お姉ちゃんは0番改め機人長女リリカルハルナA's   作:Y.Sman

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タイトルの通りニコニコ動画に動画投稿しました。
マブラヴオルタ・ネイティヴTRPGのリプレイ動画です。
結構渾身の出来なので観てください。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm36971108
・・・あれ?これって利用規約に違反しないのよね?


第26話「ニコ動に動画投稿したよ!観てね!コメントしてね!マイリスしてね!・・・え?タイトル?あーはいはい、コミケ回その②」

遂に今年もまたやって来た・・・。

あまたの豪傑たちが集い、おのが欲望をぶつけ合う祭典・・・。

ある者は勝ち取り、ある者は夢破れ、ある者は戦場に果てる。

そんな場所に何故わざわざ足を踏み入れるのか?

決まっている、それが私の存在理由だからだ。

私が愛するもののために焼けるような太陽の下で、凍えるような風の中で命の炎を燃やしている間だけが私を私でいさせてくれる。

あそこに立たなかったらもう私は私ではいられない。

私が死ぬのはあの戦場以外にありえ・・・。

「あー、ハルナ?明日コミケ何だから早めに寝なさい」

「はーい」

てなわけでハルナお姉ちゃん二度目のコミケ、参加します。

 

機人長女リリカルハルナ

26話「ニコ動に動画投稿したよ!観てね!コメントしてね!マイリスしてね!・・・え?タイトル?あーはいはい、コミケ回その②」

「我々は半年待ったのだ!」

「おーっ!」

「ジーク・コミケ!」

AM,09:30

開催30分前となりテンション上がった私のジオン残党的な演説に周りの参加者さん達がノってくれます。

「すみませーん!騒がないでくださーい!」

「「「アッハイ」」」

そんな一堂にスタッフが注意するとみんな素直に従います。

さすがコミケ参加者、訓練が行き届いていますね。

「有明か・・・なにもかも、皆懐かしい・・・」

そしてやっぱり今年も参加している翁のじいちゃん、持っているカードのイラストの女の子が前回と違う子になっているんですが気にしてはいけません。

1クールごとに嫁がいる人だっているんですから。

それから大人しく待つこと30分・・・

『おはようございます・・・これより、コミックマーケットを開催します・・・』

その放送が行われるとそれを今か今かと待ち望んでいた私達はいっせいに万雷の拍手で迎えます。

動き出す人の群体、既に日は高く上り私達参加者に容赦なく照り付けます。

気温もどんどん上りエアコンは処理容量をとっくに超え館内には人の熱気で雲が出来ています。

「そうっ!それ二部づつで!こっち!?今西館行の階段上り終わったところ!」

「はーい!走らないでー!走るなーっ!」

「現在新刊一人一限となってまーすっ!」

しかし誰一人としてこの異様な熱気に怯む者はいない。

一般参加者は人の波頭を超え進み、サークル参加者とスタッフはその激流を捌いていく。

「・・・・・・っ!」

そんな人の濁流をかき分けながら私は進みます。

普段は平均より小柄で悩んでいるこのちんまいボディですが今回に限っては人と人の隙間に滑り込むのに重宝します。

ちなみに今回ばかりはおふざけは無しです。

何て言ってもコミケは文字通り戦い、生死がかかった闘争なのですから。

そうして私はなおも歩みを進めます。

僅かにできた人の隙間に体をねじ込み、時には小太りなお兄さんを盾にし、列移動で足止めされては焦る心を落ち着かせ、迷子が無事見つかったという放送に拍手をしながらついに私は目的地にたどり着きました。

「新刊2部ください!」

「・・・すみません、完売です」

・・・私はその場に崩れ落ちました。

 

「やぁハルナ。成果は・・・あー、ダメだったみたいだね?」

某しわしわピ●チュウみたいになってる私を見て全てを察した父さん。

現在私達は集合場所にしていたコスプレ広場前に来ています。

「うぅ・・・なんで、なんで私が来る直前に完売するのさ・・・」

「あ~、一番ダメージでかいパターンだったか・・・まぁ元気出しなさい、あそこのサークルは委託販売もしてるから、そのうちアキバの同人ショップにも出回るよ」

「そうだけどさ、そうなんだけどさ・・・」

やっぱり秋葉で買ったのと有明で勝ち取ったのだとそれだけで価値が違ってくるじゃないですか!?

