なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮) 作:極麗霊夢
体育の時間。
今日の体育は、グラウンドで何故か跳び箱。
前世では跳び箱なんて体育館でやる授業だったが、この時代なのか世界なのか跳び箱は外でやるみたいだ。
そして今日は隣の
桃矢さんの動きは流石の一言としか言えない程に、声出し、チーム全体の把握、技術どれをとっても一流だ。
さらに桃矢さんの抜群の運動神経についていくもう一人の男性。
見た感じ桃矢さんの友達みたいだが、あ、桃矢さんが木之本をからかってる。
微笑ましい風景に思わず笑う。
オレには兄と呼べる人は居なかったが、従姉は居た。
あまり仲の良い間柄じゃ無かったけど、確かにあんな時期があったと思い出す。
「主ぃ! クロウカードの反応だ!」
「何!?」
善鬼の言葉に陰陽師として体が反応するが、突如として襲い掛かって来たのは風――それも暴風の類いだ。
風と聞いて思い当たるのは、木之本が持つ『
だがそれは既に封印されてるし、木之本が使用しない限りこんなことにはならない。
つまりは……
「『風』じゃない風系統のカードっ!!」
暫くして暴風は収まり、グラウンドは危険と判断されて体育館に移った。
○
夜。
オレは木之本とケルベロス、大道寺と一緒に友枝小学校のグラウンドに来てた。
目的は勿論、体育の授業で暴れたクロウカードだ。
「確かにするなぁ。 これはクロウカードの気配や」
ケルベロスが周辺の気配、魔力を察知して呟くが、オレとして気になったのは、木之本の服装。
明らかに普通の服とはかけ離れた……言わば、そうコスプレ衣装みたいな服を着ていた。
前のクロウカードの時もコスプレ衣装を着ていたが、、、
「あら、さくらちゃんがどうかしました?」
「ほえ?」
「どないした、小僧」
と、どうやらジロジロと見すぎたようで、大道寺がオレに話し掛け、木之本とケルベロスもオレの方を向く。
大道寺もケルベロスも木之本の格好に何も感じてない。
オレがおかしいのかと思ったが、よくよく見るとケルベロスもオシャレしてる。
これは流石に指摘しないとまずいだろうと思い、口を開こうとした瞬間―――
「主ぃ!」 「さくら!」
「「
体育の授業の時とは比べ物にならない暴風が、グラウンドに居たオレ達を襲った。
そんな中、木之本が言っていた大きな鳥を見た。
「でか……」
「これは『
その鳥は大きいなんてものじゃなく、怪鳥と言っても良いくらいだ。
大きな鳥になかば引いてたオレの耳に、ケルベロスの焦った声が聞こえた。
「あかん、さくら! 『翔』のカードに『風』はって何してるんや小僧!!」
『風』と『翔』がぶつかろうとする寸前、オレは木之本の前に出て、ケルベロスが叫ぶ。
問題ない。
オレが今からやる事は、ただ一つだ。
思い返す、母さんから受けた修業の数々の一つを……。
『いいですか? 風に抵抗してはいけません。 風を強制してはいけません。 風は風の思う通りに……』
「風を跳ね返すじゃなく、そっと流す」
『風』の力を受けてさらに魔力が増した『翔』が巻き起こす突風。
タイミングを見計らって、腕に手に指に意識を傾けて風を流す。
強い抵抗があったが、一纏めの突風は二つに別れてオレ達を避けるように流れていく。
勿論、完全には出来なかったが、髪が凪ぐ程度のそよ風だし、怪我もないだろう。
「おお、ようやったなぁ小僧。 まさかあの突風を逸らすとは思わへんかったわ」
「すっごーい!」
「ええ、本当に」
「まぁ、幼稚園児の頃から陰陽師の修業をしてたからな」
「でもなんで『風』のカードが効かなかったんだろ」
「それはやな。 『翔』もまた風属性のカードやからや」
「でもでも、『
「そら、小僧がぬいぐるみをバラけさせて驚いてるところを、やったろ」
あー、あの兎は『跳』って言うのか。
