マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 お待たせしました。いよいよIS原作に突入しました。

 ここから暫くは原作に沿った展開で進行していきます。


第7話「自・己・紹・介」

 立花竜馬と織斑千冬が三年ぶりの再会を果たして、二週間が経過した頃…………

 

 4月の頭、IS学園の1年1組の教室では、今年の新入生が入学式を終え、最初の授業が始まろうとしていた。通常、入学式の日は授業はなく、あってもHR(ホームルーム)が常識なのだが、IS学園は専門分野中の専門分野であるISについて学ぶ都合上、授業は入学式の日から始まる事になっている。

 さて、この1年1組、他のクラスとは違う特色がある。

 それは、クラスメイトに唯一、男子がいる事だ。

 

(き、気不味い……)

 

 さて、読者諸君には恐らくここで察してくれるだろうが、この男子こそ、世界初の男性IS操縦者である織斑一夏その人である。

 なぜ彼がこの女の花園であるIS学園にいるのかについては、今更聞くまでもない事だろうが、折角なので教えよう。

 今から遡る事一月半前、一夏君は私立藍越学園の入試会場に向かっていたんだけど、何を勘違いしたのか手違いでIS学園の入試会場に入ってしまい、そこでISを動かしてしまったからさあ大変。一夏君は世界初の男性IS操縦者として世間に大々的に報道され一躍時の人となってしまったんだ。

 勿論、こうなったら彼を狙う存在も出てくるワケで、身の安全を踏まえてIS学園に入学する事になったってわけ。

 いやぁ、ラノベ主人公ってどうしてこう災難に襲われるんだろうねぇ。マジでムカつく。

 

(おいぃぃぃっ!何本音書いてんだ作者ぁぁ!いくらハーレム系ラノベ主人公が嫌いだからって自分の作品に書くことはないだろおぉ!せめて前書で書けぇぇっ!)

 

 まぁまぁ、抑えて抑えて。

 

(これが落ち着いてられるか!)

 

 さて、心の声で第四の壁を全力で壊してくる一夏君はさて置いて、教室ではSHRが始まろうとしていた。

 

「それでは皆さん。1年間よろしくお願いしますね」

 

 副担任の山田真耶先生(先ほどの茶番の間に自己紹介をしてました)が、教卓の前で微笑んだ。が……

 

「…………」

 

 悲しいかな。生徒達の反応は無かった。

 

「そ、それでは、自己紹介を始めますね。出席番号順にお願いします」

 

 小動物の如く狼狽える副担任だが、教室は奇妙な緊張感に覆われていた。

 その原因である我らが一夏の席は、最前列のど真ん中という、否が応にも目立つ場所だから、周囲の視線が集中していた。

 一夏は窓際の席にいる幼馴染の篠ノ之箒に目をやるが、箒は一夏と目線が合うと、顔を外に向けてしまった。

 

(おいおい!それが久しぶりに会った幼馴染に対する態度かよ!もしかして俺、嫌われてるんじゃ……)

 

「……くん!織斑一夏くん!」

 

「は、はい!?」

 

 大声で呼ばれた一夏は、思わず声が裏返ってしまう。どうやら自分の番らしい。

 いつも以上に緊張した状態で、一夏は席を立った。

 

「えっと……織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 一夏は儀礼的な挨拶をするが、周囲の視線が一夏の緊張感をさらに高めていった。

 

(いかん!このままでは俺が根暗な奴に思われてしまう!)

 

 一夏は一呼吸置くと、意を決した。

 

「……以上です!」

 

 一夏のその一言で、周囲の生徒はズッコケた。

 

「あ、あのー……」

 

 後ろの生徒が涙成分二割増しで声をかけてきた、その時だった。

 スパァンッ!と、一夏の頭を叩く音が響いた。

 その叩き方に、一夏は見覚えがあった。

 一夏は恐る恐る振り向くと、そこには修羅がいた。

 

「げぇっ!?関羽!」

 

 スパァンッ!と、また頭を叩く音が響いた。

 

「誰が三国志演義の英雄だ馬鹿」

 

 一夏は叩かれた後頭部を抑えた。

 

(あれ?てかなんで千冬姉はここにいるんだ?)