「・・・そういやドゥーエとクアットロは?」

今回は私と父さんに加えてドゥーエとクアットロの貴腐人コンビも参加しています。

「ああ、ドゥーエはサークルの方が盛況らしくてね、しばらく離れられないそうだ」

いつの間にかこっちに腐女子友達を作っていたドゥーエはサークルの売り子として参加、同時に今回描いていた本も出したみたいですがどうやらかなり売れてるみたいです。

「クアットロは・・・ああ、いた。あそこ」

そう言って父さんが指さした方を見れば・・・。

「みこーん☆」

キャス狐がポーズ取ってました。

「アレ?」

「そう、アレ」

アレこと玉藻の前のコスプレをしたクアットロはごついカメラを抱えたお兄さんたちの中心でキャピキャピなポーズをとっています。

コスプレ衣装作ってるのは知ってたけどキャス孤だったんだ、中の人繋がりかな?

「初参加ってことで気合入れて作っていたからねぇ、とは言えさすがに手間がかかったから次回はもっと簡単なコスプレにするって言ってたよ」

そりゃあの着物作るのは骨が折れるでしょう・・・。

そうしている間も撮影会は続きます。

って、おい最前列のおっさん、なにカメラ地面すれすれで構えて下からあおり入れた様なアングルで撮影しようとしてるんですか?

シャッターボタンが押されようとしたその瞬間、クアットロの履いた厚底下駄がローアングルおじさんの顔面をしたたかに踏みつけます。

「オホホホ・・・イケナイ子ですねぇ~?そう言う事する子はキリキリ呪うゾ♪」

嗤いながら下駄をグリグリを捻るクアットロ・・・てかローアングルおじさん何気に嬉しそう・・・。

他の撮影者さん達もクアットロの太ももを拝んでるし・・・っておいっ!マネーカードをお供えするんじゃありませんっ!何が呼び符だ!?

「・・・父さん?アレ令呪(お姉ちゃん権限)で没収できるかな?」

「どうだろうねぇ?今のクアットロ抗魔力高そうだし・・・」

・・・はぁ、何か本が買えないのも相まってすんげー疲れました。

「先帰る・・・」

一応他の欲しかった本は手に入ったので先に戦場から離脱することにします。

「おや?いいのかい?」

「もうなんかメンタルがボドボドだよ。かえってすずかの家のヌコに癒されてくる」

もうお気づきかと思いますがコミケ期間中私は父さん達と別行動ですずかの家にお世話になってます。

コミケで地球に行くって連絡したら「是非うちに泊まって」って誘われました。

・・・何だろう、この順調に外堀が埋まっていく感覚は?

とにかく今はモフモフ分の補充が先決です。

未だ売り子をやってるドゥーエにも先に帰ると念話で連絡を入れて私は国際展示場駅に向かって歩き出しました。

 

