ラブライブ!〜ヤンデレファンミーティング〜   作:べーた

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ぽぽろ氏のリクエストで特別に書きました。

今回はギャグ調、明るめのヤンデレです。





同類パートナーシップ・前編【曜&善子】

——善子Side——

 

 

 

 

「はぁ~、今日も一段とカッコいいわねぇ……♡」

 

 

堕天使ヨハネたる私は、闇の儀式を絶やす日はない。でもそれは、生配信という一方的な『送信』だけでなく……魔界からの『受信』も含まれる。

 

そうね、愚かな人間たちにもわかるように言えば……『録画』ってヤツかしらね?

 

我が魔力を受けた画面に映っているのは、ある男性の自宅の一室。棚に置いてあるぬいぐるみの瞳には、小型のカメラが仕込んであるの。何が目的で撮っているかなんて……そりゃその部屋の人を見るため、以外にありえないでしょ?

 

 

……あっ、噂をすればね。部屋に彼が戻ってきたわ!出ていっていた時間からして……ただのトイレでしょうね。そしてその後は、私の待望の……♡

 

 

「ああ……生着替えに裸までバッチリ見せてくれるなんて。ひょっとしてわかっていて、私に見せようとしてくれてたりするのかしら♪」

 

 

 

……え?何か言った?

 

 

『そもそもカメラを仕込んだが私じゃないか』ですって?

 

それに、彼の家に行くたびに自分で位置を調整した?

 

占いの結果この位置がベストだーって言って、ここに置かせた?

 

 

 

まあ、それをしたのは実際、私だけど……細かいことはいいのよ細かいことは。

 

愛する彼ならきっと、私のためにわざと見せてくれてるに違いないわ!!うん、そっちの方がいいから、これからはそういうことにしちゃおーっと♪

 

 

そして……ふふふ。こうして撮りためた録画データは、ちゃ~んと外付けSSD2台態勢で保存してある。音声が録れないのは不満だけど、しょうがないわよね。あのぬいぐるみには、そこまでスペースがなかったんだから。重くなると変に思われそうだし、予算も足りなかったし。

 

何より、急に色々渡しても怪しまれちゃうから、段階を踏まなきゃダメよね。

 

 

 

「でも、いつまでもこのままの関係ってわけには、行かないわよね……」

 

 

そう……私にはあまり猶予がない。

 

だんだんAqoursのみんなが、彼の魅力に気づいてきてる。

 

いえ、もしかしたら既に何人かは、『私と同じ』って可能性もあるわ。曜とか家が近

いし、私に負けないくらいよく遊びに行ってるみたいだし……特に注意しなきゃいけない相手と言えるわね。

 

曜は私と違って、明るくて元気で友達もたくさんいる。勝つためにはアピールするペースをあげるか、何かをきっかけに、一気に彼と距離を縮めないといけないんだけど……。

 

 

「……あっ! そう言えばこの前読んだ雑誌に、『好きな人とお近づきになるには、私物を交換する』っていうのがあったわね!?」

 

 

別に私は、匂いフェチとかそういうのじゃないけど……『彼氏と同じものを持ってる』って、想像するだけでも幸せになれる。

 

……しかも、私が使ったモノを彼が使えば、もう実質的に夫婦なんじゃない!?(※違います)

 

 

そうね、ラインナップ的にはまず、定番の歯ブラシでしょ、タオルでしょ、シャンプーの中身とか変えておくのもいいわね、彼シャツとか~お揃いの堕天使の羽もいいかも————……

 

 

 

———……はっ!いけないいけない、軽くトリップしちゃってたわ!?

 

でも、そのくらい威力がある手段ってことよね?

 

私だけじゃなく、相手の男の人にも……。

 

 

 

「コレはもう、実行するしかないわね! 彼の家に遊びに行くたびに、同じモノを調べて、買って……私が『使った』モノと入れ替えておけば……」

 

 

それだけで、私と彼のいろんな部分が混ざり合う!!

 

ぎ、儀式だわ……これこそ融合だわ!

 

究極の、愛!!これまでの私の儀式とは比べ物にならない、深淵の闇、堕天!!

 

夫婦どころか、もはや永劫の契りよー!来世まで続くラグナロク(?)よー!?

 

 

「そうと決まれば、さっそくやっていきましょう。ぬいぐるみの中のカメラや、行くたびに隠し撮りしてた写真で、彼の私物は現時点でもある程度、特定できるはず……」

 

 

善は急げよ!善子だけに!

