

あぁ、これ私の声だ。

 

Sideアリサ

空気が凍るっていうのはこういう事を言うんだと思う・・・。

久しぶりにハルナに会えたからか少し調子に乗ってしまったのがまずかった。

もっとも原因の半分以上はおちょくってくるハルナにあるのだが・・・。

助けられて以来妙にハルナにご執心なすずかをけしかけてハルナが動揺する様子を拝んでやろうと思ったのが発端だった。

なのはやユーノも最初は止めようと言っていたがだんだんエッチな雰囲気になっていく二人から目が離せなくなり、いつの間にか私と一緒にデバガメに興じていた。

ハルナは何とかすずかを言いくるめることに成功したらしくホッと息をついた時、ドアの隙間から除く私と目が合った。

そして今に至る。

「アハッ、アハハハハハハッ・・・」

壊れた様ななんかヤバイ笑い声をあげるハルナ。

よく見れば彼女の金色の瞳からはハイライトが消えている。

「もしもし、リンディさん?」

そこでハルナは携帯電話を取り出すとどこかに電話を始めた。

「ちょっと今から封次結界を敷くんで、ええハイ。前に言ってた友達に魔法を見せるのに、はい、ありがとうございます。それでは・・・」

ハルナが電話を切った直後、周囲の景色が変化します。

「な、何これ!?」

「にゃっ!?これって・・・」

「封次結界!?」

いるのはさっきと変わらずすずかのお屋敷の中なのに、まるで時間が止まったかのように全てが沈黙している。

「さて、そう言えば前から魔法が見たかっていってたよねぇ、アリサ?」

ハルナが首にかけたネックレス・・・マギア・イェーガーとかいう名前のデバイスを握る。

最初に見せてもらった時は凄くキレイに見えたそれが今それはとてつもなく禍々しいオーラを放っていた。

「ああ、そうだ。せっかくだからなのはにリハビリを手伝ってもらおうかな・・・」

ハルナの恰好が「レア装備」とかプリントされたダサいTシャツとジーンズから灰色のバリアジャケットに変わる、もっとお洒落しなさいよ。

「ふっふっふ・・・最近火力増し増しのスゴイ魔法を完成させてね、ちょうど実験台が欲しかったんだ~」

口を三日月状に吊り上げながら嗤うハルナ、あれはヤバイ。すごく、ヤバイ・・・。

「多分食らったらショックで記憶が飛んじゃうけれど、別にいいよねぇ・・・」

前に恭也さんが修行してるのを見た時に感じた殺気、それを数十倍にしたものがひしひしと感じられる。

「は、ハルナ・・・」

「はわ、はわわ・・・」

気付けば恐怖のあまり震えながらなのはと抱き合っていた。

その隣でユーノが必死の形相で結界を解こうとしている。

「うん、頑張ってねユーノ。でも結界が敗れるよりも私の魔法が命中する方が早いと思うな・・・」

デバイスが向けられる、先端に魔法の光が収束していく・・・。

「Die(ダーイ)!!」

光りが視界一杯に溢れ・・・。

「「っ・・・!」」

ジャジャーンとクイズ番組で流れるような効果音と共に『ドッキリ大成功!』の文字が浮かび上がった。

「「・・・へ?」」

「フッフッフ・・・ハーッハッハッハ!どうだ!びっくらこいたかっ!」

デバイスを下したハルナがムカつくを通り越してすがすがしいと感じるくらいのドヤ顔で笑う。

それを目にしてようやくさっきのアレが私たちを怖がらせていただけなのだと気付いた。

「は、ハルナっ!アンタ、アタシ達の事からかってたのね!?」

「当然でしょ、私がアリサたちを本気で撃つわけないじゃない。恥ずかしい所を見られたのもあるけれどすずかを巻き込んで悪さしたことはこれでおあいこにしたげよう」

「ぐぬ、ぐぬぬ・・・」

反論できない、確かにすずかをけしかけて共犯にしたのは悪いと思うから。でも・・・。

「いや~泣きべそかいてるアリサなんてめったにお目にかかれないもの見れたし、よかったよかった」

こっちはちっともよくないわよ!

