なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)   作:極麗霊夢

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第十六話 臨海学校と秋祭り

 今日は友枝小学校の臨海学校で海に来てる。

 皆はスクール水着に着替えて砂浜で遊んだり、海で泳いだりしてる。

 そんな中、オレはというと……。

 

「なんでオレは海で延々と泳いでるのか……」

 

「お前、やる気あるのか?」

 

「やる気もなにも……李くんくそ雑魚い」

 

「ぐっ……」

 

 小狼によって引っ張られ、ずっと遠泳競争。

 しかし、これでも荒波に揉まれたオレだ。

 小狼に負ける道理なし!

 というか本当に勝負にすらならなかった。

 

「李くん、祐介くんもやらない?」

 

 と、ずっと泳いでいたオレ達にビーチボールを持った貴史が声を掛ける。

 メンバーは貴史にいつもの5人、そして歌帆姉さん。

 

「断る」

 

 小狼は首を横に振り、オレはハッキリと断った。

 

「お前の親戚、なんだろ? いいのか?」

 

「こんなことで腹を立てる人じゃない」

 

「そうか……」

 

 ピピーーーーッ

 

「集合ーーー!」

 

「むっ」

 

「と、どうやら自由時間は終わりか。 ふっ圧勝しすぎたかな」

 

「くっ……マラソンなら勝ってた!!」

 

「遠泳競争といったのは誰だ……」

 

 とにかく、集合するぞと悔しがる小狼を引っ張って海から出ようとすると、少しだけオレの索敵領域に何か引っ掛かり、その方向を見てみると、岩場の洞窟だった。

 

「? どうしたんだ?」

 

「いや、なんでもない」

 

 

 ○

 

 

 夕方。

 班でカレーを作る事になった……が、ここで一つ問題が起きた。

 なんとオレ、こう見えて料理が出来ないのだ。

 家では善鬼がやってくれてする機会もなく、実家では母さんがやるのでオレの出番は元々ないというか、母さんの下にいたの幼稚園くらいだから、料理なんてまず教わらない。

 あそこまで修行とかにスパルタだと、漫画とかでは料理すら教えてるだろうが、時間的に余裕がなかった。

 いや、しかし、だ。

 だがしかし、料理なんてこれから覚えていけばいいし、そう、料理が出来る男なんてまだ先の……

 

「李くん、上手だね」

 

「寺田先生が焚いたご飯出来たわよー」

 

 ……………………。

 

「山崎も料理出来るのか?」

 

「一通りはね」

 

 ………明日から頑張ろう。

 

 

 夕食も終えて、コテージで班のみんなと寝ることになった。

 

「なぁなぁ、好きな奴とかいる?」

 

 なんて言う奴も居たけど、遠泳で全身の筋肉を使って眠気MAXなオレは答える事もなく眠りにつき………………。

 

 ――――あれ? 桐生くん、どこ行った?

 

 ――――え、さっきまで寝てなかったか?

 

 

 

 

 目を醒ますとそこは戦場だった。

 

「は?」

 

 オレの感知で所々に引っ掛かる妖の気配。

 

「キャァアアアッ!!」

 

 考えてる暇はないと、術符で女の子を襲ってる妖を牽制して怯んだところを滅する。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「は、はい、ありがとう、ございます」

 

 振り返って女の子を見た瞬間、オレは固まった。

 なぜならその人は、オレがよく知る女の子だったからだ。

 黒い長髪、青みがかかった黒目、お姫様のような……。

 

「知世、さん?」

 

「え? 何処かでお会いになりましたか?」

 

 名前も同じ? どういうこと?

 

「知世姫! 御無事ですか!?」

 

 知世姫? まずっ!