 

 実を言うと一夏は、姉である千冬が現在どのような仕事をしているか本人に全く聞かされていないのだ。

 

「あれ?織斑先生、もう会議を終えられたのですか?」

 

「ああ。山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

「い、いえ!副担任ですからこれくらいはしないと……ところで、“あの人”は?」

 

「あ、ああ。あいつなら今廊下で待たs「ホイッ!」ッアタ!」

 

 千冬が真耶の問いに答えようとしたその時、千冬の背中に衝撃が走った。

 千冬は後ろを振り返ると、そこには竜馬が立っていた。

 

「貴様……呼ぶまで廊下で待っていろと言っていた筈だが……」

 

「いやぁ、授業初日で生徒の頭を出席簿で叩く“暴力教師”に教育的指導をね……」

 

「ほほぉ、私の背中を叩く事が教育的指導だと?貴様も大概ではないか」

 

「僕は手加減したはずだけど?」

 

「どの程度の手加減か見ものだな」

 

 二人は生徒を置き去りに口論を始めてしまい、真耶以下、生徒達は呆気に取られていた。

 そんな中、一夏と箒は、何故か懐かしさを覚えていた。

 その光景は、二人がいつも見ていた“日常”そのものであった。

 

「あ、あのー……織斑先生、立花先生。そろそろ……」

 

「なんだ山田君?今取り込み中だ。この“わからず屋”に社会というものをわからせる必要があるのでな」

 

「山田先生。後にしてくれませんか?この“ブラコン怪人”にギャフンと言わせないとね」

 

 真耶が止めようとするが、二人の覇気に耐えきれず半分涙目になっていた。

 

(不味い不味い!!今ここで千冬姉と竜馬さんの“痴話喧嘩”が始まったらそれこそこの世の終わりだ!)

 

 一夏は内心焦っていた。そう、このまま行けば、二人は間違いなく痴話喧嘩を始めてしまうからだ。

 

 

 

 

 織斑千冬と立花竜馬は、過去に何度か“痴話喧嘩という名の決闘”をやらかしている。

 つまり、口論でどちらも譲らなかった場合、大抵拳と木刀による異種格闘技戦に発展するのだ。

 こうなると周囲の事などどちらも考えずにやってしまうため、喧嘩が終わるとその周囲の被害はまるで竜巻の被害を受けたかの如くボロボロになるのだ。

 主な被害者は一夏の友人で一時期竜馬が居候していた五反田家が営んでいる五反田食堂、箒と束の実家である篠ノ之神社境内にある剣術道場、そしてその神社地下にある束のラボ、そして織斑家邸宅である。

 この決闘は過去に竜馬がオリンポスに拉致される3年前までに20回この事態に発展し、内10回は束が余計な事を言ってしまったのが原因である。

 この他にも、約30回近くこの事態に発展しかけたが、その時は束若しくは一夏が命懸けで二人を止めた事で事無きを得ている。

 

 

 

 

 兎も角、一夏はこのままではこの教室が新たな被災地(戦場)になる事を危惧し、二人の間に入った。

 

「二人とも!ストップ、ストォップ!千冬姉、ここで“痴話喧嘩”なんて始めたらそれこそヤバいって!竜馬さんも抑えてください!後生ですから!」

 

「そ、そうですよ!周りの生徒がポカーンとしてますから!お二人とも自己紹介をしてください!」

 

 二人の間に入った一夏は二人を窘めるよう説得すると、それに続くように真耶も二人を説得した。

 すると、二人が吐き出していた覇気が徐々に薄れていった。

 

「……確かに、山田君と織斑の言うとおりだ。この決着は何れ着ける事にしよう」

 

「……そうだね、山田先生と織斑君の言う通りだ。ここで始めたら、周りに被害が出ちゃうからね。この勝負は預けておくよ」

 

 二人の怒りが収まった事を確認した一夏は、ホッと胸を撫で下ろした。だがそれと同時に、ある事に気が付いた。

 

(……あれ?なんで竜馬さんがここにいるんだ?あの人は確か3年前に……)

 

