なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)   作:極麗霊夢

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第九話 大魔法使いとの邂逅

 徐々に春の芽吹きを感じて、友枝町に桃の花が咲き始めた。

 

「…………春だな」

 

「そうだなぁ~」

 

 先月チョコをくれた人達には、ちゃんとホワイトデーにお返しをした。

 千春にはフルーツキャンディ(市販品)。

 さくらにはどうぶつクッキー(市販品)。

 知世さんには魔法関連でも撮せるテープ(手作り)。

 桃矢さんには桃のキーホルダーに似せた身代わり人形(手作り)。

 雪兎さんには雪の結晶型のキーホルダー(手作り)。

 善鬼には特別製の腕輪(手作り)をあげた。

 皆喜んではくれた。

 善鬼は本来の姿になって嵌めて一日中「どうどう? 似合う?」とか聞いてきて果てしなくウザかったが、まぁ、喜んでくれたから良しとする。

 

 まぁ、ホワイトデーのことはさておき、今、オレ達のクラスというかさくら達の友達の間では、さくらに似た女の子が繁華街のぬいぐるみ屋さんに積み上がってたぬいぐるみを押し倒したという話が持ち上がり、千春がさくら本人に聞くも本人は商店街のパン屋さんに行って、その後は家で掃除してたということで人違いという流れになったが、知世さんがさくらを見て髪を切ったかという話になり、、、

 

「雪兎さんに……切ってもらったの」

 

 このさくらの一言に、とある男の子が聞き逃す筈もなく、勢いよく立上がりさくらへと突撃しようとした小狼を捕まえて落ち着かせる。

 

「はなせ、阿倍!」

 

「桐生だ」

 

「まぁ、まぁ、今日の体育バドミントンだって! それで決着つけるっていうのは?」

 

 と、抑えられてる小狼の目の前に現れて貴史が、今日の体育で決着をつければという案を出して来たが、興奮してる小狼はそんな話に乗るはずもなく断ろうとしたが、そこで貴史の十八番が発動する。

 

「知らないの? バドミントンっていうのはね、古代ローマから伝わる由緒正しい決闘方法でね」

 

「なんでも勝てば正義、負けたら悪という法を設けて、それはひどい目にあったらしいぞ」

 

 前方の貴史と後方のオレの波状攻撃に小狼は、完全に信じきって既に抑えなくても大丈夫なほど大人しくなっており、千春は「まさか、そんな」と疑い、さくらは信じそうになって、奈緒子もどっちか迷っており、利佳ちゃんはにこにこと笑顔を絶やさずに動じず、知世さんは何か物思いに耽っていた。

 そして予想通りというかなんというか、体育は小狼とさくらの激しいバトルで潰れた。

 

「楽できたぜ!」

 

 

 ○

 

 

 放課後。

 スーパーで買い物して家に帰り、善鬼に晩御飯を任せてテレビを見ていたらチャイムが鳴った。

 

「あー、主ぃ~ちと見てきてよ」

 

「ああ、晩御飯を任せてる身だからな。 あ、一応角隠しとけ」

 

「あいさー♪」

 

 と、本来の姿となって長い黒髪の偉丈夫の善鬼の角が引っ込んだのを確認して、オレは来訪者の対応に出た。

 

「はいはいっと」

 

「祐介くん! 助けて!!」

 

 ドアを開けた瞬間、さくらが飛び出して助けを求めてきた。

 飛び出してきたさくらの事情を聞くと、どうやら大道寺と一緒にカフェのテラスでまったりしていたら、さくらに似た女の子が友枝小の制服を着て、ローラーブレードもはいて疾走していて、呆然としていた処に千春達がやって来て文房具屋さんの商品をひっくり返したとの事。

 それをケルベロス、ケロちゃんに相談したら、陰陽師である占術で何かわかるはずだと手掛かりを求めてやって来たと……。

 

「クロウカードでも占い出来るんやけどな。 何分いっちゃん簡単なのでも10枚のカードが無いとできんねん」

 

「なるほどな。 そう言うことなら任せろ」

 

 さくらにソファで座らせて、占術の儀式をしていく。

 まぁ、儀式と言っても本格的なモノじゃなく、これまた簡単な占いだ。

 まずさくらの前に水で満たした桶を置いて対峙。

 (しゅ)を紡いで、桶の中の水に波紋が広がる。

 徐々に徐々に、波紋が連続して水の中に朧気ながら何かが見える。

 

 暗闇、『(ウォーティー)』のカード、桃の花、月、冷たい何かの目。

 

