なにも知らない転生者がカードキャプターさくらの世界で活躍させる物語(仮) 作:極麗霊夢
「え? 明後日雪兎さんの誕生日!?」
『ああ、まぁ、知り合って間もないからプレゼントはいいと思うが、誕生パーティどうする? 来るか?』
「行きます! 勿論、誕生日プレゼントも用意します!」
『そうか? まぁ、無理しない程度にな。 んじゃ、明後日さくらと一緒に家に来いよ、あいつもな』
「はい、ありがとうございます!」
ピッと電話を切って、即座にへそくり封筒を見る。
この間、運動会で母さんが来たときにいくらか残してくれたのがまだあったはず。
封筒からお金を出して、元に戻す。
「残金、一万円いっぱい……」
いくらかと表現したが、お金をいっぱい渡されてた事を今思い出した。
「うまいもん食えるな!! 主ぃー!!」
「節約して行こうなぁー」
雪兎さんは確か桃矢さんと一緒にバイトしたり、部活の助っ人に呼ばれることがある。
つまりはタオルという消耗品が一番と思われるが、果たして誕生日にタオルってどうなんだ? ここはオレの誕生日を参考に……。
『はい、御札。 私が作ったモノです。 参考にしてもらって良いですよ』
本家のオジョウサマに渡されたのは、霊験あらたかな御札。
札作りが苦手なオレにこれを見て参考してくださいと煽ってきた、却下だな。
参考にならん。
『はい、ゆーちゃん。 母からの誕生日プレゼントです』
と言って、母さんが渡してきたのは霊験あらたかな木刀。
これでさらに修行に精を出せとのこと。
却下、参考にならず……。
身内はダメだ。
身内でなくかつ親しいと言えば、貴史と三原だな。
そう言えば二人には誕生日教えてないから、もらってないな。
逆もまた然り、、、オレ、貴史にも三原にも誕生日プレゼント渡してないというか教えてもらってない!! え、オレって誕生日パーティー初心者? くそ雑魚ナメクジとか言われちゃう? いや、桃矢さんも雪兎さんもそんなことは言わない。
「どうしよ?」
「とりあえず明日の放課後いっぱい使ってプレゼント探そうぜぇ~」
「そうだな」
そうと決まれば、明日に備えて寝よう。
おやすみ。
○
次の日。
問題が起きた。
いや、わかってたんだけどね? 李家の者が友枝小学校に転入して来るなんて、でもそれがうちのクラスとは思わないじゃん? そして休み時間に木之本を連れ出してクロウカード寄越せとか詰め寄るとか……。
確かクロウカードは、カードに書かれた人の名前を主と定める魔法のカードだ。
仮に木之本が渡しても使えんだろうに……。
そして次の休み時間にオレを呼び出して、同じことを……。
「それはクロウ・リードのモノだ!! よそ者が保管していいモノじゃない!!」
確かにクロウカードは大魔法使いであるクロウ・リードのモノで、その遺産たるモノが出てきたのなら遠縁の李家が回収するのは当たり前。
でも、いくら遠縁だからと言ってクロウカードの所有者ぶるのは頂けない。
「オレが持つカードは『
カードから手を離すが、カード自身が浮いてオレの傍による。
「くっ寄越せ!」
飛び掛かって来る李を避ける。
オレが動いたことにより、当然カードもオレの側までやって来る。
「そんなに焦るなよ。 まだまだクロウカードはあるんだ。 これから集めていけばいいだろ?」
「……っ」
と、ここで予鈴が鳴り、オレは李の襟元を掴んで教室へと走った。
李は離せだとか喚いてるけど、正直まだ学校に不馴れな転入生を放置したくはない。
そして放課後。
「貴史」
「なに? 祐介くん」
「年上の同性の誕生日に最適なプレゼントってなんだ?」
「それだけじゃちょっとわかんないかな」
「んー、優しくて大食漢、眼鏡をしたスポーツマンかな」
「スポーツはどんな?」
「なんでもみたいだ。 オレが見たのはサッカーくらいだし、部活の助っ人の立ち位置だからプライベートでは読書とかしてそうな人だな」
もしくはなにか食べてる。
「そうだねぇ……そうなるとブックカバーとかどう? 今では色んなのがあるし、奈緒子ちゃんなら良いブックカバーとか知ってそうだよ」
「なになに~、ブックカバー?」
「あ、奈緒子ちゃん」
貴史が柳沢の名を出すと、近くに居たのか柳沢がやって来た。
どうやら無類の本好きとして、自分の名前とブックカバーにつられて来たみたいだ。
「祐介くんの年上の友達の誕生日にブックカバーを勧めたんだけど、奈緒子ちゃんの方が詳しいんじゃないかって」
「そうだね~。 女の人?」
「いや、男」
「なら灰色、黒、青かな? 飾りっけがないのもいいかも」
「そんなものか?」
「うん。 女性ならそういう模様とかも意識するけど男の人ならだいたいが無地だよ」
「なら灰色……いや、白とかかな? イメージ的に」
「白と黒は結構無難なとこだね」
「………………」
ニコニコと笑顔を絶やさない貴史を置いて、柳沢と話してるが、経験的にもうすぐかなっと思ったら案の定……
「ブックカバーって言うのはね?」
始まった。
「山崎くん」
「ん、なに? 奈緒子ちゃん」
「本関連での嘘は私が許さないよ」