 

 

 

 

 

……って私はヨハネよ!!

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

——曜Side——

 

 

 

 

 

『うーん。なんだか最近、身の回りの物が変だな~……』

 

 

耳につけているイヤホンから聞こえてくる声。

 

それは最近ハマってる、大好きな人の声……♡

 

 

彼の部屋には、私が仕掛けた『音声受信機』がある。

 

お金と時間に余裕がなくって、カメラまでは手を出せてないんだけど……声だけでも本当にうれしい。

 

いや~、遠く離れた人の声を聞けるなんて、便利な時代だよね♪(※大問題です)

 

好きな人の声はいつでも聞いていたいし……スクールアイドルを通して勉強した編集技術を活かして、色々と切り貼りして。私のことを好きだって言ってもらったりもしてるんだよ♡

 

最近はイヤホンと編集機材が手放せなくなっちゃったね、ホント。

 

 

 

「ああ、今日もキミの声が聞けて幸せ……♡」

 

 

ただ、贅沢かもしれないけど……録音と編集ばっかりじゃ、流石にだんだん、味気なくなってきちゃったよ。

 

早く現実に言ってもらいたいなぁ……Aqoursのみんな彼を狙い始めてるみたいだから、急がなきゃいけないんだけど。その証拠に、こっちは彼の声を聴いてるって言うのに、家にやってくる善子ちゃんの声もよく入ってるし。

 

でも、焦りすぎてもよくないからね。

 

彼の部屋限定ではあるけど、こうして独り言や会話はチェックして、じっくりと好みや弱点を探って、チャンスを伺ってる。上手く弱みを握っt……コホン。一気にオトす方法を見つけるよ!

 

絶対に彼を私のものにする、誰にも渡したくない……そう思うと、ついイヤホンを握る手に力が入ってしまって——————

 

 

『なんだかお風呂とかシャツとか、今までよりいい香りがするような。特に変えてはないつもりなんだけど……』

 

 

 

——————だからこそ、さっきからの彼の言葉は聞き捨てならない、よね?

 

 

私やAqoursのメンバーはよく訪れてるけど、それだけなら彼がそこまで違和感を覚えることはないはず。

 

今度行った時に詳しく調べるとして、いったい何が?

 

節々だけ聞く限りでは、『女』の予感がするけど……?

 

 

『うーん……俺が若年性健忘症とかじゃなければ、モノが入れ替わってる気がする。海外にいる両親が帰ってきてるのはありえないけど、他に勝手に色々生活用品に手が加わるわけないし……。まさか、座敷わらしか!?』

 

 

……思わず部屋の中でズッコケちゃったよ。

 

善子ちゃんじゃあるまいし、そーいうオカルトは無いと思うな……。

 

でも、そうだとすれば……それはそれで『彼の知らない人が出入りしてる』ことになっちゃうよね?

 

しばらく不在にしてた家とかで、天井裏に他人が住み着いてたっていう怖い話も聞いたことがあるし。あり得ないわけじゃない。

 

でも、そういう人だと流石に『いい匂い』とかはしないはず……。

 

 

 

——はっ!?

 

もしかして、もしかすると……

 

 

 

(彼の家に、『ストーカー』がうろついているんじゃないかな!? )

 

 

 

うん、ありえるよねそれ……!!

 

 

「女のストーカーだったら、うまく忍び込んで……自分の私物をさりげなく置いてったり、自分の匂い(意味深)をつけてるかもしれない!」

 

 

うう……昔から近所だったのが、最近やっと男の人として好きだーって自覚できたのに。それを横からストーカーなんかが掻っ攫っていくなんて、絶対に許せないよ!?

 

それに、もしそうだとすれば、家に遊びに行ってる私達Aqoursだって、何かの機会に危害を加えられちゃうかもしれない。

 

 

よーし……

 

 

「私が、彼とAqoursのみんなを守らなきゃ……渡辺曜、女を見せるであります!」

 

 

それほど時間をかけずに対策を決めることができた。

 

ストーカーが彼に自分を押し付けるのなら……私は自分に彼を押し付ける!思いっきり押して押して、押し倒すくらいでいくっ!

 

彼女がいるってことが分かれば、向こうも近づきにくくなるだろうし……きっと、私たちの愛に負けて退散するよね!?

 

 

 

……え? 

 

彼の方が、私を愛してくれてるかって?

 

そんなの決まってるじゃない。彼だってハッキリ自覚してないだけで、絶対本心では私のことを愛してくれてるんだよ!

