マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 お待たせしました。第4話です。
 今回はこれまでのと比べて少し短めです。
 尚、次回予告に関しては、話によって異なります。
 あ、グロ注意です。


第4話「空白の3年間:中篇」

現在、束のセーフハウスにて———

 

 束の話を聞いていた千冬は、竜馬を誘拐した黒幕が、先程自分を襲ったオリンポスと呼ばれる組織で、13年前の滝博士蒸発事件も奴らの仕業だというのを始めて知った。

 

(まさか、あの事件の黒幕が全てオリンポスだったとは……)

 

 千冬は内心驚愕していた。それだけではない。竜馬自身もオリンポスによって、キメラボーグに改造されていた事にも驚いていた。

 だが、ここである疑問が生じる。

 

(ん?そういえば、先程束は「竜馬は記憶消去手術寸前に滝博士に助けられ、博士と一緒に脱出した」と言っていたが、ならその滝博士は今どこに……)

 

 考え込む千冬を、束は少し冷静に見つめた。

 

(ま、そりゃあ驚くだろうねぇ。やっと再会できた想い人が得体の知れない組織に化け物に改造されましたーっなんて、与太話に思えても仕方ないよね)

 

 束はそう思案していると、千冬がある事を聞いてきた。

 

「束。お前は先程竜馬は滝博士と共に脱出したと言ったな」

 

「ん?そうだけど?」

 

「ならその滝博士はどこにいるんだ?こちらにはいらっしゃらないのか?」

 

 千冬の質問に、束は目を瞑り、顔を俯かせた。その仕草を見た千冬は、全てを察した。

 

「まさか……」

 

「そうだよ……確かに基地は脱出できた。けど……」

 

 束は再び、竜馬の過去を語り始めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

3年前、某国港湾地区の廃倉庫にて……

 

 オリンポスの秘密基地を脱出した立花竜馬と滝博士は、某国港湾地区にある廃倉庫の物置に身を潜んでいた……

 その物置で、滝博士は自身が取った行動に悩んでいた。

 

「私はこれで良かったのだろうか……」

 

 苦悩する博士を見て、竜馬は落ち着かせようと口を開いた。

 

「落ち着いてください。博士のとった行動は正しい事です。オリンポスの恐るべき計画を、世論に訴えられる事ができるただ一人の証人ではありませんか!」

 

「わかっている。わかってはいるが……奴等の前では、私の力など巨像を前にした蟻のようなものだ」

 

「及ばずながら、僕も全力を賭して、人間の自由のために戦います!」

 

「竜馬君……」

 

 竜馬のその決意に、滝博士は強い衝撃を受けた。10年前、見捨てるように姿を消した自分を、今でも信じているのだ。

 そして、改造された哀しみに耐え、前のみを見つめる彼の透き通る瞳に、安らぎを覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、その平穏を壊す魔手が近づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 竜馬は、物置の外で何かの気配を感じ取った。

 キメラボーグである立花竜馬は、普通の人間以上の第六感を持っている。その第六感が、迫りくる気配を察知したのだ。

 

「この気配は……博士、ここで待っていてください。調べてきます!」

 

「わかった。だがあまり遠くへは行かないでくれ」

 

「わかりました」

 

 気配が気になった竜馬は、物置を扉を開くと、廃倉庫の中を徹底的に調べ始めた。

 しかし、なにも見つからなかった。

 

(気のせいなのか?しかし、確かにあの時何者かの気配を感じたんだ……)

 

 竜馬は思案していると、床に何かが落ちている事に気付き、それを拾った。

 それは、蜘蛛の糸だった。

 

「これは……ジョロウグモの糸だ。しかしなんでこんなところに……」

 

 竜馬が蜘蛛の糸に気を取られていた、その時だった。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 突如、物置から悲鳴が響いた。

 

「あの声は博士の!くそぉっ!」

 

 竜馬は博士の身に何かがおきた事を察し、直様物置に戻った。

 竜馬が物置に戻った時、既に事は終わっていた。

 物置には、滝博士が床に倒れていた。

 

「はっ!博士!博士!しっかりしてください!博士!」

 

 竜馬は滝博士の許に駆け寄ると、博士の身体を揺さぶった。

 その時、竜馬の手をドロッとした感覚が襲った。

 

「?……っ!?」

 

 竜馬は恐る恐る掌を返した。

 感触の正体は、博士の血であった。

 この時、竜馬は滝博士が殺された事を悟った。

 

「そんな……こんな事って……やっと、やっと会えたというのに……っ!」

 

 竜馬は博士の身体を抱えようとしたその時、滝博士の肉体は泡状に溶解してしまった。

 

「こ、これは一体…………っ!?誰だ!」

 

