なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)   作:極麗霊夢

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読者さんの期待を裏切らないか心配です


第二話 さくらと安倍晴明の子孫

「オレっちを置いてくなんて酷いぜ主ぃ~」

 

「悪かった、すまない、ごめんなさい」

 

「まぁ、いいけど~」

 

 呑気にオレの周りに浮いてるバレーボール大の青玉を無視して、木之本家で魔法のカード、クロウカードを封印し守護してたケルベロスなるぬいぐるみの説明を思い返してた。

 

 クロウカード……魔法界隈で安倍晴明より有名な大魔法使い――正確には魔術師らしいけど、魔法使いでも変わらないだろう――その魔法使いが創りだしたカード。

 それは風だったり、水だったり、火を出したりするモノで、もしも主無きカードが魔法の本に封印されてなかったら、実体化して悪戯をするということ。

 そして一番の問題が、「クロウカードの封印が解かれる時、この世に災いがおとずれる」というモノらしい。

 災い……パッと思いつくのは、地震、富士山の噴火とかだろうか。

 あとはまだ活きてる火山の噴火……富士山の噴火とまではいかないけど、これも災いとして認識していいものだろう。

 あとは津波とか、津波によって洪水か。

 

「あとは隕石とか……そう言えば」

 

 ノストラダムスの大予言が、この災いに関係してるとか?

 にしては、今は1998年だから1999年の夏に災いが起こる……いや、1年はないかな? となるとノストラダムスの大予言は別か、一考の余地あるか。

 

 

 ○

 

 

 『樹』のクロウカードを封印した日の翌日。

 オレは放課後、木之本にケロちゃん――ケルベロスのあだ名――が話があるから来てほしいと言われ、木之本の家に来たのだが、、、

 

「…………………………」

 

「あ、あの……なん、でしょ?」

 

 目付きの悪い兄ちゃんに見つめられていた。

 木之本曰く、木之本の兄らしく、いつもからかわれてるのか木之本が帰ってくるなり「おーおー、ドタバタと怪獣がお帰りだ」とからかっていた。

 その時にオレと目がバッチリ合い、リビングに座らされて今に至る。

 

「お前、、、さくらのダチか?」

 

「最近、そうなりました」

 

「ふぅ~ん。 ……………………お前じゃないな」

 

「え?」

 

 ぼそりと、気を抜いていたら気付かなかった程の声で、木之本の兄は呟いた。

 オレの反応にまさか聞こえたなんて思ってもなかったのか、木之本の兄も目を丸くして驚いてるようではあった。

 まぁ、いきなりリビングに引き込んで、ジーッと穴があくかってくらい眺めた後、お前じゃないって口に出してそれがまさか聞こえてたなんてびっくりするよなぁ。

 

「いや、なんでもない。 俺は木之本桃矢。 あいつの兄だ」

 

「桐生祐介です」

 

「ま、あいつのダチなら色々と助けてやってくれ……あいつ、危なっかしいから」

 

 そう言った木之本兄の表情は、オレの母さんがよくする表情に似ていた。

 

 そして木之本兄の対話も終わり、オレは予定通り木之本の部屋へ……

 

「おっそーーーい!! 何してたんや!!」

 

 と、橙色のぬいぐるみが関西弁で吼えてきた。

 

「いや、木之本兄に捕まってた。 つか木之本が知ってるはずだろ?」

 

「わ、私はちゃんと説明したよ!?」

 

「あぁ、大道寺もさっきぶり」

 

「さっきぶりですわ」

 

 大道寺とはオレが木之本兄に見つめられてる中、やって来て木之本と共にこそこそ部屋に移動してた時に目が合ったのだ。

 オレが困ってる最中、木之本はオレを見捨て早々に部屋へ逃げて、大道寺が来たときはオレに助けの一つもくれずに、そして今理不尽にもぬいぐるみに責められる。

 

「くっ……木之本……随分な悪女だった!」

 