「あ゛あ゛~、モフモフ~」

「ニャー」

抱きしめた子ぬこに頬擦りします。

「ハルナちゃん顔が蕩けてるよ?」

すずかの家にお邪魔した私は案内された部屋に買った本を丁寧に放り込むと大きなお庭でゴロゴロしているぬこの群れに突撃したのでした。

庭のテラスでティータイム中だったすずかがヘヴン状態の私に苦笑する。

しっかし、すずかの家のぬこ達は本当にカワイイです。

アリサの家のでっかいゴールデンレトリバーも捨てがたいですが今回はこのちんまい子ぬこに癒されていたいです。

「しっかし、この子が30メートルサイズに巨大化したのか・・・」

そう言って私は抱きしめていた子ぬこを抱き上げます。

「ニャー」と大てはしゃぐ子ぬこ・・・実はこの子、16話で話した大きくなりたいとジュエルシードに願って巨大化したぬこなんです。。

想像してみてください、「ニャー」と鳴きながら愛くるしい表情ですり寄ってくる30メートルのモフモフ・・・。

「畜生!マジでどうしてもっと早く来れなかったんだ!」

「うん、ハルナちゃんが何を考えてるのか大体わかったよ」

悔しさのあまり絶叫した私に驚いて逃げた子ぬこを抱き上げながら呟くすずか。

「それにしても子猫が巨大化するなんて本当に本の中のお話みたい・・・あっ」

そこまで言いかけた所ですずかの声が止まります。

「すずか?」

「ゴメンねハルナちゃん。図書館で借りた本、今日が返却期限日だった」

「そうなの?そりゃ大変だ」

借りた本はちゃんと期日までに返さないとね。

所で図書館に延滞金とかってあるのかな?

「それじゃあ私も一緒に行っていい?図書館とか最近はちっとも行かなかったから」

近頃は忙しくて無限書庫での資料集めも他の人に押し付け・・・任せっきりでしたから。

「ホントっ!?うんっ、行こう!」

私がそう言うと嬉しそうに頷くすずか。

外暑いですもんね、そんな中一人でお出かけ何て嫌ですよね・・・。

うん、わかってる・・・わかってるよ?

私と一緒なのが嬉しいのは。

でもそれ認めちゃうのってなんかもう色々手遅れになっちゃいそうじゃないですか!?

昨日の夜も一緒に寝るときとか顔赤らめてだきついてくるんですよ!

三か月くらい後に赤ちゃんできちゃったとか言われたらどうするんですか!?

「ハルナちゃん?」

「・・・うん、行こうか?」

そしてお姉ちゃんは考えるのを止めた。

図書館かー、文庫本置いてあるかなー?

え?現実逃避するな?現実と向き合え?できるかっ!

そんなに言うならいっぺん愛が重いヤンデレ美少女と交際してみなさい!絶対やべーから!

え?作者は交際したことあるのか?作者の嫁はK少尉一択だ!(多分)

「ハルナちゃん、図書館では静かにしなきゃダメだよ」

「アッハイ」

読者と戦っているうちに気付けば図書館に到着していました。

右を向いても本棚、左を向いても本棚・・・。

いずれの段にもずらりと並べられた本・・・。

ほのかな紙とインクの匂いが鼻孔をくすぐり私の心を和らげます。

なんだか読〇さんの気持ちが分かった気がする。

「う~ん、何がいいかなぁ~?」

本なんて最近はマンガとラノベと薄い本しか読んでいないからどんな本が面白いのか分かんないです。

「やっぱりすずかが戻ってきてから聞いてみようか・・・おや?」

そう言いながら隣の本棚を除いてみると先客が一人いました。

「んっ、よっと・・・」

栗色の髪の、脚が悪いのか車いすに座った女の子が本に向かって手を伸ばしています。

しかし手が本に届かず四苦八苦しているようです。

これは、手伝った方がいいでしょう・・・。

「あっ・・・」

車いすの子の隣に来た私は彼女が伸ばした手の先にある本を取りました。

「探し物はこれですか?おぜうさん?」

「あっ、はい。ありがとうござ・・・」

そう言って私が本を差し出し、女の子がそれを受取ろうとして目が合うと・・・。

「「あ・・・」」

それは以前海鳴病院前で出会った車いすの関西弁美少女でした。

 