「・・・おかしいな、二人ともどうしちゃったのかな・・・?」

「・・・へ?」

「えっ・・・?」

そこでふと声がする。

聞こえてきたのは私のすぐ隣にいる親友、なのはの方からだ。

でもそんなはずはない、彼女はこんな底冷えするような冷たい声ではない筈・・・。

「怒るのは計るけれど、デバイスは玩具じゃないんだよ?冗談で人に向けちゃだめなんだよ?」

怖い・・・身体が、本能がなのはの方を見るのを拒んでいる。

それでも恐る恐るそちに視線を向けると・・・。

「ねぇ、私の言ってること、間違ってるかな?」

魔王がいました。

まるで感情が死んだかのような能面、しかし放つ怒気と怒りでドロドロに濁った眼差しがなのはの怒りを如実に表していた。

幻だろうが彼女の背後には般若の面がこちらをにらんでいるように感じる。

「って、私も!?」

「元はと言えばアリサちゃんのイタズラが原因なんだよ?だから同罪なの」

なのはの服装がうちの学校、私立聖祥大付属小学校の制服をモデルにした純白のバリアジャケットに変わる。

そして手にしたデバイス、レイジング・ハートをさっきハルナがしたように私とハルナにむけて・・・。

「待ちなさいなのは!冗談でデバイスを人に向けるなってアンタさっき・・・!」

「うん、いったよ。だから、本気で向けてるの・・・」

デバイスの先端に桜色の魔力光が収束していく。

ヤバイ、あれはマジだ。

「えっと、その・・・ごめんねなのは、確かに私も調子に乗ってたよ。この結果を真摯に受け止めて今後の参考に・・・」

ハルナが妙に官僚答弁みたいな弁解をなのはに投げかけるも。

「問・答・無・用・なの♪」

なのははすっごくいい笑顔でレイジングハートの照準を会わせる。

収束した魔力が一層強い光を放ち・・・。

「少し、頭冷やそうか・・・」

「「ぎにゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~ーっっっっ!!!!!!」」

抱き合い叫ぶ私達にぶっ放された。

Side Out

 

はぁ、はぁ・・・っ!死ぬかと思った!

ホント、非殺傷設定を考え付いた人に感謝ですよ。

キレたなのはに全力全壊でブレイカーされた私とアリサはその後も正座させられてなのはから延々とお説教を受けました。

必死に謝り倒して反省の意を示したので何とかなのはに許してもらう事が出来ましたが、マジで怖かったです。

前言撤回!やっぱりあの子は天使じゃありません、超宇宙怪獣鬼悪魔デビルサタンです!

この後すぐに私とアリサの間で『なのはを怒らせてはいけない条約』と『過剰なイタズラ禁止協定』が結ばれ、以降無期限で度が過ぎるイタズラは(少なくともなのはのいる前では)行われなくなりました。

ともかく私達へのお仕置きとお説教も終わり、その後暫く遊んだ後でお開きとなりアースラへ帰る事となったなのはの顔はとても晴れやかでした。

すずか達に秘密を打ち明けられたからか、それとも私をぶっ飛ばしてストレスを発散したからかは分かりませんが、鬱屈としていた気分は晴れたようです。

「ハルナちゃん、ありがとう。私の事心配してくれたんだよね?」

ありゃ、バレていたようです。

「気にしなさんなお嬢さん。危険な事件に付き合わせているのは私達なんだから・・・」

「・・・うん、明日からまた頑張ろうねっ!」

グッと拳を握りながら元気いっぱいに言うなのは。

こんなかわいい子があんなラスボスっぷりを発揮するんですから世の中不思議ですよね。

「おうよ、なのはは私が守るからもっとお姉ちゃんを頼りたまへ」

「にゃはは、そう言えばハルナちゃんの家族の事もっと聞いてもいい?」

「喜んで!まず私の5つ下がウーノとドゥーエで・・・」

その後、熱の入った私の妹自慢は消灯時間ギリギリまで続きました。

なのはもだいぶ疲れたみたいだけど楽しそうに聞いてくれていましたし、今後もこんな風に平和な日々が続けばいいのに・・・。

そう思ってしまったのがいけなかったのでしょうか。

『警報!警報!海鳴沖合にジュエルシードの反応多数!総員第一種警戒態勢!繰り返す、総員第一種警戒態勢!』

鳴り響く警報を耳にした私は見事にフラグが回収されたことに後悔を覚えました。




ちなみにハルナの血ですがすずか曰く「機械油みたいな独特の香りがする」らしいですw
すずかとのくだりでR15タグをつけるべきでしょうか?







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