前回のあらすじ
クラス代表対抗戦の第一試合。織斑一夏は死闘の末凰鈴音を打ち破った。
その喜びもつかの間、突如、アリーナの遮断シールドを破って、三体の黒いISが乱入する。
一方その頃、仮面ライダーメーデンはオリンポスの精鋭部隊であるケルベロスと一進一退の攻防を繰り広げていたが、モスキメラ?が呼び寄せたネオショッカー戦車の前に窮地に陥ってしまう。
ネオショッカー戦車の砲身がメーデンに向けられたその時、爆音と共に一文字隼人が駆けつけた!
*
「き、貴様は一文字隼人!?何故ここに!」
モスキメラ?は先程までとは打って変わり、かなり動揺した態度で問い詰めた。
隼人はバイクから降りると、その質問に答えた。
「はっはっはっはっ!インターポール本部がオリンポスの暗秘匿号無線を解読したんだよ。お前達が日本でどでかいことをやろうとしていると察知して、遥々中国から追ってきたのさ」
「一文字さん、まさか貴方は……」
何かを察したメーデンの態度に、隼人を口をニヤつかせると、右方向に両腕を水平に揃えると、身体の前で徐々に反転させた。
その仕草に、メーデンは既視感を覚えた。
(あの動作は、拓殖大学柔道部の選手が行う柔道の型だ。何故一文字さんがそれを?)
反転させた両腕を左側で力こぶを作るように立てると同時に、隼人は決意を固めるように声をあげた。
「変身!」
すると、隼人の腰部に紅いベルトが出現すると、バックル部のシャッターが展開し、ケイモーンと同じ形の風車ダイナモが露わになった。
「トォォッ!」
隼人は天高く飛翔すると、ベルトの風車が高速で回転し、眩い光を発した。
改造人間一文字隼人は、ベルトの風車に風圧を受けると、仮面ライダーに変身するのだ!
「トォォォォォッ!」
前方宙返りをしながら、地面に着地した隼人は先程とは全く異なる姿に変わっていた。
それは、黒と銀のマスクに、白い一本線ラインが入った黒いスーツに、紅く染まった両手両足のグローブ、そして首にはメーデンと同じ真紅のマフラー……
さらに身体の節々には、数々の修羅場を潜り抜けた事を表す無数の細かい汚れとキズがついていた。
その姿を見て、メーデンは無意識のうちに呟いた。
「仮面…ライダー…」
その呟きと同時に、隼人は名乗りを上げた。
「仮面ライダー、2号!」
≪推奨BGM:かえってくるライダー≫
名乗りを上げたライダー2号を前に、ケルベロスとモスキメラ?はかなり動揺したが、すぐに平静さを取り戻した。
「ええい!例えライダー2号といえど所詮は旧世紀の産物!最新のバイオテクノロジーで改造された我らの敵ではない!者共!かかれぇ!」
「!!」
モスキメラ?の号令と同時に、ケルベロス達はライダー2号に襲い掛かった。
「ドォォォッ!!」
しかし、ライダー2号はその場をジャンプすると、メーデンのすぐ側に着地した。
「一文字さん。貴方もライダーだったんですね!」
「竜馬くん、話は後だ。君は今すぐにモスキメラを追うんだ!」
「えっ…まさか!ツインアイ!」
ライダー2号の指摘を受け、メーデンは直様モスキメラ?をツインアイで透視した。
すると、そこにモスキメラの姿は無く、代わりに赤いラインが入ったスパルタ兵が出現した!
「すると本物は……まさか!」
「!」
「くっ!邪魔だ!」
メーデンはオリンポスの本当の意図に気付き、直様戻ろうとするが、ケルベロスに羽交締めされてしまう。
「ドォッ!」
「!??!」
そこへ、ライダー2号がケルベロスを引き剥がすと、ケルベロスに強烈な右ストレートを叩きつけた。
「ここは私が引き受ける!君はIS学園に向かうんだ!」
「わかりました!Mチャリオット!」
メーデンはマスク内部のリモコン装置でMチャリオットを側に呼び寄せると、アクセルを全開にしてその場を後にした。
「!!」
「おっと!そうはさせんぞ!」
追跡しようとするケルベロス達に、ライダー2号が立ちふさがった。
「おのれライダー2号!だがもう遅い!今頃IS学園は我等の新兵器によってすでに廃墟と化している!動くのが遅過ぎたな!ガガーーーッ!」
そこへ、モスキメラに変装したリーダー格のスパルタ兵が再び余裕の態度を見せて、ネオショッカー戦車の車体に飛び移った。
「ネオショッカー戦車とはまた懐かしいものを引っ張り出したな。だが、戦車程度でやられるライダー2号ではない!」
「ほざくな!やれぇ!」
号令とともに、ネオショッカー戦車の主砲が火を吹いた。
「ドォォォォォッ!」
ライダー2号は至近距離からの砲撃を難なくジャンプで躱すと、自身の相棒である新サイクロン号に跨った。
「目には目を、マシンにはマシンにをだ!いくぞ!」
ライダー2号はアクセルを蒸し、新サイクロン号のウィングを展開すると、ネオショッカー戦車に突っ込んだ!
