ラブライブ!〜ヤンデレファンミーティング〜   作:べーた

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3年生3人組編。タイトルは「G線上のシンデレラ」から。劇場版でさらに三年生が好きになりましたので投稿。ほのぼの(当社比)ヤンデレです。

長編の完結を優先したために更新が後回しになっていた久々の短編です。こちらも充実させたいですね。



3人のプリンセス【ダイかなまり】

〜黒澤ダイヤ〜

 

『信じられません……っ!貴方がそんなことを言うのは、何か事情があるんでしょう!?』

 

『貴方なんて……もう、大っ嫌いだよ!』

 

『そんな男だったなんてね……信じてたのに、最低よ!二度と私の前に姿を現さないで!』

 

 

私に疑われたまま、果南さんに嫌われたまま、鞠莉さんに誤解されたまま……。

 

あの日、一緒にスクールアイドルをしていた3人と、その幼馴染だった彼との関係は、あっさりと瓦解しました。積み重ねてきた長い時間が、ウソのように……あっけなく。

 

東京で歌えなかったこと、想いが伝えられなかったこと、言葉にできなかったこと……色々なことが重なって、かつての『Aqours』は解散。鞠莉さんの留学に伴って、彼も一時は内浦から離れていたのです。

 

それがまた変化したのが、2年後の現在。家の都合で彼が帰ってきたのと同時に、海外留学に行っていた鞠莉さんも帰ってきてしまいました。

 

それだけでも不安になりましたが、千歌さん達の新生Aqoursが生み出した大きなうねりに飲み込まれて、私たちは否が応でも過去に向き合わなければならなくなったのです。どんなトラブルになるか、想像もつきません。

 

当然、私達は当初こそ反目しました。ですが、あんなことが起きても懲りずに再会したような面々だからでしょうか。新しいAqoursのおかげもあって。徐々に誤解やすれ違いは解けていって……

 

私たちは、以前よりもずっと強い絆で結ばれました。千歌さんや妹のルビィには、本当に感謝しなければなりませんね。

 

 

『やはり……貴方は私達のために嘘をついていたのですね。そんなのぶっぶーですわ。罰として……2度と、私の元から離れないこと。いいですわね?』

 

『あの時はごめん。私、何も気づかなかった……貴方は一人で苦しんでたのに、私は全部貴方のせいにして……。今度からは言葉にして?もう迷惑なんてかけない。誓うから……』

 

『私が貴方を想う気持ちを甘く見ないで!自分だけを悪者にして満足するなんて、許さないんだから!……でも、これからはまた四人一緒なのよね? ずっと一緒にいましょう。そうよ、そうすればいいんだわ……ずっとずーっと……」

 

 

ただ……その絆はちょっと強すぎた、かもしれません。当の本人が言うのもおかしな話かもしれませんが。

 

愛ゆえに強い憎しみになっていた激情。それがまた愛に戻った時、何十倍もの強さになってしまったのです。普通の人間なら、そんなものを受け入れてられるほどの器はないでしょう。

 

おそらく、彼もまたその一人……器以上の量の愛を注いでも、あふれてしまうだけ。

 

 

 

……でも、仕方がありませんよね?

 

わかってしまったのですから。ずっと前から貴方を愛していたことを。それが普通の愛というには、長い間積もり、積もり続けて……大きくなりすぎてしまっていたことを。

 

そうなれば、器を沈めるだけのことです。愛で満たされた、湖の底に……。

 

 

 

「だいたいなんですの?我が妹であるルビィはいざ知らず、1年生と2年生の皆さんは。さっきも彼にあんなに色目を使って……!!」

 

Aqoursが再結成されて、ひと月が経った頃。私の胸中は、少し離れた場所で彼に付きまとう他のメンバーに対する、激しい嫉妬の炎に満ち満ちていました。それは、隣にいる2人も同じ……。

 

 

「ホントよねー……? Aqoursのみんなのことは好きだけど、夫になる相手を誘惑するのは許せないわ。彼と結ばれるのは私たち3人だって、決まってるのに」

 

鞠莉さんは、一見すると余裕のある口ぶりですが、その目と声色は全く笑ってはいません。普段の姿とは裏腹に、こちらまでゾクリとしてしまうほど冷たい目で、他のメンバーを睨みつけています。

 

「……やっちゃう?いくらAqoursのみんなでも、彼に近づいていいのは私たちだけなんだって、『教えて』あげちゃおうか?」

 

果南さんに至っては……流石に本気ではないでしょうが、仲間にすら脅しをかけることを厭わないような言葉まで発していました。彼女の腕力なら、それも簡単でしょうね。

 

……と、今はこのような状況。

 

私達3人は、視線だけでも人を殺せそうなほどでした。校舎に人が残っていなかったのは、まだ幸いなことだったのでしょう。スクールアイドルである以上、こんな姿は誰にも見せられませんからね。

 

……先ほども言ったように、自分達でもこの感情は激しすぎると……危険な状態なのだと気がついてはいるのです。

 

それでも……抑えきれない。 

 

私達3人はずっと、ずっと彼のことを、彼だけのことを愛していたのですから……!

