マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 やっとやり抜けたぁ!
 今回に関しては5000字越え覚悟で執筆しました。


第22話「逆転!ダブルライダー只今参上!:後編」

前回のあらすじ

 ネオショッカー洗車の前に窮地に陥ったメーデンを救ったのは、仮面ライダー2号だった。

 ライダー2号からの情報を受け、メーデンは単身IS学園に向かい、一夏の窮地を救う。

 しかしそこへ、モスキメラが箒を人質にして現れた!

 

 

 

 

 

 

 

 

「箒!てめぇ!」

 

「動くな織斑一夏!動けばこの女の命はないと思え!」

 

 一夏は激情に駆られてモスキメラに襲い掛かろうとするが、モスキメラが手を上げたその時、スパルタ兵が箒の首筋に剣を突き付けた。

 

「…………くっ!」

 

 一夏は悔し気にも、雪片を拡張領域にしまった。

 そこへ、ライダーメーデンが怒りを露わにしてモスキメラを問い質した。

 

「モスキメラ!貴様……人の命を何だと思っている!?」

 

「なんとでも言え!どんな手を使っても勝てばいいのだ!それが世の理だ。仮面ライダー!この女を助けたければ、我々の条件を呑むことだ!」

 

「要求だと!」

 

「そうだ!それも簡単な要求だ!」

 

 モスキメラがそこまで言ったその時、メーデンの脳内にメッセージが入ってきた。

 

『ふふふ…何、簡単な条件だよ。立花竜馬くん』

 

(…………!?その声は!)

 

 その声は、オリンポス首領の声であった。

 

『篠ノ之箒を助けたければ、我らの許へ来ることだ』

 

『何!?』

 

『お前のその力は、本来我らオリンポスの…この私“ウラノス”のために使われるべき力だ。ちっぽけな人間など守るに値せぬ。私と共に新たな世界を創るために、お前の力は必要だ。さぁ、戻って来い。我がオリンポスに……』

 

『…………』

 

 メーデンは迷っていた。ここで箒を助けるには、自分がオリンポスに下った方が良い。しかし、それは自らの敗北を意味していた。それは出来ない。だが、箒は助けたい……メーデンは、いや、立花竜馬は、世界と友の間で板挟みになっていた。

 

(どうすればいいんだ?……どうすれば……博士……僕は……)

 

 悩むメーデンに、モスキメラは痺れをきらしつつあった。

 

(ええい……首領の命令とはいえ、こうも待たされては俺の気が晴れん!ならば……)

 

モスキメラは手で合図すると、タロスが動き始め、レーザーの照準を観客席に合わせた。

 

「早くしろ仮面ライダー!言わねばここの観客全てを皆殺しにするぞ!」

 

「なに!?」

 

「てめぇ、それでも人間かよ!」

 

 一夏は激しく罵倒するが、モスキメラはそれを嘲笑った。

 

「ガガガガガガガガガ!卑怯もラッキョウもあるものか!さぁどうするライダー!」

 

 モスキメラの非情な脅しに、メーデンの心は遂に折れつつあった。

 

「僕は……」

 

 メーデン…竜馬が弱弱しく答えようとした、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てぇい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガガッ!?だ、誰だ!?何処にいる!?」

 

 突然、アリーナに響き渡る第三者の声に、モスキメラは周囲を見渡した。二人も周囲を見渡すと、箒が捕らわれている電光掲示板の上を見た。

 

「あ、あそこだ!」

 

「何!」

 

 モスキメラは電光掲示板の方を向くと、そこでは、箒に剣を突き立てていた二人のスパルタ兵が倒れており、さらに拘束されていた箒を、黒の革ジャンを着た男が解放していた。

 

「トォォォォォォッ!」

 

 男性は箒を抱きかかえてジャンプすると、一夏の眼前に着地した。

 

「ほ、箒!しっかりしろ!」

 

 一夏は男性から箒を譲り受けると、箒の身体をゆすったが、起きる様子はない。

 一夏はハイパーセンサーでバイタルを確認しようとするが、男性は優しい声で語った。

 

「大丈夫、今は気を失っているだけだ」

 

「あ、貴方は……」

 

 メーデンは男性が何者なのか、直感で察した。あの高所から傷一つなく着地する身体能力…間違いなく人間ではないのは確かだ。つまり…自分と同じ……

 

「貴様!何者だ!?」

 

