なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮)   作:極麗霊夢

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本日の更新二話目です。
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第十三話 最後の『審判』

 気絶した雪兎さんが魔法陣の上で翼に包まれた。

 驚くさくらと小狼。

 小狼は歌帆姉さんを警戒してたから、二重の意味で驚いてる事だろう。

 

 バサァッと、翼が広がって中から現れたのは銀色。

 そしてあの時、『(ミラー)』を占った時に見えた冷たい目。

 凛とした表情に冷たい眼差し、銀の長髪に穢れを知らない白と銀の衣装。

 まさに月が如き美しさ。

 『(ユエ)』という名は伊達ではないようだ。

 

「だ…だれ?」

 

(ユエ)…『クロウカード』のもう一人の守護者や」

 

 さくらの言葉に答えたのは、彼の対となる存在にしてさくらの相棒であるケルベロス。

 さくらは驚き、そして雪兎さんを探そうと辺りを見渡すが、歌帆姉さんが月が雪兎さんだと告げる。

 

「…久しぶりだな、ケルベロス」

 

 月の挨拶にケルベロスは、自身の油断、思えばと雪兎さんとの接点、歌帆姉さんが側に居たことで察知が出来なかったと告白した。

 

ケルベロス(わい)と対で産まれた、、もう一人のクロウカードを見守る者『(ユエ)』。 中国語で(つき)のことや。 ねーちゃんも知っとるよな?」

 

「ええ、知ってるわ。 私もちょっとだけ関係者だし…」

 

「……」

 

「月とつるんどったちゅうことか!?」

 

「いいえ、初対面よ」

 

 歌帆姉さんの言葉に、ケルベロスだけでなくオレも反応する。

 いや、オレとケルベロスの考えは違うが、オレは歌帆姉さんは本家からオレを監視するないしクロウカードの所有者、所在を知らせる為に派遣されたと考えていた。

 が、歌帆姉さんの言葉は、本家とは別のもう少しクロウカード寄りの言わば第四の勢力側の雰囲気を感じる。

 

「どう、いうことなの!? カード全部集めたら『災い』は起こらないんじゃないの?」

 

 いまだに頭の処理が追い付いてないのか、必死に理解しようとケルベロスや月、歌帆姉さんに言い寄るさくら。

 

「さくらちゃん、誰が言ったか知らねーが、あの李家の坊主が言ってたろ? この友枝町に力が集中しすぎてるってな。 そ、力だ。 それはまだ無色の力だ。 どんな風にも転がる。 それはこの世の『災い』が起こるほどの、な」

 

「ぜん、、、ちゃん」

 

「さくら、クロウカードを集められたもんには、『最後の審判』があるんや」

 

「ケロちゃん…」

 

 ケルベロスの言葉の中の『最後の審判』に反応してか、それともこれ以上の問答は無用と判断したのか、月は月峰神社の鳥居の上に立つ。

 

「クロウの作りしカードたちよ、汝らの主たることを望む者達がここにいる。 まずは、、、李家の者…お前だ」

 

「!」

 

「我、『審判者・月』、『最後の審判』を行う」

 

「望むとこだ!」

 

 小狼と月との対決。

 小狼は剣を顕現させ、風、火、水、雷術を使うも、月の高速ともいえる速度に目が、体が追い付いて行かず、その体にどんどん傷を増やしていく。

 

「くっ…速い、ならっ…『(ファイト)』!」

 

 月の高速戦闘に対処する為、小狼は自らの体にクロウカード『闘』を宿し、近付いてくる月の気配の先読みからのカウンターを狙うはずだったが………

 

「小狼…それは悪手だ」

 

 オレが持つ『(パワー)』と対となる『(ファイト)』。

 『力』は太陽、『闘』は月の属性。

 

「『闘』は俺の配下カードだ。 俺に対して有効に働くことはない」

 

「…うわぁああああーーーーーー!!」

 

「小狼くん!!」

 

「……月属性のクロウカードしか持たないお前に俺を倒すことなど不可能だ」

 

 倒れる小狼を背に、月は再び月峰神社の鳥居の上に戻った。

 そしてオレへと目を向けた月は、、、

 

「次は貴様だ。 安倍家の人間」

 

「……出来るなら安倍って括りは勘弁して欲しいな」

 

 まったく、どいつもこいつも安倍安倍安倍と、安倍晴明は祖先だし、偉大な術師だから尊敬はしてるが、身近にくそみたいな存在が多いから、安倍と言われて先に思うのが、あんなのと一緒にするな…だ。

 

「来ないなら此方から行くぞ」

 

 そう言って月は右手を上げ、手のひらには魔力を物質化させた結晶を出して、それをマシンガンのように射出してきた。

 

「よっほっ」

 

 とんでもない速度の結晶を回避していくが、服や薄皮一枚と傷だらけになっていく。

 

「チッ…」

 