「そっかー、ハルナちゃんって言うんか。そう言えばバスには間に合ったん?」

「うん、ちゃんと間に合ったよ。次のバス停で・・・」

それから私は数か月振りの再開を果たした車いすの美少女・・・八神はやてと友好を深めていました。

「・・・は?いや、ちょっとまって・・・それじゃ何か?次のバス停まで追いかけていったん?」

「え?そうだけど?」

「いやいやいや・・・おかしいやろ?何で人間がバスに追いつけるんや?」

おかしいかな?士郎さんとか恭也さんとか、あとクイントさんや妹達も普通に走ってバスに追いつけると思うんだけど・・・。

私がそれを口にするとはやては何故か頭を押さえて俯いてしまいました。

「え?何?私がおかしいんか?普通の人は皆走ってバスに追いつけるんか?」

はやてが何やら至高のスパイラルに沈んでいると反対側からすずかが声をかけてきました。

「お待たせハルナちゃん。本返してきたよ、折角だからこれから一緒に翠屋で・・・」

そこで固まるすずか。

「お帰りすずか。翠屋でしょ?一緒に行こう、ちょうどなのはにも渡すものがあったしね」

地球に行くと言う事でフェイトから手紙とビデオレターをなのはに渡して欲しいと頼まれていたので正に渡りに船です。

「・・・・・・」

しかしすずかは一向に固まったままです。

よく見れたその視線は私の隣・・・未だうんうん唸っているはやてに向けられています。

「すずか?おーい、すずかー?」

「・・・ハルナちゃん?」

あ、やっと反応してくれました。

「もう、どうしちゃったのさ?急に固まっちゃったから・・・」

「・・・その女(こ)、誰?」

 

Side はやて

「いやー、ホンマビビったわ」

「うぅ、だってぇ・・・」

あれから図書館を後にした私らはハルナちゃんと後からやって来たすずかちゃんの行きつけの喫茶店、翠屋に場所を移してお話の続きをしていた。

しっかしすずかちゃん・・・第一印象は間違いなくヤベー奴やったわ。

瞳孔の開ききった目で私の事ガン睨みしてるし、口の端に髪の毛加えてるのが恐怖を一層引き立てるんよ。

正直に言うで、少しちびった・・・。

ハルナちゃんが事情を話してくれたから事なきを得たけれど最悪刺されてたで、間違いなく。

「そう言えばハルナちゃんとすずかちゃんって付き合ってるん?」

そこで疑問に思うんはどうしてすずかちゃんはあそこまで病んだ目でうちを睨んできたのかや。

それも翠屋に着くまでの間にある程度知ることが出来た。

すずかちゃんなんやけど、さっきからハルナちゃんにベッタリなんや。

しかも、えらい熱っぽい目でハルナちゃんの事見とるし・・・。

恋愛ものの小説とかでよく見る熱い眼差しって言うのはこういうのを言うんやな。

実際の所どうなのか?それを確かめるために質問してみたけど・・・。

「えぇっ!?そんな、付き合ってるなんて・・・エヘヘっ」「ちがいます」

「あっはい・・・」

二人の反応は正反対やった。

顔を赤らめながらイヤンイヤンという感じに身体をくねらせるすずかちゃんと、淡々と無感情に否定するハルナちゃん。

うん、これ完全にすずかちゃんの片思いや。

「・・・ハルナちゃん」

「うぇっ!?なっ、ちょっ・・・!そ、そんな泣きそうな顔してもダメだからねっ!前から言ってるけど私とすずかは女の子同士でしょうっ!?」

かと思ったらこの狼狽え様・・・ハルナちゃんも心のどこかではまんざらでもないみたいやな。

これは、すずかちゃんがグイグイ行けばワンチャンあるんとちゃうか?