 竜馬は目の前で博士が溶解した事に動揺したが、背後からの殺気を感じ取り、後ろを振り向いた。

 その時、天井から蜘蛛のように糸を伝って、怪物が下りてきた。

 竜馬は先程の糸はこの怪物のものである事と、怪物が博士の命を奪った事を理解した。

 

「お前が博士を!」

 

「オリンポスのキメラボーグが一人、スパイダーキメラだ!立花竜馬、組織を裏切ればお前もこういう運命に遭うのだ!だが安心しろ。お前の命はとらん。お前を捕え基地へ連れて帰り、改造手術を完了させるのだ!」

 

「断る!お前達のような人間の意思を奪うような組織の一員など、絶対になるものか!」

 

 竜馬は眼前の怪物———スパイダーキメラに対し言い放つと、鋭い拳打をスパイダーキメラに喰らわせるが、その悉くを防がれてしまう。

 

「くっ!」

 

「ふん、愚かな男だ。ならば死ねぇ!」

 

 スパイダーキメラは竜馬の身体を掴むと、そのまま倉庫の外へ投げ飛ばした。

 

「うわあぁぁぁぁ!」

 

 投げ出された竜馬は受け身を取って投げられた衝撃を抑えたが、それでも背中への衝撃は強く、身動きができなかった。

 スパイダーキメラはその竜馬に止めを刺そうと、ジリジリと近づいていた……

 

(まだだ、まだここで死ぬわけにはいかない。僕は戦わなければならない。僕が倒れたら、誰がこの世界をオリンポスから守ると言うんだ!ここで、倒れるわけにはいかないんだ!)

 

≪推奨BGM:DIE SET DOWN≫

 

 竜馬の負けたくないという思いが、竜馬の肉体を急激な熱が込み上げた。

 竜馬は立ち上がると、雄叫びを上げた。

 

「うおぉぉぉぉおおおお!!」

 

 雄叫びと共に、竜馬の肉体は、異形の怪人へとその姿を変えた!

 改造人間立花竜馬は、怒りの感情が頂点に達した時、体内の細胞が異常活性化し、ホッパーキメラへと変態するのだ!

 

「馬鹿な!?まだあいつは変態化を覚えていないんだぞ!」

 

 竜馬がホッパーキメラへと変態を遂げる様子を見たスパイダーキメラは、まだ改造されて間もない竜馬が変態化した事に驚愕した。

 

「――――――――――――――ッ!!!」

 

 ホッパーキメラは雄叫びを上げ、スパイダーキメラに襲い掛かった。

 

「おのれ!」

 

 スパイダーキメラは口から糸を放出し、ホッパーキメラを拘束しようとするが、ホッパーキメラは直感でジャンプし、スパイダーキメラの頭上を軽々と越えて、背後を取った。

 

「!!!」

 

 ホッパーキメラは前腕部のホッパーレザーでスパイダーキメラの腕を全て引き裂いた。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!俺の腕があぁぁぁぁぁ!」

 

 スパイダーキメラは全ての腕を斬られ悶えるが、ホッパーキメラは容赦なくスパイダーキメラの首を引き裂いた。首を斬られたスパイダーキメラの首から大量の血が飛び出し、ホッパーキメラにも降りかかる。

 そして、スパイダーキメラは倒れると、肉体は瞬時に腐食するかのように溶解した。

 戦いを終えたホッパーキメラは、血溜りに自分の姿が写った。

 

(これが……これが僕の姿なのか……)

 

 肉体が徐々に元の姿に戻っていき、直ぐに竜馬の姿へと戻った。

 竜馬の身体には、無数の返り血が付着していた。

 

「…………」

 

 竜馬は、いわれない焦燥感に襲われていた。

 怒りに我を忘れたとはいえ、竜馬は始めて人を殺めた。

 その手の感触は、今も竜馬の手に残っていた。

 

「第三者から見れば、僕は遠い星からやってきた遊星人かもしれない……そして、僕は一生この身体で生き続ける事になる……だからこそ、戦わなければならない……奴らと戦えるのは、僕だけなのだから」

 

 竜馬は夜空を見上げながらそう言うと、その場を去ろうとしたその時だった。

 

「そうやってまた一人でなんでも抱え込むの?」

 

 突然、後ろから声が聞こえた。

 その声には、聞き覚えがあった。

 竜馬は後ろを振り向くと、そこには、見知った顔がいた。

 

「……た、ば、ね?」

 

「久しぶり、りょーくん」

 

 それが、篠ノ之束と立花竜馬の再会であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




次回予告

 親友である束と再会した竜馬は、人間の自由を守るためオリンポスと戦う決意を固める。

 そして、束はその竜馬に新たな力を与えた!

 変身!仮面ライダーメーデン

「空白の3年間:後編」

 お楽しみに。
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