マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 どうも、暑中見舞い申し上げます。
 今回は過去篇となる「中国篇」の導入部です。
 鈴ちゃんって書くとゆるキャン△のリンちゃんを思い浮かべる俺はゆるキャン△難民。


第13話「再会!中国娘」

一夏Side

 

「と、いうわけで織斑くん、クラス代表就任おめでと~!」

 

 その日の夕方。寮では1年1組の生徒が集結し、『織斑一夏クラス代表就任記念パーティ』が執り行われていた。

 この日の授業は、ISを使用した飛行訓練だったのだが、俺の結果は散々たるものだった。

 ちなみにその日の授業中、時折千冬姉と竜馬さんが腰を抑える仕草をしていたけど、一体昨日ナニをしていたんでしょうねぇ……まぁ、俺と箒が言えた口ではないけど。

 そして今、俺はというと……

 

「はいは~い、新聞部で~す!今話題の織斑一夏君に突撃取材しにきました~!」

 

 …………新聞部のエサにされています。竜馬さん。頼むからこっちに来てください!

 

「さて、まずは織斑君のクラス代表就任をこの場でお祝い申し上げます!それではクラス代表として一言意気込みをどうぞ!」

 

「えっ!?えーと……頑張ります!」

 

「え~それだけ~?もっとないかな~、例えば『命、燃やすぜ!』とか、『ひとっ走りつきあえよ!』とかさ~」

 

 なんか何処かで聞いたようなフレーズだが、兎に角もっと記事映えしそうな台詞を言えって事だろうな。その時、俺の脳内に竜馬さんが空手の公式戦の時に験担ぎでよく言っていたある言葉を思い出した。

 

(竜馬さん。貴方のフレーズ、お借りします!)

 

 俺は脳内で竜馬さんに謝罪すると、ある言葉を引っ張り出した。

 

「銀河の光が俺を呼ぶ!」

 

 何故か無意識に決めポーズを取っていた。

 

「おぉ~!そういうのを待ってたんだよ~!」

 

 新聞部の子の他、クラスメイトの殆どが今の俺を写真に撮り始めた。正直、凄く恥ずかしいです。

 

「とまあ、クラス代表就任取材はこの辺にして、織斑君にはもう一つ聞きたい事があります!」

 

「へ?」

 

「ズバリ!『立花先生と千冬様の関係』についてです!お二人の事をよく知る織斑君に、お二人の関係について何か知っていることがあれば一言お願いします!」

 

 いやなんで俺に聞くんだよ!と言いたいところだが、竜馬さんなら兎も角、そんな事千冬姉に聞いたら確実に殺されるだろうな。うん。俺に聞きにくるわけがわかった気がする。

 だがここで俺が下手な事喋ったらそれこそ俺の人生がヤバイ!取り敢えずボカしとこう……

 

「あー…多分付き合ってると思う」

 

「なぜボカして言うんです?」

 

「深掘りしたこと言うと殺される」

 

「あー…………」

 

 新聞部の子は何かを察したようだった。ホッ、助かった。

 

「まぁ、その辺はチョチョイと捏造するとしますか」

 

 良くねえぇぇぇぇぇぇ!これ絶対後日捏造した記事が校内新聞に載るだろ!はい死んだ!今俺の人生終わったわ!竜馬さん。頼むから助けてください……

 

一夏Side out.

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、竜馬と千冬は

 

「……まったく、たしかにお前の言いたい事は分かるが、些か性急すぎるぞ」

 

「そ、そうかな?」

 

 この日の放課後、IS学園の各教員が集まって話し合う教員会議が行われ、竜馬と千冬はその帰りについていた。

 この会議において、竜馬は真っ先に外部侵入対策としてセキュリティの強化を訴えたが、提示した青写真の殆どが些か過剰すぎた事が問題となり、保留となったのである。

 無論、これには訳がある。竜馬はここ一週間暇さえあればオリンポスに関する情報を独自に調査していたものの、その成果は微々たるものであった。

 さらに先週潰したオリンポスの要塞島がこの学園近辺にあった事がなりより気掛かりだったのだ。

 もしオリンポスがIS学園を狙うとなれば、現状のセキュリティ設備で防ぐ事はまず不可能だ。そうなる前にも、なんとかセキュリティ設備の充実しなければと、そう考えていた。

 

「確かにお前のいう通り、オリンポスのキメラボーグでは現状のセキュリティでは心もとないのはわかる。しかし、そんな奴等が現実にいる事を知らない人達からすれば、IS学園のセキュリティに対し行き過ぎていると言われかねないんだぞ」

 

「それは、そうだけど……」

 

「それに万一に備えて、白式には一夏の危機をお前のマスクに知らせるブザー装置が搭載されている。それでも不満なのか?」

 

「“備えあれば憂いなし”という言葉があるからね。念の為というものだよ」

 

「むぅ……」

 

 千冬と竜馬がそんな事を談笑していると

 

「…………って…………け」

 

