マスクドライダー・ストラトス   作:ピカリーノ1234

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 お待たせしました。当初のプロットでは原作2巻まで引っ張る予定だった千冬の告白ですが、自分があまり恋愛モノを読まなかった事と、書くノウハウが足りてなかった為、早めに決着をつける事になりました。

 また、チョクチョク平成ライダーネタを仕込んで文章で息抜きをしております。

 次回よりIS原作に突入!……出来るかな?


第6話「決意」

 Mチャリオットの試運転を終え、セーフハウスに戻ってきた竜馬は、ガレージにMチャリオットを駐車すると、束と千冬がいるリビングに向かった。

 リビングに到着した時、リビングには千冬だけがいた。

 

「あれ?束は?」

 

「あいつなら用事を思い出して飛んでいったぞ」

 

「飛んでいったって……まぁ、束らしいからいいけど」

 

 竜馬は苦笑しながら台所にある棚を開けようとした。

 

「まて竜馬」

 

 唐突に千冬に言い止められ、その手を止めた。

 

「どうしたんだい、千冬」

 

 竜馬は千冬の方を振り向く。千冬は、とても真剣な顔をしていた。この時、竜馬は千冬が言いたい事がすぐ理解できた。

 

「竜馬、頼みがあr「駄目だ」っ!?まだ何も言ってないだろう!」

 

「君の言いたい事はわかるよ。僕の手助けをしたいんだろう?なら駄目だ」

 

 竜馬の言葉は、千冬の心を的確に射抜いていた。だが、それで退く千冬ではない事を、竜馬は知っていた。

 

「何故だ!束にはそのベルトやマシンを作ってもらったのに、何故私には頼ろうとしないんだ!」

 

「君の気持は確かにわかる。けど、僕は君をこの戦いに巻き込むわけにはいかないんだ」

 

「何だと!」

 

「束から3年前の事を聞いていると思うけど、これは、僕が背負わねばならない十字架なんだ。わざわざ君が出張る必要はない。それに……」

 

 竜馬は、千冬を引きさがらせるため、一人の少年の名を口に出した。

 

「それに、君にもしもの事があったら、一夏君はどうなるんだい」

 

「っ!?」

 

 千冬は目をハッとさせた。

 織斑千冬は幼い頃、弟である一夏と共に両親に捨てられてから、千冬は一夏と二人で懸命に生きてきたのだ。

 もし自分が死ねば、一夏はどうなる?千冬は顔を俯かせた。

 竜馬は続けた。

 

「僕には家族はいない。育ての親だった滝博士も、オリンポスによって殺された。だが君には血の繋がった弟がいる!僕は、一夏君の悲しむ姿を見たくないんだ。だから……」

 

 そこまで言った時、竜馬は千冬に背を向けた。

 

「だから……戦うのは、僕だけでいいんだ」

 

「…………」

 

 千冬は黙っていた。竜馬はこれで千冬が引き下がってくれるだろうと思った。竜馬は千冬を巻き込みたくなかった。束を巻き込んでしまった事に対する罪悪感もあったが、ここにきて千冬を巻き込むことを、竜馬の良心が許さなかった。

 しかし、竜馬は侮っていた。織斑千冬という女を。彼女がこのまま引き下がる女ではないという事を。

 

「それは出来ない相談だ」

 

「っ!?」

 

 竜馬は振り向くと、右手で千冬のシャツの襟首を掴んだ。

 

「千冬!今君が言っている意味がわかっているのか!?僕の戦いはモンド・グロッソのようなスポーツじゃない!生死を分けた戦いなんだぞ!」

 

「わかっているさ!私は束のように頭は良くないし、何かを作れるという技量もない!だが戦う術は知っている!お前の足は引っ張るような事はしない!」

 

「それでもだ!君が太刀打ち出来ても、精々スパルタ兵が限度だ!あの時僕がいなかったら!君は間違いなくカメレオンキメラに倒されていた!」

 

「ISがあれば遅れは取らなかった!」

 

「確かにISなら対等に戦えるかもしれないが、活動時間がある!キメラボーグは命を絶たない限り戦い続ける!もし持久戦に持ち込まれたらどうするんだ!」

 

「気力でどうにかなる!」

 

「精神論で相手が倒せるものか!兎に角駄目だ!奴等と戦うのは僕一人で充分だ!これを見ろ!」

 