 そう、3年前に行方をくらました筈の竜馬が、自分の目の前に立っている事だった。

 姉である千冬がいない時、いつも面倒を見ていたのが竜馬であった。

 その為、織斑一夏にとって立花竜馬は実の兄のような存在であった。

 そして、一夏は姉千冬にとっても竜馬が特別な存在である事を勿論悟っていた。

 今でも覚えている。竜馬がいなくなって半年後に開かれた葬式で、千冬が手を震わせて悲しみに耐えているあの光景を。

 だからこそ、失踪したはずの竜馬がなぜここにいるのか疑問を募らせた。

 それを見ていた竜馬は、一夏の心情を理解すると、笑顔で彼に“一教師”として説いた。

 

「織斑君。今君が僕に問いたい事があるのはわかる。でもここは学校だ。ここでは僕も、君も、そして織斑先生も“一人の生徒と教師の関係”にすぎない。それを心に留めておくように。わかったね」

 

「……はい。りょうm「立花先生ね」……立花先生」

 

 竜馬に言い含められるように、一夏は心に疑問を残したまま、自分の席に戻った。

 もっとも、このやりとりのせいで一夏と千冬が姉弟である事が判明してしまったのだが……

 

「えっ……もしかして織斑君って千冬様の……?」

 

「苗字でもしかしてとは思ってたけど……」

 

 周囲がざわつくが、千冬が手を叩いて黙らせると、自己紹介を始めた。

 

「……さて。先程は見苦しいものを見せてしまったが、諸君。私が織斑千冬だ。君達新人(ヒヨッコ)を一年の間に使い物になる操縦者に育て上げるのが私の仕事だ。私の言う事は良く聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は若干15歳から16歳までに鍛えることだ。逆らうのもいいが、私の言う事は聞け。いいな」

 

 千冬が自己紹介を終えると、生徒達から歓声が沸き起こった。

 

「キャ――――――――!千冬様!本物の千冬様よ!」

 

「私、ずっとファンでした!」

 

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」

 

「私、お姉さまの為なら死ねます!」

 

 ちょっと最後の人がなんかヤベーイ事を言っている気がするが、竜馬は気のせいという事にした。

 

「……まったく、毎年よくもこれだけ馬鹿者どもが集まる者だ。それともなにか?私のクラスにだけ馬鹿共が集中しているのか?」

 

(相変わらず、素直じゃないね)

 

 千冬のうっとおしそうな態度に、竜馬は懐かしさを覚えた。

 

「……さて、次はお前だ。手短に済ませろよ」

 

「はいはい。我らが担任は時間厳守がモットーのようで」

 

 千冬と入れ替わりで竜馬が教壇の前に立つと、黒板に自分の名前を書き、自己紹介を行った。

 

「さて、山田先生と共にこのクラスの副担任を受け持つ事になった立花竜馬です。まだ公にはされていませんが、私は世界で2番目の男性IS操縦者で、こちらにいる織斑先生とは学生時代からの友人です。教師としてはまだまだ至らない点もありますが、皆さんよろしくお願いします」

 

 簡潔で、どこか爽やかな自己紹介をすると、教室は一旦静寂に包まれたが、すぐに黄色い奇声が沸いた。

 

「キャァ――――――!二人目!二人目よ!」

 

「しかも爽やか系イケメン!」

 

「でも千冬様と学生の頃から友達ってもしかして!」

 

「きっと愛の力でISを動かしたんだわ!」

 

 周囲の反応は様々であった。だが、竜馬の事を知る箒と一夏は、どことなく懐かしさを覚えていた。

 

「ふっ。初日から生徒の心を鷲掴みにするとは、教師の方が板についているんじゃないのか?」

 

「いや、君程じゃないさ。さて、そろそろSHRも終わりだから、僕と織斑先生は教室の隅に行こうか。それじゃあ山田先生、授業を頼みます」

 

「は、はい!任せてくだしゃい!か、噛んじゃった……

 

 そう言うと、竜馬と千冬は教室の隅に向かった。

 向かう途中、竜馬は一夏と箒と目が合うと、笑顔で返した。

 この時、二人は目の前の教師が、自分達のよく知る立花竜馬である事を悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




仮面ライダーメーデン!(イメージCV:立木文彦)

「お前にはこれからISに乗って試験官と模擬戦を行ってもらう。」

「……よし、行くぞ!打鉄改!」

「私が気になるのは“IS操縦の技量”よりも“改造人間”としての彼の力量ですから」

 第8話「怪しいS/羽ばたく打鉄改」

 これで決まりだ!
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