「……………………なんでもないです」
しかし、柳沢による先制攻撃に貴史は撃沈した。
「ここはいろいろな小物が売ってあって、ブックカバーもあるんだよ。 あ、さくらちゃん、知世ちゃん、利佳ちゃん」
「奈緒子ちゃん!」
「桐生くんに山崎くんも居ますわね」
「やぁ!」
「買い物か?」
「うん、雪兎さんの誕生日プレゼント」
なるほどと、先程木之本が居た所を見ると茶碗とお箸がセットで飾ってある場所だ。
誕生日のプレゼントとしては奇抜だが、しかし、渡す人のことを考えたらなるほどと納得する。
「オレも誕生日プレゼントを買おうと思ってな」
「桐生くんは何にされるんですか?」
「何もない休みの日は読書もしてると聞いたからブックカバーだ。 最近お洒落グッツとしてあるみたいだから。 木之本は……なかなか良いんじゃないか? 雪兎さんなら」
「そう思いますわよね!」
「ああ」
「じゃ、じゃあこれにするね」
そう言って、木之本は茶碗とお箸を持ってレジへと向かい購入した。
オレもブックカバーを購入とブックカバーが置かれてる場所へ向かおうとした時、カバンの中からゴソゴソと動く気配を察して物陰に隠れてカバンを開ける。
「主ぃ~」
「……………………なんだ」
まだ人もいる中で、ゴソゴソと動くな喋るなと言いたい気持ちをグッと堪えて、オレは善鬼のキリッとした真面目(であろう)表情を何処と無く察して……
「お腹すいた」
「サッカーボールにしてシュートしてやってもいいんだぞ、クソ玉」
ギュッと善鬼の頭を指で摘み、ギューッと力を籠める。
「あだだだだだっ!! 主ぃ、痛いぃ~!!」
「オレも頭が痛い」
しばらくして佐々木とオレがレジへと行き、さくら達と別れて家に帰る途中に善鬼が突然元のバレーボール大のサイズになって出てきた。
「主ぃ、クロウカードだ!」
「なに! どっちだ!?」
「木之本の嬢ちゃん家だ!!」
「急ぐぞ!!」
桃矢さんによろしく頼むと言われた手前、魔法関係で怪我をされたら合わせる顔がない!!
強化に強化を重ねて木之本の家付近にたどり着くと、慌てて走り去る李とすれ違い、家の前で呆然としてる木之本と雪兎さんがいた。
「あ、雪兎さん、こんばんは」
「こんばんは、祐介くん」
月城さんの立ち位置がよくわからない為、周りの状況から察するにクロウカードの封印は行えたのだろう。
佐々木を木之本の家に運び込んだあと、オレは自分の家に帰った。
○
次の日の休憩時間。
李がまたどっか行こうとしてるのを見掛けたので、気配を消して後を追うことにした。
すると聖條高校に繋がるフェンスの所へ出た。
向こうには桃矢さんと雪兎さんがいる。
「主ぃ……なんか嫌な予感するぜぃ?」
「ああ、オレもそう思う」
茂みに隠れながらも様子を見てるが、桃矢さんは雪兎さんと話していて李にまったく気付いてない、というよりも李も若干こそこそしだした。
そこからどうなるかと思ったら、桃矢さんが雪兎さんの肩についた葉っぱを取ろうとしたらって!!
「あの馬鹿! 一般人に向かって術札だと!?」
「主ぃー!!」
「悪い!」
足元へスタンバっていた善鬼に謝罪しながら蹴り、奴の術札が桃矢さんに引っ付く前に善鬼が回収。
邪魔をされたことでオレの方へと振り向く李、善鬼は桃矢さんがキャッチした。
雪兎さんはオレの方へと手を振ってる。
「また貴様か!!」
「ハッ! 一般人に術札とはな。 同じ東洋の術者として恥ずかしくない行動を取ってくれよ、クロウの遠縁さん」
「チッ」
「すみません、またせちゃって!」
李とにらみあってると、木之本が紙袋を抱えてやってきた。
紙袋を閉じてあるシールを見てみると、どうやら昨日買った誕生日プレゼントみたいだ。
って、え? 今渡すのか? ま、まぁ、オレは今晩渡そう。
「今日、お誕生日ですよね……」
顔を真っ赤にしながらもプレゼントを渡し、李が初耳!と言わんばかりの顔をして、身体中をまさぐる。
「わー、可愛いお茶碗とお箸だね」
そして何かを見つけたのか、微笑ましい二人の間に入っていき、李は雪兎さんに四角い何かを差し出した、顔を真っ赤にして……おい、まさか……。
「た、誕生日」
「もらっていいの?」
雪兎さんの問いに無言で赤ベコのように頷いて走り去った。
またも呆然とするオレと、今度は木之本。
その様子をいや、大分前から撮ってるいた大道寺が、面白くなってきそうですわと言わんばかりの声で爆弾発言をした。
「あの転校生さんも、月城さんをお好きみたいですね」
お好きみたいですね、お好きみたいですね、お好きみたいですね。
男同士なんだが?
どうやら木之本には『クロウカード』集めでも『恋』でもライバルが登場と言ったところか。
次話について祐介の婚約者が襲来する話かさくらカード編にすぐ繋げるか
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次話は祐介の婚約者襲来
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次話はさくらカード編