*
その頃IS学園では、アリーナに乱入してきた3機のタロスが、一夏と鈴に狙いを定めていた!
「鈴!俺が時間を稼ぐからお前は逃げろ!」
「はぁっ!?何言ってんの!一夏を残して逃げるわけないじゃない!」
「お前さっきの試合でシールドエネルギーが0になったの忘れたのかよ!いいからここは俺に任せて逃げ…あぶねぇ!」
「えっ、きゃっ!?」
間一髪、一夏は鈴の身体を抱きかかえてさらった。すると、先程までいた場所をタロスが放った熱線が直撃した。
「熱光学兵器かよ…しかもセシリアの奴より威力が段違いだ」
一夏はハイパーセンサーの簡易解析でその熱量を確認すると、背筋が凍った。
しかし、間髪入れずにタロスは次の攻撃に移ろうとしていた。
「くるぞ!」
背後に待機していたタロスが背部からミサイルランチャーを乱射するが、一夏はなんとかそれを躱しきった。
すると、3機のタロスはフワリと浮き上がると、機械的な声を発した。
『ヒトよ…』
「っ!?なんだ…この声は……?」
一夏はその声を聞き、不思議に思った。その声は、あまりに無機質だったからだ。タロスは続けた
『神は…嘆き悲しんでいる…愛さなければよかった…とな……そうして流れた血の涙から…我らは生まれた……』
「この言い方……どこかで…」
鈴はタロスから流れる言葉の一句一句に、デジャヴを感じ取った。
『我らは“オリンポス”……神々の子……』
「オリン…ポス……?」
『ヒトよ。既に手遅れだ…キサマ等に……未来はない……』
それは、まさにオリンポスの宣戦布告だった。
観客席にいた生徒たち、そしてこの模様をモニター越しで見ていた生徒たちは、タロスから吐き出される威圧感に戦慄した。
そして、タロスたちは再び活動を再開した!
『お、織斑くん!凰さん!今すぐその場から脱出してください!すぐに先生たちがISで制圧に行きます!』
すると、プライベートチャンネルを通じて真耶が一夏と鈴に離脱するよう指示した。こころなしか、その声はいつもより威厳があった。
しかし、一夏にそれはできなかった。奴らはあの遮断シールドを突破した。つまり、今この時点で誰かが戦わなければ観客席にいる人たちに危害が及ぶかもしれない。一夏の決意は既に固まっていた。
「いや……先生たちが来るまで俺が食い止めます。鈴、お前だけ離脱しろ」
「あ、あんたこの期に及んでなに言ってんのよ!一人であいつらを相手取る気!?」
「さっきも言っただろ!今のお前はSEがもう0で足手まといになるだけだ!だったら、俺が時間を稼ぐ間に逃げろ!」
「で、でも……」
鈴がさらに反論しようとした、その時だった。
『いや……一人ではない!』
「えっ……?」
突如、プライベートチャンネルに第三者の声が聞こえた。呆気にとられる鈴と一夏だが、その声が聞こえたと同時に、上空から爆音が轟いた。
二人は上を見上げると、スポーツタイプのオートバイがアリーナを超える高さでジャンプしていたのだ。
「トォォォォォォッ!」
すると、バイクに跨っていたドライバーが飛び上がり、一夏の前に着地した。
二人は呆気にとられるものの、鈴はその戦士を見てすぐに答えた。
「仮面ライダー!」
「仮面ライダー?……!!」
戦士の姿に、一夏は既視感を覚えた。それもその筈だ。
その戦士の姿は、若干の相違点はあるものの、3年前に自分を助けたあの戦士に……黒いボディに真赤な目が特徴的な戦士に酷似していた。
戦士―――仮面ライダーメーデンは二人の方を振り向き、安否を確認した。
「大丈夫かい、二人とも」
「あ、ああ!」
「このくらい平気よ!それよりライダー、気を付けて!あれはオリンポスの新兵器よ!」
「やはり狙いはIS学園だったか。鈴ちゃん。君の機体はSE残量がないから、ここは僕と一夏君に任せて逃げるんだ。いいね?」
「う、うん!わかった!一夏!アイツらに負けたらあんたの顔地面に埋めてやるからね!」
「なんでそうなるんだよ!」
鈴は甲龍をピットに向かわせるが、それを見たタロスが鈴に狙いを定めた!
