東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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どうもお久しぶりです。

本当に更新遅れて申し訳ございません……。

喰種が終わってからというもの、あまり執筆にやる気が出ずここまで長引いてしまいました。


31話

 

「ー伊東倉元、佐々木琲世、半井恵仁、林村直人一等捜査官。諸君らを上等捜査官に任命する 本局局長和修吉時」

 

あれから、数ヶ月の月日が経ちオークションによって功績をあげた者は殆ど皆一様に階級を上げた。

その中には、この場にいない者も少なからず存在した。

 

(………死んで、階級を上げられてもやり切れないよね)

 

殉職。

そのたった二文字に込められた意味なんて、そんなものはないだろう。

死者の尊厳を守るために出来た言葉なのだから。そんな死ぬ前提の言葉なんて存在していなければいいのにと思うことも少なからずある。

それでも、死んでまで作戦を成し遂げようとした彼らを弔うという意味が込められているような気もしなくもない。

 

「不知吟士、米林才子。諸君ら三等捜査官を二等捜査官に任命する。」

 

さっき言ったとおり、"殆ど"皆一様に階級を一つずつ上げている。

つまり、例外がいるわけだ。

 

「御影三幸、環水郎、阿原半兵衛、瓜江久生、黒磐武臣、六月透。諸君らを一等捜査官に任命する。」

 

驚いたことに六月くんが二階級特進を遂げた。

オークションの情報入手と内部潜入。そして、ビッグマダム駆逐に貢献したことを考慮されてのこと。

 

(……ビッグマダム、何処に居たんだろうか……。)

 

僕が探しても見つからなかった相手を、あそこで別れた什造くんが駆逐したとなるとあのままあの場所に居れば良かったのかもしれない……。

 

「…鈴屋什造、和修政、橘碧。諸君らを特等捜査官に任命する。」

 

何故か特等まで上り詰めてしまった僕。

自分でも、功績は着実に重ねてきた自負はあるけど…。まさか、半喰種の僕を特等にさせるとは思いもせず……。

今回の就任式一番の驚きと言っても過言じゃない。

 

 

 

就任も終わり、あとはただの立食パーティーと言っても過言ではない。

 

(……僕は何も食べられないけど…)

 

食べられない立食パーティーほど暇なものもなく、フラフラし続けていた。

 

(あ、あれは暁さんと琲世くん)

 

いつものボサボサ頭をしっかりと整えているため、分かりづらいがあの特徴的な髪の色は琲世くんぐらいなもの。

 

「真戸暁準特等捜査官、それに佐々木琲世上等捜査官!」

 

「あ、橘碧特等捜査官」

 

「なんだ嫌味に来たのか、橘特等。」

 

わざとらしく階級をつけて挨拶をしたところ、2人して苦笑いされてしまった。

 

「それにしても、立派なものだな。その年齢で特等とは。」

 

「いえ、什造くんもですよ。それに、僕らの場合は功績を上げて周りを納得させていくしかないんで」

 

僕がここに居続けるには、自分の有用性を示し続ける必要がある。

琲世くんのように、過去に人間だったという訳でもない僕は使えないと判断されればここにはいられないだろうから。

 

「それもそうだな。それよりも、いいのか?あいつの所に行かなくて。」

 

「……行かなきゃダメですかね…。嫌なんですよね、あいつに茶化されるの」

 

「それがお前の使命だ。ほら、行ってこい!」

 

僕は暁さんに背中を押されるがままに、ある人物の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンッコンッ

 

「……失礼しまーす」

 

僕はパーティー会場を抜け、ある班の作戦室を訪れていた。

これはお互いの階級が上がる度にしている恒例行事のようなもので1度追いつかれたときはそれは五月蝿かった。

 

「あっ、碧じゃないですか。どうしたんです?その格好………まさか」

 

(……なんで今季の進級者知らないの。一応、特等に上がったの3人しかいないんだけど…)

 

入の無知っぷりに半ば呆れてしまった。

 

「そのまさか。僕、特等に上がったんだよ」

 

「うっ……、まさか碧に先を越されるとは……。」

 

入は、あからさまに落ち込んでいるが僕が入よりも下の階級になったことは一度もない。

 

「橘も遂に特等になったんだね、おめでとう。だけど、所属とかはどうするんだ?」

 

「ありがとうございます、郡さん。そうですね……、今のところ暁さんの所に継続って形ですかね。今までも所属って形だけで、割と自由に動いてましたし」

 

忘れていたが、普通の特等や準特等、上等は自分の班を持っているのが通説。

今まで、パートナーすらおらず班も持っていない上等以上なんて僕ぐらいな気がしてならない。

 

「そうか。橘がフリーになれば、引く手数多だろうけどね。」

 

そう言って、郡さんは書類に再び視線を落とした。

 

「……いつまで落ち込んでるの?入」

 

「だって、碧が特等ですよ?特等ってことは、絶対にパートナーが付くじゃないですかぁ。それがもし、女性だったらまたライバルが…………。あっ、私が碧のパートナーになればいいんしょや!」

 

・・・・・・・

 

「…いや、無理だからね?」

 

「…ガーン」

 

自分の口でガーンっていう人初めて見た気がする。

 

「……いや、入はもう郡さんのパートナーなんだから無理でしょ。」

 

「……えぇ。なら、郡さん私辞めてもいいですかっ!?」

 

これには真面目に書類仕事をしていた郡さんも思わず、頭から書類に突っ込んでしまった。

 

「………入、本気で言ってるのかい?」

 

「えぇ!」

 

キラキラした笑顔の入とは対象に、割と本気で落ち込んでいる郡さん。

それもそうだろう。0番隊から異動してきた、入をここまで手塩にかけて育てて来たのだから。

 

「……別に橘なら任せられるが……、一応上に掛け合ってみるよ……」

 

郡さんは渋々と言った感じで、了承してしまった。

きっと今の郡さんは、娘を嫁に出す父のような感じなのだろう。

 

「ありがとうございます!!宇井郡特等!」

 

本当に嬉しそうな入を他所に、僕は郡さんに深々と頭を下げて部屋を出た。

 

(………何を言いだすんだか…。それにしても、雛実ちゃんどうしようかな…。)

 

あのオークションで雛実ちゃんは、コクリアへと収容されてしまった。

今は、有益な情報をもたらすことと琲世くんが所有権を持っているから殺される心配はない。が、それも時間の問題と言える。

 

(……僕は、みんなを裏切るしかないのかな…)

 

この世界に生きている限り、僕は僕の悩みに答えを出すことなんて出来ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、入の異動は残念ながら認められなかった。

僕の扱いは、今まで通りパートナーも班も持たないフリー。

一応、上司は今まで通り暁さんということになっている。

 

 

 

この数ヶ月後、あんなことになるとはこの時は思いもしなかった。

 

 

 

 

 





それでは、また次回。
次は早く更新したいと思います

感想など貰えるとやる気も出るのでよろしければお願いします!

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