確かに移動補助系カードだ。
「それにあいつアホやしな」
ケルベロスの何気ない言葉に木之本はずっこける。
どうでもいいが、そんなにずっこけたりしてると、後々の黒歴史になるぞ……とは言わない。
なんだかんだでからかうネタになりそうだし……。
「それにクロウカードってのは性格があるんだぜ」
「なんで青玉が知ってんねん!!」
「いや、オレっち晴明に使役されてた鬼だし」
「まぁた、あの姉ちゃんか。 ま、こん青玉が言うとったように性格がある。 『風』は大人しゅう上に優しいからなぁ。 あんま荒事は苦手やねん」
「じゃあ、『翔』は?」
「あいつも『風』と同じく大人しいヤツねんけどなぁ」
そう言ってケルベロスを語るのを止めて、オレの方を見た。
「そや、小僧……『翔』が来る前、さくらを見とったんはなんでや?」
「え、ああ、あれか。 いや、まぁ、木之本の服とケルベロスのオシャレについて疑問にな」
「それは私がさくらちゃんとケロちゃんの為に作ったコスチュームですわ」
と、今まで黙っていた大道寺が、カメラをしまいながら言ってきた。
なんでもカードキャプターとして様々な魔法を使う木之本を撮影する時、コスチュームを着ていた方がいろいろと捗るとかなんとか。
大道寺の熱意にオレは「そうか」としか言えず、最近多くなったため息を一つ吐いて帰ろうとしたら―――
「よろしければ桐生くんのもお作りいたしましょうか?」
「遠慮しておきます」
と、大道寺の提案を秒で断った。
これが母さんにバレたら、ノリノリでコスチュームを選びそうだし、オレへの黒い歴史は今世ではあまり増やしたくない。
「んじゃ、また明日」
「またね! 桐生くん」
「おやすみなさい」
「ほななー!」
パタパタと手を振る善鬼の頭を鷲掴みにして、オレは友枝小学校を後にした。
○
今日の放課後、木之本がうまく出来るかわからないけど、やってみたいことがあると言われて夜。
オレ達は友枝小学校のグラウンドへまた来た。
そして当然のごとくコスプレ衣装。
テーマは「羽」らしい。
「大丈夫なんか、さくら。 手持ちのカード三枚やと『翔』を捕まえる魔法にはならんで?」
「うん、うまくいくかわかんないけど、やってみる!」
木之本が覚悟を決めた時、そよ風は暴風となった。
「キャアアアァ!」
「さくらちゃん!」「さくら!」
暴風で飛ばされた木之本に、大道寺とケルベロスが木之本の名前を呼ぶ。
オレはオレで昼に木之本が言っていた事を実行する為に、友枝小学校の屋上で待機した。
木之本はもし駄目だったら、傷付けないように『翔』を捕まえてあげてと言っていたが、果たして……。
結果から言えばオレは必要なかった。
木之本は見事、三枚のカードを……いや、『
どうやら『翔』は怪我をしていたようで、自分以外の魔力持ちを察知して怪我を治してほしいと出てきたようだ。
まぁ、あの暴風の中で気付くことないんだが、それだけ痛かったのだろう。
ちなみに木之本はそれを夢で見たらしい。
「予知夢が出来るとは、流石はケルベロスに正式な後継者として見初められるわけだ」
No.2 善鬼
通称 青玉(ケルベロスだけ言ってる)
誕生日 不明
好きな食べ物 酒・肉
嫌いな食べ物 臭うもの
好きなもの 桐生祐介
好きな色 黄金
好きなTV番組 歴史番組
好きな花 サンザジ
今欲しいもの 酒
居場所 祐介の傍
本当の姿 祐介から角が厳ついと言われて仮の姿でいろと言われたのでなる気ゼロ
次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか
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次話は祐介の婚約者襲来
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次話はさくらカード編