ラブライブ!〜ヤンデレファンミーティング〜   作:べーた

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センター投票は無論、花丸ちゃんと高槻かなこさん。劇場版でオーブリングを使う花丸ちゃんを期待してた愛(ヤンデレ)と善意(ハッピーエンド)の伝道師、べーたです。広島ファンミ参加記念というわけで、花丸回。

更新予定のルビィ個人回とちょっと繋がってるかも。勿論、この回単体でも問題ありません。


貴方の隣にいる未来【国木田花丸】

「あれ?君、どこかで会ったことあるずら……?」

 

本当になんでもない、本屋さんでの出会いのはずだった。

 

マルが落としちゃった本を拾ってくれた彼のことを、どこかで見たような気がした。

 

ちょっとした既視感。どこにでもある、ちょっとしたすれ違い……でも、その再会は1度では終わらなかったの。

 

「ライブ見に来てくれてありがとう!……って、キミもしかして、この前本屋さんで……?」

 

彼も友達に誘われて来てみただけだったらしいんだけど、ライブを見てスクールアイドルに、Aqoursに、オラに興味を持ってくれたらしい。

 

Aqoursはそのころ、まだ始まったばかりで、推してくれる人に直接言葉をかけてもらえるなんて初めてだった。だから恥ずかしくってつい、『オラのことよりみんなを応援してあげてほしい』って言っちゃったんだけど、それが逆に彼に火をつけちゃったのかな……?

 

あの人優しいから。むしろライブのたびに応援に来てくれるようになって、時々黄色くて大きな丸をブレードで描いてくれたのもうれしかった。だんだんと本屋さんや図書館で会うことが増えた。名前も聞いたし、メールや携帯電話の使い方も教えてもらって、少しづつ距離は近づいて行った。

 

彼の本に集中してる時の横顔が好き。何気なく話しているときの表情が好き。ライブで一生懸命応援してくれる姿も好き。約束に遅れて申し訳なさそうにしてる時も、謝られる前に許してあげたくなっちゃう。オラはその時、本の世界みたいな初恋、してたんだ……♪

 

初めての恋。好きな人のことを考えると、モヤモヤしたりドキドキする。大変なのに、心地良い不思議な感覚。

 

……きっと、この出会いは必然だったんだと思う。

 

本当は私たちは善子ちゃんと同じ幼稚園に通っていて、その時よく遊んだ関係だったの。後で聞いたら、おばあちゃんは彼を覚えてたみたい。古いアルバムを見返してて、偶然気づいたことだったけど、この時私は狂喜乱舞した。

 

運命だったんだね、オラ達!『将来はマルちゃんと結婚する!』『オラもだ~いすきずらぁ♡』ってよく両親を困らせてたのは覚えてるけど、まさかあの彼がそうだったなんて!

 

すっかり大人になってたから、本屋さんの時は全然気づかなかったけど……これって、もう運命だよね?本の世界みたいに、素敵に結ばれるんだよね。オラ達♡

 

 

——————……そのはず、だったのに。

 

ある日突然、気になることを見つけちゃった。

 

それは、ちらっと見えた鞄の中のキーホルダーに、善子ちゃんの……リトルデーモングッズがあったこと。

 

他の皆のグッズだってたくさん持ってるところを見た。ライブ中だって、ブレードはずっと黄色だったわけじゃない。……でも、なぜかそれが気になって頭から離れなかった。

 

今思うと、自分でもその時から薄々気づいてたのかも。

 

『善子ちゃんと同じ幼稚園に通ってた』ことの意味に……。

 

 

 

それからは、色々嫌なことが目に入ってきた。

 

……彼、なんだかオラの色以外は、善子ちゃんの白にしてることが多い。

 

善子ちゃんのソロの時、なんだか私に見せてくれない笑顔をしてる気がする。

 

そして、善子ちゃんも最近なんだかライブ後に姿を消すことが多い。

 

人の事は言えないけど、『練習がお休みの日のつきあいが少なくなった』ってみんな言ってる。

 

犬の時のこととかあったから、梨子ちゃんはあまり気にしてないみたいだったけど。私にはずっと、何かを隠してるようにも見えてきて……。

 

 

ついに小さなイベントの後に、見ちゃったずら。

 

彼と、善子ちゃんが二人きりで仲良くしてるところを……!!