ハルナちゃんの言動がやんちゃな男の子っぽい雰囲気のせいか二人の関係が普段引っ込み思案だけど急に大胆になる彼女とそれにドギマギしてる彼氏に見えてきたわ。

数多くの恋愛小説を読んできた恋愛マスター(自称)としては二人の行く末を応援せざる負えないわな。

「・・・ところではやて?なんでそんな某狸型ロボットがするような温かい目(昭和版)でこっちをみてるの?」

「え?平成版の方がよかったん?」

「怖いわっ!」

私が温かい眼差し(昭和版)を送っていたら速攻でキレッキレのツッコミを入れてくるハルナちゃん、この子できるわ・・・。

そんな二人のラブコメを挟みながらおしゃべりは進む。

二人がこの翠屋の常連さんな事とかお店のマスターの娘さんが二人の親友な事とか・・・。

ハルナちゃんのお父さんがスゴイお医者さんだって聞いた時、私は無意識に自分の脚に手を伸ばしていた。

物心つく前から動かなかった私の脚・・・きっと治ることは無いって半ばあきらめていた。

なのに今になってハルナちゃんのお父さんならもしかしたら・・・そう思ってしまったのはなんでやろう?

・・・やっぱり皆が来たからかな?

ずっと一人で暮らしてきた私にできた新しい家族・・・。

あの子らと暮らしているうちに少しずつ元気をもらった。だからやろうか?

脚を治して皆と一緒に歩きたい・・・そんな風に心のどこかで思うようになっていた。

「ん?はやて?どしたの?」

「ふぇっ?ううん、なんでもないんよ・・・」

うん、今は考えるのは止めよう。

いくらハルナちゃんが気さくやからって今日あったばっかりでこんな事相談するのは失礼やろ。

だからこの話はおしまいや。

そのあとも楽しくおしゃべりは続いて結局ハルナちゃんがお店のメニューを端から端までコンプリートするまで続いた・・・って食べ過ぎやろ!?どんだけ胃袋でかいねん!?

その後お会計―ハルナちゃんだけ謎の特別優待券なるものを使って割引してもらってた―を済ませ、この後どこに行こうかと話している時やった。

黒い車・・・フロントガラスもスモークで隠した真っ黒なハイエースが突っ込んできたのは。

「危ないっ!」

「きゃっ!?」

「わわっ!?」

轢かれそうになってたところをハルナちゃんに引き寄せられ事なきを得る私とすずかちゃん。

「動くなっ!俺たちを来てもらおうか」

・・・うん、全然事なき得てなかったわ・・・。

Side Out

 

いやーまさかまたすずかを狙った誘拐犯の襲撃を受けることになるとは思ってなかったよ。

なに?私がコミケに行くとすずかが狙われるジンクスでもあるの?

もしそうなんだとしたら襲われてもいいように次のコミケまでに装備を整えておく必要があるな・・・。

え?コミケに行くのを控えろ?ヤダ!

「ほぇ~・・・」

目の前・・・私に車いすを押されるはやては目が点になっています。

大丈夫かな?

「はやてー、そろそろ戻っておいでー」

「・・・ハッ!?ここは八神はやて、私は海鳴!」

うん、まだ大丈夫じゃないみたいです。

「はやてちゃん、まだ混乱してるの?」

「いやいや当たり前やろ!?なんなんアレ!?身代金目的で攫われるとか完全にサスペンス映画やん!かと思いきや最後はハルナちゃんが無双しまくってアクション映画状態やし・・・脳みその処理が追い付かへんで!」

はやてが説明してくれましたが・・・まぁ、そう言う事です。

普段なら誘拐犯が現れた所で恭也さん達が速攻で成敗するところですが恭也さんも士郎さんも少年サッカークラブ「FC翠屋」の練習の為に留守、美由紀さんも材料の買い出しの為になのはと外出中という千載一遇のタイミングを狙われました。

銃をすずかやはやてに向けられていたので私も大人しく従い、ハイエースに乗った覆面集団にハイエースされた私達は連中のアジトに連れて行かれました。

話を聞くにこいつら、いつぞやの氷村ふんたー同様夜の一族絡みの連中の様ですずかの力が目当てだったようです。

で、ふんたーをbanしてやった私を警戒しており何者なのか調べるために簀巻きにした挙句自白剤を注射しやがりました、しかも事前のアルコール消毒無しで・・・バイキンが入ったらどうするんだ!?