 舌打ちを一つ。

 李家には自分の配下カードということもあり、無効出来るから接近戦を許したんだろう。

 加えて小狼は剣やクンフーが使えても、まだまだ子供で体格差に技量は月が有利。

 それに比べてオレは月の配下カードが一枚、『(イリュージョン)』、ケルベロスの配下カードが一枚の『(パワー)』。

 『幻』の方は小狼同様に無効化される恐れがある。

 ならば『力』をと言いたいが、ああまで遠距離攻撃を主体に置かれては近付けないし、そもそも小狼とオレの体術の差は殆んどない。

 

「技量差でも問題ないだろうに、この徹底されたオレ…というか『対安倍晴明戦術』」

 

「そうだ、安倍晴明…アイツは術師でありながらよく前に出ては、その拳で化生達を滅してきた。 クロウ(・・・)との勝負の時もクロウ(・・・)の虚を突いてきたことがあった。 故に、貴様ら安倍家に対して、俺は徹底的なまでに距離を置いての戦術をする」

 

 ふざっけんな!! 現代の安倍家はバリバリの後方術師だっつーの!! 拳と術を合わせたバカみたいな戦術は、安倍晴明とその人に指南してもらってるオレだけだっつーの!! 何が審判だ!! クロウさん、審判役、絶対ケルベロスの方が…………いや、待てよ?

 

「なんや?」

 

「…………」

 

 ケルベロスと月を見る。

 双方の態度を視る。

 二人の感情を診る。

 客観的に両者と対象が彼の人物と比べ観る。

 

クロウ(・・・)

 

「?」「!!」

 

 ケルベロスのキョトンとし首を傾げる態度に、憎しみ、いや、嫉妬の感情を宿した瞳と、飛んでくる結晶の激しさを看るとわかった。

 わかってしまう。

 これは、消去法……ケルベロスが審判に相応しいとかじゃなく、ケルベロスが選定者にならないといけないんだ。

 でないと、クロウカードが散って集めないといけない時、月が選定者なら絶対に動かない。

 なら、ケルベロスが選んだ人なら、月をどうにかすることが出来るのだろうかと考え、さくらを見る。

 

「ほえ?」

 

 永い月日、想ってた従者が新たな主候補を認める事はない。

 だが、さくらにその可能性を視たのなら?

 その為の対策(ケルベロス)がされていたら?

 それだけじゃない。

 対策は他にもある。

 安倍晴明といまだに繋がりがある対策(オレ)

 クロウカードの場所を示す羅針盤を持つ対策(李家)

 そして……

 

「………祐介くん」

 

 安倍家の分家が本家に行ってこいと言われた訳でもないのに、クロウカードを集めた頃合いで都合よく、クロウカードの一枚の効果を破壊するような魔具を持って現れた対策(歌帆姉さん)

 

「はいはい、今度会ったら一発ぶっ飛ばしてやる…あの狸」

 

 対策に対策を重ねた出来レース。

 要望通りにしてやるよ。

 

「さくら」

 

「なに?」

 

「一つだけアドバイスだ。 陰陽術には同じ属性を持つモノ同士傷を付けることは出来ない。 ましてやそれが上位の者に使うなら尚更。 だけどな、それしか方法がないと思ったら突き進め」

 

「え」

 

「どういうつもりだ?」

 

 さくらは驚き、月も意図を聞いてくる。

 だがそんなの知った事ではないな!!

 

「『(パワァア)』!!」

 

 何故ならこれはただの八つ当たりでもある。

 

「善鬼!」

 

「主ぃ、審判は「遊ぶぞ」………へ、了解了解」

 

『ーーーーー♪』

 

 善鬼は仮の姿から本来の鬼の姿へと戻り、『力』はオレの体に宿り、善鬼と共に遊べる事に歓喜で震える。

 

 最後の審判はカードを封印した術師が一人で、カードの産みの親であるクロウがその守護者にと、自身の両腕として造り出した従者に挑む。

 全うな審判なら許されんだろうが、全うじゃないなら良いよな?

 

『仕方ありませんね、ですが、これでチャラ。 殴るのはやめてください』

 

「月をぶん殴るのは、占いの件で許してやる。 だが出来レース(こんな審判)やらかした責任は別!」

 

「何を言ってる」

 

「こんな審判やと?」

 

 おっと二人は知らないか、まぁ、だよな。

 まぁ、あと少しで終わるんだ。

 それまでこの二人が気付くことはない!!

 

「いくぞ、善鬼!」

 

「おうよ! 久々の勝負と行こうぜ! 月!!」

 

「チッ…」

 

 さぁ、八つ当たりだ! よくも占いの時、妨害してくれやがったなぁああ!!




月の自己紹介欄は原作と同じではありますが、一つだけ…嫌いなものに安倍晴明や陰陽師があります

次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか

  • 次話は祐介の婚約者襲来
  • 次話はさくらカード編
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