 

 なんだかわからないが、彼女が姫ならば見知らぬ男と一緒に居ていいとこじゃないと判断して、オレはこの場から立ち去ろうとして……。

 

「待って! せめて、お名前だけでも」

 

「…………祐介、桐生祐す」

 

 彼女へ名前を告げた時、オレの体は消えてコテージの部屋へ戻ってきた。

 

「…………ゆ、め? じゃない、よな?」

 

 妖を滅した時の感覚。

 持っていた符がなくなってることから、夢じゃないことを自覚する。

 なんだったんだろ? と思う中、見知った気配がコテージへ入ってきた。

 

「祐介くん!! ほ、良かった。 戻ってきたのね」

 

 観月歌帆。

 オレの親戚。

 

「どうかしました?」

 

「いえ、昨日の夜から祐介くん、行方不明だったのよ。 それでさくらちゃんが、クロウカードを封印したら、祐介くんの力を感じたから……」

 

「なるほど……それでオレが居ない間は?」

 

「さくらちゃんに『(ミラー)』のカードで、なんとか凌いだの」

 

 『鏡』か……術者だけでなく、他人にも機能するんだな。

 羨ましい。

 

 

 ○

 

 

 日曜日。

 家で本を読んでると、歌帆姉さんがやって来た。

 

「今日、月峰神社で秋祭りがあるんだけど、来る?」

 

「……………………」

 

 鏡を見なくてもわかるくらい、今のオレが嫌そうな顔をしてる事がわかる。

 それなのに歌帆姉さんは、いつものようにニコニコとした表情で「どうかしら?」なんて聞いてくるのは案外、精神が図太いのか。

 

「さくらちゃん達が来るかもよ?」

 

「……だから?」

 

「確実とは言えないけど、さくらちゃん達が居るとこにクロウカードが集まりやすいと考えればどうかしら?」

 

「だろうねー。 妖怪も力あるものに惹かれやすいし、クロウカードも仲間が沢山いるとこに集まるだろ」

 

 だからこそ羅針盤を持つ小狼が、クロウカードを探さずに学校ではさくらの近くに居るんだろうし……だって明らかに探し回ってるより、さくらのそばにいた方が遭遇率高い。

 

「行かないの?」

 

「…………」

 

「とーやも来るかもよ?」

 

 歌帆姉さんがそう言った時、家の電話が鳴った。

 

「出ないの?」

 

「出るさ」

 

 歌帆姉さんに促されるように本を置いて、電話の所へ行き取る。

 

「もしもし、桐生です」

 

『あ、祐介くん?』

 

 電話の相手はさくらだった。

 酷く、そう、酷く嫌な予感がするが、、、

 

「なんだ?」

 

『あのね! 今日秋祭りが月峰神社であるんだって! 祐介くん行かない? お兄ちゃんも雪兎さんも来るよ』

 

 ……………………………………。

 

 歌帆姉さんを見るとニッコリ笑って、オレは内心舌打ちした。

 

「ああ、わかった」

 

『じゃあ、夜の7時ね! またね!』

 

 プツッと電話が切れたのを確認して、電話を置いてため息を一つ。

 

「やっぱり優しいわね、祐介くん」

 

「…………善鬼、月峰神社で秋祭りがあるから7時に行く」

 

「了解だぜぇ~、主ぃ~」

 

 フフッと笑う歌帆姉さんを無視して、オレは善鬼に声をかけると、ビシッとちみっこい手を伸ばして (本人はグッと親指を立ててる)了承する善鬼。

 

 

 

 ○

 

 

 そして約束の時間。

 

「あ、祐介くーん」

 

 月峰神社に行くとさくら、桃矢さん、雪兎さん、知世さんが鳥居の前に居た。

 

「こんばんは」

 

「おう」

 

「うん、こんばんは」

 

「こんばんは、祐介くん」

 

「祐介くん、こんばんは」

 

 挨拶すると上から桃矢さん、雪兎さん、さくら、知世さんの順で帰ってきたが、字にするとほんと……さくらと知世さんわかんね。

 

「さっき千春さんと山崎くんにも会いましたよ」

 

「まぁ、あの二人なら近場だし来るだろうな」

 

「奈緒子ちゃんと梨佳ちゃんはピアノ教室なんだって」

 

「ピアノねぇ……」

 

 そう言えば、ピアノ教室って子供になんの影響が出るんだろうか? ピアニストになるとか、そんな? 貴史が居るなら色んな考えが出てくるだろうが、今は二人の時間を邪魔したらダメだしなぁ。

 オレでも空気は読む。

 

 パンッ!