 

 

彼と善子ちゃんが急接近してるってわかった時、マルの胸の中は、今までに感じたことのないざわざわに襲われてた。何を話しているか気になって、物陰で聞いてたんだけど……。

 

 

……話を聞き進めていると、いつのまにか拳を握って、歯を食いしばってた。

 

あの日ライブに来てくれた時、彼を誘った『友達』っていうのは、実は善子ちゃんだったらしい。

 

最初はネットで些細なことで知り合って、だんだん仲良くなって……。ライブの度にこうして陰で何度か会ってたらしい。そんなに、そんなに近くにいたなんて……!

 

「クックック……上級リトルデーモン第0号である貴方の応援があったから、今日のライブも大成功だったわね!」

 

「幼馴染だから第0号なのか……? 喜んでいいのかなあ、これ」

 

「喜びなさいよ!?第0号よ!上級なのよ!?将来を約束された関係なのよ!?ゼロって言えばちょっと嫌な思い出もあるけど、カッコいいナンバーでしょ!?」

 

——————……下の名前で、呼んでるんだ。

 

幼馴染だっていうことも全部、わかったうえで。

 

でもそうだとしたら、善子ちゃんは彼がオラとも幼馴染だということに気づいてるはず。

 

なんで、オラには紹介してくれなかったの?彼を誘うくらいなのに、私には内緒にしてたのはなんで?

 

いや、そんな事は今はいいずら。『将来を約束』って……どういうこと!?

 

 

 

……その答えは、すぐにわかった。それも、最悪の形で。

 

「約束って……前も話してたヤツか?うーん……俺、善子にそんなこと言ったかなぁ?」

 

「だからヨハネ!……何度も言ってるでしょう?私と貴方は『永遠の愛の契約を結びあった関係』なのだと……?」

 

「また堕天使モードに入ってしまった……。『幼稚園の頃の結婚の約束』かぁ。確かに誰かに言った気もするけど……」

 

 

——————————それだけは、やめてよ。

 

マルとあの人とのたった一つの大切なつながりなんだよ?

 

それがあったから、どこかで覚えていてくれたから、きっとオラと彼は惹かれてまた会えたんだと思う。

 

善子ちゃんが本気で勘違いしてるのかわからない。

 

わざと嘘をついているのかもしれない。

 

もしかしたら浮気性の彼が、当時仲の良い女の子にはみんな言っていたことなのかもしれない。

 

話を聞いただけの人だったら、多分ほとんどの人はどれなのかわからないと思う。……でも、この場に居合わせたマルは見ちゃったの。

 

 

オラと善子ちゃんは目が合っちゃったのに、一瞬だけ気まずそうな顔をして、彼の腕を引いて行っちゃったのを。

 

 

この瞬間、オラの中で何かが切れる音がしたのが聞こえた。

 

善子ちゃんがオラに紹介しなかった理由……彼のことが好きだから、他のメンバーに近づいてほしくなかったんだよね?だから、わざとだよね……?

 

だって今も、恋する乙女の顔してたもん。マルと同じ、大好きで大好きで、離したくなくて、傍にいてほしくて……誰にも渡したくないっていう目を。

 

そっかぁ、そうだったんだ。善子ちゃん、オラからあの人を奪おうとしてるんだ。盗られちゃう、彼が。誰に?善子ちゃんに……。

 

だとしたら三角関係?

 

もしそうなら、さしずめオラは恋愛小説の中の、失恋するヒロインの立場ってことだよね……。

 

無力さに涙が自然と溢れてきて、膝を濡らしていく。

 

……そんなの、受け入れられないよ。

 

その約束はマル達だけのもの……まるで運命なんだよ?

 

昔の言葉を思い出して、2人は誰にも邪魔されず結ばれるはずだったんだよ?

 

みんなに祝福されて、幸せになって……

 

だって証拠に、よく覚えてないはずの彼も、違和感を感じてたんだから……。

 

このままじゃ、オラじゃきっと善子ちゃんには勝てない。ネット配信とかしてもあんなに可愛くできないし、そもそも使えないよ。出来たとしても、オラとかマルとかずらとか言っちゃうし。体力もないし本ばっかり読んでるし。彼もオラなんかより……善子ちゃんを選んじゃうと思う。

 

じゃあ、どうしたら。どうしたらいいの……?

 

明日からも練習あるのに。彼に見てもらえる次のライブも近いのに。そんなの……!

 

「花丸ちゃん、なんでそんなに泣いてるの? どこか痛いの……?」

 

……!?