 竜馬は千冬の襟首を掴んだまま、左手でテーブルに置いてあったコップを触った。

 すると、コップは一瞬にして砕け散ったのである。

 竜馬の右掌に無数の瓶の破片が刺さり、血が滴り落ちていたが、その傷は一瞬して完治した。

 その一部始終を、竜馬は千冬に見せつけるように行った。自分が人であって人ではない。改造人間である事を証明するかのように。

 

「見ての通り、僕の身体は改造人間だ!改造人間には、改造人間でなければ太刀打ちできない!それに僕が君を助けたのは、君が幼馴染だからじゃない!君がオリンポスに狙われていたから助けただけだ!」

 

 竜馬の言っていることは嘘である。だが、今の千冬を引き下がらせるためにも、竜馬はあえて千冬を突き放すように口にした

 

「…………っ!」

 

「だから……君と僕が出会うのは、今日が最後だ」

 

 言葉を失った千冬に、竜馬はやっと納得してくれたと思い、右手を放した。

 

「本気で言っているのか……」

 

「ああ、もう会う事はないよ。僕も、そして君も……っ!?」

 

≪推奨BGM:Sorrow(Fate/stay nightより)≫

 

 しかし、今度は千冬の方から竜馬の背中に手を回すと、自身の唇を竜馬の唇に押し当ててきたのだ。

 ドクンと、竜馬の身体が震えた。ただキスをしただけなのに、体温が上がってくる。

 

「んん…んっ………」

 

「お、おいっ。千冬、待っts……んんっ!」

 

 気付いた時には、竜馬は自分から千冬の身体を求めるように身を寄せていた。

 暫くの間、千冬の口はたっぷりと竜馬の口を独占した後に離れた。

 

「これでも、お前は私から離れたいのか……」

 

「ち、千冬……君は……」

 

 竜馬は、千冬の頬が紅潮している事に気付いた。恐らく千冬自身も、さっきのキスはかなりの決意があったのだろう。

 

「3年前のあの日以来、私はお前の事を片時も忘れた事はなかった。それはな……」

 

「それは……」

 

「……それは、お前が好きだから!お前を愛しているからだ!もう嫌なんだ!お前のいない世界が!頼む!私の前から消えないでくれ……お願いだ……」

 

 感極まったのか、千冬は己の内に秘めた思いを全て曝け出した後、泣いてしまった。この時、竜馬はすべてを察した。

 

(ああ、そうか。僕は、ずっと泣かせてきたのか……20年間、僕は一人の女性を泣かせていたのか……僕は馬鹿だ。僕の事を想っている人が、こんな近くにいた事を知らずに、今までずっと一人で無茶しまくってたのか……)

 

 竜馬は、この状況では、自分の説得はなんの意味もなさない事を理解した。

 そして、竜馬はまっすぐな瞳で千冬の顔を見た。

 千冬の顔は、涙でぐちゃぐちゃになっていた。

 

「千冬……泣かないでくれ」

 

「竜馬……」

 

「僕は……僕はなんて馬鹿なんだ……千冬が昔から僕の事を想ってくれていたのに、僕はずっとそれを無視し続けたんだ……」

 

 竜馬は千冬の身体を抱き締めると、再び千冬の顔を見た。

 

「千冬、愛している。」

 

 飾らない。素直な言葉。

 それが、千冬の心に深く突き刺さった。

 

「私も愛してる。例えお前が人間でなかろうと、私はお前を愛してる」

 

「千冬……ありがとう……!」

 

 二人の顔が近づき、再びキスをしようとした、その時。

 

「お~め~で~と~う~!」

 

 空気を読まない駄兎が入ってきた。

 キスをしようとしていた二人は、突然の来訪者に驚きを隠せなかった。

 

「た、束……帰ったんじゃ……」

 

「ん~?ちーちゃんは「飛んでいった」とは言ったけど「帰った」とは言ってないよ~?(ニヤニヤ)」

 

「~~~~~~~(パクパク)!!」

 

 千冬は顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。それを束はニヤニヤして眺めていた。

 

「まさかとは思うけど、束……」

 

「言っておくけど、ちーちゃんから頼まれたのは「りょーくんと二人っきりで話したい」ってだけで、別に仕組んだわけじゃないよ〜。まぁまぁお気になさらずにそのままちゅっちゅっしちゃってベッドでギシギシアンアンt「わ……」……わ?」

 

「忘れろおぉぉぉーーーっ!」

 

 恥ずかしさがMAXになった千冬は、何処から取り出したかわからない竹刀を振り回して束に迫った。

 

「ちーちゃんストップ!ストォーップ!流石に竹刀はあかんって!束さん死んじゃう!死んじゃうからマジで!りょーくん助けて!後生だから助けて!」

 

 束は竜馬に助けを乞うが、現実は残酷だった。

 

ギルティ(イッテイーヨ!)

