尚、推奨BGMに関しては手持ちのサントラから場面に合う奴を厳選しておりますので、決してこのBGMを脳内再生してくれというものではございません。
名乗りを上げた立花竜馬———仮面ライダーメーデンに対し、カメレオンキメラ達は一瞬怯んだが、すぐに冷静さを取り戻し、逆にこの場を好機と見た。
「貴様が噂の仮面ライダーか!組織内で俺の名を高めるまたとない好機だ!者ども、仮面ライダーを殺せ!織斑千冬は後回しだ!」
「ゲェーッ!ゲェーッ!」
≪推奨BGM:戦士 M-13(仮面ライダークウガより)≫
カメレオンキメラの号令と同時に、スパルタ兵が片手剣を手に持ってメーデンと千冬に襲い掛かった!
「トォッ!」
集団で向かってくるスパルタ兵に対し、メーデンと千冬は軽く受け流すが、スパルタ兵達は巧みな連携で千冬とメーデンを取り囲んだ!
「竜馬、その姿は……」
「千冬、訳は後で話す。ここは僕に任せて先に逃げるんだ」
千冬の問いかけにメーデンは答えず、逃げるよう催促した。しかし、この状況下で逃げる事など千冬にはできなかった。
「ふっ、貴様は馬鹿か?この状況で奴らが簡単に逃がすはずがなかろう?それに奴らの狙いは私だ。それならここで貴様と一緒に戦った方がまだ好都合だ。それに、雑兵程度にやられる私ではない。それに……」
そう言いながら、千冬はメーデンに背中を合わせた。
「それに、私は誰かに守られるなど、私は性に合わんからな」
それを聞いたメーデンは、仮面の下の顔を微笑ませた。そうだ。織斑千冬とはそういう女性だ。
(そうだよね。君ならそう言うだろね。ふふっ、僕としたことがすっかり忘れていたよ)
メーデンは心の中でそう思うと、心を切り替えて、ファイティングポーズを取った。
「よし、なら共に戦おう!」
「おう!
今この瞬間、仮面ライダーメーデンの頼もしい仲間に織斑千冬が加わった!
そして、ジリジリを間合いを詰めていたスパルタ兵達が、一斉に襲い掛かった!
「ゲェーッ!ゲェーッ!」
「フン!トォッ!」
「ハァッ!」
しかし、メーデンと千冬はそれを全て受け流すと、一気に攻勢に転じた!
「トォッ!トォッ!」
「フンッ!タァッ!」
次々と襲い掛かるスパルタ兵に対し、メーデンと千冬は巧みな連携でそれを封じ、相手を優位に立たせなかった。
スパルタ兵の一人がメーデンに剣で突こうとしたが、メーデンは逆に剣を持っている方の腕を掴み、関節技で武器を奪うと、奪った剣でスパルタ兵を斬り伏せた。
その様子を見ていた千冬は、心の中で驚いた。
(アイツ……いつの間にあのような関節技を覚えたんだ?それにあいつは武器は使わない筈だ……)
千冬が知る限り、竜馬は極真空手を学んでいたが、それ以外の武道は学生時代に授業で教わった柔道ぐらいだ。
さらに、竜馬は剣道やなぎなたといった武器を使った武道を苦手としていた筈であった。
その筈なのに、目の前にいる竜馬は、まるで自分の手足の如く使いこなしていた。
スパルタ兵を相手にしていたメーデンだったが、そこへカメレオンキメラが再生した舌を伸ばして攻撃してきた!
「おっと!」
メーデンはそれを巧みに躱すと、カメレオンキメラの方へ向いた。
カメレオンキメラは不利を悟ると、一目散に逃げ出した。
「竜馬、雑兵どもは私に任せろ!お前はアイツを頼む!」
「わかった!ジェットコンバーター起動!トオォォォッ!」
≪推奨BGM:疾風-セイリングジャンプ-(組曲 仮面ライダーより)≫
スパルタ兵の相手を千冬に任せたメーデンは、ケイモーン左右の脇に装備されたジェットコンバーターを起動し、空高く飛翔した!
仮面ライダーメーデンは、ケイモーン左右の脇に装備されたジェットコンバーターを起動する事により、音速と同じ速さで空中を飛行できるのだ!
(と、飛んだだと!?あの強化服はISの一種なのか!?だが、今はこの雑兵どもを倒す事が先決だ!)
千冬はメーデンが飛んだ事に内心驚愕していたが、考えるのを後にし、襲いかかるスパルタ兵に集中した。
その頃、空からカメレオンキメラの場所を探るメーデンは、Bシグナルと触覚型超高感度アンテナをフル活用してカメレオンキメラの居場所を突き止めた!