「おっと!そうは……」
「させねぇっての!」
そこへ、ライダーメーデンと一夏が攻撃を加え、タロスを妨害した。
「一夏君。君も零落白夜を使用したこで残量が少ない。出来る限り攻撃を避けるんだ」
「あんたどうして俺の名前を…いや、今はこいつらの相手か!」
一夏とメーデンは、迫りくるタロスに敢然と立ち向かった!
*
「あの人……いったい何者なんでしょう……」
真耶は、新たに乱入してきた異形の戦士に驚いていた。しかも一夏と協力して、所属不明機……いや、オリンポスと称するテロ組織に敢然と立ち向かったのだ。戦士はどう見てもISを纏ってはいない。それなのに、彼はISとほぼ同じ大きさは相手と互角に戦っていたのだ。
「山田先生。今は彼等に任せましょう」
「お、織斑先生!何を呑気なことを言ってるんですか!?」
「織斑の方はまだしも、もう一方はかの“仮面ライダー”だ。彼ならばこの状況を打開できる」
「“仮面ライダー”って、あの都市伝説の?」
「ああ。それに今の私達は見ているだけしか出来ないからな」
千冬はそう言うと、タブレット型端末を操作して、第二アリーナのステータスチェックを表示した。
するとそこには、遮断シールドがレベル4に設定されたほか、扉の殆どがオートロックされていたのだ。
現在3年の精鋭チームがクラッキングを行っているが、それでも時間はかかると踏んだ千冬は、束に緊急信号をうち、クラッキングの支援を行わせていた。
現状、千冬に打てる手は、これだけだった。
(竜馬……頼むぞ……)
千冬は、ただ竜馬の勝利を願っていた。そんな中、同じ部屋にいたセシリアが、あることに気付いた。
「あら……篠ノ之さんはどちらに……」
「…………!?」
セシリアの言葉に、千冬は周囲を見渡した。いない。箒が……千冬は最悪の事態を想定した。
「山田先生!ここは任せる!」
「えっ!?ちょ、織斑先生!?」
千冬は箒を探すべく、部屋を後にした……
*
「トォォォッ!ライダー、フライングパァンチ!」
「おらぁ!」
その頃、一夏とライダーメーデンは、3機のタロスのうち2機を破壊することに成功した。
この少し前、メーデンがツインアイの解析で敵が無人機であることを見抜いたことで、二人はAIの演算処理能力の裏をかく戦法で優位に立ち、形勢を逆転していたのだ。
「よし!残るはあと一機だ!」
一夏は一機だけになったタロスを見て、勝利を確信していたが、一途の不安を抱いていた。
(おかしい……ライダー2号の情報では、モスキメラはIS学園にいたはず…それなのにこの場にはいない…なんだ…いやな予感がする…)
メーデンの不安をよそに、一夏は最後のタロスに狙いを定めた。
「これで……終わりだ!」
一夏の白式の雪片弐型が、タロスに振り下ろされようとした、その時だった。
「そこまでだ!」
「っ!?何!?」
「この声……まさか!」
突如、第三者の声がアリーナに響き渡った。一夏は振り下ろそうとした雪片を止めると、メーデンと共に声が聞こえた方向を向いた。
「ガガガガガガガガガ」
「っ!?貴様は!?」
そこには、本物のモスキメラが姿を現した。
「ガガガガガガガガガ!織斑一夏!そして仮面ライダー!お前達の活躍もここまでだ!あれを見ろ!」
「何……!?」
「あ、あれは!?」
モスキメラは電光掲示板の上面を指差した。
そこには、十字架に磔にされた箒が、グッタリと気絶していたのである……
卑劣なモスキメラは、遂に箒を人質にとり降伏を迫った。
果たして仮面ライダーメーデンは、箒を救えるのだろうか?
そしてオリンポスの別働隊と戦うライダー2号の運命や如何に!?
劇中でどうやってメーデンがレベル4のシールドを突破したかというと、Mチャリオットに装備された「バーリア中和装置」でマシンが入れる程度の隙間を作ってアリーナに侵入した設定です。
次回予告
さぁ、8月から足掛け2ヶ月かけてお送りしたモスキメラ篇もいよいよラスト。
果たして仮面ライダーメーデンは、人質となった箒を助けられるのか?そしてライダー2号の運命は?
次週の「逆転!ダブルライダー只今参上:後編」にご期待下さい!