 そこへ、モスキメラが新たにスパルタ兵を呼び寄せて、男性に問い質した。

 すると、男性は静かに立ち上がりながら、モスキメラの方を振り向いた。

 そして、その男の顔を見た時、モスキメラは男性が何者か、すぐにわかった。

 

「な!?き、貴様は!?」

 

「一文字隼人だけが仮面ライダーではない。俺は本郷猛…仮面ライダー第1号だ!」

 

 男性……本郷猛は、構えをとって名乗りを上げた。

 

「本郷猛!?馬鹿な!なぜ貴様がこの日本にいる!?帰国していたのは一文字隼人だけのはずだ!?」

 

「はっはっはっはっ!こんな事もあろうかと密かにアメリカから帰国していたのだ!モスキメラ!貴様のような人間の自由を乱す奴は断じて許せん!フン!」

 

 本郷は右腕を左上に掲げると、左腕を胸に合わせた。そして右腕を徐々に右へずらしながら自身のスイッチを入れた。

 

「ライダァァァ……変身!」

 

 刹那、本郷は今度は左腕を右上に掲げたと同時に右腕を胸に合わせると、腰部に赤地のベルトが出現し、バックル部に装備された風車が高速で回転した。

 

「トォォォッ!」

 

 本郷はすかさずジャンプすると、風車から強烈な光が放たれた!

 改造人間本郷猛は、ベルトの風車に風圧を受けると、仮面ライダーに変身するのだ!

 

「あの姿は!」

 

 メーデンはライダー1号の姿に驚愕した。大まかな外見こそ2号に酷似していたが、ボディラインは1本ではなく2本になっており、頭部を覆うマスクも銀に近い明るいメタリックグリーン、さらに両足はまさにヒーローを体現したかのような銀色に輝いていた。

 

「仮面ライダー、1号!」

 

 ライダー1号はファイティングポーズを取り、再び名乗りを上げた。

 

「えぇい!ライダー1号といえど所詮旧世代の改造人間(サイボーグ)!虫けらが一匹増えただけにすぎん!タロス、ライダー1号を殺せぇ!」

 

「!」

 

 モスキメラの号令と同時に、タロスの右腕に装備されたビーム砲の砲身がライダー1号に向けられた。が……

 

「そうはさせませんわ!」

 

 その時、青白い閃光がタロスの右腕に直撃し、爆散した。

 

「このビームは!」

 

 一夏はビームが発射された方を向くと、そこにはスターライトMk-Ⅲを構えたセシリアが浮遊していた。

 

「このセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの存在をお忘れでしたわね!」

 

「なっ、バカな!あのクラッキングには少なくとも半日はかかるはずだ!」

 

「まさか……」

 

『そのまさかだよりょーくん!』

 

 そこへ、プライベートチャンネルを通じて束が話しかけてきた。

 

『いや〜中々強敵だったけど、この束さまの前にかかればチョチョイのチョイってね♡』

 

『助かったよ束!今度いいデザート送るよ!』

 

『クーちゃんの分もよろしく!』

 

『はいはい!さて……』

 

 メーデンは動揺を隠せないモスキメラの方を向き、指差して宣言した。

 

「モスキメラ!お前の企みも最早ここまでだ!」

 

「ええいうるさい!まだ俺は『モスキメラ!』!!この声は!」

 

「だ、誰だ!?」

 

「みんな、上を見ろ!」

 

 その時、上空に巨大な髑髏の仮面が姿を現した。

 

「た、タナトス様!」

 

「なに!?」

 

「あれがタナトス…オリンポスの最高幹部か!」

 

 髑髏の正体は、死神タナトスの頭部ホログラムであった。

 

『モスキメラ。IS学園の襲撃失敗にライダー1号の入国を察知できなかった失態、いかに寛容な私でもここまでは看過できん!』

 

「た、タナトス様!お慈悲を!?この私に今一度チャンスを!?」

 

『黙れ!作戦の失敗は死をもって償うのがオリンポスの掟!貴様も栄誉あるオリンポスの幹部ならば、戦場で戦って死ね!』

 

 タナトスはモスキメラにそう命じると、雲のように姿を消した。

 

「くぅぅぅ!聞いての通りだ仮面ライダー!俺の栄光は貴様たちによって全て失われた!こうなればこのIS学園ごと地獄の道連れにしてやる!かかれぇ!」

 

 背水の陣となったモスキメラの号令と同時に、スパルタ兵とタロスがメーデンたちに襲いかかった!