「!?」「!!」

 

「っ! 伏せろ!」

 

「え?」

 

 オレが急に叫んだせいか、さくらは一瞬動きが止まる。

 舌打ちを吐いて、桶を飛び越えてさくらを押し倒すように庇うと、桶が壊れ、全ての水が矢となって襲いかかる。

 

「金剛……」

 

「主っ!!」

 

 水の矢をから身を守る為、咄嗟に金行の術で耐えるが、今身に付けてるモノに貴金属はなく、当然襲い掛かってくる水の量が多くて傷を覆ったが、心臓や目、内蔵は無事で庇ったさくらにも怪我は無いのを確認する。

 

「祐介くん!!」

 

「行け! 占いの結果は暗闇、水、月で、次の被害者はさくらの身内で桃! そして攻撃に矢だ」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「クロウ、カード、、、は……月の配下、暗闇……これは、闇か? そして『水』の系列カーど……」

 

 占いの結果を伝えきり、オレの意識は暗転した。

 

 

 ○

 

 

 何処とも知れぬ場所。

 星の輝きに満ちた場所にオレと善鬼、そして……

 

「この度は、申し訳ありません」

 

 見知らない男の人と……

 

「全くだ……占いに干渉するなぞ。 あの『審判者』ちと厳しくないか?」

 

「そう言わないであげてください。 彼は真面目ですから」

 

 安陪晴明さん。 誰?

 

「主ぃ、こいつ……こいつだ」

 

 善鬼?

 

「そうだ。 彼奴(きゃつ)めがクロウ・リード」

 

「クロウ……リード……」

 

「はい。 本来であれば(けん)に徹する筈だったのですが、あの子の過剰防衛で覆った怪我を治そうと思い馳せ参じました」

 

「いや、これはオレが未熟すぎたから……それより桃矢さんは? さくらは?」

 

「あの女子なら無事にカードを封印した。 あの子の兄も無事だ」

 

「なので今は貴方の治療が先決です」

 

 そう言うとクロウ・リードは陰陽術(・・・)で、オレの身体の傷を癒した。

 西洋の魔法使いが、、、だ。

 

「流石はクロウ・リード……さん」

 

「……貴方の先祖、安倍晴明さんも素晴らしい術師ですよ」

 

「フンッ!」

 

 それではと、クロウ・リードと照れてソッポを向いた晴明さんの居る空間から現実の空間へと戻ってきた。

 目を覚ませば、そこは病院で外は深夜、ベッドの側には善鬼と………………

 

「…………………………お母さんが心配するだろうに」

 

「そう言うなって、主ぃ~。 さくらの嬢ちゃんからの連絡で救急車を呼んでくれたんだぜ」

 

「だが、急に治ったこの身体びっくりしただろ」

 

「ああ、それなんだが、大道寺の嬢ちゃんがお袋さんに電話して、もみ消したみたい。 なんでも主ぃのお袋さんから事前に連絡が行ってたらしい」

 

「………………………………この失態、、、あの人も知ってるのか……」

 

 桐生巴。

 今世のオレの母にして、術師の師。

 普段は母さんと言ってるが、師としての顔ではとても母さんとは呼べない。

 もっぱら師匠か一人の時にあの人と呼称してる。

 

「大丈夫だって、主ぃには俺が居るだろ? 次、挽回すりゃいいのさ」

 

「そう、だな……」




No.5 安倍晴明
容姿 黒い狐耳を生やした黒髪の女性(ちゃんと尾もある)
誕生日 2月21日
職業 陰陽師
好きな食べ物 魚料理
嫌いな食べ物 緑野菜
好きなもの クロ……闇・光
好きな色 黒・金
好きな花 サンザシ・桜
得意な料理 作れないためなし
苦手なこと 料理
趣味 クロウとの術の競いあい
特技 狩り・男装
備考 妖狐と人との間に生れた半妖。
長い月日を掛けて人を装い、陰陽師として善行を尽くし、鬼を従えて自分に勝てる奴なんか居ないとふんぞり返っていたが、旅をしていたクロウ・リードに術師として敗北。
以降、クロウに追い付くため西洋の魔術にも手を出したりもした。
ちなみに、クロウの悪戯というか隠れ蓑に日本ではクロウが安倍晴明と名乗って日本の事件の七割を解決したため、見に覚えのない恩赦に困惑してた模様。
追記 本人は認めてないがクロウが好き。

次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか

  • 次話は祐介の婚約者襲来
  • 次話はさくらカード編
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