お久しぶりすぎて覚えている方がいるかわかりませんが、お久しぶりです。
学校のほうが長期休暇に入ったのでこれからは少しでも更新していきたいと思っています。
煙幕を張り、早々にこの場から立ち去るつもりだった僕の予定は案の定上手くはいかなかった。
「おいおい、どこ行くんだよ」
この煙幕の中、彼は僕の居場所をしっかりと把握していた。余程鼻か耳が良いのだろうが、おかげでこちらとしては面倒ごとを避けられなくなってしまった。
「…あんまり戦いたくないんだけどな」
この施設には利用価値もある。クインケを持たないこの状況でこの喰種とまともに殺りあえば、この施設を破壊してしまうのは目に見えている。
(…こういうとき、羽赫って不便だよなぁ。せめて、絢都みたいに近接もできるような羽赫ならまだ…)
赫子は本人の意思に反映した形をとるというが、僕の赫子はどうやら殲滅を最優先事項としてしまったらしく、残念ながら周りへの影響という面では最も最悪な部類に入る。
そのためのクインケだったのだが、残念ながらこの間のコクリアの一件で失ってしまった。
「おいおい、なに考え事してんだよ!」
こちらの考えなんてお構いなしに、彼は周りを破壊しながら突っ込んでくる。
「………はぁ…もういいや」
僕が幾ら気を使っても相手にその気がなければ、どうしようもない。
迫りくる彼の羽赫に合わせるようにして僕も羽赫を展開する。
(ギンッ)
羽赫同士が衝突する音が研究所内に響く。
まるで金属同士がぶつかり合うような甲高い音。明らかに以前に会った時の彼の赫子とは
、強度が段違いであることがわかった。
それでも、彼の赫子には傷がついている。
「へぇ、赫子壊せると思ったんだけど。意外と硬いんだね」
自分の口からこんなセリフが出たことに若干驚いたが、彼は僕に羽赫を止められたことが少しばかり予想外だったらしい。
「………なぜ?って顔してるけど、余程自信があったのかな?」
相手を逆らえないほど圧倒する。
それが彼の刀である僕らの仕事。だからこそ、相手を思いやるような言葉は必要ない。必要なのは相手の心を折り、屈服させる力だけ。
「なに、もう終わり?」
煽るように言ったことばも自分の顔を掻きむしる彼の耳には届いていないようだった。
「…………まだ…………マダタリネェ」
赫子の強度。彼の身体能力の上がり具合から、この短期間にかなりの数の喰種を食べていることはわかっていた。
「…………君もか」
赫者には至ってはいない、中途半端な喰種。
なにをもって、至れるものとそうでないものとの線引きがあるのかはわからないが、少なくとも彼の今の状態は半端もののそれだ。
「…喰ウ」
一旦離れていた距離を彼は一気に詰めてくる。
先ほどよりも、荒々しいが攻撃の速さも重さも段違いに上がっている。
(…なかなか面倒だな)
少なくとも、先ほどより面倒に相手になったことは確実。
あまりここで時間を使うわけにもいかない。
彼の攻撃を受け流し大きく距離をとり、羽赫をしまう。
「…………ごめんね、殺しちゃったら」
一度しまった羽赫を、僕は先ほどよりも大きく開いた。
あまり長くなく、申し訳ないです。
感想など頂けると嬉しいです!
それではまた。