 

「りょぉぉぉちゃぁぁぁん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

※暫くお待ちください

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァーッ……ハァーッ……」

 

「あ、あははは………」

 

「きゅ〜ピクピク……」

 

 事態が収まった時、リビングは燦々たる光景が広がっていた。怒りが収まった千冬は肩を上下しながら息を整え、竜馬はその惨状に苦笑いし、(諸悪の根源)は頭にたん瘤を二つ作って倒れていた。

 

「さ、さて……茶番はこのくらいにして、これからについて話そうじゃないか……」

 

 束は傷ついた身体(笑)に鞭打って立ち上がると、本題を切り出した。

 

「実の所、束さんはりょーくんに頼みたい事があってここに来たんだよ」

 

「頼みたい事?」

 

「うん。ちーちゃんも知ってると思うけど、いっくんの事でね」

 

「一夏の事か?」

 

 束が切り出したのは、千冬の弟である織斑一夏であった。

 この一月前、一夏はひょんな事からISを動かしてしまい、「世界で初の男性IS操縦者」として世間に大々的に報道されたのである。

 勿論この事は竜馬の耳にも届いていた。

 

「確かに、今の一夏君は世界中の国々がその身柄を狙っているし、その中にオリンポスがいる可能性も充分あり得るね」

 

「そゆこと。そこでりょーくんにはIS学園の先生として、いっくんを守って欲しいんだ」

 

「なるほど、そういうことか……」

 

 千冬は束の言いたい事が理解できた。一夏は政府の方針でIS学園への入学が決まっており、この結果各国も迂闊には手出しできない。しかし、相手が国際常識の通じないオリンポスともなれば……IS学園のセキュリティを突破して一夏を襲う可能性は十分あり得た。

 だが、問題材料がある。

 

「しかし、竜馬は男だぞ?男では……」

 

「ノープロブレム!そこは束さん!こんなこともあろうかとりょーくん専用ISを開発していたのだ!といっても、打鉄のカスタム機だけどね」

 

 一体何処から打鉄を入手したのかについては突っ込まないことにして、束はポケットから待機状態の打鉄を取り出すと、竜馬に手渡した。

 竜馬は右掌に乗った打鉄を少しの間見つめると、決意を固めた。

 

「わかった。どちらにせよ、僕は日本に残ってオリンポスと戦うつもりだったし、束の頼みに応えるよ」

 

「やった!」

 

 そう言うと、束は台所にある棚を開け、ある物を取り出した。

 棚から取り出したのは、年代モノのウヰスキーと三人分のロックグラスであった。

 

「飲むかい?○崎の25年ものだよ~」

 

「どこから調達してきたんだって突っ込みたいところだけど、折角束が用意した酒だ。ありがたく貰うよ」

 

「私ももらおう」

 

 束はグラスにロックアイスを入れてウヰスキーを注ぐと、テーブルに置いた。

 

「そういえば、こうして3人で飲むのはじめてだよね」

 

「ああ、そうだな」

 

 実を言うと、竜馬と千冬と束は3人だけで酒を呑んだことはない。彼等は高校卒業後違う進路へ進んだため、会う機会が減ってしまったからだ。

 

 

「じゃ、3年振りの再会を祝って……」

 

「「「乾杯」」」

 

 三人はグラスを掲げると、一口飲んだ。

 

「……うぉっ!かなり効くな。これは」

 

「そりゃぁ、○崎の最高級品だもん。ちーちゃんはハイボールが良かったかな?」

 

「ふん、これしきで倒れる私ではないぞ」

 

「そんじゃぁ、今日は昔話で盛り上がろっかー!」

 

 その日は、竜馬は夜が明けるまで千冬と束の三人で語り合ったという。その間だけ、三人は昔に戻ったように思えた。

 かつて、宇宙(そら)に想いを寄せた。あの頃に。

 もう戻る事はない、あの日々に。

 だが、オリンポスがいる限り、立花竜馬に安息の日々は訪れないのだ。

 戦え!仮面ライダーメーデン!オリンポスから、人間の自由を守るのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




次回!仮面ライダーメーデン(イメージCV:檜山修之)

「げぇっ!関羽!?」

「だれが三国志の英雄だ馬鹿」

「本日より山田先生と共にこのクラスの副担任となる立花竜馬です」

第7話「自・己・紹・介」青春スイッチ、オン!
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