仮面ライダーメーデンのBシグナルは、半径10km圏内にいるキメラボーグの特殊脳波を探知し、触覚型アンテナであるマルチセンサーと連動して、怪人の場所を特定できるのだ!
「あそこだな!」
視線の先には、近くの雑木林が見えた。どうやらここにカメレオンキメラの反応を探知したらしい。
メーデンはカメレオンキメラの反応を特定した林に着地したが、林には何も見えなかった。
メーデンは相手がカメレオンのキメラボーグである事を思い出した。
「そうか、奴は保護色で周囲に溶け込んでいるのか。ならば、ツインアイ!」
メーデンはそう叫ぶと、頭部の複眼が点灯した。
仮面ライダーメーデンの複眼であるツインアイは人間の60倍近い視覚能力を持ち、赤外線暗視やX線透視能力などの様々な機能を搭載しているのだ!
メーデンはツインアイでカメレオンキメラが身を潜めている木を見つけ、手に持っていた剣を投げつけた。
「そこだな、トォッ!」
「グワッ!?……何故俺の場所がわかった!?」
「仮面ライダーの索敵能力を侮ったなカメレオンキメラ!俺に貴様の特殊能力は通用しない!」
「ぬぅっ!こうなれば正々堂々戦って貴様を殺してやる!」
カメレオンキメラはそう言うと、隠し持っていた両刃剣を取り出し、メーデンを突こうとするが、メーデンはそれを巧みに躱すと、木に刺さった剣を抜いてカメレオンキメラの剣戟を防いだ。
「ハァッ!ハァッ!」
「トォッ!トォッ!」
メーデンとカメレオンキメラは熾烈な剣戟を繰り広げるが、メーデンは一瞬の隙をついてカメレオンキメラの右手に蹴りをいれた。
「トォッ!」
「グワァッ!おのれぇ~!」
あまりの衝撃に剣を落としてしまったカメレオンキメラに、メーデンは剣を突き出すが、何故かその手に持っていた剣を地面に突き刺した。
「カメレオンキメラ!貴様のような人間の自由を踏みにじる奴は断じて許せん!」
メーデンはカメレオンキメラに対し怒りの言葉をぶつけると、ファイテングポーズを取って天高くジャンプした。
「トオォォォッ!」
跳躍したメーデンは、滑空しながらベルトの風車ダイナモが風圧を取り込み、胸部のフリューテッドコンバーターて取り込んだ風圧をエネルギーに転換、転換されたエネルギーを左脚に集束させた!
エネルギーが集束した左足が緑色に光ると、メーデンは前方宙返りをして必殺の一撃を放った!
「ライダァァァキィィィック!」
「ハアァァァァァッ!?」
必殺のライダーキックの直撃を喰らったカメレオンキメラは、その衝撃に耐えきれず吹っ飛ぶと、メーデンはその反動を使って後方宙返りをして地面に着地した。
吹っ飛んだカメレオンキメラは地面に叩きつけられ、一度は立ち上がるが、体内に送り込まれた爆発エネルギーが改造された肉体に反作用を起こし、身体の節々で火花が上がった。
「ハアァァーッ?!?!!?」
断末魔の叫びをあげたカメレオンキメラは、その場に倒れ爆発した。
同じ頃、スパルタ兵達と大立ち回りを演じていた千冬はスパルタ兵達が突如苦しみ出すのを見て一旦距離をとった。
スパルタ兵達はその場へ倒れこむと、そのまま泡になって溶けてしまった。
「人間が溶けた……これは一体……はっ、そうだ!竜馬は!?」
千冬は竜馬の事を思い出すと、直様竜馬の許へ向かった。
*
仮面ライダーメーデンにカメレオンキメラが倒される様子を、数キロ先で見つめる一人の男がいた。
先程千冬の様子を探っていた紳士服姿の男だ。
「おのれ、仮面ライダーめ!」
男はメーデンの存在に苛立ちを覚え、タバコのカートリッジを捨て、吸い殻を踏みつけた。
「しかしあの男、どこかで見た事がある……」
男は竜馬の存在に既視感を感じながら、その場を後にした……
*
戦い終えた竜馬はマスクを外し、汗だくの素顔を晒した。マスクを外すと同時に、竜馬の身を包んでいた強化服は光を放って消失し、先程の私服姿になっていた。
竜馬は脱ぎ捨てたライダースジャケットを拾ってバイクに乗ろうとするが、千冬が近づいてくるのを感じ取り、それを思いとどまった。
千冬は竜馬の無事を確認すると、三年間溜め込んできた想いが鉄砲水の如く溢れ出し、一目散に走り出した。