 

「ん? 射的の店からか?」

 

「李くんだ! 李くん!!」

 

「!」

 

 さくらが笑顔で声をかけると、小狼は何故か顔を赤くして頭を左右に……おんや?

 

 オレ達はそのまま小狼の下へ行くと、小狼のそばには大量の戦利品があった。

 

「それ、全部一人で取ったの?」

 

「……まぁな」

 

「すごいねー」

 

 シレッと言う小狼に雪兎さんが感心すると、小狼は先程より顔を赤くして戦利品の山をがっさごっそと漁って、それはそれは美味しそうなサブレットを差し出した。

 

 うん、やはりさっきのは見間違えか?

 

「さくらちゃんもその水風船、雪兎さんに取っていただけて良かったですね」

 

「うん」

 

 と、そう言えば合流してた時から持ってた水風船をさくらが幸せそうに見てると、嫉妬した?小狼がやって来て、さくらに詰め寄るが、その間を桃矢さんが遮った。

 

「うちの妹になんか用か?」

 

「そうですわ!」

 

 バチッとなにやら見えない火花が見える。

 おろおろとさくらがどうしようか迷ってると、知世さんがさくらにとあるぬいぐるみを指差す。

 

 それは天使の翼を生やしたうさぎのぬいぐるみ。

 しかも最高点もの。

 

 さくらがうさぎ好きですものねと言う知世さんの言葉に頷き、雪兎さんがほんとだ可愛いねと言って小狼と桃矢さんの決闘が始まる。

 

「………………ふむ」

 

 ここは一つ……

 

「オヤジィ」

 

「おん?」

 

「オレも参加するぜ!」

 

「頑張んな、あんちゃん!」

 

 オレもこの面白勝負乗ったぁあああ!! 術勝負とかくっそつまらんのは好かんが、こういうのは大好き!! 別段、ぬいぐるみが欲しいわけじゃないけど、要らなければ……

 

「頑張ってください、祐介くん!」

 

 まぁ、持ってて似合う人に渡せばいいだろ。

 

「お、祐介もか? 手加減しねーぞ?」

 

「ふん、こう言う時は参加するんだな」

 

「へ、むしろ抜いたら許しませんよ? 小狼はオレより弱いんだからあんまり強いこと言うなよ」

 

「ほんとに煽りだけは一人前だな!?」

 

 そして始まる輪投げ勝負。

 互いに投げ合い、正々堂々と勝負して10分。

 

 桃矢さん、160点。

 小狼、160点。

 オレ、160点。

 

 勝負がまったく着かない。

 どちらかが集中力切れて、9点か外れに入れれば良いんだろうけど、全員が10点の棒に輪を引っ掛けるのだ。

 

「オヤジ、もうちょい難易度の高いとこに棒置かない?」

 

「此処でも十分難しいんだって! まったく、ほれ、三つやるから引き分けで我慢しな」

 

 そして渡された三つのうさぎ。

 桃矢さんと小狼は急いでさくらと雪兎さんの所へ走っていく。

 

「白熱した戦いでしたわね」

 

「そうだねぇ……あ、これあげる」

 

 知世さんの言葉に相槌を打ちながら、先程受け取ったうさぎのぬいぐるみを渡す。

 

「よろしいのですか?」

 

「まぁ、他に渡す人居ないし」

 

 一瞬、歌帆姉さんや母さん、あと一人頭を過ったけれども、ああ、無いな、うん、ない。

 

「それじゃ、オレはこれで帰るよ。 満足したし」

 

「わかりました。 では、また」

 

「うん、桃矢さん達によろしく~」

次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか

  • 次話は祐介の婚約者襲来
  • 次話はさくらカード編
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