東京喰種〜自由を望んだ者〜   作:雪楓❄️

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とても久しぶりの更新です。


これから最低でも二週間に一回は更新したいと思っているので、お許しください。







58話

 

翌日、みんながまだ寝ている時間を見計らいアジトを出発した。

エトさんにだけは予め伝えておいた為、引き留められる時間もなく出発することが出来た。

今回の僕の任務はⅤ関連のもの。CCGがいつ攻めてくるか分からない状況で今の黒山羊にVに割ける戦力は多くない。Ⅴが直接黒山羊のアジトを狙うことはないとはいえ、Ⅴの目的が分からないことには黒山羊としても動きにくかった。

そこで、Ⅴの動向を探るという目的で僕が単独で動くこととなった。戦力的には問題はないが、アジトの守りが弱くなるという懸念はあったが有馬さんから強く要望されたため、受けることにした。

 

(……彼らが負けることはないだろうけど)

 

アジトの防衛面で戦力的には全く心配はない。しかし、あのアジトには守らなければいけないものがあまりにも多すぎる。アジトに身を寄せている戦闘が得意ではない喰種。雅のように黒山羊に協力してくれている人間。そして、金木君にとっての董香の存在。

”守るもべきものがある人は強い”という言葉があるが、それは敵がその”守るべきもの”を知らない場合だけである。敵がその情報を得た瞬間から”守るべきもの”はその人にとっての弱点となる。かつて、芳村さんにとってのアンテイクがそうだったように。

 

「それにしてもよくこれ回収してくれてたなぁ」

 

僕は右手に持っているアタッシュケースに視線を落とす。コクリアからエトさん達を救出した時に置いてきたとばかり思っていた僕専用のクインケ。

赫者化の変化の影響などにより、赫子の肥大化のこともありクインケが手元に戻ってきたのはとても助かった。

 

アジトを出発してから数時間。漸く地上に出ることが出来た。

改めて見た地上は悪臭に満ちたものだった。CCG本部の近くだからという理由ではなく、匂いそのものが数ヶ月前とは大きく違った。

そこら中から、”大喰い リゼ”の匂いがしたのだ。視界にはいつも通りの人間社会が映るが、路地裏などでは戦うことが出来ない喰種が怯えているのが分かる。彼らに残されている道は金木君もどきに殺されるか、飢え死にするかのどちらかしかないのだろう。

 

(彼らを助ける余裕はない…よな)

 

彼らを助けること自体は難しいことではないが、どこに罠が仕掛けられているかもわからない。まして、今僕がアジトを離れていることが旧多にバレるわけにもいかない。

僕は彼らに金木君もどきが気が付かないことを祈りながらその場を離れた。

 

 

CCGの本部を横目に僕はある場所に向かっていた。今回の作戦を受ける原因ともなった人物に会うために。

 

「隠れてないで出てきてよ、ウタさん」

 

 

 

 

 

 

 

 






今回リハビリ兼ねてそこまで長くなく申し訳ないです。



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