他作品の更新もしていきたいと思いますが、話が思い付いた作品からの更新となりますのでご了承ください
エトside
あれから数日が経った。
それなのに彼は一向に帰ってくる気配すら見せない…。
なにも私だけの話じゃない。
彼、漣刀夜の帰りを待つ人は大勢いる。
リョーコさんに雛実ちゃん、雅ちゃんに絢都。そして《あんていく》の人たち。
誰1人、家から出ることなく彼の家で彼の帰りを待ち続けた。
(……いつになったら帰ってくるんだね?刀夜くん)
彼が負けるなんてことは想像することも出来ない。私を圧倒し、あの有馬貴将すらも倒してみせた彼がただの捜査官などに負ける姿なんて。
それでもあの時彼が見せた顔が私を不安にさせた。………いつもは見せないような弱々しい笑顔。
「なにしけた面してんだ、エト」
ついこの間まで今にも死にそうなほど落ち込んでいた奴が何を言うか。
「…なにかな、絢都。君にだけは言われたくないんだけど?」
「……なっ!?折角人が慰めてやろうと………フン」
刀夜くんが1人残ったあの夜、絢都は私を抱えて逃げている間ずっと歯を食いしばっていた。
そして、この家に着いてからも後悔からか自分を責め続けていた。
そんな絢都を立ち直らせたのは言うまでもなく董香ちゃん。
董香ちゃんは強い。
精神面で言ったら私なんかよりもずっと強いだろう。刀夜くんと同じように金木くんもあの戦いの中に身を投じ未だに行方知れず。
それでも董香ちゃんは、彼を待つと決めもう前に進み始めた。
(……それに比べて私はなぁ)
確かに今回私が失ったものは、両方とも私にとってかけがえの無いものだった。
刀夜くんのお陰で、漸く分かり合うことが出来た父。そして、最も大切な人。
最初は小生意気なガキとしか思っていなかったが、彼と関わるうちに私は変わった。いや、彼に変えられたと言った方が正しい。
(……こんなに刀夜くんのことが大切だと思ってたとはね。)
失って初めて気付く相手の大切さ。
会いたいときに限って会えないもどかしさ。
私は人生で初めて人を愛おしいという感情を胸に抱くことになった。
sideout
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《????》
薄暗い部屋にはたった二人の人物が立っている。
「……君はこれから橘碧として、CCGで喰種捜査官として働いてもらうよ」
そう言うのは白髪の若年男性。
「…橘碧ですか…。いい名前ですね」
そう答えるのは真っ黒の髪色をした青年。
「すまないね、刀夜。辛いだろうけど、彼のためなんだ」
「いえ、これも金木くん……いや、佐々木琲世の為ですから。これも僕が選んだ役割ですから。」
「…本当は君が王の役目を果たしてくれれば楽なんだけどね」
「嫌ですよ、僕は目立ちたくないんです」
今回はエトさんの回でしたね。
皆さんはこの作品のエトさんどう思いますか?
宜しければ感想の方にお願いします!!
それではまた〜