「ちょ、ひど!! 誤解だよ、ごーかーいー!!」

 

 オレがわざと大袈裟に崩れ落ち、落ち込む仕草をすると木之本は慌てて誤解とかなんとか言ってる。

 いや、木之本兄によろしく言われたけど、こう言う感じでからかってもいいよな? 悪くてもからかうけど……。

 しかし、打てば響くとはよく言ったモノで、木之本もからかうといい反応をする。

 貴史も木之本相手によく嘘を付くわけだ。

 

「で、オレに用ってなんだ? ちみベロス」

 

「ち~み~ベロス~!?」

 

「ちみっこいケルベロス、略してちみベロスだ」

 

「おい、小僧。 あんまわいを舐めんなや? こちとら封印の獣やぞ!! わいが本来の姿になりさえすればなぁ! 小僧なんぞ赤子の手を捻るようなもんやぞ!!」

 

 と言うが、オレだってケルベロス相手にケロちゃんなんて言いたくないし、仮の姿である状態でケルベロスなんてもっての他だ。

 なんせケルベロスだ。

 神話に詳しくなくてもゲームとかで出てくる強モンスター。

 その姿はかっこよく、そして強い。

 世間の厨二病様は、彼のケルベロスの力を宿した右腕云々、前世のペットはケルベロスだとかカッコいい設定をしてるのに、そんなケルベロスがまんまぬいぐるみとは笑い話にもならない。

 

「せめて、もう少しかっこよくなってくれ」

 

「わいはいっつもかっこええ!!」

 

 カッコいいってより可愛いんだよ。

 しかもその可愛さも煩さで大幅減ときた。

 せめて善鬼程の能天気さがあればなぁ。

 

「おい、チビ」

 

「アァ!? 誰や!? 今の誰や! 出てこーい!!」

 

 先程聞こえた声、騒ぐちみベロスにため息を一つ。

 なんか最近、ため息吐いてばかりな気がするが、オレ大丈夫だよな? 幸せが逃げ切って不幸にしかならないとかないよね?

 

 と、オレの心配を他所に周りはヒートアップ。

 なんでもみち……ケルベロスが挑発したら、オレの鞄から青玉こと善鬼が木之本、ケルベロス、大道寺の前に現れてさらに騒がしくなったということらしい。

 幸いにも木之本兄は、外に出掛けてるらしいからクレームが来ることなかった。

 

「ほら、善鬼こっちおいで」

 

「主ぃ~女共がオレっちを~」

 

 オレの青玉はどうやら木之本達に大人気だったらしく、安倍晴明が使役していた伝説を持つ鬼が涙目になるほど、揉みくちゃにされてオレのお腹に顔を押し付け泣いた。

 

「いや、お前、鬼のくせに負けるなよ」

 

「オレっちだって本気出せばこんな女なんか~」

 

「…………」

 

「はう~すっごく可愛いよ~」

 

「ケロちゃんとはまた違った愛らしさがありますわね」

 

「なんでや、さくら! わいはこんな泣き虫よりかっこええで!!」

 

「話が進まないな。 ほら、いい加減話を進めてくれ……。 ケルベロスはオレに用があったんだろ」

 

「それもそうやな。 せや、わいが知りたいのは小僧がなんなのかっちゅーことや」

 

「ああ、その事か……あー、安倍晴明って知ってる?」

 

「安倍晴明?」

 

「んー、どっかで聞いたことある名前やなぁ……どこやったっけ」

 

「確か日本で有名な陰陽師さんでしたよね?」

 

 木之本は首を傾げ、ケルベロスは頭を悩ませるが、大道寺はなんでもないかのように安倍晴明の簡単な説明をする。

 陰陽師、その言葉に思い当たる節があったのか、ケルベロスも「あー、あん時の姉ちゃんか」と言って大道寺が目を丸くさせた。

 

「あの、ケロちゃん。 清明さんは男の方では?」

 