 

 

「あの人もあの人ですわ。私達というものがついていながら、いつもいつも他の女にデレデレと……!!」

 

「さっきも千歌に腕を掴まれて、満更でもない顔で鼻の下伸ばしちゃってさ。絶対、千歌も誘ってるんだよ……イライラするよね!?」

 

「もしかして……私たちを嫉妬Fireさせて楽しんでるのかしらね?だとしたら顔に似合わず、相当なドSよね。そういうのも嫌いじゃないけど、せめてベッドの上だけにしてほしいわ」

 

 

そのあまりにも危険な愛は、彼と他のメンバーの無自覚もあって、既に爆発寸前となっています。しかし爆発させてしまえば、せっかくのAqoursも、彼もどうなってしまうか……いえ、どうしてしまうかわかりません。

 

最後に残された理性が送ってくる警告なのか……とにかく、そういった事は私たちも望むところではないのです。だとしたら、何かいい手はないのでしょうか……。

 

彼を完全に自分達だけのモノにして、身も心も愛して、私達も愛されるためにはどうすればいいのか。来る日も来る日も考えて、ある日思いついたのです。

 

「「「既成事実を作ってしまう方が早い(のでは?)(んじゃない?)(と思わな~い?)」」」

 

私達4人が、本当の意味で一つになる方法。言ってしまえば肉体関係を結ぶこと……これは夫婦の正しい在り方ですから、破廉恥にはあたりません。しかし、大事なのはその方法です。普通に迫ったところで、彼は首を縦には降らないでしょう。1人でさえもそうでしょうし、3人と将来を約束しろと強制すれば、なおさらのことです。

 

だからこそ、策が大事。

 

彼が私たちを拒まず、自分から3人を娶るように仕向けるには……。

 

この時、私の策略と鞠莉さんの資金力。そして果南さんの行動力は、かつてないほどに最高の連携を見せました。

 

雌達から解放されて一息つく彼に近づいて、誘います。万が一にも他人に聞かれないように、警戒もしながら。

 

 

「ねえ、ちょっといい? 次の週末、私の家で久々にパーティやるの。表向きはダンス会だけど、私達にとってはまた4人で仲直りできた記念よ。良かったら来てみない?」

 

「最低限のドレスコードがある程度には、本格的なパーティとのことです。人数制限が厳しいらしく、せっかくならこの4人でと思いまして。Aqoursの他のメンバーにはヒミツですけど……いかがですか?」

 

「いいよね、船の上でパーティってやってみたかったんだ。未成年の私たちにはお酒もないし、ワルツだって踊ったことないけど……だからこそ私達のパートナー、お願いしてもいいかな?」

 

 

苛烈な愛情と奸計とを隠した私達の誘いを、彼は快諾しました。

 

普通の家で育った彼は、ダンスなんてしたことはないでしょうし、スーツもほとんど来たことのないのでしょうが……こういったときは燕尾服になるのでしょうか?

 

衣装代は鞠莉三界時でも出すでしょうけど……ともかく、大切な幼馴染がこうも誘ってくれているのを、無下にできる性格ではありません。

 

……そういうところが、余計に私達を虜にしてしまっているのですけれど、ね?

 

 

 

〜松浦果南〜

 

「……あら? 見惚れちゃってたならそう言えばいいのに。今更遠慮してるの?可愛いんだから〜♡」

 

「いいんですのよ、ずっと見つめていても? そう、貴方さえ良ければ永遠にでも……」

 

「私たちの仲だもんね。気兼ねなんてしなくていいんだよ!それとも……私たちっていうより、私たちのドレスの下の方が見たい?」

 

ロマンティックな風景と、綺麗なドレス……あと、そこから出てる私たちの肌に、彼の隠しきれない視線を感じて、つい3人でからかっちゃった。

 

船の上でのパーティは、今一番盛り上がる時間。私達は偉い人たちの挨拶なんて退屈だからって、こうして抜け出して風景を眺めていた。

 

私たちはスクールアイドルしてるから、まだワルツも対応出来たけど、彼はなかなか時間かかっちゃったね。まぁ、それはそれで可愛い姿が見られたからいいんだけどね♪

 

