なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)   作:極麗霊夢

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新年おめでとうございます。

大変長らくお待たせしました。

去年のあらすじ

『光』と『闇』を封印したさくら。
とうとうクロウカード集めは終盤へ。
『闘』を持つ李小狼。
『幻』と『力』を持つ桐生祐介。
その他多数のカード達を封印した木之本桜。
カードはあと二つ、『火』と『地』。
太陽を司る『封印の獣・ケルベロス』が配下の四大元素が二つ。
果たしてさくらは小狼は祐介は、この四大元素のカードを無事封印することができるのか。
そしてクロウカードの封印が解かれた時に起こる災いは……


第十一話 『月』と『災い』について

 すやすやと眠るさくら。

 知世さんが何度も起こそうとするも、さくらの眠りを妨げる事は出来ない平日の午後。

 今は授業中。

 そう、さくらは今、先生に見つかった。

 

「さくらちゃん、さくらちゃん」

 

「むに…この人……はっ」

 

 もう形振り構ってられず知世さんは席を立って、呼び掛けながらさくらを揺すると、漸くさくらの深き眠りは破られ、寝言を一つ溢して完全に目を覚ました。

 

「どうどうとした居眠りだなぁ、木之本」

 

「ご、ごめんなさいーーーー!!」

 

「今日はクラブもないし、家でゆっくりするんだな」

 

 顔を真っ赤にして謝るさくらに、寺田先生は爽やかな笑顔で許した。

 まぁ、小学生だし、これが中学高校なら叱られ……何故だろうか? 中学生になっても変わらなそうだ。

 

 

 放課後。

 さぁ、帰ろうと鞄を背負って下駄箱まで行くと、校門に小狼の姿を見つけ、下駄箱から向かってきてる歌帆姉さんの気配がシット!

 いや、まだオレに用があると決まった訳じゃないが、朝からなんだか話し掛けてこようとしてる雰囲気から、たぶんオレを捕まえるために来てる。

 ならばオレが取る選択肢は一つ。

 歌帆姉さんを警戒してる小狼の所へ向かう。

 だが、小狼はオレに用があるのか、それともまだ教室で知世さんといるさくらに用があるのか、どっちにしろ歌帆姉さんからは逃げられるな。

 

「最近、何かを感じないか?」

 

 小狼を横切ろうとした瞬間、オレに用はないのかと気持ち的に早歩きしようとした時、オレの耳にギリギリ聞こえる程の小声で話し掛けてきたからびっくり。

 

「……そうだな、友枝町に『(ちから)』が、集中してる」

 

 それにクロウカードはそろそろ終盤の筈だ。

 晴明さんからは20枚前後と聞いてたし、小狼が1枚、オレが2枚、残りがさくらだ。

 20前後だからもうすぐ20枚くらいにはなるはず、クロウカードの問題は解決してるはずだ。

 災いは起きない、なのに、なぜ順調に封印してるのに『(ちから)』が集中する?

 

 クロウカードの封印が解かれし時、この世に災いが訪れる。

 …………あれ?

 

「なぁ、クロウカードの災いは封印が解かれたらだよな?」

 

「ん? ああ、そう言い伝えられてる」

 

「封印の獣ケルベロスが目覚める前から今まで封印は解かれていた状態…これは災いが起きると確約された状態だが、再び封印すると災いは起きないって何処の情報だ? 災いはいつ起こる? 封印してる最中、今、この瞬間であり、もっと前に起きてもおかしくないだろ。 カード達を封印する度に『(ちから)』が集まる」

 

 災いが起きる前兆なら、『(ちから)』が集まっても違和感はない。

 むしろ災いを阻止する為に封印するのであれば、、、

 

「『(ちから)』は霧散するべき……」

 

 小狼もオレと同じ考えに至ったようだ。

 なら?

 

「災いが起きる事は避けられない、いや、避けられるが災いを回避するための何かがあるはず」

 

「……っ! クロウカードの守護者、太陽を司る『封印の獣・ケルベロス』の対の守護者だ!! 月を司る『審判者・(ユエ)』…中国語で月のことだ」

 

「審判者……で、月、ねぇ」

 

 月……『(ミラー)』の存在を占う時に出たな。

 そして攻撃したのも、ソイツか…

 

 何処が審判者だ、、、いや、創造主であるクロウ・リードから謝罪されてたわ。

 

(ユエ)に関しては、クロウが残したどの魔術書にも書かれてないが、俺達の憶測が正しいのなら……」

 

「災いのトリガー…引き金を引くのは審判者・月」

 

「ユエ? 祐介くん、李くん知ってるの?」

 

 後ろからさくらの声が聞こえて振り向くと、さくらと知世さんがそこにいた。

 

「知ってるというか、今考えに至った存在だな。 木之本、最近何か感じないか?」

 

「何か? んーっちょっと強い何かが迫ってるような…」

 

「さくらちゃん」

 

 さくらが答えようとした時、雪兎さんがやって来てさくらに声かけた。

 当然、雪兎さんにホの字なさくらと小狼は顔を真っ赤にする。

 

「今帰り?」「「はい!!」」

 

 雪兎さんの質問に元気よく答える二人。

 

「一緒にケーキ食べにいかない?」

 

 二つ目の質問に限界突破したのかコクコクと頷く二人。

 そして雪兎さんに連れられてやって来た喫茶店。

 入ってすぐに喫茶店でバイトしてる桃矢さんを発見、目が合ったので仕事の邪魔にならないよう軽く会釈。

 知世さんも気付いたのか会釈をして、雪兎さんは知ってたのだろう軽く空いてる席を指してそのまま席へ行く。

 その間、さくらと小狼は雪兎さんに釘付け。

 

「そうそう学芸会の写真、もう見た? すっごく可愛かったね、王子様とお姫様」

 

 楽しかったよーと誉めてくれる雪兎さんに、二人はさらに顔を赤くして見てるこちらはにやけが止まらない。

 

「でも、途中で(・・・)真っ暗になっちゃって(・・・・・・・)、びっくりしたよね」

 

 ……途中で真っ暗に?

