更新、遅くなり申し訳ございません。
なかなか、モチベが上がらず今回もあまり長くはありませんがこれからも更新は続きますのでこれからもお願いします
鬼滅の刃で新作も書き始めたのでよろしくお願いします
僕らが、コクリアを破って数日。
有馬さんとエトさんはなんとか命は助かり、二人とも普通に動けるまでは回復していた。
金木くんが戻り、”隻眼の王”となった今立ち止まっている時間はない。
CCGの実権をあの男が握ったのだからなおさらである。
「…また難しい顔をしているな」
「有馬さん。もう大丈夫なんですか?」
「まぁな。本来なら、俺はあそこで死ぬはずだったんだがな」
僕の後ろに立つ、有馬さんは少し嫌味を込めたように言う。
「僕だけに生き続けさせようとするからいけないんですよ。二人とも、最後まで付き合ってもらいます」
「おや、ばれてたか」
物陰から現れたエトさんに今更驚きはしないが、こうして話せることに嬉しさを隠せない。
「そーいえば、今日は佐々木のお披露目だったな」
有馬さんは眼下にて行われている景色をみて、そう呟いた。
「えぇ。漸くスタートラインですけどね」
三人で温め続けた空の玉座がようやく埋まったのだ。
これから、僕らは彼を支えるために彼の剣となり、盾となろう。
「どこかの誰かがなってくれていたら、こんな回りくどいことしなくてすんだのにね」
「あぁ、全くだ」
二人の視線が異様に痛い。
「…喰種と人間がともに生きられる世界か」
僕が二人からの視線に耐えていると、エトさんがふと呟いた。
「…作れるといいですね。そんな理想の世の中が」
「そうだな」
僕ら三人がこれから表立つことは殆どなくなる。
これからは、なにを犠牲にしようとも彼らが進む道に立ちふさがる障害を排除し続けるだけだ。
それが、命を一度は捨てた僕らに出来ることだから。
◇◇◇◇
黒山羊と名付けられた喰種の組織が初めて公の場に出たのは、突如出現したピエロの討伐だった。というのも、表立って存在を示す必要があったことも大きな理由なのだがとある人物の治療のためにRc抑制剤が必要となったための陽動のためというのが本当の理由だった。
ピエロの討伐には金木くんをはじめとする黒山羊の主要メンバーを向かわせ、こちらには僕、ハイル、有馬さん、そしてエトさんという僕が編成した特殊作戦班と亜門鋼太郎の少人数で作戦に当たることにした。
「それじゃあ、確認ですが今回の目的はRc抑制剤の奪取です。くれぐれも、無闇に交戦しないように。いいね?ハイル」
みな、静かに頷いた。たった一人を除いて。
「なっ。私だってちゃんとわかってるし!」
隠密という言葉をしっているのだろうか。と突っ込みたくなる声の大きさだがそれ以上はほんとに見つかるかねないため黙って僕は作戦を開始した。
(…………隠密とは)
物陰を進んでいた僕の視界には既に戦闘を開始しているエトさんたちの姿が見えた。
フクロウを完璧に使いこなしているハイル、修復したフクロウで敵を圧倒している有馬さん、赫者化せずに楽しそうに戦っているエトさん。そして、全力で敵を屠り続けている亜門鋼太郎。
「…………陽動は任せよう」
あの4人があそこで暴れていたおかげで、僕は研究所内を敵に見つかることなく進むことが出来た。
(…………これかな)
Rc抑制剤を手に入れ、4人の元に戻ろうとしたしたがさすがに敵もそのまま逃がしてはくれなかった。
「…………君は…………あの時の喰種」
「あ?お前は…………。おぉ、ラッキーだなぁ」
まるで獲物を見つけたような気味の悪い視線。そして、有馬さんと引けをとらない異様な雰囲気。
クインケを持っていない僕は先手を取られないために、煙幕代わりに足元に羽赫を放った。
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それではまた!