「ん?」

 

 ふと、声が聞こえて来た。竜馬が声がした方向に目をやると、正面ゲート前で大きいボストンバッグを持った小柄な少女が、皺だらけの紙切れと格闘していた。

 その少女に、竜馬は見覚えがあった。

 

「おい、どうしたんだ竜馬?」

 

「あの子…………もしかして」

 

「…………あの子?っおい竜馬!」

 

 千冬の制止を振り切り、竜馬は少女の許へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「本校舎1階総合事務受付……ってどこにあんのよこれ?」

 

 その日、凰鈴音(ファン・リンイン)は少し遅れたIS学園への入学手続きのため、この正面ゲートまで来ていた。

 なぜこの時期まで入学が遅れたのかというと、話が長くなるので割愛する。

 鈴はヨレヨレの紙切れに向かって悪態をついた。最も、紙が返事する筈がない。

 

「取り敢えず、歩けばなんとかなるでしょ」

 

 ぶつくさ言いながら、鈴の足はその場から去ろうとしていた、その時だった。

 

「そっちの方向行くと本校舎からどんどん離れるけど?」

 

「へ?…………」

 

 ふいに、背後から自分にアドバイスするような声が聞こえた。

 鈴は背後を振り返ると、そこにはまさかの人物が立っていた。

 

「えっ!?りょ、竜馬さん!?」

 

「やぁ、久し振りだね鈴」

 

「…………(溜息)」

 

 声の主は、日本にいた頃兄貴分として、優しく接してくれた立花竜馬であった。

 その背後には、かつて想いを寄せ、今は良き親友となった幼馴染の姉が頭を抱えて溜息をついていた。

 

「な、なんでここにいるのよ!?」

 

「いやぁ、色々あってね。それはそれとして、鈴ちゃんはこれから受付で入学手続きかい?」

 

「え、ええ。そうだけど……」

 

「良ければ僕が受付まで案内してあげようか?」

 

「よ、余計なお世話よ!こう見えても私は国家代表候補生なのよ!自分でいけるわ!」

 

「逆方向に歩いてたのに?」

 

「うっ!?そ、それは……」

 

「やれやれ…大雑把な性格は“去年”から変わってないね」

 

(ん?去年、だと…………)

 

 千冬は竜馬が発した“去年”という言葉が気になった。

 鈴が親の転勤で帰国したのは、あの事件から一年が経過した頃のことだ。つまり、竜馬は何らかの形で中国に来て、鈴と再会したことになるのだ。

 考え込む千冬の様子を察した竜馬は鈴に目で合図を送ると、千冬に話を振った。

 

「千冬。これから鈴ちゃんを受付まで案内するけど、一緒に来るかい?」

 

「なっ!?なぜ私がお前と一緒に凰を案内しなければならないんだ!?」

 

「話し相手が欲しいから」

 

「子供か!話し相手なら凰がいるだろう!」

 

「まぁまぁ千冬さん。“旅は道連れ”という言葉もあるし」

 

「いやおかしい!何かがおかしいぞ凰!」

 

「さて、それじゃあ総合受付まで出発進行!」

 

「話を聞けぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 千冬の有無を聞かず、竜馬と鈴は千冬を連れて総合受付まで向かう事になった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後…………総合事務受付近くの自動販売機前にて

 

「ほら。飲み物いるかい?」

 

「…………」

 

 鈴を受付まで案内した竜馬と千冬はは、近くの自販機で小休止していた。不機嫌な表情を崩さない千冬に、竜馬は機嫌を直すべく飲み物を買って来た。

 

「…………」

 

「あの、黙ってると渡しにくいんだけど」

 

「…………もらおう

 

 千冬は小さく返事をすると、竜馬は飲み物を手渡した。

 

「さっきは、ごめん」

 

「ん?」

 

「千冬があまりに真剣な表情をしていたから。多分、僕が何気なく言った“去年”という言葉に引っ掛かりを感じたんだろ?」

 

「ああ。竜馬、凰と何かあったのか?」

 

「話せば長くなるけど…まぁ、“組織”関連の事だね」

 

「…………!?」

 

 千冬は栓を開けようとしていた手を止めた。

 

「…………重要な事を聞くが、まさか…………」

 

「察しの通りだよ。鈴ちゃんは……

 

 

 

 

 

 

 

 

“僕に近い人間で僕が仮面ライダーだという事を知る数少ない一人”なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




次回予告(推奨BGM:レッツゴー!!ライダーキック(インストver.)予告版)

 我らの仮面ライダーメーデンを狙うオリンポス本部が送った次なる使者は、「火を吹く毛虫怪人モスキメラ」
 突然鈴の前に現れた人喰い毛虫の正体は、オリンポスの怪人モスキメラだった!
 鈴を襲うモスキメラの脅威!
 急げ竜馬!鈴を救え!

次回マスクドライダー・ストラトス「火を吹く毛虫怪人モスキメラ:前編」にご期待下さい!
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