東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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それでは4話どうぞ


4話

雛実ちゃんを追って、《あんていく》を出たのだが思いの外雨が強すぎて雛実ちゃんの匂いを辿ることが出来ず中々見つけることが出来ていない。

 

(……雛実ちゃんもう帰っちゃったのかな…………。ん?あれは…)

 

丁度道路を挟んで反対側の道を傘も指さずに走っている子が目に入った。

 

(…あれは雛実ちゃん!?)

 

周りを見てもリョーコさんの姿はなく、雛実ちゃんの慌てようからしてもただごとではない事がわかる。

 

(とにかく、雛実ちゃんのとこに行かないと)

 

車の間をすり抜けながら、雛実ちゃんの元へと急いで向かった。

 

 

 

 

「……雛実ちゃん!」

 

僕の姿が目に入るなり抱きついてきた雛実ちゃんはとても震えていた。

 

「……何があったの?」

 

「……お母さん…が…。お母さんが危ないの」

 

リョーコさんが危ないって……もしかして、この間芳村さんが言っていた白鳩か

 

「雛実ちゃん、お母さんは今どこ!?」

 

「……あそこの角を…曲がった所…の路地……」

 

……あそこか。

 

「…雛実ちゃんは……。(…あれは!金木くん)金木くん!雛実ちゃんのことよろしく」

 

僕は、丁度こちらに歩いてきた金木くんに雛実ちゃんを預け急いでリョーコさんがいる路地へと向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

大通りの人通りが多かったせいで、路地裏から屋上をつたって路地を目指すハメになり少し時間がかかってしまった。

 

(……リョーコさん、無事で居て)

 

ウタさんに作ってもらった、顔の大部分が隠れるシンプルな黒いマスクを付け雛実ちゃんから教えてもらった路地に辿り着いた。

 

(……リョーコさんは……!?不味い)

 

僕が辿り着いた時には、丁度リョーコさんにクインケが振り下ろされようとしている瞬間だった。

 

 

ガキィィィン

 

飛び降りると同時に甲赫を出現させ、振り下ろされたクインケを止める。

 

「…なに!?」

 

「(ふぅ。なんとか間に合った)それストップね」

 

「えっ……。」

 

リョーコさんは誰?と言った顔で見ている。

 

(…まぁ仕方ないか。マスクした姿見せたことなかったし)

 

 

「ほぅ。喰種の分際で人間の真似事とはね」

 

あの捜査官、確かどこかで見たようなぁ気がする。

喰種を見下したようなあの視線。

 

「……あなた達人間が最も優れた存在だと誰が決めたんですかね。僕ら喰種に太刀打ち出来ないくせに……」

 

「なんだとっ!?」

 

僕の言葉に周りを見張っていた雑魚が反応した。

目の前の2人の捜査官は黙っている。

 

「…何ですか?当然のことを言ったまでですよ。自然界のヒエラルキーのトップは人間じゃない。僕ら喰種ですよ…。」

 

バキッ

 

僕は薬指を思いっきり鳴らし、甲赫の代わりに羽赫を出現させる。

 

「……この人は僕が貰っていく。文句あるなら殺ってあげてもいいけど、退いてくれるよね」

 

「喰種捜査官が喰種を前にして、退くわけないだろう!」

 

「…そうですか。残念…「待ち給え、亜門くん。」……」

 

若い捜査官の言葉に僕が臨戦態勢に入る前に、若い捜査官を初老の捜査官が止めに入った。

 

「何故ですか、真戸さんっ!」

 

「奴はSS〜レート喰種【木葉梟】だ。この戦力で奴とやるのは愚かとしか言いようがない。いや、奴が退いてくれると言うなら例え有馬特等がいても退くべきだろう。」

 

「なっ!?ほんとに言っているんですか?」

 

「あぁ、奴はそれほど危険な喰種なのだよ。それに奴は三年前に有馬特等ら0番隊と単騎で引き分けている。」

 

「……そうですか……。しかしっ!」

 

「【木葉梟】ここは退いてやろう。だが、そこの女は逃がしはしないからな…」

 

そう言って、まだ納得野いっていない若い捜査官をつれ初老の捜査官は大通りへと消えていった。

僕はマスクを外し、角に隠れている人に声をかけた。

 

「……ふぅ。雛実ちゃんも出てきていいよ」

 

「………刀夜くん!?それに雛実も…」

 

「お、お母さ〜ん」

 

ずっと我慢していたのだろう。2人ともこの雨の中泣きながら抱き合っていた。

 

 

「金木くん、ありがとう」

 

「いえ……。僕はなにも」

 

そう言って金木くんは少し俯いてしまった。

 

「いや、金木くんがいなければ僕は間に合わなかったし。雛実ちゃんも不安で仕方なかったと思うよ」

 

そう言うと少し安心したのか、金木くんは用事があると言って元の路地の方へと戻っていった。

 

(さて、これからどうするかなぁ……。あっ!あるじゃん安全なところ)

 

僕は名案を思いつき、まだ抱き合っている2人の方へと歩いていった。

 

「……あのお取り込み中失礼何ですか……。」

 

「「えっ、あっ……。ごめんなさい」」

 

