アリスが宴会に参加してから、3時間ほど経過していた。
酒の弱いものは酔いつぶれ、酒の強いものでも顔が赤くなっている。
自陣では早苗が仰向けになり、スウスウと寝息を立てていた。
この悩みのなさそうな寝顔は憎たらしくもあり、同時に羨ましくもある。
私もこいつみたいな性格だったら、、、アリスはまた一つ、ため息をついた。
そろそろ宴会も終わりに近づきかけた頃、異変の黒幕、摩多羅隠岐奈のグループのほうで何やら騒いでいる。
どうやら隠岐奈の部下である二人、
みなが見える境内の踊りが踊れるほどのスペースのある場所で、幽霊楽団の演奏をバックに二人は踊り始めた。
彼女らの踊りは奇妙なものだった。
舞が左足、里乃が右足の膝を曲げて足を上げ、それに合わせて両手を縮こませ、足をおろしたときに両手を広げる。ひたすらそれを繰り返していた。
単調でつまらないダンスだ。いや、そもそもこれはダンスと呼べる代物なのかそれすらも怪しい。
しかし、アリス以外のものはなぜかその踊りを持て囃し、喝采を浴びせている。
一体何がそんなに良いのだろう。
その踊りを見ているうちにアリスは気分が悪くなってきた。
酒のせいか、或いは幽霊楽団の不気味な音楽の所為か。
彼女らが奏でる音には精神に影響を及ぼす。
しかし、それは人間など精神力が弱く、耐性のないものに限った話である。
通常時のアリスならば幽霊劇団の演奏で気を狂わされるなどということはありえないのだが、今のアリスは酔っており、そして何より精神的に疲弊していた。
気持ち悪い、、、吐き気がする、、、アリスはその場に仰向けに寝転がった。
「おい、アリス大丈夫か?」気がつくと魔理沙が目の前でアリスの右肩を揺らしている。どうやら眠ってしまっていたらしい。
宴会は終わったらしい。摩多羅隠岐奈一行や幽霊楽団などのグループはすでに帰ったのか、神社に残っているのはアリスたちのグループだけであった。
「・・・気持ち悪い。吐きそう・・・」
「水飲めるか?」
アリスは魔理沙から水の入ったコップを受け取り、一口二口と水を飲んだ。
「アリスさん、吐きたくなったらこれに吐いてくださいね。」
早苗が、バケツのようなものを渡してきた。
「あ、ありがとう。」
アリスは素直にそれを受け取る。
青黒いバケツの底を見つめていると、吐気が強くなってきた。
だめだ、もう、我慢できない。
アリスは、嘔吐した。