 

「もうやめろ!お前達は負けたんだぞ!大人しく降伏しろ!」

 

 一夏は襲い来る敵勢に降伏を迫ったが、スパルタ兵は聞く耳を持たず、ただ特攻していた。そこへ、メーデンがプライベートチャンネルで話しかけた。

 

『一夏くん。こいつらは脳髄まで“組織”に改造されている。説得は無意味だ』

 

「じゃあどうすればいいんだよ!」

 

『今の俺達に出来るのは、彼等の魂を楽にさせることだけだ。残酷かもしれないが、それしかないんだ……』

 

「そんな……うぉっ!」

 

 その時、白式のハイパーセンサーがミサイルの接近を感知したため、一夏は回避に専念した。

 この時、一夏は気絶した箒を両手に抱えていたため、武器が使用できずにいた。

 

「くそ!箒を抱えた状態じゃあ満足に戦えねぇ!」

 

「一夏さん!」

 

 愚痴を溢す一夏だったが、そこへセシリアが近づいた。

 

「一夏さん!篠ノ之さんは私が安全な場所に運びます。貴方はあの“ISモドキ”をお願いします!」

 

「頼む!」

 

 一夏はセシリアに箒を預けると、直様雪片弐型を呼び寄せた。

 

「さぁ…覚悟しろよこの分からず屋ども!」

 

 一夏は怒りを露わにしてタロスに斬りかかるが、タロスは瞬時に拡張領域からグラディウス型のヒートソードを取り出して受け流した。

 

「こいつ剣持ってたのかよ!さっきの二体は出してなかったのに!」

 

『織斑!』

 

『織斑くん!』

 

 悪態を吐く一夏に、ISを装着した千冬と真耶が駆けつけた。

 

「山田先生に……千冬姉!?」

 

『学校では織斑先生と……いや、そんな事を言ってる場合ではないか』

 

『織斑くん!後は私達に任せて退避してください!』

 

「で、でもコイツらは!」

 

『馬鹿者、白式のSE残量を良く見ろ』

 

「えっ……」

 

 一夏はハイパーセンサーでSE残量を確認すると、既にレッドゾーンに突入しつつあった。

 

『後は我々が引き受ける……少しは姉を頼れ。この馬鹿が』

 

「……わ、わかりました」

 

 一夏は雪片を仕舞うと、その場を退避した。

 

『さて……真耶、背後は任せたぞ』

 

『が、頑張ります!』

 

 千冬は近接ブレードを両手に持つと、真耶もまた拡張領域からアサルトライフルを取り出して、タロスに銃口を向けた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じ頃、ライダー1号とメーデンはモスキメラと相対していた。

 

「ライダー共!貴様らだけはこのモスキメラが倒す!」

 

 ファイティングポーズをとるモスキメラに対し、メーデンはライダー1号を制した。

 

「ライダー1号。ここは俺に……僕にやらせてください……一夏くん達を頼みます」

 

「…………」

 

 その決意に1号は無言で頷くと、一夏達の方へ向かった。

 

「モスキメラ……貴様が一人で戦うというなら、俺もまた一人で戦おう。それが、戦士の流儀だ!」

 

 すると、相対する二人の間から風が吹き抜け、ケイモーンの三連ダイナモがその風圧を吸収すると、メーデンのツインアイが赤く光った。

 それが、決戦の合図となった。

 

≪推奨BGM:矛盾螺旋-M24-(空の境界より)≫

 

「いくぞ!」

 

「来い!」

 

 モスキメラの両手から光弾が放たれ、メーデンはそれをグローブで弾く。

 次にモスキメラの触角から稲妻状の光線が照射されるが、メーデンはそれをステップで回避すると、一気に距離を詰めた。

 

「トォッ!トォッ!」

 

「ガァッ!ガァッ!」

 

 両者は互いの拳打を受け流しながら、激しい死闘を演じた。

 メーデンの鉄拳がモスキメラの溝落ちに直撃したかと思いきや、モスキメラの回転蹴りがメーデンの脇腹に強打する。まさに一進一退であった。

 片や己が死を覚悟し組織に最期の忠義を尽くすため…

 片や愛する者と掛け替えのない存在を守るため…

 互いの信念と信念がぶつかり合い、火花と血飛沫となって飛び散った……

 

「オォォォォォォォォォッ!」

 

「ガガァァァァァァァァッ!」

 

 見事なクロスカウンターが入り、両者はその場に倒れそうになるが、満身創痍の肉体を何とか持ち直して、その場に踏み止まると、一旦距離をとった。

 