竜馬は千冬と距離をとろうとするが、千冬の顔を見た途端、動きが止まった。
その顔は、涙で溢れていたのだ。
「竜馬ぁ!」
千冬は竜馬の前までくると、竜馬の顔を平手打ちした。その手には、多くの想いが詰まっていた。
「千冬……」
「馬鹿、馬鹿ぁ!今までどこに行ってたんだ!?お前がいなくなったせいで、色んな人に迷惑がかかったんだぞ!生きているならどうして連絡の一つも寄越さないんだ!」
「そ、それは……」
「大体お前はいつもそうだ!他人の厄介事には自分から首を突っ込む癖にいざ自分の厄介事の時は人には黙って自分だけで解決しようとして!もう少し他人を頼れと何度言った事か……」
「…………」
泣きながら怒鳴るように問い詰めてくる千冬に、竜馬は何も言えなかった。言える筈がなかった。
この3年間、自分が世界各地でオリンポスと戦っていたせいで、連絡する暇がなかったというのもあるが、竜馬自身は、千冬を巻き込みたくなかったのだ。
いつ果てるとも知れないオリンポスとの終わりなき戦いに……
「千冬、実h「ちょぉぉぉっと待ったあぁぁ!」……えっ?」
「ん?」
竜馬は何とか千冬を納得させるため取り繕うとしたその時、第三者の声がそれを遮った。
その声には、聞き覚えがあった。
二人は声のした方向を向くと、街路樹の枝の上にあまりに場違いな服装にウサミミカチューシャを頭につけた女性が立っていた。
「トゥッ!」
女性は1m以上はある高さから飛び降りると、二人の前に三点着地した、しかし……
「アイタタタ……やっぱ慣れない事はしない方がいいね~」
女性は片膝を抑え悶えていた。その光景に二人はなんとも言えない顔で見ていたが、二人は彼女を知っていた。
女性は片膝を抑えながら立ち上がると、ケロっとした表情で挨拶した。
「久しぶり!ちーちゃん!」
そう、この女性こそ、織斑千冬と立花竜馬の共通の親友にして大“天災”の篠ノ之束その人である。
「何が久しぶりだ束……」
「まぁまぁそんなぶっきら棒な態度とらないで、折角想い人と再会でk「フン!」ぐぇっ!」
顔を真っ赤にした千冬が束の尻に蹴りを入れた。
赤く腫れた尻を束は手でさすった。
「ケツに蹴りをいれられたいのか?」
「お尻を蹴ってから言わないでよ~」
「まぁまぁ、千冬も束もその辺で」
流石に収集がつかないと判断した竜馬が二人を抑えるようなだめるが、今度は束が竜馬に甘えようとした。
「うぅ~りょ~くぅ~ん、チミのコレがいじめる~」
「竜馬に甘えようとするな!竜馬も束を甘やかそうとするな!それと誰がコレだ!//ま、まだ告白もしてないんだぞ……//」
「じょ、冗談はよしてくれよ束!?//流石にこ、コレはないだろう……//」
二人は顔を赤くして下を向いてしまう。その様子を束はニヤついた。
その時、ある事を思い出した竜馬は、顔を上げて束に問い掛けた。
「って、そうじゃなくて。束、どうして君がここに?」
「んっふっふっ~よくぞ聞いてくれたねりょーくん!お待ちかねのお品がやっと完成したから届けに来たんだよ!」
「なんだって!遂に完成したのか」
束の報告を聞いて、竜馬は期待に胸を心躍らせた。それは、前々から束に頼んでいた専用マシンが遂に完成した事であった。
「なあ竜馬、その品とはなんだ?もしかして、お前の先程の姿に関係しているのか?」
千冬の言葉を聞いた束は竜馬に目を合わせるが、竜馬は黙ったままだった。束は何かを決意した表情をして千冬の方を向いた。
「ちーちゃん、これにはちょっと深い訳があるんだけど、ここだと色々と不味いからね。少し場所を変えて話そうか。りょーくんも、それでいいよね?」
竜馬は答えなかった。ただ、無言でうなずいた。
「さ、という訳でレッツラゴー!」
束の号令と共に、3人は別の場所へ向かった。
オリンポスのカメレオンキメラを倒した仮面ライダーメーデン。
その秘められた過去とはなにか?空白の三年間に一体何が起きたというのか?
次回予告
さて次回は、立花竜馬の過去にまつわる話だ。
竜馬の蒸発事件の真相は何か?
そして、オリンポスとはなにか?
謎が深まる次週仮面ライダーメーデン「空白の3年間前篇」にご期待下さい!