 

……嗤った連中の名前は、鞠莉に頼んで控えてあるけど。

 

 

「思い出すよね~!昔こうやってよく、4人で遊んだの……。あの頃は、とにかく鞠莉を連れ出すのがスタートだったよねえ」

 

「抜け出すたびに、スパイ映画みたいだなんてドキドキしてたからね。お姫様みたいに手を引いて連れてかれたこともあったわよね〜♪」

 

「今は私たち3人とも、そのお姫様ですわよ? 心の方も、今もドキドキしているのではありませんか……? ふふっ、口ではそう言ってみても、身体は正直。心臓は跳ねてらっしゃるようですわね」

 

鞠莉が昔のことでからかうと、恥ずかしさで彼の顔が赤くなっていくのがわかる。ダイヤが近づいて胸の上に手を置くと、もっと赤くなって慌て始める。ああもう、かわいいなぁ……♡

 

目論見通り、彼はこの船の上の現実離れした光景とムードと……私達の姿に興奮を隠せないみたい。季節が季節とはいえ、鞠莉は薄い素材で作ってくれたから、こうして感触がダイレクトに伝わるし♪

 

こんなに間近だと、2年ぶりに見る私達の肌とスタイルは、かなり目の毒だよね〜……? 最近はスクールアイドルを身近に見てても、だからこそ意識し始めちゃってる、っていうのもある?

 

これでも筋肉とか、スタイルには自信あるんだよ。こういうことも出来るようになったんだから、成長するのもいいもんだよね。

 

ワルツの間も隙を見て、偶然やミスを装って何度も抱きついちゃった。昔までのハグとは、違う感触だっただろうね?

 

 

「でも、昔に比べたら、ずいぶん派手になったね。オーケストラまで呼んでるなんて驚いたよ」

 

「見た目とは裏腹に、中身はすっかりお嬢様からはかけ離れた気はしますね」

 

「みんな、大人になってきたってことよ♪ ……そう、私たち3人とも、アナタとも結婚できるくらいに、ね……♡」

 

向かって右側のダイヤを避けて、今度は左から鞠莉がボディタッチ。その手は彼の肩と腰に回されてる。それは言うまでもなく、『逃がさない』っていう無言のメッセージ。

 

彼は興奮だけじゃなく、恐怖も感じてると思う。逃げ場のない船の上で。私たちを振り解こうとしても、できない。

 

逆に、私達は薄着なまま抱きつくことに、躊躇いや恥じらいはなかった。むしろ猛禽類とかライオンとかの肉食獣みたいに、隙を見せれば食べ尽くそうしてたと思う。

 

……ううん、今もしてるかな?

 

牙を突き立てて、全部自分のものにしちゃいたいんだ。貪り尽くして、味わい尽くして、今度は自分がそうしてもらいたい……真っ黒な欲望、だよね。

 

子供の頃から、何度もハグしたよね? 山にも登ったし、海にも潜った。一緒に運動して勉強して、スクールアイドルもやって……4人いれば無敵だと思ってた。

 

でも、そうして勝手に想ってたことは、伝わらなかった。私と鞠莉とダイヤがすれ違ったのと同じように、バラバラになっちゃった。その時に感じたよ。私って、貴方と離れたら生きていけないんだ……って。

 

それはきっと、2人も同じ……。なら、どうすればいいのか、結論はもう出てるよね?

 

「貴方も、随分大きくなったよね。千歌から聞いたよ? この2年間結構鍛えてたんだよね。ふふ、筋肉もついてこんなに硬くなって……♪」

 

ダイヤと鞠莉が左右から挟み込んでいるから、自然と私は正面から彼の身体をまさぐる形になる。無限に触っていられるけど、流石にくすぐったそうだから、ほどほどにして今度は手を握ってあげる。

 

彼の手を傷つけないよう優しく握りながらも、絶対に離れないよう万力で締め上げるよう力を込めてしまう。愛しい人の手のひら、骨、汗の感触……どこだって、いつまでだって触れていたい。逃がさないっていう気持ちは、私も同じ。

 

……二人とは今もくっついてるんだから、『本番』の前に、このくらいいいでしょ?

 

 

「ねぇ、寒くなってきちゃったし、中で話さない? いい部屋があるんだって鞠莉が言ってたよね……♡」

 

 

ここで彼が恐怖で怯えてれば、まだ逃げられたかもね。まぁ、逃がさないんだけど。

 

なにせ、そのために船を選んだんだもんね。鞠莉……?