≪推奨BGM:ネバーギブアップ(超人機メタルダーより)≫

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」

 

 荒くなった息を何とか整えて、両者は構えを取り直した。

 既にメーデンの強化服には、無数の傷跡から大量の血を流していた。

 一方のモスキメラも、肉体の節々から物凄い量の血を流しており、それでも息が絶えないのはまさにキメラボーグだからこそだろう。

 再び、両者の間に静寂が訪れ……二人の間に風が吹き抜けた。

 その静寂の中で、両者は次の激突が、おそらく最後になるであろうと直感していた。

 短い静寂の後、どこからかで流れた一滴の雫が落ちたとき、両者は動いた。

 

「ライダー!死ねぇ!ガガァァァァァァッ!」

 

「トォォォォォォォォッ!」

 

 両者は天高く飛翔すると、メーデンは前方宙返りの直後に飛び蹴りの姿勢を、モスキメラはフライングヘッドバットの体勢を取った!

 

「ガァァァァァァァァァァッ!」

 

「ライダァァァキィィィック!」

 

 両者の攻撃が交差した時、空中で爆煙が広がった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「ガァァァァァァァァッ!」

 

 両者は衝撃で落下し、地面に激突して倒れるが、その際、メーデンのマスクにヒビが入った。

 メーデンは頭から血を流して倒れるが、モスキメラは、最後の気力を振り絞って立ち上がった。

 

「か、勝った!勝ったぞ!俺は仮面ライダーをこの手で地獄に送ったぞぉ!」

 

 モスキメラは勝ち誇り、勝利の万歳をとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、既にモスキメラの肉体は、限界であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「オリンポスに……我らの偉大なる原初の神に……栄光あれぇーーーーーーー!」

 

 モスキメラはその場に倒れ、爆散した。

 その爆発は、地に伏したメーデンをも巻き込んだ。

 そこへ、タロスを倒した千冬たちとライダー1号が駆けつけた。

 

「!?」

 

「!!!」

 

「ーーーっ!」

 

 真耶はその壮絶な最期に唖然とするが、千冬は爆発に巻き込まれたメーデン……竜馬のことを案じた。

 爆破が晴れ、煙の中から、一人の人影が姿を現した。

 それは、身体の至る所に傷を負った、ライダーメーデンであった。

 

「ライダー!」

 

 千冬は泣きそうな顔を抑えながら、メーデンに駆け寄った。真耶もそれに続いた。

 

「ライダー…」

 

「…無人…ISは……」

 

「大丈夫だ。私達とライダー1号で倒した」

 

「そう……か……」

 

 メーデンがその場に倒れるが、それを千冬が受け止めた。

 すると、マスクの一部が割れて竜馬の素顔が晒された。

 その顔は、頭から血を流していた。

 

「えぇっ!仮面ライダーって立花先生だったんですか!?」

 

 真耶はライダーの正体が竜馬だったことに驚くが、千冬は小さい声で、優しく呟いた。

 

「…………バカ(ボソッ)」

 

「…………」

 

 竜馬は答えず、ただ、微笑んだ。

 

「おぉーーーい!」

 

 そこへ、新サイクロン号に跨ったライダー2号が駆けつけた。

 

「一文字、そちらはどうだ」

 

「心配いらない。囮の部隊は全て倒したぞ。ところで、そっちは……」

 

「ライダー2号……」

 

 竜馬は千冬に支えられながら、満身創痍の身体をなんとか立ち上がらせると、ダブルライダーの許へ近づいた。

 

「よう……派手にやられたな」

 

「ライダー1号が……本郷さんがいなかったら、僕はやられていたでしょう……」

 

「気にするな、ライダーは助け合いだしな」

 

 ライダー2号は右手を差し伸べると、竜馬もまた右手を出して、握手を交わした。

 そこへライダー1号も右手を差し伸べ、竜馬と握手を交わした…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 オリンポスの恐るべきIS学園襲撃作戦を阻止した仮面ライダーメーデンとダブルライダー。しかし、オリンポスのある限り、彼等の戦いは続くのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




マスクドライダー・ストラトス!《イメージCV:マダオ》
「楯無、君はどこまで知っているんだ?」

「私がオリンポスの存在を知ったのは貴方が海外でオリンポスと戦っていた頃まで遡ります……」

第22話「Tの告白/知られざる戦い」

 これで決まりだ!
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