 

「ルビィちゃん?なんでまだ残って……?」

 

突然後ろから声をかけられて驚いたけど、確かにライブが終わった後の控え室のドアは少し開いたままで泣いちゃってた。これならルビィちゃんにも聞こえてしまったと思う。

 

「花丸ちゃんの様子がなんだか変だったし、駅にもいなかったから……ねぇ、何があったの? ルビィには相談できないことなのかな……」

 

オラがあんまり泣いてたから、ルビィちゃんも恐る恐るという様子で尋ねてきた。……でも、ルビィちゃんなら。ルビィちゃんなら安心して相談できるかもしれないって思って、藁にもすがる思いで何もかも話した。

 

「ふ〜ん……そうだったんだ。善子ちゃんがそんなこと……」

 

「うん。マル、どうしたらいいのかわからなくなっちゃって。彼のこと、諦められないけど……このままじゃ……!」

 

善子ちゃんのことが憎くて憎くて仕方なくなっちゃいそう。

 

大切な友達なのに。憎んじゃダメなのに……

 

 

「奪い返しちゃえばいいんだよ」

 

 

—————……えっ?

 

ルビィちゃん、今なんて……?

 

「まだ善子ちゃんのものになったわけじゃないんでしょ?だから略奪愛っていうのはちょっと違うかもしれないけど。『本当のこと』を知ってもらえれば、きっとその人も花丸ちゃんのこと好きになってくれるよ♪」

 

そう語るルビィちゃんは、善子ちゃんが憎いというわけではないみたい。でも、すごく上機嫌で、口元には笑みが浮かんでて……言っている内容に対して明らかに変だよ?

 

「他の人なんて関係ない……愛した人を自分だけのものにできるなんて、これ以上に素敵なことなんてあるかなぁ……?花丸ちゃんも、恋愛小説とか読んでてそう思うことない?自分だけが相手の人を愛して、自分だけが相手の人に愛されるって……♡」

 

おかしい。変なのに。

 

……ルビィちゃんから目が離せない。彼女の言うことが、頭に残って離れないよ。

 

心の中の私が、『それは正しいことだ』って言ってる気がしてくる。昂ぶってるのに、落ち着いていく感覚。

 

「……ふふ、その目。花丸ちゃんも分かってくれて嬉しいなぁ♡ 私もお姉ちゃんやみんなには内緒で、好きな人がいるんだけど……花丸ちゃんにだけは分かって欲しかったんだ。千歌ちゃんとかもその気があるけど……『仲間』が出来ると心強いもんね♪」

 

———————そうだよ。それが正しいんだよ。

 

彼はオラのものなのに……おかしいのは現実の方だよね。

 

 

「……ありがとうルビィちゃん。なんだか分かってきた気がするずら。どうすればいいのか。オラがどうしたいのか……!!」

 

「うんうん、許せないよね?大好きな人が自分以外の女の子と恋愛だなんて。例えそれがAqoursのみんなでも……」

 

こんなに簡単なことだったんだね?ルビィちゃん、ありがとう♪

 

そうだよね。あんな約束したんだもん。小説なら、愛の力でハッピーエンドになるはずずら♡うふふふふ、悩んでたのがバカみたいずら。

 

待っててね、すぐに善子ちゃんから助け出してあげるから……

 

 

「大丈夫だよ、私に考えがあるんだぁ……♪」

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

「善子ちゃん!昨日一緒にいた人……幼稚園の時の幼馴染の彼だよね!?」

 

「ッ!? ……な、何のこと?昨日はイベントの後すぐに解散して帰ったでしょ?」

 

このわかりやすい反応……やっぱり、見間違いなんかじゃなかった。善子ちゃんは確かに、彼と会ってたんだ。目があっても逃げたんだから、今更言い訳はできないよ。

 

「オラも気づいたの。よくライブに応援に来てくれて、本が好きで、時々お話しして……あの人なんだって。なんで、オラには言ってくれなかったずら……!?」

 

「か、確信がなかったのよ。それにスクールアイドルに男の影があったら、あまり良くないじゃない。恥ずかしかったし迷惑かけたくなかったし、だからみんなにもヒミツにしてただけで……」

 

「嘘はやめてほしいずら。……結婚の約束のことも」

 

それを言った瞬間、善子ちゃんも目の色が変わった。……白々しいよ。ずっと怒ってないフリするのも疲れるけど、今はまだ『その時』じゃない。じっと堪えるずら。じっと……

 

「私たちの永遠の契約が嘘……って、な、何が言いたいのよズラ丸!」

 

「言った通りの意味だよ。その約束をしたの……マルとだよ?マルとあの人との間の約束なの、本当は気づいてるんでしょ?」

 

