東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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宣言通り、今日中の投稿……。危なかった


今作ではエトさんはヒロインですので、原作のエトさんとはかなり違いますがそれは我慢してもらえると嬉しいです


それではどうぞ


18話

 

エトさんはというと絢都と合流してから少し経った頃に見つけることが出来た。………捜査官たちのど真ん中で。それも泣き崩れた状態で。

 

…状況は最悪。絢都も僕も羽赫ということもあり、スタミナにはやや難がある。それに加えて、ここに来るまでの連戦によってかなり体力の消耗が激しかった

 

(……エトさんを守りながらあの量の捜査官を捌くのは流石に無理。それに今の状態じゃ……)

 

たった1つだけ案が浮かんだ。だが、その案を実行すればどうなるか…最後のビジョンまで見えるほど明確な案。

 

「…絢都、僕が突っ込むからその間にエトさんを連れてここを離れて」

 

正直これをやればエトさんを更に悲しませることぐらいはわかる。

けど、たった1人の大切な女性すら守れないぐらいなら僕はその人に喜んで恨まれよう。

 

「何言ってるんですか!そんなことしたら刀夜さんがっ!」

 

…反対してくれることなんてわかってる。

こんな半端者の僕を慕ってくれる人がいることも、僕はわかっていた。

 

「…絢都。これは僕からの最初で最後のわがままだ。頼むから黙って言う事を聞いて」

 

「……くっ。………分かりました」

 

絢都は渋々、いや内心では反対しているだろうが納得してくれた。

 

「(…ごめんね、絢都。……狡くて)……それじゃあ、行こう」

 

僕はエトさんのいる捜査官たちの中心へと飛び降りた。

 

 

〜〜〜〜〜

 

エトside

 

数分前

 

今日、刀夜くんの様子がおかしいと思ったらやっぱり隠し事をしていたらしい。

彼は人一倍優しい。だからこそ、私を騙すような事をした。

 

(……ごめんね、刀夜くん。折角、君のお陰で和解出来たんだ。まだ失うわけにはいかないんだよ)

 

彼に出会っていなければ、誤解したままだった父のこと。その父に会いに行く度に言われた「愛支は本当に変わった」という言葉。

確かに私は自分でも分かるほど変わった。いや変えられたのだ……たった1人の少年に。

父親を捜査官に殺され、母親は喰種の手によって殺されたと聞いた。たった10歳だった彼は私を圧倒し、有馬貴将率いる0番隊に一歩も引けを取らなかった。

ただ強いだけじゃなく、周りの人への気遣いも出来る彼に私は惹かれ変えられた。

そんな彼が嘘を吐いてまで私を引き止めたということは、きっとお父さんに頼まれたのだろう。

 

(……それにしても多いね。それに中々見つからない。)

 

かなりの距離を移動しているが、中々見つからない父の姿。

上から見下ろす限りいるのは、捜査官ばかりでCCGがどれだけ本気かが伺える。

 

(………あれは!)

 

そんな捜査官たちの中心部とも言えるところに、明らかに戦闘している様子が伺えた。

そして、その中心には私とよく似た赫者の倒れる姿。

 

「…お父さんっ!」

 

私は急いでその場に向かった。

 

 

ドスンッ

 

「やはり、梟は2体居たのか……」

 

「全員一旦距離をとれ」

 

私が降り立つなり、警戒度を上げる捜査官たち。

今はそんなことよりも…。

 

「……大丈夫なの!?」

 

私は赫子で壁を作り、捜査官たちが近づけないようにした。

 

「………あぁ、愛支。来てしまったのか…刀夜くんには辛い役回りをさせてしまったようだね……」

 

久しぶりに見た父の姿はもう虫の息だった。

 

「もう話さなくていいからっ」

 

「……愛支、すまなかった。……刀夜くんによろしく頼んだよ…」

 

「お父さん?お父さん!!」

 

抱き上げた父の身体からはもう鼓動は聞こえなかった。

 

「……いやぁぁぁぁ」

 

昔の私ならなんとも思わなかっただろうが、今の私にとっては耐えられるものではなかった。

 

「赫者化が解けたぞ!!今だ行けっ!!」

 

周りにいた捜査官たちが一斉に私に向かって突っ込んでくる。

 

(………ごめん、刀夜くん。)

 

私の目の前にクインケが振り下ろされる。

 

キィンッ

 

「…その人には手は出させない」

 

私の目の前に降り立ったのは、見覚えのある翼のような羽赫の少年だった。

 

「…刀夜くん?」

 

「すみません、エトさん。遅れました………あと、ごめんなさい」

 

「…ん?どういう…」

 

次の言葉は言えなかった。

なぜなら、わたしは何者かによってその場からすぐに連れ出されてしまったから。

 

「絢都〜!!今すぐ降ろせ。」

 

「エト、悪いな。刀夜さんからの頼みなんだ」

 

そう言った絢都の横顔はとても悲しそうだった。

 

「恨むなら俺を恨め」

 

私の意識はそこで途切れた。

 

sideout

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

絢都は上手くエトさんを連れ出してくれたみたい。

 

(ありがとう。絢都)

 

心の中で感謝を述べつつ、正面を向き直す。

 

「おい、梟を追えっ!!」

 

「やつを仕留めるチャンスだ」

 

「………通すわけないでしょう。あなたたちはここで眠ってもらいます」

 

バキィッ

 

 

「全員構えろ、来るぞ」

 

「気を抜くな!!SSS〜レートは伊達じゃないぞ!!」

 

さぁ、始めよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





いやぁ、難しいですね。
エトさんが最早いいヒロインになってしまってますね。
こんなエトさんで良ければこれからもお願いします


多分、あと1話か2話で無印の方は終わると思います!

感想待っています!!

それでは次回!!

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