それから放置されることおよそ一時間・・・戦闘機人の私に薬物が効かない事を知らない拷問係が油断した状態で戻って来た所で反撃開始。

見張り共々ボッコボコにしてからお次は脱出作戦DA☆と意気込んで男らしく正面ゲートから堂々と出ていきました。私女子だけど・・・。

で、さっき最後の追手を返り討ちにしてあとは駆けつけた恭也さん達にまかせてはやてを家まで送っているところなんですが誘拐事件初体験のはやてにはさすがに刺激が強すぎたようです。

「何なん?ハルナちゃんランボーか何かなん!?」

失礼な、私がランボーなわけないじゃん。

「コマンドーだよ!(デェェェェェェェェェェェェェェンッッッッ!!!!)」

「どっちも同じやろ!」

子気味良い音と主に頭に走る軽い衝撃・・・って、どこから出したのさそのハリセン!?

「ハリセンは関西人の必須アイテムや!」

最初に出会った時の大人しい感じとはとは打って変わってかなり強烈な個性の持ち主ですよこの子・・・。

こうしてアリサもかくやと言う高いレベルのツッコミを繰り出すはやてと熾烈な戦いを繰り出していると私達の前に二匹のぬこがやってきました。

「わぁ、にゃんこや!」

「本当だ!カワイイ・・・」

現れたぬにはしゃぐすずかとはやて。

二匹は飼いぬこで人になれているのか、すずか達が抱き上げても嫌がったり逃げたりするそぶりは見せなかった。

「見て見てハルナちゃん、この子達ソックリ!双子なのかな?」

そう言って私にぬこを見せるすずか。

私はそれを受け取ってまじまじとはやての抱いてるぬこと見比べます。

「どれどれ・・・お~ホントだ。しっかし・・・このぬこどっかで見た様な・・・」

一見可愛げがある様に見えてかなりちゃっかりしてそうな顔・・・もし人になれたならすっごくいい性格してると思う。

いったいどこであったのか?よく見ればほのかに魔力も感じるし・・・。

私がガン見下からかぬこの方も何やら警戒し始めました。

そうして数秒にらみ合っていると・・・。

「はやてちゃ~ん」

向こうから金髪の美人さんがはやてを呼びながら近づいてきました。

「あ、シャマル・・・って、あっ」

はやてが気づくと同時にはやての膝の上にいたぬこが逃げ出します。

同時にもう一匹のぬこも私の手を振りほどき逃走します。

「あぁ、にゃんこが~・・・シャマルぅ?」

「えぇっ!?私のせいですか!?」

ぬこに逃げられジト目で睨むはやてと睨まれて狼狽える金髪さん。

アリサのものより色の薄い金髪を肩の辺りで切りそろえたおっとりした若奥様風の可愛い感じの美人さん・・・。

いったいどちら様なんでしょうか?はやてとは全然似てないからお母さんやお姉さんって事はないだろうけど・・・。

「はやてちゃん、この人は?」

「あぁ、この子はシャマル。わたしの・・・わたしの家族や」

すずかの質問にはやては一瞬迷った後そう答えます。

「は、初めまして。シャマルと言います」

紹介された美人さん・・・シャマルさんは戸惑いがちに私達に挨拶する。

「あ、これはご丁寧に・・・ハルナ・スカリエッティです」

「月村すずかです」

ん?何だよ?忍殺語で挨拶なんてしませんよ?私だって初対面の人には礼をもって当たりますよ?

それ以降は相手次第だけど・・・。

「はやてちゃんを送ってくれたんですね、ありがとう。ところで・・・あなた達ははやてちゃんのお友達ですか?」

友達・・・友達であってるのかな?

あったのは半年前に一度だけだし本格的に親しくなったのは数時間前なんだけど・・・。

「せやで、私の友達や!」

・・・はやてがそう言ってるんならそうなんだねっ!

「せやせや、ウチとはやてはマブダチやで!」

「・・・えっ?」

「えっ?」

え?何でそんな驚いたようなこえだすの?

