魂のないフォークダンス   作:結晶粒界

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魔術の描写にリアリティを出すのは難しいですね。


第六話 舞踏

 十時過ぎ、魔理沙が訪ねてきた。

 

「ようアリス。今日はよろしく頼むぜ。」魔理沙は玄関で靴を脱ぎ、帽子を玄関横の棚の上に置いた。

 

「先に言っとくけど、一朝一夕で人形操作魔法をマスターできると思わないでね。」

 

「わかってるって。簡単なところからでいいから教えてくれ。」魔理沙は馴れ馴れしくアリスの肩を叩いた。

 

アリスは肩を叩かれた瞬間、内心(おのの)いたがそれを魔理沙に悟られないよう平静を装った。

 

 人形操作魔法の勉強会はアリスの家の地下室で行われた。

 

地下室は昼間であるにもかかわらず薄暗い。

 

湿度が高いのか、椅子などの家具は湿っており、カビ特有の生臭い匂いが部屋中に漂っている。

 

まずアリスは簡易な人形を作ることから教えた。

 

簡易な人形とは泥人形のことである。

 

泥の中に人間の髪の毛、哺乳類の血、昆虫の脳を入れ、人型になるようこねくり回す。

 

それに魔術の書かれた札を背中に貼ると人形は魔術の札にかかれている言葉の通りに動き出すという代物だ。

 

これはまさに人形操作術の初歩であり、難しい手順はなにもない。

 

事実、魔理沙は苦もなく泥人形を作り上げ、作業台の上で泥人形は指示通りに踊りだした。

 

その後は人形操作術の原理などの座学を講義し、それは正午過ぎまで行われた。

 

「魔理沙、少し休憩する?もう13時よ。」

 

「え、もうそんな時間なのか!すまないアリス、今日はこれから別の予定があるから帰らせてもらうぜ。」

「今日はありがとなー。」

 

そういうなり魔理沙は地下室の扉を開け、階段を駆け上がっていった。

 

アリスは一人になった途端、急激に孤独がこみ上げてくるのを感じる。

 

勝手なやつだ。

以前から思っていたが、やはり魔理沙は私のことを道具としてしか見ていない。

魔理沙に対する疑念が確信に変わった。

 

そしてアリスはあることを決心する。

 

静寂に包まれた地下室の中、作業台の上で一人踊っている泥人形を、アリスは暫くの間眺めていた。

 

 

 

 午後、アリスは人形作りの作業に没頭していた。

当初は女型の人形を作る予定であったが、大幅にデザイン変更し、男の子の人形を作ることにした。

 

作業は翌日の昼過ぎまで行われた。

 

その間、アリスは飲まず食わず、一睡もしなかった。

 

そもそも、魔法使いであるアリスにそのような行為は必要がない。

 

そしてついに、人形が完成した。

 

それは少年の人形だった。

 

髪の色は黒で短髪、目は細めであるが全体的に整った顔立ちをしている。

 

服装は人里の子どもたちが着ているような和服を着ている。

手芸屋の店主の孫が着ていたような服装だ。

 

人形を作り終えるとアリスは休憩もせずにA4用紙ほどの紙束を机の引き出しから取り出し、人形劇の新作の原稿を書き始めた。

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