 

 

 

〜小原鞠莉〜

 

あれから少し時間が経って……彼はこの船の一室で眠っている。当然、それを見守るのは幼馴染であり彼女であって、妻としての将来を約束された関係にある私達3人。他に邪魔をする人間はいない。

 

初めからこの時間帯に眠っちゃうように、遅効性の薬物を用意してもらってたの。効果はバツグンね♪

 

 

「さて。ここまでは上手くいきましたが、あまり時間はありませんね。色々と準備しませんと……」

 

「私たちのドレスは破いておいて、彼の服は……まぁ、いい機会だし全部脱がせちゃおっか♪」

 

っと、私もあんまり浸ってる場合じゃないわね。スイッチ入っちゃうとこの2人、私より大胆だから、負けないようにしなきゃ。

 

自分のドレスに手をかけながら、眠り続ける彼の顔を見つめる。……会えなかった2年間の間に、すっごく大人っぽくなったわよね。

 

仲直りして、Aqoursに私たちが合流して以来。私たちのアタックに、少なからず彼も驚いたんじゃないかとは思う。

 

それでもこの部屋までついてきてくれたのって、健全な男子高校生という以上に、私たちを……幼馴染のことを好きだってことよね?

 

長年の信頼と芽生えかけている愛情は、その手を振り払えない……なんて、花丸の読んでる小説みたいだけど。いざ自分のこととなると、とってもいい響きだわ。恋愛小説……活字は好みではないけど、一度くらいは頑張って読んでみようかしら?

 

 

「ベッドと服をもっとグチャグチャにして……靴も脱いでおいた方がいいよね。少し蹴ったようにしておいた方がリアリティが出るかな?」

 

「うーん、微妙なlineよね。お酒の勢いってだけで、合意かそうでないかは濁してる『予定』だし。あ、カーテンは閉めておくわね」

 

「偽物の血液と妊娠検査薬は用意してありますし、あとはタイミングと説明の仕方ですわね。それは私に任せていただけませんこと?」

 

 

ここまで言えば、読んでくれてるみんなにはわかるわよね?そう、私たちは今日、彼に消えない愛の証をもらうことにしたの♪

 

……何よ、ちゃんと同意の上よ。

 

そうでなきゃ、また私たちを仲直りさせようなんてしないわ。そのはずよね?

 

私たちのこと好きだから、あの時もわざと悪者を買って出たのよね?この町が大好きだから戻ってきてくれたのよね!?

 

これは同意よ。そうよね!?

 

まさか私たちを愛さないなんてあるわけ、ないわよね……!?

 

……まぁ、慌てることはないわね。プリンセスどころか、悪い魔女みたいに笑いながら言うことじゃないかもしれないけど。今日の作戦さえ上手くいってしまえば、私たち4人にはこれからまだまだ、沢山の時間があるのだから。ママにも邪魔なんてさせない。

 

……彼は、ショックを受けるでしょうね。実質的には同意の上だとしても、世間的には酔って私たちを——したことになるのだから。

 

だけど、あんなに喧嘩した私たちが、また仲直りできたように……愛さえあればきっと成功するって信じてるわ。そう、私は必ず取り戻してみせるの。果南と、ダイヤと、貴方との輝く未来を……

 

 

「部屋はこんなものでいいでしょう。では、兼ねてからの『順番通り』に行きましょうか。ああっ、この日をどれだけ待ったか……♡」

 

「はぁ……♡ 昔から見てた身体だけど、2年間も我慢した分、いざとなると興奮しちゃうよね……♪」

 

「もう、果南ったら鼻息荒いわよ?でもまぁ、私も同じ気持ちだけどね……♡」

 

 

眠り続ける彼に、3人で重なっていく。千歌っち達には彼のこと気になってるところ悪いけど……ごめんね?これでこの物語はフィナーレ、ハッピーエンドなの♪

 

ダイヤも果南もまるで飢えた猛獣みたいに競ってガッついてるけど、私も負けてられないわね♪

 

 

「私達の全部アナタにあげるから……アナタの全部を、私達に頂戴?」

 

 

 

この後……貴方は3人のうち、誰かを選んでしまうのかしら?それとも、逃げ出しちゃう?誰も選ばずに……

 

……そんな選択の余地なんてないくらい、溺れさせてあげるけどね♡

 

 

 




この3人に囲われたら基本、逃げられる気がしません。6話構成にしようとしてましたが、病んでるのがラストだけなので、もうそこだけサクッと抜いて1話にまとめました。

ドロドロの奪い合いもいいですが、誰も不幸にならないほのぼの(当社比)ヤンデレもやはりいいですね。

μ's、Aqours、長編外伝等、結構短編ネタは温めてるんですよ。リクエストも消化しないと…
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