東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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喰種の話ばかり思い付く…。
まぁいい事なんですが、他の作品もこれぐらい簡単に思いついたら楽なのになぁと思う日々です。

ちなみに、主人公のもつクインケ決まってはいるのですが、もし何か希望などありましたら一応活動報告の方でアンケとるのでよろしければどうぞ!!


それではどうぞ!


22話

 

Qs班が設立されたから早いもので1年。

彼らの成果は期待されているものとは程遠く、その結果『真戸の娘とその部下はCCGの恥』とまで言われる始末。

 

(…単純な功績ならほかの班より上なんだけどなぁ)

 

僕と琲世くんが白翼双賞と白翼単賞をそれぞれ貰ってる。確かにQsが出来てからは僕等も大きな功績を挙げている訳ではないからなんとも言えないけど。

 

「こんな所に居たのか碧。」

 

「あ、暁さん。何か用ですか?」

 

この人が今の僕の直属の上司?となっている。

いつの間にか准特等となり階級は抜かしてしまったが、有馬さんの計らいにより今でも僕は真戸班にいる。

 

「今から会議だ。琲世だけだと舐められかねんからな」

 

確かに会議の度に下口上等辺りが僕等のことをかなり下に見てくることが何度もあった。

僕が准特等になってからはあまり無いがそれでも僕がいない時には時々あるらしくその度に暁さんの機嫌が頗る悪くなる。

 

「あぁなるほど、分かりました」

 

僕が了解したことで暁さんは歩き始め僕もその後ろを付いて行った。

 

 

 

 

「さて、それじゃあ始めます」

 

この会議の進行役はいつも平子さんがやっている。

何故上等なのかと時々思うのだが、平子さんに聞いても黙られてしまうばかりで僕の中では疑問が膨らむばかりである。

 

「先日は『クインクス』?とやらで喰種の出没調査をしたそうですね?唸り声が聞こえるとのことで調査した結果……近所の野良犬だったとか」

 

明らかな嫌味。

下口上等の隣にいる捜査官は馬鹿みたいに笑っている。

 

「…僕の班員を笑うならそれ相応の覚悟あるんですかね?」

 

僕の一言に下口上等たちが固まる。

僕が口出しするとは思わなかったのだろう。

 

「くっ、それに何故あの程度の"喰種"をその場で処理しない?大した情報も持たずレートも精々"B+"。『人民の安全が最優先』『喰種対策法13条』にもあるでしょう。速やかに対処しないと」

 

 

(琲世くん…またやったのか……。)

 

下口上等の言うこともあながち間違っているとは言えない。

捜査官として喰種に温情を与えると言うのはいいこととは言えないし、その場で処理せず保護するということは『コクリア』に収容するということ。コクリアの収容にも限界がある訳で得策とは言い難い。

 

「ですが、2項では『喰種に対して必要以上の痛みを与えることを禁ずる』と……」

 

「それ少々解釈が違うのでは?2項は何も"喰種を殺してはいけない"という項目ではない。『必要最低限の痛み』…つまり、『即殺』することこそが喰種捜査官に求められていることなのでは?……同情でもしましたか?佐々木一等。あなたなら有り得るか、やはりあなたは"喰種"に」

 

「下口上等…部下の教育は私の仕事だ。後で私が言って聞かせよう」

 

暁さんが遮ってくれたお陰で助かったが、琲世君に対して"君は喰種側なのでは?"と言うのは馬鹿としか言いようがない。

佐々木琲世は和修局長と有馬さんに認められた捜査官であって喰種ではない。

 

「その教育とやらが不十分なのでは?先日も"資料を寄越せ"と。いやぁ驚きましたよ、捜査の横取りとは…」

 

「あなた方の捜査が遅いからでしょう」

 

「なにっ!?」

 

あ、ついつい言ってしまった。

 

「橘准特等の言う通りだ。私と橘准特等と佐々木ならば10日で解決していた所だが生憎アオギリの対処で中々手が離せなくてな。まぁ佐々木とQsだけでも1月で"トルソーの人相"ぐらいは押さえられるだろう」

 

流石は暁さん。

煽り方が僕より格段に上手い。

 

「真戸上等、下口上等……そこら辺で」

 

頭に少々熱が上がってしまった2人を、冷静な平子さんが止める。

よく出来た3人組だとよく思う。

 

「我々平子班は継続してS〜レート『オロチ』を追います」

 

その後少しの業務連絡をし会議は一先ず終わった。

 

「真戸上等、「1月でトルソーの人相」……でしたね?楽しみにしてますよ」

 

(相変わらず嫌味な人だなぁ。暁さんも人のこと言えないけど)

 

そんなことを思いながら暁さんたちの後ろをついて歩く。

 

ドゴォッ

 

(…はい?)

 

普段じゃ聞かないような音に驚いてよく見ると、暁さんの拳が琲世くんにつきささっていた。これが俗に言う『真戸パンチ』である。

 

(僕も受けたことあるけど痛いんだよね〜、何故か)

 

喰種のため普通の人間よりも身体は頑丈なはずで、尚且つ人間の女性のパンチなので痛いはずがないのだが不思議なものである。

 

(さてさて、僕はトルソーについてでも調べますかね)

 

暁さんがあぁ言った以上は僕にも調べろと言うこと。

僕は余程のことがない限りは自由なのでQsの捜査に加わることにはなんの問題もない。

 

(そろそろ琲世くんも復活したころかな?)

 

真戸パンチを受け、沈んでいた琲世くんもいつの間にか倉持さんと話せるほど復活していた。

 

「さてさて、琲世くん。トルソーの調査行くよ!!」

 

「そうだね!」

 

二人してやる気を出して行こうとした矢先だった。

 

「碧〜!!」

 

僕の背中に衝撃が走った。

 

「…ガハッ………ごめん、琲世くん僕は無理みたいだ…」

 

「…碧くんっ!?」

 

いつもならば受け身を取る余裕があったのだが、何分油断していたせいでもろに喰らってしまったのだ。

 

「入〜!!またか……」

 

背中に抱きついている正体の上司である郡さんの声が聞こえたことで突撃してきたのが誰だかわかった。いや、わかってはいたけど…

 

「…入、僕はこれから調査に行かなきゃ行けないんだけど…………。」

 

「ぶぅ〜、もうちょいいいでしょ〜」

 

こうなった入はエトさん並にめんどくさい。

 

「………しててもいいけど、これから他人行儀でいくから」

 

バッ

 

(…早いね…)

 

「…そ、そんな殺生なぁ。」

 

「はいはい、また今度どっか連れてって上げるから。」

 

「ほんとぉ?言ったかんね」

 

頭を撫でながら了承の意を込めて頷く。

 

「それじゃあ、郡さんこれお願いします」

 

「あぁ、毎回すまない」

 

郡さんもこんな脳筋が部下で大変なのだろうなと思いながら、琲世くんと共にその場を離れる。

 

「伊丙上等に懐かれてるんだね」

 

「あぁ、うん。」

 

まさか本当にあれだけ懐かれるとは思いもしなかったが、まぁ嫌な事ではない。

 

「とにかく、1度シャトーに戻っている人集めて捜査行こう!」

 

「だね」

 

僕と琲世くんはもう一度気合を入れ直し再び捜査へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





入、出せると楽しいですねぇ

未だにQsは出せていませんが、次話には出せると思うのでお待ちください!!

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