「いえ、無事だったんですから良かったです。リョーコさんのこれからですが、家に来ませんか?」

 

家なら安全だ。何たって、隣にはエトさんがいる訳だし。どうにかして頼めばどうにかしてくれると思う。

 

「えっ、けどいいんですか……?」

 

「えぇ。ただ雛実ちゃんは董香に頼もうと思います。リョーコさんは今回のことで顔が割れてしまいましたし、雛実ちゃんが狙われる可能性が高くなります。それに董香なら捜査官からも守れますし」

 

「わかりました。雛実もそれでいい?」

 

「うん。けど……、お母さんとはもう会えないの?」

 

雛実ちゃんはとても悲しそうな顔をした。

 

「ううん、大丈夫だよ。リョーコさんには変装してもらって《あんていく》に行ってもらうから。ただ雛実ちゃんからは会えないのだけは了承して欲しい。」

 

「うん…………わかった」

 

「よし、それじゃあとりあえず董香を呼ぶから待ってて」

 

僕は董香に、念のためマスクを持って来てもらうように電話をした。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「それで、刀夜用事ってなに?………ってどうしたのリョーコさん!?」

 

「あぁそれは………………………………………ってことがあってな。それで雛実ちゃんを董香に頼みたいんだ。」

 

董香は話の途中、捜査官を殺しそうな顔をしていたがリョーコさんは無事だってことを何度も言うと納得したように怒りを鎮めてくれた。

 

「私はいいけど、雛実は?」

 

「雛実ちゃんにも了承は貰ったよ。リョーコさんは僕が守るから安心して。」

 

「刀夜が守るなら心配することは無いけど。……わかったよ、雛実行くよ」

 

董香は何か言いたそうだったが、言葉を飲み込んで雛実ちゃんを連れて《あんていく》に戻っていった。

 

 

 

「それじゃあ、リョーコさん家に帰りましょう」

 

「え、えぇ。お願いね」

 

一応リョーコさんの顔が見えないように、僕が着ていたパーカーを着てもらいフードを被ってもらった。

 

 

 

僕は、この後雛実ちゃんも一緒にすれば良かったと後悔することになるとは思わなかった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

一応、マンションの防犯カメラに映ると不味いので少しズルをしてベランダから入ることにした。

 

(………鍵開けといて良かった)

 

「…どうぞ。」

 

「お邪魔します。」

 

「いえ、これからはリョーコさんの家でもあるんです。お気になさらず。それと申し訳ないんですが、リョーコさんには当分の間外に出ないでもらいたいんですけど……」

 

「大丈夫ですよ、わかっていますから。それと居候させてもらう代わりに家事は私がやりますからね」

 

リョーコさんはそう言うと、テキパキと部屋の掃除を始めてくれた。

 

(……いやぁ、助かる…。あとはエトさんに……)

 

「リョーコさん、僕は少し行くところがあるので少し留守番頼んでもいいですか?」

 

「えぇ、わかりました。」

 

掃除をしてくれているリョーコさんを置いて、僕は隣のエトさんの家へと向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ピーンポーン

 

「はいはい〜。誰ですかっと」

 

ガチャ

 

「どうも、エトさん」

 

「おやおや、これは珍しいね。刀夜くんから来てくれるのは」

 

エトさんはいつも通りの20代の女性とは思えない部屋着で出てきた。

 

「えぇ、今日は少しお願いがあって来ました。」

 

「お願い?……まぁ上がって、上がって」

 

「お邪魔します」

 

僕はエトさんに促されるまま部屋へと上がった。

 

 

 

 

グチャァー

 

「……エトさん、この間掃除したばかりですよね……?」

 

「いやぁ、参ったねぇ。それよりもお願いって何だい?」

 

上手く誤魔化されたような気もするが、部屋のことよりも今はこちらの方が重要だ。

 

「今、僕の部屋に僕にとって大事な人がいます。その人のことを守って欲しいんです」

 

「ほうほう。君にとって大事な人ねぇ」

 

「大事な人ってそういう意味じゃないですから。リョーコさんは僕にとってお母さんみたいな人ですし」

 

そう言うとエトさんは何故か安心したように肩を撫で下ろした。

 

「君にとってのお母さんなら、守らない訳にはいかないけど。私よりも君の方が強いじゃないか」

 

「僕1人じゃ、カバーしきれないこともあると思うので……。何でも聞くんでお願いします」

 

僕がそう言うとエトさんはとても嬉しそうに答えてくれた。

 

 

「うんうん、何でもか。いいよ、その役目受けてあげよう。その代わり、今度デートでもしてもらおうかな」

 

「デートですか……。」

 

まさかデートと来るとは……。

エトさんと出掛けるとろくな事が……。

 

「嫌かね?私とデートは」

 

「いえ、わかりました。それじゃあ、リョーコさんのことお願いしますね」

 

「わかったよ。お姉さんに任せなさない!」

 

これでリョーコさんは安全だろう。

エトさんに感謝を伝え、僕は自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少し長くなりましたが、キリが悪かったので申し訳ないです。

書いてて思ったんですが、この作品のエトさん。俺ガイルの陽乃に似ていますね。


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それでは、また次回

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