マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 どうも、投稿は9月だけど、執筆時点では8月な第18話です。
 今回は遂にあの男が登場!多分前回の話でもう誰かは察している人は多いと思います。
 ちなみに本作での箒は丸いです。ツンツンしてません。そっちの方が好きだという人は戻るボタンを押してください。
 では、どうぞ!



第18話「敵か味方か?謎の青年」

 クラス対抗戦まで、後数日と迫ったある日のこと――――――

 

「ふん!やぁっ!たぁっ!」

 

「トォッ!トォッ!トォッ!」

 

 その日の放課後、立花竜馬は一夏と久しぶりに空手の稽古を行っていた。

 既に知っている読者も多いと思うが、立花竜馬は極真空手の使い手で、過去に高校の空手大会で優勝した実績を持っている。

 そんな彼は教えるのも得意で、時折一夏に対しこのようにして稽古をつけている時もある。

 

「ハァァァッ!」

 

「甘い!トォォォッ!」

 

 一夏の正拳突きを軽く受け流すと、竜馬はがら空きの脇に蹴りを入れた。

 

「ウワッ!」

 

 一夏は何とかそれを躱したが、膝をついてしまった。

 

「ふぅ…よし、今日はここまでにしよう」

 

「あ、ありがとうございました!」

 

 一夏は胴着を整えると、立ち上がって竜馬に一礼した。竜馬も、それを返すように一礼した。

 

「お~い!」

 

 そこへ、箒と千冬が飲み物を持って現れた。

 

「お疲れ様一夏。ほら、麦茶だぞ」

 

「あ、すまねぇな箒」

 

「竜馬、稽古もいいが、教師としての業務も忘れるなよ。ほら」

 

「ああ、いつもごめんね千冬」

 

 二人はペットボトルを受け取ると、それを勢いよく飲んだ。

 

「しかし、竜馬さんは昔と比べてかなり動きにキレが増してますね。殺されるかと思いましたよ」

 

「ふふ、伊達に武者修行に出ていたわけじゃないからね」

 

 竜馬は空白の三年間について、一夏や箒に

 

「世界各国の空手道場を渡り歩く武者修行の旅に出ていた」

 

 と説明していた。

 一夏と箒は取り敢えずは納得してくれたものの、それでも疑いは晴れない。

 だがそれよりも竜馬にとって気がかりなのは、オリンポスの動向だった。

 三日前、竜馬はIS学園の近郊で上空を飛行する人間大の蛾が目撃されたというSNSを見かけた。

 その投稿には空を飛ぶ茶色い物体を撮影した写真が添付されていた。

 竜馬はその物体がかつて中国で倒したモスキメラが成長したものではないかと考察していた。

 

(確か…あの時僕が倒したモスキメラはチャドクガの幼虫に近い姿をしていた。チャドクガは完全変態型の昆虫…もしオリンポスが完全変態を可能にしたキメラボーグを作り上げたのならば、あの時僕はモスキメラを倒し損ねたということになる…くそっ、僕としたことが…)

 

 竜馬は神妙な顔でそんな事を考えていると、それを不思議に思った一夏と箒はジッと竜馬の顔を見つめていた。その光景を見た千冬は竜馬の肩をゆすった。

 

「おい、竜馬」

 

「あっ!?ご、ごめん。少し考え事をしていてね…」

 

「考え事……ですか?」

 

「うん。こうも癖の強い生徒たちを相手にしているとね」

 

「は、はぁ……」

 

 箒は少し気の抜けた顔をしたが、一夏は千冬の少し神妙な顔を一目で見てそれが嘘だと直感で感じた。

 

(違う……竜馬さんと千冬姉は俺達に隠し事をしている…だって竜馬さんは嘘をつくのが下手だ。なんだ?竜馬さんは何を隠しているんだ……?)

 

 一夏は竜馬に疑いの目を隠さずにはいられなかった。

 その視線に気づいた竜馬は、膝を叩いた。

 

「さて!もうすぐ日も沈むから、そろそろ寮に戻ろうか!明日は箒ちゃんと一緒にISを使った実戦訓練を行うから、アリーナに来てくれ」

 

「えっ!?わ、わかりました!」

 

「うん!じゃ、また明日!」

 

 竜馬は千冬と共に寮に足を進めた。その光景を、一夏はただ見つめていた。

 

「……箒」

 

「ん?どうした一夏?」

 

「竜馬さん、変わったな」

 

「考えすぎではないか?確かに教職員というのはかなり精神的にくるらしいから、それであんな顔をするんじゃないか?」

 

「そうかもしれないけど、何かが違うんだ」

 

「“何か”とは、何だ?」

 

「ああ、なんか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか、無理して笑ってるようにしか見えないんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日――――――

 その日、竜馬と千冬は一限目の授業を真耶に任せ、生徒会長である更識楯無と共にとある人物と面談することになった。

 その人物は最近発生している失踪事件を調べているフリーカメラマンとのことで、その手掛かりを探っている内に二人に行きついたというのだ。

 当初二人はその人物がオリンポスの人間ではないかと考えていたが、楯無の紹介もあって、仕方なく会うことにしたのである。

 

「しかし、あの楯無が記者と紹介するとはな…」

 

