東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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久々の更新で誠に申し訳ありません…


お気に入り登録してくれていた方々、ほんとにお待たせしました

これからも不定期ですが、最後まで書くのでよろしくお願い致します


50話

 

 

再び開いたそれは、戦闘には向かないほど大きかった。

本気をだしていなかった訳ではない。ただこの戦闘には向かないそう判断していただけだ。

羽赫特有の素早さなんてものはない。

片翼だけの僕だけの翼。羽赫の利点を捨て、相手を殲滅するためだけの翼だ。

 

「まだ未完成なんだけどね………さぁ始めようか」

 

彼は僕の言葉を聞き取ったか知らないが、一目散に僕との距離を詰めてくる。

本能的に察したのだろう、距離を取ってはいけないと。

もちろん僕もこの赫子の弱点は知っている。だからこそ、彼が一歩踏み出すより先に僕は1歩だけ引いた。

 

「甘いよっ」

 

彼が突っ込んできたところに合わせ、羽赫を叩きつける。

羽赫が軽いと言っても、これだけの大きさになれば叩きつけられれば普通の喰種なら勝負はつく。

、、普通の喰種ならば。

 

「あめぇ、あめぇよぉ」

 

砂埃が少し晴れると同時に彼は立ち上がった。

甲赫で防いだのだろうか、彼のそれには少しヒビが入っていた。

 

今の一撃で決まるとは思ってなかったが、もう少しダメージをおってくれるものと思っていた。

 

(……タフさは折り紙付きか)

 

赫子の相性というのもあるだろうが、流石のタフさには若干驚いた。

 

「でも、これで終わりだよ」

 

片翼の翼を自分の前に、自分を包み込むようにして構える。

もちろん彼は僕に向かって突っ込んでくるが、もう関係ない。

彼が僕に到達するよりも先に、彼は放たれた羽赫により研究所の外へと吹き飛んだ。

 

(……やっぱり、消耗が激しい)

 

羽赫の弱点とも言えるスタミナ。

いくら僕のスタミナが多いと言っても、これだけの大きさの羽赫を扱うとそれだけスタミナの消費も早い。

この状態が片翼しかないのもそれが原因。

 

「おや、もう終わってたかな?」

 

僕が空けた穴から戦闘後とは思えないほど、清々しい顔をした4人が入ってきた。

4人とも全くと言っていいほど、息を切らしておらず亜門さんに関しては先程僕が吹き飛ばした彼を担いでいた。

 

「えぇ、抑制剤も手に入ったので戻りましょっか」

 

抑制剤を手に入れるというだけの隠密任務だったのだが、随分と暴れたものだと思いながらも一先ず作戦の成功と全員の無事に安心した。

 

 

 

 

 

 

 

アジトへと戻った僕らはすぐ様、アキラさんの元に抑制剤を持っていった。

医師の人の話では、抑制剤のおかげでアキラさんの容態は一先ず安定したとのことだった。

 

「にしても、3人とも暴れ過ぎです」

 

場所は変わり僕らは反省会擬きを行っていた。

亜門さんはアキラさんに付きっきりのため、僕とハイル、それにエトさんと有馬さんの4人だけである。

 

「ごめん〜ってね?」

 

反省の色のない謝罪をするエトさんにお菓子を頬張るハイル。そして、無表情の有馬さん。

 

「でもさ、刀夜くんも随分と大きな穴空けてたよね?それに随分と大きな羽赫出してたし」

 

「あれは……仕方なく、戦っただけで…」

 

進んで戦闘した訳ではなかったが、確かに暴れたのは事実である。

素直に謝ろうと思ったがそれは有馬さんによって遮られた。

 

「刀夜。隠してたな?俺と戦った時は手を抜いていたということか」

 

「え?いや、そういう訳じゃ……」

 

有馬さんの言うように今までこれを使った相手は彼の喰種たった1人。それは扱えるようになったのが最近ということもあるが、それ以上に使った相手を殺さない自信がなかったから。

 

「刀夜く〜ん?」

 

有馬さんだけでなく、エトさんにまで迫られては口で逃げるのは不可能に近い。

そこで僕が選んだのは、、

 

「それじゃあ、反省会は終わります!」

 

そう、逃亡である。

 

 

 

この後、僕らは3人揃って董香にしっかりと叱られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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それではまた

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