「そうだったらなんだって言うの!?私だって……私だってあいつのこと好きだった!幼稚園の頃からずっとよ!不幸な私がやっと掴める幸せなのよ!?」

 

オラの言葉に追い詰められて、明らかに狼狽えていた善子ちゃんだったけど、ついに開き直り始めた。

 

……やっぱり、そうだったんだね。

 

思いっきり冷たい目で見るよ、もう幼馴染だなんて思わないから……

 

「そんなの決まってるずら。オラはあの人と結ばれたい。ずっと好きだったのはオラの方だよ!それなのに……善子ちゃん、お願い。あの人を……あの人との約束を、盗らないで?」

 

……許さないよ、善子ちゃん。

 

今更悲しいフリなんてやめるずら。オラ達の約束を泥棒しようとしたのに。オラからあの人を、奪おうとしたのに……!!

 

「……ッ! そんなの、そんなの……誰と約束したかも覚えてないアイツに言いなさいよ! アンタとの、『仲が良かっただれか』との思い出を聞かされる私の身にも……!!」

 

善子ちゃん?やっぱり善子ちゃんは善い子ずら。

 

恋は戦争、なんだよ?

 

善子ちゃんには無理ずら。勝つのはオラ。

 

 

 

 

それにしても、まさかこんなにも上手くいくなんて、ね……♡

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

「大丈夫、大丈夫だよ。マルは、貴方だけのマルだから……♡」

 

「ね?……だから、貴方もマルだけのモノになって欲しいな?」

 

「うん。ありがとう……お や す み な さ い ♡」

 

彼は本当に安心しきった表情で、私の胸の中で眠っている。これからは毎日、すぐ隣。二人で笑いあえる日々が来るんだ……♪

 

今日はお休みの日だけど、オラは練習があるからそっとお布団から出て学校に行く。二度寝はあんまり良くないけど、寝顔を見られるなら悪くないよね。

 

「ルビィちゃん、おはよう!」

 

「あっ、花丸ちゃん!おはよう。今日はなんだか元気だね?」

 

「朝からいいことがあったずら♪ ……善子ちゃんもおはよ」

 

「! ……お、おはよう。あとヨハネ。」

 

元気に返事をしてくれるルビィちゃんと違って、善子ちゃんはあの日以降、オラに接するのが複雑な気持ちみたい。

 

……あの日の会話。それはルビィちゃんが録音しておいてくれた。

 

後はルビィちゃんが『2人と仲の良い第三者』として彼に接触して、『花丸ちゃんが善子ちゃんのせいで悲しんでる』と伝えるだけ。

 

オマケとして、善子ちゃんが『彼氏』にしようとしていたあんなことやこんなことも、有る事無い事伝えてくれたみたい♪ほんと、持つべきは友達。やっぱり恋愛小説はハッピーエンド、だよね?今度ルビィちゃんがその男の子のことで困ってたら、オラが助けてあげるずら。

 

「さぁ、今日も最高のライブに向けて練習頑張るずら!」

 

「よ〜し、がんばルビィ!ほら、善子ちゃんも」

 

「う、うん……。なんくる、ないさー……」

 

善子ちゃんには、彼は距離を取ることを伝えられたみたい。彼も優しいから、全面的に付き合いを断つとかはしなかったんだと思う。

 

大事なのは、ここにオラが関わったことなんて何一つ知られてないこと。録音したのも伝えたのもルビィちゃん。善子ちゃんはオラが彼と沢山会ってたことは知らないし、今付き合ってることも知らない。彼は彼で、あの会話を聞かされた以上善子ちゃんにその事を話すのは、オラに危害が加わる可能性さえあると知ってるはず。

 

だから善子ちゃんも、フられたほどじゃないけど、失恋のショックで最近は落ち込んでる。ごめんね?でも悪いの善子ちゃんだから……うふふ、もう誰にもオラ達を引き裂けないずら……♡

 

目を閉じれば、あの人との将来が沢山想像できた。幸せな毎日が続いて行くのが。あなたの隣に居られる。幼稚園の頃と変わらずに、これからもずっと。

 

 

 

 

これこそまさに、オラが望んだ未来ずら……♡

 

 

 

 

 




逆襲の善子は(構想だけ)あります。

なぜ私が描くとダークルビィちゃんになるのでしょうか。でも一番愛情に関して内心がドロドロしてるのルビィちゃんだと…こう、興奮しますね。ダークなヤンデルビィちゃん……。

皆さんの感想等が新たにヤンデレを生む原動力なので、たまには感想などいただけると嬉しいです(小声)
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