 クロウカードの『(ダーク)』が作り出した闇の空間、一般人は感じることができない、それこそ『闇』に近い属性の力の持ち主かケルベロス並の太陽の属性の力の持ち主くらいじゃないと…。

 

「おまたせしました」

 

 考えてる間に桃矢さんがケーキを持ってやって来る。

 さくらは驚き、小狼は桃矢さんと何故か睨み合ってる。

 雪兎さんに勧められてさくらがケーキを一口食べて、小狼に笑顔で美味しいよっ!と言うと、その笑顔にやられたのか小狼は顔を赤くして店内爆走、迷惑。

 あと、君はさくらにもときめいてるの?

 

「可愛らしい反応ですわね」

 

「かわ……」

 

 まぁ、可愛らしいが、桃矢さんに頼まれてるんだよなぁ…。

 変な虫着かないようにって……。

 まだ様子見、かな?

 なので、こちらを見て頼むぞって目を向けないで、努力はしてみますが……した覚えないけど。

 

「本当に美味しそうね」

 

「観月先生…!」

 

 チッ…結局か。

 

 

 ☆

 

 

 歌帆姉さんとさくらが別席に移り、小狼はその二人の席を警戒するように睨み、知世さんはニコニコしてるだけ、桃矢さんはバイトへ行き、雪兎さんはトイレへ、オレは嫌な気分を癒すようにケーキをパクつていると、小狼が羅針盤を机に置いて様子を見てる。

 

「すごい光ですわ」

 

「これはカードの反応じゃない。 もっと強い力の持ち主がすぐ近くにいる」

 

「…………そのもっと強い力の持ち主候補に歌帆姉さんを入れるのは良いけど、もう一人居るぞ」

 

「え?」

 

「誰だ?」

 

「………ゆ」

 

「祐介くん、李くん、知世ちゃん、新しいケーキ入ったよ、行こう?」

 

 名を告げる前に、雪兎さんに話し掛けられ、小狼は視界の端に映ったのか、さくらと歌帆姉さんが手を繋いでるとこを見て、ムカついて、強い力の持ち主の話は有耶無耶になった。

 

「あの先生には気を付けろってあれほど……」

 

「さくらちゃんですもの。 でもどうしてさくらちゃんにアドバイスを?」

 

「え?」

 

「祐介くんのようにお手伝いではなく、クロウカード探しのライバルが居なくなれば、むしろその方が良いですわよね? 何故、さくらちゃんのこと気になさるんです?」

 

 ぐいぐい、ずいずい、ドンドンと質問する知世さんに、小狼は言葉に(ども)りながら、なんとか言おうとするがーー

 

「お、お、お、お、俺は! そ…そん! ぜ、ぜ、ぜ、ぜ、絶対ちが…!」

 

「何が違うんですの?」

 

 敢えなく撃沈した。 南無。

 

 

 ケーキを堪能して知世さんが此処で別れると言ったので、オレもさくらと小狼達と別れる。

 別に歌帆姉さんと居たくないって理由じゃない。

 大道寺家の一人娘を一人で帰らせるのが不安、そう、友人として心配だからだ。

 まぁ、それ以外に……

 

 チラリと歌帆姉さんと喋ってる雪兎さんを見る。

 

「………」

 

 まぁ、桃矢さんの友達だ。

 例えそれが『(ユエ)』だったとしても、心配はないだろう。

 

「オレは知世さんを家まで送るよ」

 

「あら、いいんですの?」

 

「構わない」

 

「うん、それじゃ、また明日ね、知世ちゃん、祐介くん」

 

 

 ★

 

 

 祐介くんと隣同士で歩く。

 さくらちゃん達と居るときもそうですが、多人数でもこうして二人っきりの時でも一緒。

 李くんが来る前は、私の隣はさくらちゃんだったり、私が撮影に入る時は私が一歩下がった状態でカメラを向けてる。

 だからでしょうか?

 もはや日常と化したこの組み方に安心感があった。

 でもそれはちょっと少し前…観月先生。

 あの方が来てから祐介くんとの距離は近くも遠い、透明で分厚い壁が出来たかのような感覚を覚える。

 誰も通さない、誰も触れさせないように、自分の心を守ってる。

 

「………祐介くん」

 

「ん?」

 

 じっと祐介くんを見て耐えきれず、私は祐介くんの壁に触れる。

 

 ーー観月先生と祐介くんは親戚と聞きましたが、親戚仲良くないんですの?

次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか

  • 次話は祐介の婚約者襲来
  • 次話はさくらカード編
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