え?私とはやては友達だよね?マブダチだよね!?

「いや、えっと・・・私が友達なのはすずかちゃんで・・・」

なん、だと・・・?

そんな・・・私は信じてたのに、はやては友達だって信じてたのにっ!!

畜生っ!裏切ったな!

「うわーんっ!はやてのバーカバーカ!今度はやてが本に挟んでる栞の位置滅茶苦茶にしてやるーっ!!」

「ちょっ!おどれソレ本当にやったら戦争やぞ!?」

「あっ!ハルナちゃんっ!はやてちゃんっ!」

「え?えっ?ええっ!?」

泣いて走る私、怒って追いかけるはやてとそれを追うすずか、そして状況についていけないシャマルさん。

今日も海鳴は平和でした。

ちなみにさっきのは冗談だとはやてが誤ってくれたので栞は10ページ戻すだけで許してあげました。

 

Side シャマル

今日はやてちゃんが友達を紹介してくれました。

以前お世話になったというハルナちゃんとその友達のすずかちゃん。

二人ともいい子みたいできっとはやてちゃんと仲良くしてくれる筈。

でも気になるのはハルナちゃんの方・・・。

あの子、とても強い魔力を持っていた。

それもしっかり制御された・・・。

ここは管理局の手の及ばない管理外世界、当然魔法も存在せず魔力を持ってる人もめったにいない。

よしんば持っていても制御することなく自然に体外に放出している。

だというのにハルナちゃんの魔力は上手にコントロールされていました。

まるで管理世界で暮らす魔導師の様に。

ハルナちゃんは管理局の魔導師なんでしょうか?

私たちを・・・『闇の書』を追ってきたのでしょうか?

もしそうだとしたら、私達は彼女と戦わなくてはいけない。

仮に違ったとしても、彼女の魔力はかなりのもの・・・。

蒐集すれば闇の書のページをかなり埋められるはず。

でも、いざその瞬間が訪れた時・・・私は戦えるでしょうか?

ハルナちゃんを、はやてちゃんの友達を傷つけることが出来るでしょうか?

・・・ううん、やらなきゃ。

それが私の、私達ヴォルケンリッターの務め。

例えハルナちゃんを傷つけることになっても、それではやてちゃんに嫌われても構わない。

全てははやてちゃんを救うために・・・!

Side Out

 

Side ???

はぁ、ヤバかった。

バレるかと思ったけどあの子がアホで助かったわ。

とは言えまさかハルナが闇の書の主と接触するとは、これは見過ごせないわね・・・父様に報告しないと。

恐らくそう遠くないうちに守護騎士達が本格的に動き出す。

そうなれば捜査に動くのはこの辺りを管轄としているアースラだ。

そして闇の書絡みとなれば遺失物管理部だって黙っていない、間違いなく地球での活動経験のあるハルナが派遣される。

・・・もしハルナが真実を知ったらどうするだろう?

あの子はアホだけど決して道理が分からない人間じゃない。

でも同時に甘いと言われるほどの人情家だ。

もし闇の書の主と守護騎士の真実を知ったら・・・。

あの子にはクライド君の件で大きな借りがある。

だからお願いハルナ、頼むから私達に力を貸して。

それが駄目ならせめて、せめて私達の邪魔をしないで。

あんたの事を気づ付けたくない。

でも、邪魔するならあんたでも容赦はしない・・・。

Side Out

 

はやてを家まで送った後、数日すずかの家にお泊りしてからミッドに帰還しました。

それから数か月後・・・地球近傍の管理外世界や無人世界で魔導師や魔法生物に対する襲撃事件が発生。

被害者が一様に魔力の源・・・リンカーコアを抜き取られていることから何らかのロストロギアが使用された可能性も考慮しアースラチーム、そして私は再び地球へ派遣されることになりました・・・。

 




これにて幕間編は終了、いよいよA'S編に突入です。
また少し間が開くかもしれませんが平にご容赦を。
あとしつこいようだけど動画見てね!

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