東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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そろそろ原作の山場辺りに差し掛かる予定です!
駄文ですが、これからもどうぞよろしく!


それでは、本編どうぞ!


36話

 

エトさん、ハイルと新たな関係となって早数週間。

エトさんは執筆が、僕はハイルを連れ東京中の喰種の元を訪れるなどかなり忙しい数週間を過すこととなった。

 

(……やっぱり大変だ)

 

喰種にとって住み心地は控えめに言っても良いとは言えないここ東京では、殆どの喰種が人間を嫌い襲う側か人間に怯えて密かにひっそりと生活する側に別れている。

そのため、外部から来た者というのは喰種だろうが信用することが出来ず増して僕のように人間の元捜査官を連れているものなど信用するのはかなり難しいことなのだろう。

 

(…まだ半分もここにはいない)

 

それでも何とか説得して、集められたのは東京に住む喰種の半分ほど。

ここにいない喰種は、アオギリに所属しているかもしくは僕のことが気に食わなかった者たち。

もしくは、独自でコミュニティを作りあげておりその方が安全だと言い張る者。

 

「いつの間にか大所帯になっていますね」

 

「あ、観母さん。本当にありがとうございます」

 

実はこの場所は元々観母さんの友人が所有していた場所であり、観母さんがわざわざ手配してくれた。

 

「いえいえ、何のこれしき。習くんたちを助けてくれた恩はまだまだ返せていませんよ」

 

観母さんはそう言うと僕に一礼して、またどこかへ向かってしまった。

 

「碧〜!この子ら、赫子の戦い方知りたいってよ?」

 

ハイルと僕、あとはたまに董香などでここに来ている喰種の子供やその母親に最低限度、自分の護衛ぐらいは出来るぐらいの力をつけてもらうために戦闘の指導をしている。

もちろん、ハイルは獲物がある前提のもの。僕や董香たちは、赫子を使った戦闘。

月山家の使用人だった人も手伝ってくれるお陰で、ほとんどの赫子の使い方を教えられるのでとても助かっている。

 

「あ、分かった。それじゃあ、董香か松前さん、まぁ出来たらリョーコさんとアリザさんを呼んできてくれる?」

 

「はーい」

 

ハイルは鼻歌を歌いながら、董香たちを呼びに行った。

 

「さてと、この中で羽赫の子は何人いるのかな?」

 

僕の問いかけに手を挙げたのは、その場の3分の1ほどだった。

 

 

 

 

 

 

「それにしても、赫子は羨ましいです。」

 

ハイルが、僕が言った人を全員+四方さんと錦さんを連れてきてくれたお陰で僕の役目はもれなく終わってしまった。

リョーコさんと松前さんが甲赫、董香が羽赫、アリザさんが鱗赫、錦さんが尾赫、そして四方さんが体術。

これだけ、それぞれ上手いことバラけるようにして指導出来ているため効率も良く最初と比べるとかなり動きも良くなっている人も沢山見受けられる。

 

「そうかな?僕の場合、ほとんど使わないからあんまり分からないけど。まぁ、確かにこのクインケも自分の赫包から作ってるからある意味自分のだけど」

 

「それにー、碧がクインケ1つしか持ってきてくれなかったせいで火力重視のT-humanしかないんよ?戦いずらい〜」

 

そうハイルに言われてしまえば、もう何も言えないのだが実はハイルには秘密にしていることがひとつだけあった。

 

「そんな事言われてもなぁ…………あっそーいえば、これ。有馬さんから預かってるんだよね」

 

そう言って僕が出したのは【フクロウ】。

月山家殲滅戦の時に、有馬さんに押し付けられるようにして渡されそのまま僕が持ち続けてしまっているもの。

 

「僕には使う機会も無さそうだし、ハイルにこれ渡しておく」

 

「ほ、ほんとに!?あの有馬さんの?それをしかも、碧から……」

 

ハイルは僕からクインケを受け取ると、ブツブツ何か呟きながらそのクインケを抱きしめていた。

 

(……気に入ってもらえたのかな?)

 

ハイルが自分の世界に入ってしまっているため、何とも言えないのだが多分気に入ってもらえているのだろう、、

 

「おい、刀夜!!あんたもサボってないで教えてあげなよ。私よりも赫子の扱い上手いんだからさ」

 

そんなハイルを眺めている僕に嫌気が指したのか、先程まで嬉しそうに教えていた董香にわざわざ呼び出される始末。

「はーい。」

 

僕は渋々といった感じの雰囲気を全面に出しながら、董香の方へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

「よし、それじゃあ終わり。あとは、みんな自由にしてて。」

 

僕の一言で、訓練をしていた人も疲労が溜まっていたのか皆その場に座り込む。

 

(……これだけ、皆戦えるなら自分の身を守るぐらいは大丈夫だろう)

 

最初はここにいる殆どの人が赫子を出したことすらないような、そんな温厚な人が沢山いた。

だが、もしあの旧多がCCGを継ぎでもしたらそんな人は絶好の獲物と成り下がる。

 

(……それにしても、エトさん遅い)

 

今日は来ると言っていた手前、あの人のことだから何も言わずに来ないなんてことは無いとは思うし、捜査官に殺られたという線も薄い。

 

「……刀夜!!」

 

そんな焦った声と共にやって来たのは雅。

殆どここには来ない雅が来るのは僕にとっても予想外だった。

 

「…どうしたの?」

 

「エ、エトさんが………エトさんがCCGに連れていかれちゃった………」

 

この言葉に、僕だけではなく周りにいた董香たちすらも声を出すことすらも出来なかった。

 

 

 





出来たら感想下さい…。
若干なりともやる気が出たりするので。



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