「ん? ああ、世間ではそないな事になっとるんやったな。 あの姉ちゃんは女やで、なんでも昔は女がお偉いさんに意見でけへんで、男の格好と男のような言葉で話よったさかいな」

 

「クロウさんが産み出した封印の守護獣が知ってるって事は、やっぱりクロウさんは安倍晴明と旧知なのか」

 

「せやなー、クロウの数少ないライバルみたいな関係やったで! ま、クロウの足下にも及ばん奴やったけどなーっはっはっはっ!!」

 

 そこは安倍晴明さんも認めていた。

 術師として、その力も技術もクロウ・リードが一歩どころか十歩も先に行ってたと楽しげに笑っていた。

 

「けどな。 ぎょーさんおる術師の中でクロウに近付こうと、頑張っとった偉い姉ちゃんやったな。 ………………そうか、お前さんその姉ちゃんの」

 

「ああ、遠い血縁にあたる」

 

 いろいろと察したケルベロスが納得し、オレも先祖の安倍晴明から子孫への使命として、クロウカードが散らばった時のクロウカード集めに協力するとさくら達に言って、オレは木之本の家を出ていった。

 

 

 ○

 

 

 そして夜、善鬼がクロウカードの気配を感じ取り、オレは直ぐ様現場へと急行した。

 ほんとは木之本ん家に行こうかと思ったが、現地で合流出来るだろうとクロウカードの気配を追ってるが、いくら走ってもどれだけ走っても現場に着かない。

 

「というかあちこち行ってるけど、本当に追ってるのか!?」

 

「向こうが速いんだよ、主ぃ~。 たぶん、移動補佐系のカードと見た」

 

 はぁとため息を一つ。

 本当に最近よくため息を吐いてしまう。

 そんなネガティブな思考を振り払うかのように、オレは脚に張り付けた御札に魔力を回して移動速度を上げる。

 移動速度を上げたオレに対して、仮の姿で浮いていた善鬼は今の姿では早く浮けないため、オレの肩にちょこんと掴まって道を示す。

 

「本来の姿に戻るという選択は?」

 

「オレっち、この姿気に入ったかも……あと主ぃ、前に言ってた事と逆の事言ってる~」

 

「はいはい、オレが悪かったよ。 跳ぶよ!」

 

 脚に力を入れて跳躍。

 移動速度を上げる為に強化した脚は、跳躍力の向上にも繋がり、オレは満天の星空を駆け抜けるように走った。

 そして跳んでる時に見えた、ちっこい兎みたいなのとそれを追い掛けるさくらと大道寺。

 横にはたぶんケルベロスが居た。

 

「手伝うと言っておきながら遅刻とかしまらねーなぁ」

 

「それが主ぃだぜ!」

 

「だが、此処からでも手は打てる!!」

 

 再度力強く、跳躍して小さな兎を狙って小さく言霊を紡ぐ。

 

東水(ひがしにみず)青龍(せいりゅう)北地(きたにち)玄武(げんぶ)南火(みなみにひ)朱雀(すざく)西風(にしにかぜ)白虎(びゃっこ)……此れ則ち四聖の陣、白き神風! 穿て!!」

 

 風の弓を作り、風の矢を生み出して放つ。

 風の矢は、文字通り風の如き速度で何故か巨大化した兎の胴を穿ち貫く。

 勿論、矢は風の塊故に巨大化な兎は一瞬に弾け飛んだ。

 一瞬、スプラッターな場面になったかと思ったが、善鬼が目を凝らしてあの巨大な兎は、兎であって兎じゃない。

 沢山のぬいぐるみが集まり固まって巨大化したモノだから、弾けたのはぬいぐるみだと教えてくれた。

 

「うん、まぁ、それなら安心かな」

 

 こうして二枚目……いや、木之本の持ってるカードは『(ウィンディ)』と『(ウッド)』だから、あの兎を合わせて三枚目だな。

次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか

  • 次話は祐介の婚約者襲来
  • 次話はさくらカード編
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