「更識の人間なのかな?」

 

「なくはないな…と、ここだな」

 

 二人は話しながら、面談室のドアの前に着いた。

 竜馬はドアをノックした。

 

「どうぞ」

 

 部屋から声が聞こえた。男性の声だ。

 

「失礼します。遅くなりました」

 

 面談室に入ると、そこには紺色のジャケットを着た青年が楯無と面を向かって座っていた。

 

「初めまして。立花竜馬さんと織斑千冬さんですね?」

 

「ええ、そうですが……」

 

「ああ、すみません。自己紹介がまだでしたね。私はフリーカメラマンの一文字隼人と言います」

 

「あ、これはご丁寧に…」

 

 青年――――――一文字隼人は名刺を出すと、竜馬はそれを受け取った。

 名刺には、オートバイとバッタを組み合わせたような「T」と赤字の「R」が組み合わさったエンブレムがプリントされていた。

 

「ああ、そのプリントは私がよく贔屓にしていたレーシングクラブのエンブレムですよ」

 

「レーシングクラブ…ですか?」

 

「ええ、聞けば立花先生はアマチュアのロードレース大会で優勝したとか…」

 

「ははは、あくまでアマチュアですよ。こう見えて私はモトクロスレースが苦手でして…」

 

「ほほぉ、それは耳寄りな情報を頂きました」

 

 竜馬と隼人がそんな談笑をしていると、楯無が本題を切りだしてきた。

 

「すみません隼人さん。そろそろ本題を…」

 

「ああ、すみません。御二方もお掛けください」

 

「ああ、では遠慮なく…」

 

 三人はソファに腰掛けると、早速本題を切り出した。

 

「さて、現在私は国内で相次いで発生している失踪事件について調査しているのですが…その件で楯無さんにお話を伺っていたのですが、そこで貴方の名前と貴方を引き取っていた滝正春博士の名前が出てきまして」

 

「…なるほど、確かに立花先生は生まれてすぐ両親を失い、滝博士に引き取られましたが…博士が失踪したのは13年も前の話ですが?」

 

「そうです。それについては敢えて私も聞くつもりは御座いません。ですが織斑先生、貴女は確か…先月怪しい連中に攫われかけたところを立花先生に助けてもらったとか…」

 

「……」

 

 隼人の言動に、竜馬は疑念を持たずにはいられなかった。

 

(この人は何処まで知っているんだ?…“オリンポス”について感づいているのだろうか…いや、そんな事はありえない…であれば、奴らについて話すべきだろうか…いや、駄目だ。話したとしても信じてはくれまい…たとえ信じてもらえても、絵空事として世間は見るだけだ。それが奴らの…“オリンポス”の非常識さだ)

 

「立花先生」

 

 心の中で葛藤していた竜馬に、隼人が話を振ってきた。

 

「え?な、なんでしょうか?」

 

「織斑先生を襲った奴らについて、何か知っている事は御座いませんか」

 

「…わかりません。あの時は幼馴染である織斑先生を助けるのに必死でしたから」

 

「しかし、人相とか言語くらいは…例えば、そんな些細な事から国籍などの目星はつきませんか?私はこの事件を国際的な事件だと思っているのです」

 

 隼人は卓上に置かれたコーヒーカップに手を取り、それを啜った。

 その一連の動作を見た竜馬は、ある事に気付いた。

 それは、隼人の手の甲に何かの傷跡があったからだ。

 それも、手術の傷跡であった。

 

(まさか…)

 

 竜馬は何かを感じ取ると、即座に立ちあがった。

 

「すみませんが、今日はこのあたりでよろしいでしょうか?そろそろ二限目の授業が始まるので……思い出したら、また連絡します。織斑先生、そろそろ行きましょう」

 

「え…あ、ああ。そうだな」

 

「…そうですか。では、そういうことに」

 

「更識、一文字さんを送ってくれ」

 

「わかりました。」

 

 竜馬は千冬と一緒に面談室を退室した。

 竜馬と千冬は面談室からある程度離れた、人気のない場所まで歩いた。

 

「どうしたんだ竜馬」

 

「千冬…あの一文字というカメラマンの手の甲に、手術跡があった」

 

「なに……」

 

「もしかしたら、彼は…」

 

「…わかった。束に連絡を取ってみよう」

 

「うん。でも、束には僕から連絡する」

 

「そうか」

 

 二人はそんなやり取りをしていると、チャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じ頃、面談室に残った隼人と楯無もまた、竜馬について話し合っていた。

 

「やれやれ、ガードが堅いねぇ。流石は世界最強(ブリュンヒルデ)とその彼氏といったところか」

 

「ならなんであの傷跡を見せたんです?」

 

「嫌なに、反応を確認したかったのさ。俺が“奴ら”の手先かそれとも…

 

 

 

 

 

 

 

 

“自分と同じ存在”なのかってのをな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然竜馬の前に現れたカメラマン、一文字隼人。

 はたして彼は何者なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




 もう次回予告思いつかない……
 はい、今回から次回予告やめて普通に後書き書きます。
 今回の一文字隼人との対面シーンは萬画版の隼人初登場回をオマージュしました。
 さて、次回から最初のヤマ場です!
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