 

毎日好きだ、とか愛してるーって言ってもらってるし、間違いないよね……あれ?何か変だけど、まあいいや。『結果』はどうせ同じなんだし。

 

 

具体的には、そうだね〜……ここは、彼の部屋や家が散らかりがちなのを利用しちゃおうか?

 

家に行ったら、片付けを手伝うとか言って捨てるふりをして……彼の私物を頂いちゃおう。ゴミの中身や食生活、どんな女の子の趣味してるのか、も気になるけど……やっぱり一番は彼シャツとか、彼の制服着ることだよね。

 

ゼッタイ良いよね〜……想像しただけでもドキドキしちゃう♡

 

 

 

「曜ちゃん、なんだか最近よく一人でイヤホンつけて悶えてるよねー?」

 

「いつもニヤニヤしてるし、ちょっと怖いわよね。何か変なものでも食べたのかしら……」

 

「いやぁ、ベッドの下の本読んでる梨子ちゃんほどじゃないと思うけど……わわっ、隣だから見えちゃうんだよ!? 落ち着いて~!」 

 

 

 

きっと想いは通じ合う。私が彼と混ざり合えば、彼も私を選んでくれる……。

 

 

ほら。今だって離れていても、声が聞こえるんだし♪

 

 

(愛してるよ、曜)

 

(俺が好きなのは君だけだ)

 

(曜のためならなんでもするから)

 

 

 

ああ、耳元で囁かれると背中がゾクゾクしてきちゃったよ……♡

 

編集?録音……?

 

あれ、それ何の話だっけ……次のライブの曲だっけ?

 

 

「まあいっか……彼の声が聞こえるんだから、きっと以心伝心だよね」

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

—善子Side—

 

 

 

 

 

「フフフ……上手くいってるわ。私を存分に体内に取り込むのよ、愛しいビッグデーモン……♡」

 

 

今日もカメラで、彼の私生活をチェックする。私の魔力が染み込んだ色んなモノを、彼が使っている……。

 

(ああっこうして彼は、この堕天使ヨハネの美しさに抗えなくなっていくのね、きっと)

 

クックック……計画が完璧すぎて、我ながら恐ろしいわ。

 

 

 

でも、計画に邪魔ものはつきもので。

 

 

「なんだか最近、また曜が家に来ることが増えてるわね……しかも、部屋の片付けを手伝ってるし」

 

 

曜の手によって、色々と『要らないモノ』が捨てられていく……。

 

中には私が上手くすり替えておいたモノや、そうする予定のモノまで容赦なく。そりゃ、バレないように渡せるのは消耗品が多くなりがちだから、いつかは捨てられるのは織り込み済みではあるのだけど。他の女の手で、っていうのは不本意だわ。

 

 

(流石に、私からのプレゼントっていうこのぬいぐるみを捨てられる、とは思わないけど)

 

あんまり家が綺麗になると、目につきやすくなってバレちゃうかもしれない。それじゃ結局、計画は失敗してしまう……それだけは避けなきゃダメだわ。やっぱり当面のライバルは曜ね。

 

 

それにしても……

 

 

「いろいろと不用心に捨てすぎじゃない? 服とかそのままだし……もしストーカーが彼についたらどうするのよ!?」

 

 

個人情報の保護が厳しい今の時代。宅配の伝票からハガキ、レシートまで、迂闊に捨てちゃダメなのよ!? ただでさえ彼はかっこいいんだから、ヨハネに捧げるべき貞操を狙う女のストーカーが拾って調べてたり、持ち帰って私物にしてたらどうするの!

 

(もしそんなことになれば、魔界からの裁きは免れないほどの大罪だわ……)

 

せっかく私が彼と間接的にでも愛し合えてるのに、ストーカーや変態に邪魔される可能性は消しておかなきゃ。

 

まったく、彼も彼で脇が甘すぎるのよ……曜の言いなりになって。

 

やっぱり私が彼女になって、面倒見てあげなきゃダメね。それならカメラも必要なくなるし、一石二鳥よ!

 

 

 

「でも、いくら曜に言われたからって、こんなに急に片付け始めるのは妙ね……」

 

 

 

映像を見る限り、気づかれてる様子はない。だとしたら、いったいどうして?

 

 

 

「とにかく、次に彼の家に行くときによく確認しなくちゃ。捨てられたモノの行方について……」

 

 

 

 

 

 

 




後編に続く。

たまにはこういう、明るめなのもいいですよね?リクエスト短編もどんどん消化して、長編もどんどん更新したいと思います。
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